閣議後記者会見概要

H15.05.13(火)8:45~9:01 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日は閣議の方は、文部科学大臣からMIVロケット五号機による第二十号科学衛星「はやぶさ」(MUSESIC)の打上げについて成功しましたというご報告があった、一件のみでございます。4年後に帰ってくるそうでありますが、こういう発想は日本でなければできないというお話でございましたけれども、よく聞きましたがよく分かりませんでした。とにかく日本人しかできないことだそうでございまして、世界で初めてのことだそうでございまして、皆さんにPRする程頭の中に入りませんでした。

その他

大臣:
それから今日の閣議とは関係ありませんけれども、一つはSARSに関する緊急研究につきまして、私は昨日は行ってなかったのですが、科学技術の方の総合科学技術会議におきまして、科学技術振興調整費の枠の中でSARSの基礎研究に取り組むと。約1億円緊急支出をすると、こういうことになりまして、そして具体的には各国の症例報告の分析、それから標準的治療法のガイドラインの作成、個人及び集団予防の普及啓発のためのシステム開発、検疫体制の強化、SARSの特性に着目をした院内感染防止策の向上、こうした研究を行いたいということでございます。関係者に指示したところでございます。##それからもう一つは、今労働関係の法案がいくつか出ておりますが、そこでやはり問題になりますのは、サービス残業をもっと徹底的に取り締まるべきだということでございまして、サービス残業といいますとなんとなく感じとしましては、サービスという言葉が付いているものですから、何かサービスしておるような感じに取られますけれども、日本語で言いますと、賃金不払い残業と言った方がいいのではないかと。その総合対策を、今検討いたしておりまして、まもなく全体として発表させていただくつもりでおりますが、賃金不払い残業を解消するための解消対策指針というものをまとめたいというふうに思っております。強化月間を決めましたり、キャンペーン月間をやりましたり、そうしたことをやりたいというふうに思いますが、まず指針を明確にして、そして賃金不払い残業を解消するのにどうしたらいいかということをもう少し、より具体的に知恵を絞りたい、こういうふうに思っているところでございます。私の方からは以上でございます。

