閣議後記者会見

H15.09.12(金)10:23~10:48 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議におきましては、文部科学大臣から日本体育・学校健康センター平成14年度スポーツ振興投票に係る収益の使途に関する報告書の発言がございました。細田科学技術政策担当大臣の米国訪問につきまして細田大臣から報告がございました。閣議といたしましては以上でございます。

閣議後懇談会について

大臣:
懇談会の席で、森山法務大臣としてではなくて、外務大臣代理としての発言でございますが、田中審議官のお宅に危険なものが仕掛けられたということについて、北朝鮮問題は政府一体として取り組んでいるものであり、個人がやっていることではないということと、そして東京都知事の発言は誠に遺憾であるという趣旨の発言がございました。ちょっとメモしなかったものですから、そういう趣旨であったというふうに思っております。それから谷垣大臣からも関連いたしまして田中審議官、野中議員に危険なものが送り込まれたり、そういうことが続いて、これは厳格に、ひとつ厳しく対処しなければならないというので今取り組んでいるという報告がありました。東京都知事の発言は遺憾であったと、こういう発言がありました。それで終わったところでございます。

質疑

記者:
今日付けで公表された政治資金収支報告書ですが、大臣の支部長を務める公明党の支部が昨年末、日本精神科病院協会政治連盟からパーティ券代金として10万円の献金を受けた旨の記載がありますけれども、これはどういう趣旨で受けられたものか、それから事務所によると、この10万円は今月9日に返したということですが、受け取ってから返却まで9ヶ月もかかっているのはこれはなぜかということ、それを伺いたいのですが。
大臣:
去年の暮れでございましたか、どちらかと言えば勤務をしておみえになります大学、その他の病院の医師達が一遍厚生労働大臣を励まそうじゃないかと、せっかく一生懸命医療問題に取り組んでいるのに、医師会から目の敵にされて大変可哀想だというようなことでパーティーをやってくれました。ずいぶんたくさんの方においでいただいて、私大の先生までたくさん来ていただいて、大変光栄に思った次第でございますが、その中に含まれていたのだろうと思います。多くの人が手分けをして、それぞれの知っている人に話しかけてくれたものですから、どこからどれだけということはなかなか私個人には分かりにくい面がございましたが、お調べいただいてそういうことだということでございますので、国会におきましても私は受けないというふうに答弁をいたしておりますし、法案とは全然関係ないというふうに思っておりますけれども、しかしそこは正すべきところは正さないといけない、分かった以上それは返却をするということで返したところでございます。
記者:
昨日の総裁選の討論会で小泉さんが年金財源について改めて3年間は、在任中は引き上げないと、消費税は引き上げないということで言っておられるのですけれども、年金国庫負担の大臣試案でも国庫負担の2分の1引き上げは前提になっているのですが、その中で年金財源の論議が進まないことについてどのような感想を持っておりますか。
大臣:
進まないかどうか、これからだというふうに思っております。今日の皆さん方の各紙に財務省の考え方がかなり出ておりますし、そうした中で年金に対する議論がかなり進んできたなというふうには思ってます。私は試案を発表させていただきましたのも、この年金に対する議論が早く進むことを前提にして、一石を投じさせていただいたということでございますので、そういう趣旨からいたしいますと、かなり進んできたなという感じはいたしております。それで2分の1に引き上げるためには、これはもう財源が必要なことはそれは財務省がおっしゃるまでもなく私もそう思っているわけでございまして、それは財源をどこに求めるかということだろうというふうに思います。その財源につきましては、税制改革全体の中でそれは考えていくものだというふうに思います。税制改革につきましては、現状を踏まえながら将来も展望してどういう手順で、何を優先して改革をして、どうしていくということの具体的なことを決めていただかなければならないのだろうというふうに思います。それを決めていただきます中に、この年金に対する財源というものも踏まえてお決めをいただくということが大事だというふうに私は思っております。ですから、それを出す財源として、こういう税制の中からでなければならないというふうに決めてしまいますと、なかなか進みにくいということがございますので、総合的に税制改革を進める中で、まず年金のところにその中でどう出していくかということを決めていただくということがあれば私は進むのだろうというふうに思ってます。私の党の公明党が言っておりますように、これはいわゆる所得税の減税がなされておりますが、ここの見直しを言っております。