閣議後記者会見概要
H15.01.31(金)10:27~10:50 参議院議員食堂
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 今日は大臣発言としましては、まず総務大臣から労働力調査結果、就業希望状況調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果につきましてのご報告がありました。12月の完全失業率は季節調整値で5.5%となりまして、前月に比べまして0.2ポイント上昇し、平成14年10月などと並んで過去最高となりました。それから就業者数は6,291万人と前年同月に比べまして71万人減少し、21か月連続して前年同月の水準を下回りました。完全失業者数は331万人と前年同月に比べて6万人減少しました。平成14年平均の完全失業率は5.4%となりまして、前年に比べまして0.4ポイント上昇し、過去最高となりました。現下の雇用・失業情勢をより詳細に把握するために、昨年実施した就業希望状況調査の結果によりますと、10月、11月期平均の完全失業者は349万人と、そのうち収入のない者は172万人、主な収入の種類が雇用保険である者は70万人となっております。以下消費者物価の話でございますから、そういう報告がございました。私の方からは平成14年12月の有効求人倍率につきまして報告いたしまして、これは皆さんのお手元にもあると思いますが、季節調整値で0.58倍と前月の0.57倍を0.01ポイント上回りました。回復をいたしました。有効求人、季節調整値は前月に比べまして2.3%の増加となり、有効求職者、季節調整値は0.9%の減少となりました。しかし総務大臣からの報告がありました完全失業率の状況等総合的に勘案いたしますと、依然として厳しい状況にあると認識をいたしております。こういうご報告を申し上げたところでございます。その他の、この資料にもありますように、全体として見ますと、この有効求人倍率、この新規求人数を見ましても、産業計で12.6%、12月は増えていたわけでありまして、2桁に乗ってきたということで、有効求人としては少し良くなってきているという気がいたします。とりわけ製造業が30.6%になっておりますし、サービス業も16.4%と2桁になっております。運輸業も16.2%というふうに回復いたしてきております。依然として厳しいのが建設業でありまして、マイナスの3.3%、しかしマイナス幅も以前に比べますとマイナス幅が縮小してきているという気はいたします。しかしトータルで見ると先程申しましたように厳しい状況ということで。
- それからその他の発言を先に申し上げます。北方領土の日に当たって、沖縄及び北方対策担当大臣から発言がございました。
閣議後懇談会について
- 大臣:
- それから閣僚懇におきまして、もんじゅの高裁判決に係る上訴の方針について経済産業大臣、それから科学技術政策担当大臣、それから文部科学大臣というふうに、それぞれからご報告がございました。
その他
- 大臣:
- だいたい以上でございますが、先程の総務大臣からの発言の中で、主な収入の種類が雇用保険である者が70万人になっているわけでございますが、厚生労働省の方の数字で見ますと、雇用保険貰っている人はだいたい105万人くらいになっているわけで、その差がどういうふうなことによってこれが生じてきたのかということ、少し分析しなければいけないというふうに思っている次第でございます。105万人貰っていただいていることは間違いがないわけでございますが、この総務省の調査は月の最後の一週間でありますので、その間にたとえば何かアルバイトでもなさってた方があるのか、あるいはまた、その間と言いますか、雇用保険を貰っているんだけれども次の何か技術を身につけるために学校かどこかへ行ってお見えになる、そういう人達が雇用保険を貰っているというところに丸をしなかったのか、いろいろあるだろうというふうに思いますけれども、若干そこが、数字が我々の方の数字と違っておることは事実でございます。しかし収入の無い人が172万人あるということでございますから、その内容よく吟味をいたしまして、そしてそれに対応した施策というものを我々もやらなければならないというふうに思っております。前回の分も拝見をいたしましたが、前回の時にも収入の無い方、その中には家族の誰かが働いてお見えになりまして、そしてそれによって生計を立てているという方もございますし、それから年金によって生計を立てるという人もございますし、その他、現在までの預金の取り崩しによって生計を立てているという人もあったわけであります。もう少し細かく拝見をし、分析をさせていただいて、それに対応したいというふうに思っているところでございます。私の方から以上でございます。
質疑
- 記者:
- 失業率が過去最低というか、最も悪いのと並んでいる。一方で有効求人倍率は上がっていると、その状況についてどうお考えか、改めてお願いします。
- 大臣:
- 失業率が5.5%と過去最高になって、そして有効求人倍率の方は回復をしてきている、こういう状況は以前にも続いたことがございまして、有効求人倍率はだいたい半年から1年くらい先の状況を物語っているというふうによく言われるわけでございます。もしそうだとすれば有効求人倍率が回復してきているということは、先々の状況を示すとすれば良いことではないかというふうに思っておりますけれども、様々な経済状況、あるいはまた国際状況等も絡んできておりますから、いずれにいたしましても、予断を許さない状況にあります。先月完全失業率は5.3%に一度下がりまして、そして今月また、今月と言いますか、11月に5.3%に下がって、そしてまた12月に5.5%に、元に戻ったという形になっております。これは中身を見ますと、男性の方の動きより女性の方の動きが非常に大きくなっておりまして、いわゆる下がったり上がったりという月々の変化が非常に大きいと、それによってこの全体の失業率が変化してきているというところがあるように思います。12月の場合には女性の中で、特に女性の20代の若い皆さん方のところの失業率が非常に上がっているということがございまして、そうした動きによって全体として変化してきているというふうに思っております。