坂口厚生労働大臣・武部農林水産大臣共同記者会見概要

H13.10.18(木)9:16~9:56 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

牛海綿状脳症(BSE)の疑いのない安全な食品の供給について

坂口大臣:
それでは皆様おはようございます。牛海綿状脳症の疑いのない安全な食品の供給についてということで、今日発表させていただくわけでございますが、その要旨につきましてはすでに記者の皆様方のところにお配りをさせていただいてありますので、同じことを繰り返して言うことはやめさせていただきたいというふうに思いますが、その中心の部分だけ申し上げさせていただきますが、と畜場においては食肉処理を行う全ての牛についてBSE迅速検査を実施をいたしましてBSE陽性の牛については全て焼却をします。と畜場においてはBSE感染性がある特定危険部位である脳、脊髄、目、回腸遠位部につきましては全ての牛について除去、消去いたします。焼却いたします。それから農場においては農水大臣の方からご報告があると思いますけれども、出荷牛に対しまして精神症状の有無をチェックをいたしましてBSEの疑いが否定できない牛、その中枢神経症状を呈する牛につきましてはBSEの検査を含む病性鑑定を実施をいたしまして、検査結果に関わらず、と体は全て焼却をいたします。以上のような体制を整備をいたしました。これによりまして今後と畜場においてBSEに感染していないことが証明された安全な牛以外と畜場から食用として出回ることはありません。以上が私の報告を申し上げる主旨でございます。
武部大臣:
私からも一言申し上げたいと思います。私の大臣談話はお手元の一枚にお示ししておりますので、お目通しいただきたいと思います。
只今、厚生労働大臣からお話がありましたように、大臣談話の内容のポイントを申し上げますれば、牛肉や牛乳、乳製品は、もともと安全であるということが第一点であります。これはOIEにおいてもそのように報告されておりますし、英国におけるマウス接種試験で、このことが公になっているわけであります。是非、このことをまず第一にご理解いただきたいと思います。本日より、全頭検査が開始されるわけであります。私共も厚生労働省と一体となりましてEUに勝る世界でも一番高い水準ともいうべき、検査体制が確立したということによりまして、今、坂口大臣のお話のとおり、安全な牛からのものだけがと畜場から出回り、それ以外のものは、一切出回らないシステムが確立したということでございまして、国民の皆様方にもこのことを、是非ご理解いただき、安心して食肉等をお召し上がりいただきたいとこのように考えるわけであります。
今後、万が一、BSEの感染が疑われる牛が発見されましても、新しい検査システムによりまして完全にチェックされるわけであります。また、農林水産省としては、農場における中枢神経症状等のある牛については、9月20日から検査をし、もう既に9頭でておりますが、全て陰性でありましたが、これは全て焼却処分にしているわけでありまして、農場においてもサーベランスを徹底しているということ、加えて全頭検査によると畜場における新体制ということで、より安全性が確立されたということであります。
従いまして、食用としても、飼料原料としても、一切市場に出回ることのない体制になっているということです。新検査システムで採用するBSE迅速検査、つまりエライザ法は、その牛がBSEでない場合でも陽性として検出しやすい特性をもっているということで、このことにつきましても、ご理解いただきたい。最終的な確定検査によって先般も陰性ということが明らかになったわけであります。こういうことが今後もあり得るということで、是非ご理解いただきたいと思いますし、検査体制が万全になりましたので、このことについても、安心いただけるという体制であることをご理解いただきたいと思います。今後とも私共といたしましては、風評の沈静化に向けまして、国民の皆様へ正確な情報を提供して参りたいと思いますし、また、生産農家はもとより様々な分野で非常に経営上苦境に立たされている現状でございますので、こういったことにつきましても、万全を期して今検討中であります。以上が私が総括して申し上げるべきことだろうとかように思います。

質疑

記者:
