閣議後記者会見概要

H13.11.30(金)8:50~9:07 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議でございますが、閣議におきましては、閣僚発言といたしましては内閣官房長官から平成12年度障害者のために講じた施策の概況に関する年次報告というのがございました。それから総務大臣から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果についてのご報告がございました。後でお触れさせていただきますが、10月の完全失業率は季節調整値で5.4%、前月に比べまして0.1ポイント上昇しておりまして、過去最高となっております。また就業者数は6,405万人と、前年同月に比べまして103万人減少いたしまして、7ヶ月連続で前年同月の水準を下回っております。こうしたご報告がございました。私の方からは有効求人倍率につきましてのご報告を申し上げまして、平成13年10月の有効求人倍率は季節調整値で0.55倍と、前月の0.57倍を0.02ポイント下回っております。有効求人、季節調整値でございますが、前月に比べまして0.6%の減少でございます。有効求職者、これも季節調整値でございますが、4.4%の増加となっております。このような状況につきましてご報告を申し上げたところでございます。その他につきましては、科学技術政策担当大臣から国の研究開発評価に関する大綱的指針についてのご発言がございました。それから内閣総理大臣からも国の研究開発評価に関する大綱的指針についてのご発言がございました。大体以上でございます。

雇用・失業情勢について

大臣:
先程ご報告申し上げましたとおり、10月の完全失業率が5.4%、とりわけその中でも男性が5.8%、女性は下がりまして4.8%、平均して5.4%ということになっております。今日閣僚懇におきましても発言をいたしましたが、事態は容易ならざる事態に至っているというふうに思っております。これも閣僚懇で発言をいたしましたが、雇用政策としての限界に近づきつつある。経済全体からの政策が望まれる時だということを申し上げました。局所療法ではもはや限界があり、全身療法の必要な時を迎えていると思っております。その旨今日は発言をしたところでございます。とりわけ就業者数が103万人と、100万人を超えて減少したというのは、第一次オイルショック後の、昭和49年にあったそうでございますけれども、それ以来でございます。大変厳しい状況に立ち入ったと思っているわけでございます。第一次の補正予算で組まれました内容等につきましても、迅速にそして効果的に早く実行しなければならないというふうに思っております。またハローワークにおきます非常に忙しい状況に鑑みまして、この応援をどうするかといったことも考えていかなければならないというふうに思っている次第でございます。そうした問題をやりながら、一方におきましてはワークシェアリング等の新しい問題にも取り組みたいというふうに思っておりまが、いずれにいたしましても、これは雇用対策の範囲の中の話でございます。それだけではなかなか処理しきれない状況に今なって来ているというふうに私は思っている次第でございます。そういうことを今日は率直に閣僚懇でも申し上げた次第でございます。私の方からは以上でございます。