質疑

記者:
先程の指針はどういった中身が盛り込まれますでしょうか。
大臣:
今やっている最中でございますので、具体的なのはもう少しお待ちいただきたいというふうに思いますけれども、一つは労使に求められる役割、それから職場風土の改革、企業内チェック体制の整備、そうした企業内における問題をどうするか、それから労使の協力も今後どういうふうに進めていくか、適正な労働時間管理を行うために事業主が講ずべき措置の徹底、役所側としてやらなければならないことは何か、もう一つは企業内において、やはり労使で話し合いをし、解決してもらわなければならない問題点は何か、なんとなくサービス残業が企業の美徳であるような雰囲気というのはなんとなくあるわけですね。皆さんの会社でもそれぞれなんとなく残業を全部言いにくいという、そんな雰囲気あるのだろうと思いますね、言わないのが美徳であるというふうに、そういう雰囲気がなんとなくある。しかし残業は止むを得ないといたしましても、しかしそれに対する対価というのはやはりもう少しきちんとすべきだというふうに思っておりまして、我々の方でやっておりますものを見ましても、残業をやってもらうのに要する企業の出し分と、それから残業ではなくてそれが短時間労働であれ、労働者を増やすことによって企業が負担をしなきゃならないものとを比較をいたしました時に、必ずしも人を増やすことによって企業の出し分が多くなるということは無いのですね、むしろ残業してもらっていることの方が多くかかるといったようなこともございますので、そういったこともよくお話を申し上げて、そして企業にもご協力を頂くところはご協力を頂くということ。
記者:
厚生年金基金の代行返上なんですけども、厚生労働省としては緩和策を打ち出されるお考えなんでしょうか。
大臣:
代行返上の話はですね、もともと代行返上がそのことが株価に本当に影響しているのかどうかということも疑問無きにしもあらずでございます。しかし皆さんがここも大事だというふうにおっしゃるならば、我々も協力しなければならないというふうに思っております。しかしこれは閣僚会議でも実は申し上げたんですけれども、これは全て今度は社会保険庁が引き受けると言ってありますから、個々の人の氏名、それからその人の賃金、その人が何年から何年までそこで働かれたか、あるいはまた現在勤めておみえになるのか、お辞めになったのかといったようなことを一人一人みんなチェックしなければならないわけで、かなり手間のかかる仕事でございます。そうしたことをみんなコンピューターに入れていかなければならないわけでありますから、急いで誤りを犯してもいけませんから、慎重にやらなければいけないといったようなことを考えますと、そういうことに手間を取るわけでありまして、そういう期間として10月からということにしてありますので、これから出来るだけ早めたいというふうには思いますけれども、2か月も3か月も短縮できるという筋合いのものではないということを申し上げております。それから株の中身の問題でございますが、これも何でもいいというわけには正直言って参りません。そういうことになりますと、またそれがこの年金の仕組みに影響してくることになりますから、私といたしましてはTOPIXを中心とした株式を中心にして出来るようにお願いをしたい。若干の緩和は考え方あるというふうに思いますけれども、何でもいいというわけにはいかない。原理、原則を踏まえながら私たちで出来ることはするということだろうと思っております。
記者:
木村副大臣の問題でひとつお伺いしたいんですが、先般の委員会で示された職員と木村副大臣のやりとりを示す文書がありますけれども、あれは大臣としてはあの文書は旧厚生省が作成したものではないと結論づけられたということで、理解してよろしいわけですか。
大臣:
あれがいかなるものであるかということは、私にはわかりません。少なくとも厚生労働省の、いわゆる厚生労働省が所管をしております、所管といいますか管理をしております文書の中にああいうものは存在しない。何度か見直しをさせましたけれども、それは存在はしない。個人の段階でお持ちになっていたものでございましょう。もしもあるとするならば。どこからどういうふうに出てきたものであるかは、我々にはわかりません。厚生労働省の中の人がマスコミの皆さんにお示しをしたんだということであるならば、その人は堂々とこういうものを私は持っておりましたということを、省自身にも私は示すべきだと思っております。しかしどなたにお聞きしても、そういうものは絶対に持っていないということであります。いかなる代物であるのか、自筆ではございませんし、タイプで打たれたものでございますから、我々といたしましてもそれを探しようがないというのが現状でございます。
記者:
SARSの対策の関連なんですが、中国に加えて台湾も拡大傾向に来てるんですが、中国には日本も国際協力を決めておりますが、台湾の場合は国際協力の枠組みとして、WHOにも加盟してないわけでありまして、ただ台湾からは沖縄の方に定期船も来ておりますので、特に沖縄ではかなり敏感になっておりますが、台湾に向けて何か国際協力といったようなお考えがあればお聞きかせ頂きたいのですが。
大臣:
中国の問題も台湾の問題も決して対岸の火事だとは思ってはいけないと思うんですね。これは日本の国の問題であるという認識でこの問題は考えないといけないというふうに思っております。台湾におきましても、かなり発生しておるようでございますし、今お話ございましたように沖縄にも非常に近い、日本にも非常に近いところでございますから、日本も台湾に対してやはり手を差しのべなければ、どんなことが必要なのかということを良く聞かないといけないというふうに思いますが、必要な支援、それが技術的な援助であれ物資的な援助であれ、当然これは必要ならばやらなければいけないというふうに私も思っているところでございます。それからWHOへの話でございますが、これは国際的な問題で、なかなか今まで難しい問題であることは良く存じておりますけれども、少なくともこの新型肺炎の問題に関しましては、やはりこれはアジア全体の問題でございますから、台湾もひとつオブザーバーとして出席をしていただいて、そして現状を述べていただき、現在の病気の状況という問題について共有をしていただくということが大事ではないかというふうに私は思っているわけでございます。しかし、これは関係者の皆さん方の合意が必要なことでございますので、関係諸国が合意できれば幸いだというふうに思っている次第でございます。
記者:
代行返上の条件緩和についてなんですけれども、明日の閣僚会議ではTOPIXへの構成比率を90%以上ということが80%以上にするということとか、返上開始を1か月前倒しという数字に関しては大臣のほうでも合意されているのでしょうか。
大臣:
一所懸命頑張って、1か月間前倒しができるかどうかということだろうと、これは一所懸命やりたいと思っておりますが、その割合につきましては、まだ最終結論は出しておりません、これからでございます。その内容をどこまでするかということを慎重にやらないと、やはり年金の資金に関わってくる話でございますから、ここは慎重にやりたいというふうに思っております。

(了)