2問質問させていただきます。最初の1問を両大臣に伺います。千葉で一ヶ月前に発見されたBSEの牛のルートについてはまだはっきり解明されていないと思いますが、この段階で両大臣は「肉は安全だ」というふうにおっしゃられますが、消費者の方はやはり感染ルートが解明されないと安全という風には理解されないと思いますが、この辺についてはどういう風にお考えになるでしょうか。
坂口大臣:
感染ルートが特定されていないというお話がございました。そういう言い方をしますと国民の皆様方非常に不安に思われるわけですね。この狂牛病が罹患をいたしますのは、狂牛病に罹りますのはこれは餌からであることは間違いがないわけでありまして、その餌が特定をされていないということでございます。医学関係の世界ではそんなに珍しい話ではありませんで、O-157のような急激な疾病でもこの数日あるいは一週間か十日の間に何を食べたかということですらなかなか特定しにくいというようなところがあるわけでありますから、非常に慢性に、超慢性にこの経過をいたしますこうした牛の場合にどの食べ物からそれが罹患をしたかということを特定することはそう簡単なことでないことは私は事実だと思います。しかし食べ物からということははっきりしているわけでありますから、そこは徹底的な究明が必要であるというふうに思っているところでございます。そのことと今回の肉・牛乳等との安全の問題とはこれは次元が違う話でありまして、その感染ルートの方の話は、感染ルート、私が言いましたこの餌の特定ということについてはできておりませんが、その特定ができてないから牛の方の発病というものはそれは言えないわけでありますけれども、私達が今言っておりますのは、だからこそ検査をして、そして感染をした肉を出さないと、こういうことを言っているわけでありますから、それが特定されていないこととそして今日の肉を安全なものを国民の皆様方にこれで安全ですということとは別次元の話だというふうに思ってます。
武部大臣:
今厚生労働大臣のお話にありましたように、牛肉・牛乳乳製品はもともと安全なものであります。これはここにおいでの皆様方には理解いただいていると思います。しかしこのBSE感染牛が発生したということの衝撃、そのことについて行政上の不手際もありました。このことは改めてお詫びしたいと思います。そのようなことで国民の皆様方は「牛肉そのものも危ないのではないか」というような風評被害が飛び交っているわけですね。そこで、厚生労働省と一体となって、と畜場から安全な牛以外のものは絶対出回らないと、流通しないという体制をつくり、人の健康に影響を与えないということを私たちは第一番に考えて今日まで準備してきたわけです。今日から、EUは30カ月齢以上の牛だけが全頭検査ですけども、わが国は全て、若い牛も年取った牛も全部検査するという態勢をとった訳でありまして、仮に万が一BSEに感染した牛がと畜場に入ってきても、それはご案内のとおりエライザ法の検査と、もしここで陽性になればウエスタンブロット法で精密検査をし、確定させていくと。万が一これが陽性であれば、完全に焼却処分としてこの世から消えるわけです。そして市場に出ていくのは、流通されるのは、最も安全な、私は世界で一番安全な体制になったと確信しておりますけれども、安心していただける食肉等しか出回らないということが、今日できあがった体制でございます。しかし今ご質問にありましたように、「なぜ千葉県から出た牛が感染したのか」と、それが肉骨粉が原因であるとすれば、その肉骨粉はどこの国からどのようにして入って、どのような経路でこの牛の口に入っていったのかということの徹底究明をしなければなりません。そんなことで今、言わば川上から川下に至るまでの徹底究明に向けた調査をやっている訳でありまして、これまではっきりしていることは、飼料工場に対しても立入検査をやりました。また全国の13万6千戸の農家、或いは459万頭の全牛の頭数についても検査を致しまして、ご承知のとおりエサの誤用流用などが一部あったということも判明したわけでありますが、我々は肉骨粉が原因だろうという風に考えておりますけれども、それ以外に全くないのかと、従って動物の医薬品投与がなかったかどうかということなども徹底究明しているわけです。これまでには過去の経緯からそういうことはないと。