これも一度にするのではなくて徐々に行うという趣旨だろうというふうに私は受け取っておりますが、そうしたことを一つの財源としていくというのも一つの考え方だというふうに思います。消費税の問題は総理もはっきりおっしゃっておりますし、しかし、はっきりおっしゃっておりますが、将来の問題としては消費税の問題を抜きにして、税制の議論というのはなかなかできないのだろう、将来を展望しながらそこはどのように税制というものを改革をし、構築をしていくのが最も公平なのかということを全体としてかんがえていかれるのだろうというふうに思ってます。その中に一つ年金の財源を含めていただいて、どこからというふうに固定はいたしませんけれども、そこから財源を生み出していただくようにお願いをしたいというのが私の立場でございます。
記者:
それに関連して、総裁選の候補者のうち、小泉首相以外は年金の福祉目的税化というのを言っておられますけれども、それについては大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
それも一つも考え方で、そう言う考え方も過去からずっとあるわけでありますから、そうした考え方も存在するというふうに私も思っております。ですからどの方が総理になられるかによって今後の判断はかなり違ってくるということではないかというふうに思います。
記者:
小泉総理は、年金の給付についても、受給開始年齢を65歳でいいのかという問題ですとか、高額所得の人に対する給付水準をどうあるべきかと、給付水準の見直しにも昨日言及されておられるのですけれども、65歳以上に引き上げの問題ですとか、給付水準のさらなる見直しという点については総理の発言についてどのようにお考えですか。
大臣:
総理は総理のご発言ですから、私詳しくお聞きしているわけではありませんので、あまり具体的に私もお答えはできる立場にありません。しかし、年齢の方は2025年までかけまして65歳に徐々に引き上げていくわけで、これはもう決められた路線を走っているわけでありまして、これはそのようにやっていく以外にないと思っております。この問題は雇用と絡んでくる話でありまして、高齢者雇用との関係で今後どうしていくかということなのだろうというふうに思っております。ですから、65歳にいたしましても、そこまで引き上げられるということになれば、少なくとも65歳までの雇用は確保出来る体制を作らないといけない、そのことにやはり全力をあげなければいけないというふうに思っております。それ以上のことをどうするか、さらに年齢をどうするかということはその先の話でありまして、まずは65歳まで引き上げるということ、そしてそれに対する雇用をどうそれに結びつけていくかということが、まず当面の課題であるというふうに思っております。
記者:
高所得者に対する給付水準は。
大臣:
高所得者の問題につきましては、年金で年金の額を変更するという聞き方もあるのでしょうし、現在のままで、そして税制で補うということもあるのだろうと思いますね。ここは税制との絡みだというふうに思っております。年金の額から言えば、高額所得者でもだいたい25万くらいが上限で、それ以上はあまり増えていかないのですね。だからそんなに高い年金額は存在をしない、ただし、高齢になられても他に多くの収入があると、他の収入と年金と両方あるというような人に対してその年金をどうするかといった問題はそれは私もあるだろうといふうに思います。中にはもう要らないという人もあるかも知れません、返したいというか、もう一々面倒くさいと、だから、もう変更届を出せばそれでいいようにして欲しいとおっしゃる方もかなりあるのです。私も年金局でそうならないかと聞くのですけれども、なかなか難しいものでありまして、なかなかそうもならないと言うのです。年金というのは掛け金をしたら必ず貰うということになっている。掛け金だけして貰わないということを認めると、掛け金をしないという人もまた増えてくると、これでは困るという話でございます。掛け金は必ずするけれども、貰うのはいらないという人はどうかと、こう言っているわけでございます。年金モンロー主義の考え方からいきますと、それもままならずというのが現状でございます。年金はいろいろな話がありましてですね、個人的な話をここで申し上げていいのかどうか分からないのですが、ある方からお手紙をいただいて、84歳ですか、それくらいなお歳の方で、行方不明になられたわけで、ちょっと自転車に乗って買い物に行くと言って、行かれたまま帰られない、どう探しても見つからない、2歳違いくらいの奥さんがいるわけで、お見えにならないから、遺族年金が出ないかと、こういう話。これもなかなか難しい、行方不明になってから7年間は駄目だと、若い人なら7年間待てますけれども、82歳の人に7年間待てと言ったって、それは無理ではないのと、早くもう少し何とかならないかと、こう言っているわけですけれども、これまた民法との関係でなかなか難しいというようなことで。年金というのは、ずいぶんいろいろなことがありますね、だから全体としては原則は原則としながら、少しゆとりを持った制度で、様々なことに対応出来るようにすることも、私は大事ではないかと少し考えておりますけれども、これは無原則になってしまってもいけませんので、無原則にはならないようにしながら、そうした様々な例外的なことも対応が出来るようにどうするかと、そんなこともやっぱり次の年金制度改革の時には、少し考えないといけないのかというふうに思っている次第でございます。ちょっと話がずれてしまいましたけれども。
