閣議後記者会見概要
H14.04.23(火)9:24~9:39 厚生労働省記者会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 今日の閣議におきましては、農林水産大臣から平成13年度の森林・林業白書につきましてのご説明がございました。防衛庁長官から大韓民国訪問についてのご報告がございました。それから七か国財務大臣・中央銀行総裁会議につきまして財務大臣からご報告がございました。少し事細かくお話がございました。それから第4回の日中韓三か国環境大臣会合につきまして環境大臣からのご報告がございました。それからアフガニスタン暫定行政機構のアミン教育大臣の訪日につきまして文部科学大臣からの報告がございました。それから農林水産大臣から諫早湾の干拓事業の推進につきましてのご発言がございました。以上でございまして、今日は特別なものはございません。
質疑
- 記者:
- 川崎の協同病院の件ですが、大臣が思うところをちょっとお聞かせ下さい。
- 大臣:
- 現在まだ進行中のようでございますし、どういう実態であったかということを役所の方からもまだ報告を受けておりませんが、従いまして、皆さん方がお書きになりました新聞紙上でのお話を伺いをしているに留まっておりますので、正式なコメントはまた別途行いたいというふうに思っておりますけれども、やはり病院というところは入院してお見えになる皆さん方に対しまして、もう少し丁寧な対応というのが求められるというふうに私は思います。
- 病院の中というのはどういたしましても医療を行う側の方が優位と申しますか、非常にそういう立場に立つわけでありまして、どうしても権力主義的になりがちな場所でございます。そのことをよくわきまえて、やはり医療に従事するものは専念をしなければならない、やはりそのことがどういう治療を行うかということのスタートとして、一番基本的で、一番大事なことだと私は思っております。特に病院の中でも大学病院でありますとか、国立病院でありますとか、そうした大きい病院になればなるほどそのことをよく注意をしなければならない。そのことが今回問われているというふうに私は思っております。
- 従いまして医学教育の中にありましてもどういう治療を行うか、どういう診断をするかということの前に、やはり医師を始めといたしますこの医療従事者が、いかなる姿勢で患者に接するかということが大事でありまして、そのことを行わなければ傲慢の一言に尽きる、そう私は思います。そうあってはならないというふうに思ってます。そうした意味でいろいろなことが考えさせられる今回の事件であったというふうに思っております。
- 記者:
- 大学病院などの特定機能病院においての医療事故が1万5千件ですかね、ものすごい数字が上がっているのですけれども、重篤事例でも387件、そのへんの受けとめと今後の対策を聞かせてください。
- 大臣:
- 大学病院だけのことを申しますと私の多少の越権行為になりますから、医療全般につきまして申し上げれば、昨年から検討会も進めてまいりまして、この医療事故、医療ミスというものが何故起こるかということを、あらゆる角度から検討もしていただいてまいりましたし、私も参加をしていただいております皆さん方にお願いもしていたところでございます。
- 結果として出てまいりました各先生方のご意見というものを拝見をいたしますと、やはりミスというのは個人で、個人のレベルで見る限りそれを100%防ぎようがない、防ぐことは出来ない。個人で防ぐことが出来ないところを、やはり組織としてどう防ぐかという、組織の枠組み、システム、そうしたものをやはり明確にしていかないといけないという一言だろうというふうに思っております。ただ私は一面におきまして今までの医療の中で医師や看護婦、その他の医療側の職員が初めから最後まで一人の医師が診る、一人の看護婦が看ると言っておりました時代からチーム医療という形になってまいりまして、一人の患者さんに対して多くの医師や看護婦を始めとする医療従事者が携わるということになってまいりましたから、そういたしますと、やはりそこの連携がスムーズにいかない、申し渡しが十分にいかないといったようなことが起こってまいっておりますので、組織として防ぐシステムを作らなければならないと同時に、組織的な医療であるがゆえに起こってまいります問題の解決ということもまた難しい課題だというふうに思ってます。
- しかし、治療を受ける、病気を治したいという思いで入院をしてお見えになる皆さん方に対して,医療側がミスをする、それも単純なミスを行う、そうしたことで命に関わるようなことが起こることは、これは絶対に認められないことでありますので、やはりそこを解決をしていく方法を私達も真剣に探らなければならないというふうに思ってます。
- そこは具体的な問題もあるというふうに思いますが、やはり現在の医療現場があまりにも忙しすぎるということも私はあるというふうに思ってます。ここを医療制度改革の中でどうしていくかということが、私はこの医療制度改革いろいろありますけれども、そこが一番大事なところではないかというふうに思っておりまして、もう少し落ち着いて静かに治療が行える現場をどう作っていくかということだろうというふうに思います。単純に現在の制度そのものをそのままにしておいて人さえ増やせばいいという議論も私は少し早計ではないかというふうに思っております。もう少し時間をおかせていただいて私も真正面から取り組みたいというふうに思っております。
- 記者:
- 先程の川崎協同病院の話に関連してお聞きしたいんですが、この件はまだちょっと不確定要素が大きいと思うんですが、安楽死ということと、それから終末期医療のあり方ということについての大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
- 大臣:
- 安楽死につきましては、これは医学の面だけではなくてもう少し人間の生き方、そして再び元気に活動出来なくなった人たちに対してどの様に接するかという、もう少し高次のより人間的な立場での議論でありますから、軽々に私がここでどうこうということを申し上げることは少し差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、いわゆるターミナルケアーと申しますか、終末医療ということについて現在までの治療のあり方でいいのか、それとももう少しここには改善を加えていく余地があるのかというところは、これはかなり医学以外の側面が関係してきますからこれも軽々にはそう言えませんけれども、私個人の考え方はこのターミナルケアーというのはもう少し議論を深めて、現在の医療のあり方は改革をしていいのではないかというふうに思っております。大学病院やあるいはまた大きい病院に入院をなすって、そして最終を迎える患者に付き添いました家族の皆さん方からは、やはり終末の医療のあり方はもう少し考えて欲しいという声がたくさん出ておることも事実でございます。かなりそうしたご意見はかなり前から続いてまいりましたし、ここは私も少し改善をしても、改善と申しますか治療のあり方を考え直していいのではないかというふうに思っております一人でございます。もう少しいいますと、現在の終末医療のあり方を見ておりますと医学的に見ましても、どうしてももう元に戻ることが出来ない人に対して、緊急でまだ戻る可能性のある人と同じような、全て対応をするといったようなところも見受けられる。それぞれの状態によってやはり少し考えていってもいいのではないかと思っております。
- 記者:
- 小泉総理が日曜日に靖国神社に参拝されたことについて特に今日閣議で何かお話があったのかどうかということと、訪問自体に関して韓国、中国がやはり反発しているんですが、こういったことも踏まえて大臣のお考えなどがあればお聞かいただきたいんですが。
- 大臣:
- 今日の閣議では別に何ら出ておりません。一切そういう話はございませんでした。総理が参拝されましたのは公的にされたのか個人でされたのかということが明確でないというような議論もございますけれども、明確でないものは皆個人と私は思っております。振り分けをいたしますと公的参拝でないものは全て個人ということだと思います。法的にもそういう振り分けだそうでございます。ですから今回も公的参拝なのか個別の参拝なのかということは明確でありませんけれども、明確でないということはこれは個別の個人の参拝であるということになるというふうに思います。従いまして個人としての参拝はこれは個人に関わる問題でございますから、私は総理のお考えに従って総理がおやりになったんですから、それはそれでいいのではないかというふうに思っております。それ以上申し上げることはありません。
(了)