閣議後記者会見

H15.07.25(金)9:30~9:45 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、総務大臣から平成15年度の普通交付税大綱につきましての報告があり、もう一つ総務大臣から、消費者物価指数につきましての発言がございました。7月の東京都区部の中旬速報値は、平成12年を100として97.3となり、前月に比べて0.4%の下落、前年同月に比べて0.5%の下落となり、3年11ヶ月連続で前年同月の水準を下回っております。それから官房長官から、文仁親王秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下及び佳子内親王殿下のタイ国御旅行についての発言がございました。それから防災担当大臣から7月の梅雨前線の豪雨による被害の状況についての報告がございました。

閣議後懇談会について

大臣:
閣僚懇に移りまして、経済産業大臣から、関東圏の電力需給の状況についての報告がございました。それから私の方から第三次対がん十か年総合戦略につきましての発言をいたしまして、それに関連をいたしまして文部科学大臣からも第三次対がん十か年総合戦略についての発言がありました。以上でございます。

質疑

記者:
国民年金の未納が4割近く、その割には積立金の運用について、自主運用分が3兆を超す赤字、累積で6兆を超すと、いずれも年金制度の信頼性に関わることだと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
累積は全体からすればプラスなんですね、今おっしゃったのは株式だけの話をおっしゃっているわけで、これは全体の運用益にいたしますとまだプラスになっていることは間違いは無いわけで、それで年金の運用をいたします時に株式に対してどれだけ行うかということでございまして、これは今後の課題だというふうに思っております。先日も申しましたとおり、株が下がりました時には極端に下がり、そして上がりますと極端に増えるという、非常にドラマティックではありますけれども、そうした運用の仕方がいいかどうかということの議論、私達は十分にしなければならないというふうに思っております。これは来年の年金改革と併せてこの問題の決着をつけたいというふうに考えているところでございます。例え株を売り買いするにいたしましても全体の中の何%というふうに額が決まっているものですから、株が安くなると買わなければならない、株が上がりますと売らなければならない、そういうことになっておりまして、どうも株を購入するということにいたしましても、少しやり方、私は中途半端ではないかというふうに思っております。すっぱり止めるなら止めると、はっきり私はさせた方がいいというふうに思っておりまして、そうしたことを来年の年金改革に向けて併せた議論にしたいというふうに思っているところでございます。それからもう一つの方の国民年金の支払いが大きく落ち込んできている、これは一つにはこの徴収につきまして、市町村のレベルからこれは国の方が受け持つようになったということも確かに私はあると思います。いずれにいたしましても市町村はきめ細かくやっていたわけでありますから、それに十分対応できるだけのことが国としてやれていたかどうか、やはりもう一遍ここは検証しないといけないというふうに思っております。スタートします時からそのことはやかましく言ってきたところでありまして、国になったから徴収率が落ちるということがないようにということをかなり厳しく言ってきたところでございますが、結果としてそうなったと、検証しなければいけないというふうに思っております。それからその中には今まで市町村レベルが徴収しておりました、市町村にお任せをしておりました時には、これはお支払いをいただかなければならないような人でもいわゆる免除になっている人達があったということで、その免除になっている人達を少し減らして、いわゆるお支払いをいただかなければならないグループの方に増やしたということがございます。このことも今回の率の低下に結びついているというふうに思っております。それからもう一つはやはり理由として、年金そのものに対する信頼性が揺らぎ始めているということがありますから、これが一番問題としては大きい、決して技術的な問題ではなくて、人々の年金に対する考え方というものだろうというふうに思います。特にお若い皆さん方が年金というものを自分達の世代にそれが十分受け取れることができるのかどうかという、この不安があるわけでありますので、それに対して十分にお答えのできるような対応が必要でありますし、それにお答えのできるような制度を作らないといけないというふうに考えているところでございます。これは来年の年金制度改革に向けまして最も大事なところであるというふうに思っております。そのことをやはり中心にしながら来年の年金制度改革は行わなければならないというふうに思っている次第でございます。
記者:
民主党と自由党が今度9月に合流することで、合意しましたけれども、それで厚生労働行政や国政の推進に与える影響、あるいは選挙の時期や選挙への影響についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
厚生労働省には別に差し障りはないと言いますか、影響はないと思っておりますが、国政全般にどんな影響を与えるのかということは分かりません。私は新進党に参加をいたしまして、ある日突然に解党するという宣言があって、そしてその中からこぼれてきた一人でございますので、何となくまた同じようなことをやっているなという気がしないでもない。ある日突然に党首が、我が党は解党すると言って、それでおしまいになるというようなことが、どうも繰り返されているなという印象を持っております。しかしせっかくやろうとしておみえになるわけでございますから、ご成功を祈りたいと思っているところでございます。
記者:
選挙が近いからこういう動きがあると思うのですけれども、やはり大臣としても年内解散総選挙の可能性が高いというふうにお考えでしょうか。
大臣:
それはそうでしょうね。大半の見方としては、やっぱりそういうことだというふうに思っております。ただし、それは自民党の総裁選挙の行方によって決まることでございまして、結果次第によっては、それは今年ではなくて来年ということだってあり得るというふうに思います。いつにかかりまして、自民党の総裁選挙によるというふうには思っておりますけれども、総合的な判断としては今年の秋には、それが秋の早い頃か、秋深まった時かは別にいたしまして、行われるのではないかというふうに予測をいたしております。
記者:
今日総務省が発表しました消費者物価指数ですが、先程大臣がおっしゃったように、東京都区部の方は、前年同月比0.5パーセントのマイナスだそうですが、全国の6月分については、確か0.4パーセントのマイナスだったと思います。これが恐らく、来年度の年金の給付水準に左右するのではないかと思いますが、その辺については大臣は今の段階で、どういうような見方をされておりますでしょうか。
大臣:
4月がマイナス0.1、それから5月がマイナス0.2、6月がマイナス0.4と、こうなっておりまして、これからの推移によるというふうに思いますが、今の状況であれば、0.4ぐらい下がるのではないかという予測を、何となく下回りそうな感じにはなってきているというふうに私は思いますけれども、これはまだ3ヵ月でございますから、何とも申せません。いずれにいたしましても、年金その他にやはり影響することでございますので、注目していきたいとふうに思っております。
記者:
前の話にちょっと戻るのですが、秋に解散総選挙となると、秋の年金改革の議論が、ほとんど出来ないと言いますか、大きな影響を与えると思うのですが、その辺大臣どのようにお考えになられていますでしょうか。
大臣:
やはり本格的な議論は、選挙が終わってからということになると思います。その方がまた、年金制度につきましても、それぞれ政党が国民の皆さんにお訴えをするのだろうというふうに思いますから、それを踏まえた議論というのものが大事でございますから、秋に行うとすればそれは選挙が終わりましてから後、本格的な議論になるだろうというふうに思ってます。ただ時期によりまして、なかなか年内に議論が尽くせるかどうかということも、あるわけでございまして、かなり12月の遅い時期にずれ込んでくるということも考えられるわけでございます。その場合に来年度の予算にどう配慮させるのかといった問題もございますし、難しい舵取りになる可能性もございますが、これは予測でございますから、その時その時で対応せざるを得ないというふうに思います。やっぱり本格的な議論は、終わった直後だと、その前に整理すべきことは整理しておかないといけないというふうに思いますけれども。
記者:
こういう状況下にあっても、来月に入られてから、大臣としてのお考えをまとめるということについては変わりはないと。
大臣:
そうですね。それはひとつの厚生労働省としての考え方でございますから、お示しをしておいて、たたき台にしていただくということになるだろうというふうに思います。

(了)