記者:
大臣、先ほど触れられたのですけれども、財務省案につきまして、議論が深まるのはいいことだというお話だったのですが、案そのものについてのご感想はございますか。
大臣:
案は、まだしっかりしたものはまだ見てないのです。しっかりしたものは見てないのですが、皆さん方が書いていただいているものを、拝見いたしますと、保険料は上限をつけると、これは私の案とそこはそんなに変わらないと思います。しかし、私の案よりももっと抑えると、それで今度は給付の方を、貰う方の額は、それは多かろうと少なかろうと、それはもうあまり言わないと、だから納める方の額を抑えられる額に制限をする、そこだけが強調されているわけで、それで国の方の入れる額も極力抑えるということなのだろうと思うのです。貰う方の額は、少なくても仕方ないよと、こういう感じに聞こえるのですけれども、それはもう少しちょっと拝見しないといけないというふうに思っておりますが、しかし、私は納める方も抑制をして、これ以上は難しいという上限を設けるということは、やむを得ないというふうに思いますが、しかしそれによって今度は給付される年金の額がどれだけかということも考えに入れてやはりいかないと、貰う方は少なくてもそれはやむを得ないよということは、国民に非常に不安を与えるというふうに私は思います。ですからお互いに高齢社会を生き抜いていきますためには、将来どれくらいの年金が必要なのかということについて、お互いによく考えて、そしてその額を維持するためにはどうしたらいいのかということを、やはり考えなければいけないのではないかというふうに私は思います。先般も申し上げましたように、高齢者の消費は大体若い世代の半分です、50パーセントです。ですから、まず50パーセントの線は維持しなければならないというのが、私の考え方でございます。そのために一体どこまで、しかし保険料を皆さん方にお願い出来るのか、20パーセントを上限にするという考え方の中で、50パーセントは維持出来るというのが、我々の考え方でございますが、もう給付のことは言わないと、保険料は上限を設けて少なくするのでいいということは、私はどうかというふうに思いますけどね。考え方はいろいろですけれども、自分たちの両親に対して自分が仕送りをしなくても、年金という制度で十分に生活を出来るようにしてもらって、そして自分たちがまた老後を迎えた時も、それなりの年金、納めた額は十分に戻ってくる額であれば一応良しとして、私は全体で協力するのが年金制度ではないかというふうに思っておりますけれども。
記者:
大臣、年金の話とは全く変わった話になってしまうのですが、今朝の閣議で政令改正が了承されたと思うのですが、いわゆる脱法ドラッグと呼ばれる、麻薬に類する物質で脱法ドラッグと呼ばれる、BZPというものと、TFMPPという物質が新たに麻薬に指定されたのですが、これを麻薬に指定する理由と、去年もマジックマッシュルームというものが、脱法ドラッグだったのですけれども、麻薬に指定されたのですが、今後の厚生労働省の方針は、どういうふうにこういうものについて対処していくのかということをちょっとお伺いしたいのですけれども。
大臣:
これはそういう薬剤が乱用をされて、そして様々な影響が出ると、いわゆるそれに対する症状が出ると、今まではあまり重視されていなかったのだけれども、しかしそういうことが段々と最近になって、行われるようになってきているというようなものについては、やはり麻薬として取り扱うということにしていかざるを得ないということだろうというふうに思います。ですから、薬でも一つの薬の中に決して多量に含まれているわけではないのですけれども、その錠剤を多量に買って、そしてその中から特定の薬を取り出すということもやろうとすれば不可能でないものも、中には存在するといったような場合には、そうした薬につきましても、やはり何らかの注意をしていかなければいけないということだろうというふうに思います。今回の薬の具体的なこと、ちょっとすいません、事前に聞いていたのですけれども、具体的にちょっと申し上げるほど、頭の中で整理されておりませんので、専門家にちょっとお聞きいただきたいのですけれども。今まではそんなに注目されてこなかった、しかしこれからは注意していかないといけないといったものが、いくつか出てきている、その中の一つというふうに私は理解をいたしております。

(了)