閣議後記者会見概要
H14.05.14(火)9:35~9:53 厚生労働省記者会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 今日は閣議におきましては、財務大臣からアジア開発銀行年次総会ご出席の報告がございました。また文部科学大臣から国連子供特別総会出席のための出張についてのご発言がございました。今日は比較的内容少のうございまして以上でございます。
その他
- 大臣:
- これは今日の閣議とは関係ございませんけれども、厚生労働省としてやはり早期と申しますか、働き方の問題といたしまして、やはり厚生労働省自身が姿勢を明確にしなけれればならないというふうに考えておりまして、「早期退庁促進のための省内検討チーム」というのを作ることにいたしました。厚生労働省、全国の所管をいたしておりまして、そして厚生労働省自身がいつまでも、夜10時までも、12時までも明かりを付けていなければならないというようなことでは、やはりいけませんので、どうすれば皆がもっと早く帰ることが出来るか検討をしたいというふうに思っております。時間外労働を極力少なくする。若い人達に早く帰っていただくようにする。そうしましたら報道の皆さんも早く帰っていただけるわけでありまして、そうしたいと思っております。働き方の問題と、それから少子化の時代におきまして、やはりお子さんが生まれました時に全てを奥さんに委ねているというような生き方があってはなりませんし、また子供が生まれないということにも影響を及ぼしているように思いますので、「早期退庁促進のための省内検討チーム」、やはり省庁が付けますと名前も難しくなりますけれども、とにかく皆で早く帰るようにどう検討するかということでございます、チームが出来上がりました。人事課長さんを主査にいたしまして、大臣官房各課及び関係局・課の職員の皆さん方に若干名お集まりをいただいて、早急に対策を講じるということにしたいと。案を示しまして、全省庁にこれが及べばというふうに思っております。また一般にも是非そのことが取り上げていくようにしなければならないというふうに思っている次第でございます。それからそういうことになってまいりますと、国会の中の質問等につきましてもなかなか夜遅くにならないと、どういう質問をするかということを言っていただけない先生もあるわけでございまして、議員の皆さん方にもご協力をいただかなければならないと。別に答弁作ってくれというふうに頼んだ覚えは無いというふうに言われるかもしれませんけれども、一人の方が遅くなりますと少なくとも500~600人の人がそれで待っているわけでございまして、多い時は1,000名近くの人が待っているということでございますので、それもあまり好ましいことではございません。そうしたこともどうあるべきか、これから検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。私の方からの報告は以上でございます。
質疑
- 記者:
- この検討会の立ち上がりというのは、これは正式にはいつ付けに。
- 大臣:
- もうすぐやっていただきますから、検討会は本日5月14日付けにしておいていただければと思います。
- 記者:
- いつ頃までに、その対策案というのは。
- 大臣:
- これでまた時間外労働が増えるようなことはいけませんので、せいぜい段取り良く2、3か月で結論を出してもらいたいというふうに思ってます。また1年とか言いますと長すぎますので、2、3か月で段取り良くやっていただくと。しかし検討しなきゃならないことは多いのだろうと思いますね、今までそんなに遅くまでしていたわけでありますから、だからもう閉めますから早く帰ってくださいと言って、省内放送を何度か毎日しなきゃならないというようなことは異常な事態でございますし、日が変わってまだ明かりがついておるということも、これは異常なことでありますから、そうしたことはお互いに無くしていく。それがやはりこれからの行動にとりまして、一番大事なことだというふうに思います。そこを変えないとやはり少子化の改革にも結びついていかない。そんなふうに思っております。
- 記者:
- この検討会の発足は省内から何か意見が出たのでしょうか、それとも大臣ご自身が指示されたのですか。
- 大臣:
- 実は少子化問題につきましていろいろの先生のご意見を私最近聞いてきているわけでございます。前々から省内におきまして、やはり旧労働省、現在の厚生労働省がやはり率先をして働き方、こうあるべきだということを示さないと、ただ全国の超過勤務の状況を調べているだけでは能がないというふうに思っておりましたが、それだけではなくて、やはり現在の少子化対策をどう改革をしていくかといった時に、もちろんお子さんが生まれたご家庭にとりまして早く帰るということは大事なことでございますが、それだけではなくてお子さんの無い家庭にとりまして、早く帰ったら子供が生まれるというわけではありませんけれども、やはり勤務の在り方というものが、この少子化に大きく影響をしているということをご指摘いただいた大学の先生がお見えでございまして、私もその時にはピンと来なかったんですけれども、帰りましてからよくよく考えてみますと、やはりそれはその先生のご指摘になっていることは非常に大事なところだというふうに思いました。その先生は以前にも、20年も前でございますけれども、少子化が進めば進む程経済は停滞する。日本がもしこのまま少子化が進んでいくとしたら、日本経済は破綻に近づくということをご指摘になりました先生でございまして、現在の経済状況を見ておりますと、それだけではないというふうに思いますけれども、しかしその少子化の影響も非常に大きいと思わざるを得ません。そのころは右肩上がりの大変日本の経済が良い時の話でございましたから、これは先見の明がある話だというふうに思って、その先生にお会いする機会がございまして、少子化問題、どういう手がいいかということを話をしたわけでございます。