さて、そのあとの輸入の問題になるわけですが、いろいろ週刊誌などで英国から333トン入ったんじゃないかということの指摘もありましたし、国会でもそういう議論がございましたが、職員を派遣してこれは英国の担当官の話では、フェザーミールであり量は166トンであったということが改めて判明したわけでございます。今正式なデータの回答が英国から出されているということですから、近々送付されてくると思います。更にデンマーク、イタリア等にも職員を派遣して調査しております。また迂回輸入ではないかという疑問も当然出てまいります。香港、タイからのわが国の肉骨粉の輸出実態を調査するために10月11日から職員を派遣して今調査中であります。今後ともこれらの調査にあたりましては徹底して究明していきたいと。全てを明らかにすべく努力していきたいということでございます。このことはこのことでありまして、今後に残された課題であることは言うまでもありません。しかし今日はくどいようですけども、全頭検査というEUにも勝る体制でと畜場に入ってくる牛がチェックされると、そして安全なものしかこのと畜場から出回らないと、そういう事実を国民の皆様方に知っていただきたいということの今日の会見でございます。
記者:
両大臣へ伺います。全頭検査の結果の公表が確定診断後に変更されました。ただ、自治体の中には一次検査後速やかに公表する方が住民不安を軽減できるとの独自の判断をしているところがあります。国民の安全を守る政府として、正しい情報を率直に消費者に伝え、問題をきちんと理解してもらう姿勢に著しく欠けているのではないでしょうか。なお、坂口大臣にもう一つ。坂口大臣は自ら打ち出した検査結果の公表の時期の変更を表明する会見の場に出ていらっしゃいませんでしたが、その理由をお聞かせ下さい。
坂口大臣:
検査結果の発表の仕方でございますが、これは一にかかりまして消費者や生産者の方にいかに不安が少ないか、いかに動揺が少ないか、その一点でこれは考えるべき問題だというふうに思っております。私はどちらかと言いますと、一次のスクリーニングテストで結果が出れば早く消費者の皆さん方あるいは生産者の皆さん方にお伝えもしオープンにする方がこれは動揺が少ないのではないかというふうに考えておりましたが、ここはそれぞれによりまして非常に考え方が違うことが分かりました。地方自治体におきましても意見が分かれているようでございますが、やはりこの厚生労働省あるいはまた農林水産省そしてまた国会等におきます議員の皆様方のお考えを聞きましたときに、それはやはりあまり早く言った方の方が動揺や不安が大きくなるのではないか、確定をして皆様方にお伝えをする方がいいのではないかというご意見が非常に多かったものでございますから、私は私の考え方としてそこは考え方を変更いたしまして、同じようにそれでは確定検査をしてからということに一致させていただいたところでございます。いずれにいたしましてもこれは都道府県、あるいはこの市町村も中には入ってくるというふうに思いますが、地方自治体が検査をおやりをいただくわけでございますから、その検査の結果につきましては一義的には地方自治体がどうお考えになるということでございますので、国の方からはあまりこうしろああしろというそこまで限定することはできないというふうに思いますけれども、国の方としましては検査が確定してからこれは発表するということに統一をさせていただいたところでございます。私が発表どうのこうのというのはそれはなんら問題の無いともうしますか、特別な理由のある話ではございません。副大臣にそういう発表をしてもらったというだけの話でございます。
武部大臣:
それでは私から申し上げます。消費者の皆さん方や国民の皆さん方がですね、牛肉や牛乳乳製品は、もともと安全なものであるという理解が深まれば、何時発表しても問題ないんです。それから今度の全頭検査によって心配な牛は全部チェックされて、万々が一陽性であれば焼却処分になるわけですから、と畜場から出てくる牛は安全な牛以外はありません。安全な食肉等しかありませんということの理解も深まれば、私はいつ公表しようが問題はないと思うんです。ただ先日の例を見ましても、そういう理解のない中で第一次検査の結果を公表しますと、それが産地にも大きな衝撃になるわけですよね。もしや、うちの牛ではないかと、うちの地域ではないかと大騒ぎになるわけですよ、ですから私はこれは時間と共に問題はなくなっていくと思っています。