質疑

記者:
今のご発言に関連して他の閣僚からは。
大臣:
無かったですね。皆うなずいてはくれましたけれども発言はございませんでした。
記者:
雇用対策として限界で、経済全体とおっしゃいますが、具体的には例えばどういうことを示して。
大臣:
具体的に私が少し発言すべき範囲ではないというふうに思っておりますから、具体的なことは私は、思いはいろいろありますけれども、私が申し上げるのは適当でないというふうに思いますので、それは差し控えたいというふうに思いますが、トータルとして言えば、やはりより総合的な政策が必要であると、いわゆる雇用対策の範囲内での政策ではなかなか追いつかない、そういう思いがいたしましたので今日は申し上げたわけでございます。
記者:
昨日、政府・与党社会保障改革協議会が改革大綱を取りまとめましたけれども、それで評価と今後の実現に向けてどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお願いいたします。
大臣:
医療制度改革につきましては各党それぞれ大変な議論の中をおまとめをいただいて、そして社会保障改革協議会ワーキングチームとしての意見集約をしていただいて、大変感謝を申し上げております。厚生労働省試案を発表いたしましてから、様々な議論があったわけでございますが、しかしひとつの成案に至りましたので今後はその内容を更に我々として深めていかなければならないというふうに思っております。まだまだこれからに詰めなければならない問題がたくさんありまして、昨日決まりましたのは、いわゆる大枠が決まったということにすぎないというふうに思っております。厚生労働省といたしましては、これから更に制度改革にどれだけ踏み込むことが出来るのかと言うことが問われているだろうというふうに思っています。昨日の中で医療保険制度の今後のあり方、それから診療報酬の基本的な考え方のもう一度整理の仕直し等々につきましても、大きく取り上げていただいておりますのでそこは私も満足をしているところでございますが、これらの問題をどれだけの期間に、早くやらないといけないと思うんですね、2年も、3年もかかってやっているようではいけないというふうに思いますから、1年くらいの間にそれらの方向性、そしてこれからどうするかということの目安をつけないといけないというふうに思っております。
記者:
当初2002年10月からということを目指していました患者の自己負担3割の問題なんですが、政府は2003年の4月からということで半年先送りしたのではないかというふうに見る向きもありますが、大臣ご自身はその点についてはどう評価されますか。
大臣:
自民党の5役会議の中でいろいろご議論があったということを聞いておりますが、いずれにいたしましても手ばなしでと申しますか、前提条件なしに引き上げが出来るとは思っておりません。やはり経済全体といたしましては、この経済の状況をどう回復せしめるか、そして厚生労働省としては先程申しましたように制度改革をどう大きく切り込んで、そして無駄を省くことをどう実現をしていくかといったことが、やはり前提条件になるというふうに私は思っております。そうしなければ多くの皆さん方のご理解を得ることが出来ないというふうに思いますので、そこに精力的にこれから厚生労働省としても取り組まなければならないというふうに思います。その暁において国民の皆さん方のご理解を得ることが出来るかどうかということだというふうに思います。
記者:
失業率の方で先月大臣は9月、10月の方が狂牛病あるいはテロの影響を受けるだろうとおっしゃってましたけれども、11月以降についてはどのように。
大臣:
ちょっとそこまで予測することは出来ませんが、先月にはテロ等の影響が若干もう既に出ておりましたけれども、まだ完全に出ていませんでしたから、10月の方の影響の方が大きいのではないかと先月申し上げたわけでございます。不吉な予測と申しますか、それが当たってしまったわけでありまして、大変残念に思っておりますが、これから先更にこれが悪化するかどうかということの予測は今できません。しかし現在の経済状況からしまして急速にこれが回復していくということもなかなか考えにくい状況にあるというのが私の今の心境でございます。
記者:
先程の一年以内に結論をと言っている医療制度改革の中には、保険の一元化についても一定期間の間に結論をお示しになりますと、その一定期間も一年以内と。
大臣:
やはりその医療保険制度の一元化なんかは一遍に、1年か2年で完全にするというわけにはいかないと思うんですね。しかし今後どういうふうにこれを進めるかという見通し、それからそれに至るスケジュール、そうしたことをもう少し明確にしていかなければいけない、やはり今後のスケジュールや見通しを明確にしたうえでご理解をいただくということに多分なるのだろうと思います。
記者:
大臣が以前おっしゃられておりました役所の痛みというのは、あまり無いように。
大臣:
役所の方の痛みも、これは伴う改革をやらなきゃいけないと思うんですね。そのひとつは既に申し上げておりますように年金、医療、介護、雇用等の、いわゆる保険の徴収の一元化、これはかなり役所の中で今進めておりまして、大分アウトラインが見えてくるところまで来ております。これはやり遂げたいというふうに思っております。そして人員等削減するところは削減をしたいというふうに思っております。それからもうひとつは、これは電算化と関係するわけですが、特にレセプトの処理、あるいはその審査等、この辺にももっと無駄を省くところがあるのではないかというふうに思っておりまして、この辺につきましても進めていきたいと思っております。1番大きな課題は診療報酬の基本的考え方をどのように見直すかということになるだろうと思います。やはりこれは日本の医療制度そのものを変えていくことにも結びついて来るというふうに思います。例えば高額な機械でありますCTスキャン、あれなんかでも英国におきましても人口100万人単位で6台ないし7台、6点いくつでございますから、四捨五入しましてもせいぜい7台くらいであります。フランスが10台、アメリカが13台ぐらいだったというふうに思いますが、これが日本では100万人単位で84台、これは平成11年の資料でございますけれども、それぐらいな台数だったということが言われております。これはやはりもう少し医療を効率的に行うためにもこうしたことを少し見直していかないといけない、共同使用というようなことをやっていかないと、高額の機械、器具等をどんどん各病院が全部持つということになってまいりますと、それを今度はその代金を回収しないとならないわけでありますから、医療費にも響いてくる。そうした医療制度全体の中でももう少し考えていかなければならないというふうに思っております。

(了)