閣議後記者会見概要

H15.03.14(金)9:05~9:17 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
循環型社会形成推進基本計画につきまして環境大臣からご発言がございました。それから総理大臣から、いわゆる裁判の迅速化に関する法律案、司法制度改革のための裁判所法等の一部を改正する法律案、仲裁法案並びに法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律案について発言があり、そして副本部長であります法務大臣に今後の対応はお任せをすると、こういうことでございます。それから法務大臣からもこれに関連いたしましての発言がありました。それから私の方からは春闘情勢につきましての報告を申し上げたところでございます。

閣議後懇談会について

大臣:
閣議後懇談会におきましては、私の方からいわゆる次世代育成支援に関する当面の取組方針につきまして少子化対策プラスワンを発展させていくという内容のものにつきましての報告を申し上げたところでございます。以上でございます。それからその後は外務大臣から最近のイラク情勢についてのお話があったと、こういうことでございます。

質疑

記者:
昨日のMMRワクチン訴訟で、大阪地裁から国の微研に対する監督義務違反ということで、賠償を命じる判決が出ておりますけれども、これについて受け止め方を。
大臣:
そうですね、もう少し内容をよく検討させていただかなければならないというふうに思っておりますが、行政上の責任は無いと、ただしいわゆる監督する条理上の義務があると、条理上の義務というのがどういう意味なのか、もう少し具体的に検討させていただきたいというふうに思っております。そしてどうするかの判断をしたいというふうに思っている次第でございます。
記者:
条理上の義務ということについては、事務方もかなり予想外の判決だったというような受け止め方のようですけれども、大臣も要旨をご覧になっているかもしれませんが、条理上の義務という表現のされ方については、率直にどのようなご感想をお持ちですか。
大臣:
そうですね、言葉が条理上という耳慣れないと申しますか、特別な言葉が使われた意味というのは、一体どういう意味だったのだろうかということだというふうに思います。その辺の、裁判官が決定されたその趣旨というものがどういうものなのか、もう少し詳しくやはり検討しなければいけないというふうに思っております。
記者:
言葉は別にしても、阪大微研が製造方法を承認されたものを勝手に変えていたということについて国の監督不行届だったという内容になっておるのですけれども、これについては率直にどのようにお考えでしょうか。
大臣:
そこが条理上の義務ということまで言われているわけで、その条理上の義務というのがどういうことかということをもう少し検討しなければいけないというふうに思います。
記者:
次世代育成支援対策法案なんですけれども、大企業に子育て支援の行動計画策定を義務づけるのですが、春闘情勢をみても分かるように、かなり経済とか雇用情勢厳しい中で実効性というか、絵に描いた餅になるのではないかという指摘も出ていると思うのですけれども、どのように。
大臣:
少子化対策、次世代対策というのは非常に息の長い問題なんですよね。社会保障というのは全体にそうですが、ですからその時の景気の善し悪し、経済の動向、そうしたものを乗り越えてこれはやっていかなければならないものだというふうに思っております。したがって時には景気の調子の悪い時もあるでしょう、しかし景気の調子が悪いから社会保障の問題はやめておくというわけにはいかない。それは景気の善し悪しに関わらず継続をしなければならないものでありますし、ましてやこの少子化対策というのは非常に長期展望の中で取り上げて、これは地域におきましても、あるいは企業におきましても努力を重ねていただかなければならないものでありますから、絵に描いた餅にならないようにどうしていくか、実効性のある内容にするためにどうしていくかということが大事だろうというふうに思っております。このことは少子化対策だけではなくて、年金につきましても、医療につきましてもこれは言えることでありまして、景気が悪いから自己負担をどうしろこうしろというような話も中にもございますけれども、それは私は違うと思っております。景気の善し悪しにかかわらず社会保障というのは継続をしなければならない、継続をするということはそれぞれやはりご負担をいただかなければならない、そこは私は明確だというふうに思っております。年金につきましても非常に息の長い社会保障でありますから、非常に経済的に厳しい時もあるでしょう、皆さん方が保険料をお納めをいただくのに大変厳しい時もあるだろうというふうに思っておりますけれども、しかしそこは乗り越えてお互いにやっていく以外にないんだろうというふうに考えております。
大臣:
ついででございますから医療、年金につきましても若干加えさせていただきますと、医療の問題につきましては今月いっぱいでこれが決定されるように、まあ月末まで、ぎりぎりまで行くというふうに思いますけれども、しかし今月中に決着を付けるということで今進めておりまして、これは必ずそうしたいというふうに思っております。抜本改革のご報告でございます。そこで骨格と、そして今後のスケジュールということを明確にしたいというふうに思います。ただその骨格の中の具体的な内容につきましては若干今後に委ねて、今後更に検討をしなければならないものも残るというふうに思いますが、しかしそれは具体的な問題でありますので、骨格につきましては今月の末にはお示しを出来るというふうに思っております。来週あたりから本格的に与党内の折衝を行いたいというふうに思っているところでございます。それを一段落させますと軸足は年金の方に移っていくというふうに思っておりまして、早く医療の決着を付けて年金の方の議論に移りたいというふうに思っております。年金の基本部分と申しますか、一番の中心の部分の議論というもの、これ当然議論を深めていかなければならないわけでありますから、これは各方面のご意見をお聞きをするということにしたいというふうに思っております。年金の問題は、本体の年金の問題のみならず、たとえば今まで手がけてまいりました施設の問題でありますとか、あるいは病院の問題でありますとか、そうした今までやってまいりました、付属的にやってまいりました問題をどう解決をするかということもございますし、また年金の積立金の運用の問題も決着を付けなければならないというふうに思っております。積立金の運用につきましてはもう一度新しい受け皿をどういうふうに作り上げていくかということについて財務省、金融庁と相談に入ったところでございます。まだ今の段階、金融庁とはこれから参加をしていただくわけでございますが、財務省との間の話は始めたところでございます。新しい受け皿を一つ作って、そして国民の皆さん方に安心をしていただけるような体制を確立しなければいけない、こういうふうに思っております。
記者:
医療制度ですが、高齢者医療の問題についても積み残しにならずに一つの案にお絞りになるということで。
大臣:
そうですね、高齢者医療も方向性を決着したいと思っております。
記者:
焦点は74歳以下の医療費の問題。
大臣:
もちろん75歳以上の高齢者の問題が中心ではございますけれども、しかし75歳以上の後期高齢者の問題だけではなくて、いわゆる前期高齢者と言われております75歳未満65歳以上、このところの医療費も非常に大きいわけでありますから、そこをどうするかということも合わせて決着を付けなければいけないというふうに思っております。

(了)