従ってこういった問題も今始まったばかりでありますから、技術的な習熟の度合いも違いましょうし、国民や消費者の皆さん方の理解度も違いましょうし、もう生産地は本当に大変な状態に置かれているわけですね、もう精神的にも本当にまいっているわけです、まあそういうような状況を考えますとダブルチェックではっきりするわけですから、そのダブルチェックできちんと結果が出てから発表したからといって不都合な事があるのかと、最初に発表してですね、どういう意味があるのかという事がひとつ残るわけです。従ってこれは統一した方がいいのではないかというふうに私は思いますが、しかし地方自治体が自分たちは早く発表、一次検査の結果が出たら発表するということについては、それはそれで結構なんじゃないかと、そこで色々な混乱が起こっても自分たちがきちんと対応できるということでありましょうから、それはそれで私はこのことを極端に心配視する事ではないと思います。いずれにしてもと畜場から安全な食肉等しか出回らないわけですからね、むしろこの間は良かったと思っていますよ、私は。一次検査であれだけ大騒ぎになりましたけれどもきちんと二次検査、三次検査もやるんだなと、ウエスタンブロットで精密検査をやってこういう結果になるんだな、むしろ検査体制の確かさが証明できたと私はこう思っておりますし、そのことは時間と共に国民の皆さん方の間にも生産者の皆さん方の間にも理解が深まると。まあ当初はやっぱり心配ですね、これ、まだ国民の理解が深まらないうちは、それであるならば最終検査結果を発表してからの方がいいのではないのかということです。
記者:
坂口大臣にお伺いしたいのですが、検査体制が今日始まったばかりで、研修も終えたばかりで本当にこの検査が万全で、感染した牛を1頭も見逃すことがないのかということに疑問があると思います。この始まったばかりの時点で安全宣言を出してしまうというのは時期尚早じゃないかという意見もあるようですが、そのへん大臣いかがお考えでしょうか。
坂口大臣:
それは出過ぎることはあっても、出足りないことはありません、これは検査上。したがいまして未熟であって、正常なプリオンの除去がうまくいかないとか何とかいうようなことがあって、そして陽性に出やすいということはあるかもしれませんけれども、陽性のものを見逃すということはないというふうに思っています。
記者:
しかしですね、非常にたくさんの検査手順がある中で、ひとつの試薬を入れ忘れるとか、そういう単純なヒューマンエラーが起きれば出ないこともあるというふうに見ておるんですが、そういうヒューマンエラーは絶対無いということですか。
坂口大臣:
それは無いという前提でございます。
記者:
なぜそういう。
坂口大臣:
それではあなたは何故出来ぬと言えるんですか。
記者:
いや、人間ですから当然。
坂口大臣:
そう言いだしたら病院における検査を信頼できるのかということになりますね。そのためにこれは皆さん方の訓練もやっているわけですし、元々その皆さん方は今までそういうことに携わってこなかった人ではなくて、検査のベテランなんですよ。だから検査のことについてはよく熟知している人達ですから。しかし今度の検査は初めてのことですから、その実技をやっていただいているわけで、そこは信頼する以外にないと私は思います。元々何も今までやっていなかった人に急に検査をやれというのであったら、それは無理もあるでしょう。だけれども、今までからそういう道を歩んできたベテランの人達ですから、だからその皆さん方がおやりになる、それは検査ですからその工程がいくつかあるわけですので、そこは間違わないようにやっていただかなければならないわけですけれども、そこはちゃんとやっていただけるものと私は確信をいたしております。
記者:
ただ実技を修得するという意味では検査開始が2週間くらい前倒しされて、非常に現場からは厳しいと、習熟する時間が足りないんじゃないかという批判もあるようですが、その検査開始を前倒しした上でいきなり初日に安全宣言ということについてやり方に疑問があると思うんですが。
坂口大臣:
それは私はないと思っております。
武部大臣:
私からよろしいですか。「全頭検査によって安全な牛の物以外は、と畜場から出ていかないシステムが確立しました」というのが今日の発表です。これは全頭検査だけではありません。これまでに、我々農林水産省は農場で中枢神経症状等のある牛の検査をやっているわけです、第1段階として。9頭既に出ていて全て陰性で焼却処分にいたしました。それから、厚生労働省さんが、これはOIEが危険部位としている、脳とか、目とか、脊髄、回腸遠位部、これら以外は狂牛病の牛の肉だとか、牛乳だとかは大丈夫だと言っているわけです。危険部位を全部除去するわけですから、危険部位を除去して焼却してしまうのです。2重、3重のチェックをして安全な牛の物以外は畜場から出回らない体制ができたのです。ですから、私は今厚生労働大臣がおっしゃるとおりに専門家の検査ですから、これは絶対的なものと信じたいですが、あなたがおっしゃるとおり万が一、そういうミスのようなものがあったとしても、危険な部位は全く出回らないということなのです。ですから、「何故この場で安全宣言なのか」と申しますと、私どもはラッパを吹いたり、旗を掲げたりの安全宣言とは思いません。今まで、今日の全頭検査開始に向けて、農林水産省と厚生労働省がずっとこの日に目がけて、様々な対策をきちっと積み上げてきたからです。その様々な対策の一つの区切りとして、全頭検査の実施ということですから、こういったことを皆様に公表しているわけです。
記者:
信頼という意味では、加工食品については各メーカーの自主点検に任せられてますよね。どれだけそれが信頼できるのか、行政としてどこで何がどれだけ使われているということを、どこまで把握されているのか。そのあたりは消費者に対してどう説明を、今日、安全宣言を出す日に、どうなさいますか。
坂口大臣:
これからのものにつきましては内臓であろうと、これは安全なものしか外に出さないわけでありますから、これはもう問題ないというふうに思ってます。それから第一例が出ました直後、9月の19日でございましたか、そのぐらいから脳だとか脊髄だとか目だとか、それから回腸の遠位部だとか、そうしたところは出さないということになっておりますから、それ以降のものにつきましても大丈夫というふうに思っております。しかしそれ以前のものについてどうするか、これは食品の場合には、これは私の方が扱っている薬ですとその中でどういうものがそこで使用されているかということがはっきりしているものですから、こちらからチェックが出来るのですが、ところが食品の場合には何がそこに使われているかということが、全容明らかになっておりません。したがいまして、これは自主的に、私のところの食品はこういうものを使っております、ということをチェックしてもらって、そしてその厳しいもの、厳しいものといいますか、関係が明確でないものにつきましては全部チェックをするという体制に、これはいかざるを得ないというふうに思っております。ただ外国からのものにつきましては去年の12月、それから今年の2月、物によって違いますけれども、ヨーロッパの狂牛病の発生をしております国々からの物につきましては、これは輸入禁止にいたしておりますから、そこは大丈夫というふうに思うんですが、あるいはある程度出来上がりました材料につきましても入らないようにいたしております。ここは大丈夫というふうに思いますが、日本の国内で今まで使われてまいりましたもので、そこが大丈夫であったかという確認は現在やっておりますような方法でチェックをしていて、そしてそこは出してもらった結果を見て、もう上がってくるようでございますから、それらをチェックをして、そして止めなきゃならんものは止めてもらうということにせざるを得ないというふうに思っております。
記者:
ただ買い置きされているものでは各家庭には随分グレーゾーンのものがあると思うんですよね、それ全部。
坂口大臣:
買われてしまっているものまではちょっとわからないでしょうね。だけれどもそれと同じ製品でこの製品は使っているということが明らかになれば、買い置きをしていただいてありますものにおきましても、それはお控えをいただくということが出来るようになると私は思いますけれども。
記者:
厚生労働省としてキチッとイニシアティブをとっていろんな情報全部これから開示されるということですか。
坂口大臣:
はい、そうですね。もう大体上がってきているようでございます。
記者:
武部大臣にお伺いしますが、先程ご指摘がありましたように、生産農家を中心に価格が暴落したり、かなりの影響が出ているわけですけれども、安全宣言を機に国内の生産者対策についてどのようにお考えですか。
武部大臣:
おっしゃるとおり私共はまず、生産者のためにも消費者に歓迎されるものを供給すること、農林水産省というのは消費者と生産者の間に立って仕事をしているということをまず申し上げたいと思うのです。そのために、まず、消費者の皆様方に安心して頂ける体制づくりを第一に考えて参りました。色々なことがありますが、これを一つ一つ申し上げますか?大体かなりのものは大臣談話の中にも入っていると思いますが、例えば、もう新聞にも出ていますが、今までの肉の市場隔離と言いますか、調整保管というようなことで、今までの牛も元々安心なんですし、19日以降は30ヶ月齢以上の牛はと場に入らないことになっているわけです。なぜ30ヶ月齢以上かというと英国の例ではBSE感染率が99.95%である。しかし、私共は0.05%でも絶対にしようということで全頭検査にしたわけです。従って、今までと畜場に入って処理された牛も安全だと。安全ではありますけれども消費者の皆様方からすれば今日から全頭検査と、全頭検査なら安心できるけど、「今までの牛は」と言って事実上売れないという心配があります。ですから、これは国民の皆様方の理解が深まるまでは調整保管と言いますか市場から隔離するということが必要ではないのかなと、このように思っております。それから、今までの制度ではマル緊資金というのがありますけれども、これは所得の低下に応じて家族労働費との差額の8割まで補てんするという仕組みになっておりますが、これを10/10くらいまで補てんすることで検討しておりますし、それから今、物材費も賄えないという、そういう水準になりつつありますので、現行のマル緊事業では対応できない大幅な収益性の悪化というものに対しては、機動的に物材費についても支援する仕組みを今検討しております。その他に、既存在庫牛肉の買い上げや肥育経営の安定化を図るための対策も速やかに講ずるべきであるというようなご指摘がございますので、できるだけ速やかにこの対策も決定し公表できるようにしたいと考えております。それから、肉用子牛生産農家からも様々な要望がございまして、肉用子牛生産者補給金制度の生産者積立金については納付猶予の方向で今検討しておりますし、子牛生産拡大奨励事業についても弾力的に運用したいということで検討しておりまして、間もなく結論を出します。その他、細かいことは是非事務方の方に詳しく聞いて下さい。
記者:
坂口大臣にお尋ねしたいんですけれども、背割りという解体方法については現時点では見直されていないようなんですけれども、これは問題ないんでしょうか。
坂口大臣:
その方法を現在直ぐに変えるということは出来得ません。しかしいろいろな改善を加えておりますし、特にそこで水で洗浄をするといったようなことを徹底いたしましたり、背割りをいたします時にそれが周辺に散らないように配慮するといったことをやりましたり、といったことで現状は切り抜けさせていただきたい。そしてそれが済みました時に1日、その次の背割りをいたしますまでの間に綺麗にそこを洗浄をして、前のものが残ったりしていないようにするといったような方法でまずやらせていただきたいというふうに思っております。専門の先生方にいろいろとお聞きをさせていただきましたけれども、それで十分ではないかということでございますので、そういうふうにしたいというふうに思ってます。ただ将来の問題としてもう少し改善を加えていかなければならないということでございますので、そして新しい機械、どういうふうに導入するかということで今検討させていただいているところでございまして、できれば来年あたりからそうした方法も取り入れていきたいと思っているところでございます。
武部大臣:
それから畜産農家の対策で、一番困ったへい獣処理ですね。これは大変な問題になっていまして、このことについてもBSEが発生してからレンダリング処理が困難な状況になっておりますので、一般廃棄物処理施設での焼却処理の可能性を検討していると同時に、都道府県においても地域に応じた死亡牛の処理のあり方を、今検討しております。したがって国としても地域において円滑なへい獣処理の仕組みが出来るように支援策を講じたいと、これ非常に大事なことなんです。生き物ですから、事故等で亡くなる、死ぬ場合、死亡する場合、かなりあるわけでして、このことがむしろ現場では非常に大きな問題になっていくと思いますので、そのことを早急に対策を立てたいと思っております。これはちょっと付け加えさせて頂きます。 それじゃあどうもありがとうございました。

(了)