その時に少子化対策というのは予算を付ければ解決をする問題ではない。高齢化対策というのは予算をつければ解決するかもしれないけれども、少子化対策は予算を付けただけでは解決しない。心の持ち方、そして人間の生活そのものの在り方が影響しているということをご指摘になりました。そうしたことからやはり勤めは勤めでしっかりやらなければならないけれども、時間が来れば早く帰って家庭の人となる、地域の人となるというのが大事なことだという指摘は、私は率直にそのとおりだというふうに思っているわけです。少ない人数で、そして多くの仕事をしなければならないわけでありますから、なかなか言うは易く、なかなか難しいことではあるというふうに思いますが、それだけにどうすればお互いに時間内に仕事を終わり、そして帰ることが出来るかということを、いつもやはり検討していかないといけないというふうに思います。ずっと検討し続けなければならないというふうに思いますけれども、まず骨格となるところ、どこからどういうふうにしていくかということをまず決めていかなければならないというふうに思いますが、骨格は早く決めてもらいたいというふうに思っております。
- 記者:
- 例えば残業時間をどれくらい減らしたいとか、そういうご希望みたいなものはあるんでしょうか。
- 大臣:
- そうですね、それでね、厚生労働省として一人の残業時間というのはどれだけになっているんですかというふうに僕は聞くんですけれども、明確な資料が無いんですね。内々でもないんですから、外に出すわけにはいかないわけですね。これは財政上何時間しかとにかく時間外の金がないと、だからそれ以上どれだけしているかということは統計も取っていないと、こういうことになっておりまして、まことに悲しいことでありまして、ここはやはり本当にそこを変えて、そして企業なら企業もやはり諸外国に打ち勝っていくんだということにならなければ、人を減らすのは良いけれども、雇っている人は何時間でも働かして、そして経営を成り立たせようという考え方も変えてもらわなければいけない。厚生労働省、外に向かってはそう言うんですけれども、しかし自分自身が12時までも、1時までも仕事をして、それでそういうことをやらずに外にばかり言っているというのでは、これは言うだけの値打ちもありませんし、本当に説得力も無いという気がいたします。
- 記者:
- 大臣ご自身はご自分の働き方についてはどのように。
- 大臣:
- それ言われると弱いわけですけれども、私も出来るだけ早く宿舎に帰るように心掛けております。出来るだけ夜はあちこち歩き回らないように、夜行性にならないように心掛けておりまして、早く帰りましても孫が待っておるだけでやかましいだけでございまして、まあ、しかし早く帰るようにいたしております。やはり早く帰って少し心を落ち着けて、そうしてどうするかということも考えないことには良い考えも浮かんでまいりませんし、毎日毎日忙しい忙しいで流されておりましては、本当に良い考えというのは浮かんでまいりませんし、それではお互いにいけないというふうに私は思います。今までにも、お名前は言ってはいけませんけれども、知事さんでも週3日しか出ない、それでいろいろな会合だとか何とかというのは人に、副知事さんなり、みんなに委ねると、そういうことにしてどうあるべきかをじっくり考えるのが知事だと、こういうふうにおっしゃった人があるそうでございまして、私はそれは決して間違った考え方では無いと思いますが、週3日というのはどうかと思いますけれども、しかしそういうものの考え方、やはりあそこで挨拶、ここで挨拶と、そんなことに時間を取られて、本当の仕事をしてお見えになるのかと思われるような忙しい知事さんもあるわけですから、そこはやはりそうしたものの考え方というのはこれから上に立つ者はやはり考えていかなければいけないんじゃないかと思っております。どうぞひとつ皆さんも早く仕事を終わっていただきまして、早く家庭の人になっていただきたいと、ご健闘を祈ります。
- 記者:
- 検討チームなんですが、各課から集めてというのは、人数的にはどれくらいの規模に。
- 大臣:
- 何人になりますか分かりません。そんなにたくさん集まりましても良い知恵が出るわけでもございませんから、まあ、せいぜい10名くらいでと思っておりますが。
- 記者:
- 瀋陽に関してなんですけれども、今日の閣僚懇なりでですね、外務大臣の方から昨日の報告書についてはご説明があったのかという点と、今まで大分日中双方で随分言い分が違っていますけれども、今日までの事態を踏まえて大臣自身はどう受け止めてらっしゃるのか、お願いします。
- 大臣:
- 今日は外務大臣の方からご報告ございませんでした。前回も非常に詳しくご報告がございましたので、今日のところはございませんでしたが、大変ご苦労をされているだろうというふうに思います。何となくやつれられたように思いまして、大変ですねとお声を掛けたわけでございますが、厚生労働省も職員があちらにおじゃまをしていて、そしていろいろとお騒がせをしておるわけでございます。今日はいろいろと厚生労働省の職員がお世話になっておりまして申し訳ございませんと声を掛けたところでございます。外務省の方がかなり綿密にその行動について一人の人ではなくて、そこに在職する全ての人から聞き取り調査をし、時間を区切ってどうであったかということをお聞きになっておるわけですから、私はこの外務省の結果というものをご信頼を申し上げたいというふうに思っております。従いまして今回中国の側がいろいろなことをご指摘になっておりますけれども、やはり当事者であります日本のそこに居合わせた人達の全ての声がこうであったという、出ました結論というものを私たちは尊重したいというふうに思っております。従いまして中国に対しましては毅然としてこういう状況であったということを説明をし、そして5人の皆さん方を一刻も早くこの人たちの希望するようにしてもらいたいということを主張しなければいけないと思っています。
(了)