ですから0.2ポイント下がった上がったということによって、喜んだり悲しんだりするというのではなくて、やはり継続的に5%台の失業率が続いてきている、そして求人は比較的増えてきているという状況ではありますけれども、まだ失業率が減るところまで求人がまだ増えていない、昨年同月比、昨年に比較をいたしますと増えてはきておりますけれども、失業者を減らすところまで至っていない。現在の経済の弱さと言いますか、そうしたものを物語っているのではないかというふうに思っております。したがいまして、経済全体の回復のために更なる手当をしなければならないだろうというふうに思いますし、補正予算も通ったことでございますので、早く手を打って、そして経済の力を付けていただく、それからこれは経済産業省との関係でございますが、いわゆる産業の再生というものをしっかりやっていただく、不良債権処理によって中小企業を倒産させるのではなくて、そしてどうすればそこから立ち上がることが出来るかということを考えて、出来るだけ産業の再生に努力をしてもらうといったようなことが今後大事になりますし、それでもなおかつそこから増えてまいります失業者というものを、我々としてどう今度はそれを減らす努力をしていくかということになるだろうというふうに思います。これは前にも申し上げましたけれども、経済産業省として、あるいはまた国として打ち出します経済政策、あるいは失業対策だけではなかなかきめ細かく対応出来ないというところがありますので、地方、あるいはまた民間、そうした地方や民間ともよくタイアップをして、そしてこの雇用対策を進めていかなければならないというふうに思っております。また別な言い方をすれば政労使3者の協力の下に進めていかなければならないというふうに思っているところでございます。ワークシェアリング等につきましても、もう少し本格的にスタート出来るようにしたいわけでございますが、やはり経営者の方は経営者としての意見がありますし、労働組合は労働組合としての意見もあるものですから、なかなかそこが前進をしないという状況になっておりますけれども、ここはやはり国の方がひとつ中に入って、行司役として中に入って、やはりより積極的にワークシェアリングを進めていくという方向に行かないといけない、もうその時期に十分来ている、少し遅くなっているといった感じを持っておりますので、積極的にひとつ進めていきたいというふうに思っております。
- 記者:
- 今日東大の方で東大教授の厚生科学研究費の適切でない使い方についての詳細が発表されるんですが、あのようなことは割と一般的にどこの大学でも行われていたというような話もあるんですが、改めて大臣のこの問題に対するご所見をいただきたいと思います。
- 大臣:
- そうですね、この3、4年科学技術に対する見方が非常に注目されてまいりまして、そして予算額におきましても科学技術に対して特別に見ていこうと、他の分野におきましては非常に厳しいのですけれども、やはり科学技術の分野は特別な分野としてこれは見ていこうと、社会保障と同じように科学技術の予算の拡充ということが努められてまいりました。ですから今までのことを思いますと、研究者のところで研究していただく予算というのは多くなっているというふうに思っております。しかしその使われ方につきまして、今までの使われ方と同じような形でそれを配分をしているのでは、やはり少しいけない、もう少しやはり国民の期待に応えて厳しくその内容をチェックさせてもらわなければいけないというふうに思っております。その研究に配分しました時に、研究というのは必ず成功するとは限りませんし、あるいはまた研究いたしましても十分な結果が出るとはこれは限らないものであることは十分分かっておりますが、それにいたしましても、何年も同じようなことに研究費をつぎ込んでもあまり成果が見えてこないといったようなところに対しましても、やはりもう少し明確な予算の配分の上で検討すべきだと私は思っております。厚生労働省におきましては中でそういうことも今言っているところでございます。各大学でありますとか研究所におきまして、国から出ます研究費を使っていただきます時に、それをどのように使うかということについては、それは研究者に任されるわけでございますが、しかしそれは研究の中身のどこに使うかと、あるいはまた、研究をするための設備をどうするかということに、それは限定されるわけであります。その研究費でもって研究以外のことにそれを使用するとか、あるいはまた個人の財布と不明確な関係におくということは許されないことでございますから、そこはしっかりとこれは今後取り扱いをしていかないといけないというふうに思っております。東大の話だけではありませんで、各大学におきましてもよくそうした話は聞くわけでございます。これから厳しい財政の中で特段の配慮をしているという、そのことを十分に認識をしていただいて、研究者も研究にご努力をいただくのはもちろんでございますけれども、やはりその使い方ということについても、より厳しく見直していただかなければならないというふうに思っております。
- 記者:
- 昨日インフルエンザの薬に対して、医療関係業界に脳症を悪化させる3種類の解熱剤について投与しないように医療関係団体に改めて通知が出されたんですが、厚生労働省として家庭でそのような解熱剤は割と簡単に大人用のものとして手に入りますから、子供用に飲ませるということは家庭では本当によく起こり得ることなんですけれども、家庭に対する呼びかけというのはお考えになられていませんでしょうか。
- 大臣:
- それもやらなければいけないと思いますね。厚生労働省として家庭に対する呼びかけをするだけではなくて、やはり厚生労働省が各都道府県なり市町村に対して、家庭におけるお薬についても注意をするようにということは、やはり言わなければならいだろうというふうに思っております。家庭薬の中にそうしたものがどれだけ含まれているかということを私も十分には知りませんけれども、よくその辺のところは検討して、そして言わなければならないことは早く言いたいというふうに思っております。
(了)