閣議後記者会見概要
H14.12.24(火)10:46~11:00 厚生労働省記者会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 閣議でございますが、財務大臣から平成15年度概算につきまして発言がありまして、経済財政政策担当大臣から引き続きまして平成15年度一般会計歳入歳出概算についての発言がございました。引き続きまして、総務大臣から平成15年度機構・定員等の審査結果につきまして概略の説明がございました。それから内閣官房長官から国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針についての発言がありました。内閣官房長官から引き続きまして、障害者基本計画について発言がございました。
閣議後懇談会について
- 大臣:
- 閣僚懇談会になりましてから、国土交通大臣からグローバル観光戦略につきまして報告がございました。日本に外国から来ていただく方をどう増やすかという話でございます。
障害者施策推進本部会合について
- 大臣:
- 閣議が終わりました後、障害者施策推進本部会合がございまして、ここで重点施策の5か年計画の策定についてが議題となり決定されたところでございます。私の方からも大臣発言といたしまして、在宅サービスの充実を始めとします障害者の生活支援、あるいはまた法定雇用率の達成に向けた雇用就業の一層の促進、それから保健医療などの分野を中心として障害のある方が障害のない方と共に地域で生活出来る社会の実現に向けて取り組んでいきたいということを申し上げ、特に精神障害者施策につきましては、身体障害者や知的障害者に比べて遅れが指摘されているところであり、その計画的、且つ着実な推進を図るために省を挙げて総合的な取組みを進めてまいりたいという考え方を述べたところでございます。以上私の方からの報告でございます。
質疑
- 記者:
- 一応予算、とりあえず締めくりということになりましたけれども、社会保障費全体で若干伸びているということですが、特に少子化、食、雇用という3つの厚生労働省としての重点分野をご覧になられて、総括的なご意見をお願いします。
- 大臣:
- そうですね、全体として言えば、社会保障に係わります人口が増えているということもございまして、3.8%というふうに伸びておりますけれども、しかしその中の人数が増えておりますので、一人当たりということになりますと、なかなか厳しい面もございます。しかし厳しい予算の中でありますから3.8%伸びたということは非常に良かったと申しますか、今回の予算の範囲の中におきましては出来としては上々ではなかったかというふうに思っている次第でございます。しかしこれから先、経済動向にもよりますけれども、経済と関係のないところにおきましても、やはり高齢者が増える、あるいはまた離婚等が増えまして、片親家庭というものが増えていく、また精神障害等で大変ご苦労される方が増えてくる等々、やはり成熟社会は成熟社会としての大変難しい問題もこれから増えてくる可能性がございますし、そうした皆さん方に対する対応を今後どうしていくかということについて、ただ財政的な面だけではなくて、やはり仕組みとしてどう構築をしていくかということが、やはり大事になってくるというふうに実感をした今年の予算編成でございました。これから先、ひとつそうした意味で財政面もさることながら、やはり手を差し伸べるべき人々に対する社会構造をどのように作っていくかということが、今後大変大事になってきたということを思っております。
- 記者:
- 来年度以降の課題になるかと存じますけれども、最近年金制度につきまして消費税増税、引き上げを含む財源をどう手当てするのかという議論が政府与党内でぼちぼち始まっていますけれども、この問題につきまして改めて大臣のご見解をお聞かせ下さい。
- 大臣:
