閣議後記者会見概要

H14.11.22(金)9:17~9:27 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、財務大臣から財政制度等審議会・財政制度分科会平成15年度予算の編成等に関する建議についての発言がありました。続きまして同じく財務大臣から、平成15年度における税制改革についての答申についての発言がございました。同じく総務大臣から平成15年度における税制改革についての答申に関連してという発言がございました。その後、内閣総理大臣から当面の経済財政運営についてのご発言がございました。最近における金融経済状況の不確実性の高まりを踏まえ、先般「改革加速のための総合対策」を取りまとめました。その後、景気の持ち直しに向けた動きは更に緩やかとなり、景気の先行きを巡る環境は不透明さを増している。また今後「金融再生プログラム」に基づき、不良債権問題の解決に向けた道筋を示すこととしている。この過程における経済への影響には、万全の対応を講ずる必要がある。こういうことで今回の補正予算につきましての基本的な考え方が述べられたところでございます。更に加えまして、当面の経済財政運営につきまして経済財政政策担当大臣から発言がありました。ただいま内閣総理大臣からご指示がありました改革加速プログラムにつきまして、経済財政諮問会議でのご意見も伺いながら、早急に取りまとめることを目標としてまいりました。財務大臣から平成14年度補正予算の編成についての発言がございまして、11月27日までに各省庁、考え方をご提出くださいますようお願い申し上げます、こういう発言がございました。それから経済産業大臣から、当面の経済財政運営につきまして発言がありました。それから福田内閣官房長官から、国の審議会等における女性委員の登用の促進についてのご発言があったところでございます。以上でございます。

質疑

記者:
雇用保険なんですけれども、昨日塩川大臣が料率の引き上げ見送りも含めての、かなり踏み込んだ発言をされましたが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
大臣:
そうですね、平成15年度におきます雇用保険につきましては、これは平常時のいわゆる雇用保険なのか、それともこの経済の異常事態における保険料なのかといった見方によって意見は異なるというふうに思いますけれども、しかしこの不良債権の処理によりまして、15年度にはその影響は大きく出てくるわけでございますから、財務大臣のご発言はいわゆる非常事態としての対応として受け止め、考えていこうと、こういうご発言であっというふうに私は理解をいたしております。そういうご理解をいただいたことに大変敬意を表したいと思っております。
記者:
それは新たに国庫負担がなされるということでしょうか。
大臣:
まだ正式に決定した訳ではございませんけれども、そういうご趣旨だというふうに思っております。
記者:
その場合の保険料率の引き上げとの意味合いといいますか、関係はどういうふうな。
大臣:
その一般財源から頂戴をするということになれば保険料率の引き上げというのは行わなくてもいいようになると、そういうふうに思っておりますが、いずれにいたしましてもセーフティネットに1.5兆円、これは経済産業省の方の問題も含めてでございますから、その中の割り振りが一体どうされるのかといったことにもよるというふうに思っておりますけれども、昨日の財務大臣のご発言は先程申し上げましたようなご趣旨ではないかと受け止めております。
記者:
今日審議会が予定されていますが、そこでの議論にも今の大臣のお考えは反映されるんですか。
大臣:
こういう動いている時でありますから、現在のこの状況、そして今後の経済の動向についてそれは加味されるものと考えております。
記者:
一方で塩川大臣は給付の引き下げについても言及されていますけれども。
大臣:
なんですか。
記者:
給付の引き下げ、更なる引き下げについても言及されていますが。
大臣:
給付の引き下げにつきましては先刻もう既に決定をしたところでございまして、これ以上の引き下げをする予定はございません。
記者:
セーフティー・ネット1.5兆円の中で雇用保険の引き上げ分に相当する部分は優先的に割り振られるというお考えでありますか。
大臣:
そう思っております。
記者:
セーフティー・ネットに関連してなんですけれども、従来の失業者を雇用した企業に対して助成をするというやり方では、もう効果がないという主張が出ていますけれども、改めてセーフティー・ネットのこれまでの効果と、今後どうあるべきかというご所見をお聞かせ願いますか。
大臣:
厚生労働省が行います雇用対策というものは、どちらかと言えば経済の後追いと申しますか、経済の動向を反映した雇用情勢に対しまして、どのようにそれに対応をしていくかということでありますから、それは限界があることは当然だと思っております。それは最初からそこは分かっていると思います。しかしこの経済状況の中で雇用の問題を考えていこうとすれば、これは厚生労働省の枠内だけで考えておりましても解決の出来ない問題でござます。したがいまして、先般諮問会議におきましても今後の基本的な考え方として雇用重視型社会という考え方の下にやっていかないと雇用問題は解決が出来ない。当面の厚生労働省が行います雇用政策と、そして内閣全体で取り組んでもらうべき雇用重視型社会に対する考え方、その双方をやっていかないと雇用問題というのは解決が出来ないということを申し上げたわけでございます。構造改革を今後進められていく中で、更にその構造改革の中でどこを進めていくかと言えば、産業生産性の向上と、そして一方において労働時間の1,800時間を達成をするという、この双方をやはり目指していかないといけないという論理を申し上げたところでございます。

(了)