- 今年は医療の年でございまして、まだ医療の方も来年3月までに決着を着けなければならない分野がございますけれども、来年は主舞台は年金並びに障害者問題に移っていくだろうというふうに思っております。年金でございますが、年金の場合には現在の年金制度というものを延長線上で捉えて、その中で若干の手直しをしていくという方針と、それからもう少し基本的なところから年金制度というものを見直していこうという見直し方と、両方来年は議論をされるだろうというふうに思っております。したがいまして、全体として現在の年金制度を持続する中での改革案でありますれば、それはそう大きな変革にはならないというふうに思いますが、もう少し基本に関わったところからの改革を加えていくということが議論をされ、そしてそれを取り入れていくということになりますと、次の年金改革というのは、かなり抜本的なものにならざるを得ないという気もいたします。そうしたことを来年の前半におきまして大きな議論をしていただきたいというふうに思っておりますが、その問題は当然のことながら、その財源をどうするかという問題とこれはセットの話でございます。その財源を保険料でお願いをするのか、保険料だけでは足りなくて、これは税の方からある程度バックアップをしてもらうのかといったことが財源論といたしましては一番大きな問題になるというふうに思います。もう過去に既に基礎年金の3分の1から2分の1へ国庫負担を増やすということは、もう既に決まっているわけでありますから、その部分を一体どうするかと、どう実現をするかといったことも大きな課題になるというふうに思います。したがいまして、来年の年金改革はただ年金問題だけに留まらず、これは税制の在り方にも大きな影響を与えた議論になるというふうに思っている次第でございます。こういう厳しい時代でございますから、やはり将来どうなるかということを、見通しをしっかりと立てることの出来る制度を確立をして、皆さん方に安心をしていただくと申しますか、将来の年金のあるべき姿というものをより明確にさせていただいて、国民の皆さん方にご呈示をするという必要があるというふうに思っております。したがいまして、そうした中での財政論議でございますから、これは消費税だけの話ではなくて、税制全般についてどうするかという大きな議論の中で、この問題は進行していくというふうに私は予測をいたしております。
- 記者:
- その場合ですね、小泉総理はかねてから任期中の増税はしないという考え方を示しておられるんですが、その基本方針との兼ね合いはどのようにお考えですか。
- 大臣:
- 現在増税をするしないというのは、それはしかし今年の税制改革におきましてもいったん減税、そして将来は増税の目を残しているわけでございますし、必ずしも増税はしないということではないだろうというふうに受け止めておりますが、年金の場合には息の長い話でございますから、今すぐ増税をするということをしなくても、例えば何年後にはどういう形で一般財源から支援を受けるということを明確にしておけばいいわけであります。現在すぐに増税とか、あるいは税の引き上げということを行わなくても私は議論は集結出来るというふうに思っております。
- 記者:
- 先程来年の主舞台は年金と障害者問題と、障害者問題の方についてはどのようにお考えですか。
- 大臣:
- 障害者の問題は今日も基本計画が出来たところでございまして、来年はこの問題に積極的に取り組まなければならないわけでございますが、一つには景気動向にも影響いたしまして、障害者の雇用問題というのが非常に厳しくなっているということもございます。それから先程も発言内容を読みましたとおり精神障害者の、やはり問題が今まで大変遅れておりましたから、身体障害者、それから知的障害者と並びまして精神障害者のやはり雇用の問題、あるいはまた地域での生活の問題等々、そうしたものをやはり積極的に進めていかないといけないというふうに思っている次第でございます。
- 記者:
- 年金の国庫負担の引き上げは、平成16年度までに安定した財源を確保した上で引き上げを図るものとするというふうに決まっていたと認識しているんですけれども、先程のご発言ですと平成16年までに引き上げをしなくても良いという理解ということでよろしいでしょうか。
- 大臣:
- それはそういうふうに合意が出来ればそれも一つの方針でございますし、しかし16年までに出来なかったといたしましても、将来何年先にはどういう部分を引き上げていくかといったことの約束と申しますか、そうした仕組みが出来上がればそれも一つの方法ではないかというふうに思っております。たとえ国庫負担を増やすにいたしましても、一度に増やす必要も無い、徐々にそれを段階的に上げていくという方法もあるのではないかというふうに思っております。そうしたことも含めて来年は議論をするということになるだろうと、どの方法がいいということが今決まっているわけではありません。全体の動向を見ながらそうした幅広い議論をして、決めていくということだろうというふうに思います。
(了)