閣議後記者会見概要

H13.6.19(火)9:46~9:59 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、文部科学大臣から平成12年度科学技術の振興に関する年次報告等がございました。それから竹中経済財政政策担当大臣からタウンミーティングを実施した報告がございました。そうしたことがございましたけれども、特に私の方から今日はご報告を申し上げることはございません。

精神障害者の問題について

大臣:
その他、厚生労働省として緊急課題になっているのは、やはり重大な犯罪を犯す精神障害者の問題をどうするかということだというふうに思っております。法務省ともよく相談を申し上げなければなりませんし、他の分野もまだ関係するだろうというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても重大な犯罪を犯す人達というのは、そんなにたくさんいるわけではありません、数百人とも千名以下とも言われております。約二百万と言われております精神的な症状を持ちます皆さん方の中で、それは本当に一握りの人だろうというふうに思います。従いましてその皆さん方のことをきちっとやりませんと、全体のいわゆる精神的な症状をお持ちの皆さん方の人権にも関わってくる問題でございます。従いまして、あまり長く議論ばかり続けておりましても前に進みませんので、現在まで法務省と厚生労働省との間でかなり緻密な議論は続けてもらっておりますので、それらを土台にしまして、そしてどう政治的に判断をするかという時期に来ているのではないかというふうに思ってる次第でございます。先般のNHKの討論会でもいろいろと議論になったところでございますが、いろいろ法曹界は法曹界でいろいろな議論がありますことも、これもよく承知いたしておりますが、しかしここは一つそれらの意見も踏まえながらも、もう少し前進をした考え方をしなければなりません。それはいわゆる司法精神病院、いわゆる司法精神障害者病院というものを作るのか、それともそこまでは言わないけれども、しかし医療だけではなくて、司法の皆さん方にもある程度参加をしていただく制度を作るのか、そこは色合いの問題と申しますか、そうした度合いの問題だというふうに思っておりますので、そこをよく話をして、そして日本は日本にふさわしい制度を作り上げていかないといけない。そして対応する場合には、退院をした後やはり在宅に居る患者さんから目を離さない制度、その患者さんの様々な問題に相談に乗れるような体制というのは、やはり必要なんだろうというふうに思います。そうしたところトータルでどうしていくかということを検討していかなければなりません。検討していくというよりも決定していかなければならないというふうに思っております。今日ご報告できるのはそれくらいのところが限度でございますけれども、しかし早急に各省庁とのお話し合いも進めたいと思っているところでございます。

質疑

記者:
合同検討会は議論は終わりということですか。
大臣:
いえいえ、それはそれで続けていただきたいと思っております。
記者:
平行して政治判断を下していくということで。
大臣:
先程も申しましたように、論理的に整理をされたいろいろな議論がされているわけでありますから、そのことを十分に尊重して、やはり我々もやっていかなければならないとは思っておりますけれども、しかし袋小路に入ってはいけませんので、その議論を踏まえながら現実問題としてどうするかという結論が出るようにしていきたい、そう思っております。
記者:
決定していかなければならないということなんですが、いつ頃までに、参議院選挙の前とかあるいは。
大臣:
参議院選挙の前というのはちょっと早すぎますので、やはり決定していくのに今年いっぱいぐらいはかかるんだろうと思いますが。
記者:
与党の中には秋の臨時国会に何かポイントを出すべきじゃないかとかそういう考えがあるようですけれども、その辺については具体的に。
大臣:
早くまとまればそれも一つの方法だと思いますし、与党の方でもいろいろと議論を始めていただいているようでありますから、そのご意見も十分に拝聴したいと思っております。
記者:
資料配付されてます肺ガンを併発するじん肺健康管理に関する検討会なんですけれども、現在じん肺患者のごく一部しか肺ガンを労災として認めてられてないわけなんですが、肺ガンとじん肺の因果関係がはっきりした場合、労災認定も再検討されていくんでしょうか。
大臣:
それはそういうことになると思いますが、しかし今回の場合にも全てのじん肺と肺ガンが関係をしているというわけではなくて、その中の一部ですねこれは。結晶質シリカの人に対する発ガン性の評価、この部分がけい肺と関わっているということでございますから、この部分につきましてはそういうことになっていくだろうというふうに思いますが、しかしまだ全体にこれは及んできた話ではありません。もう少しここはこれから研究が進むんだろうというふうに思います。
記者:
けい肺については因果関係がはっきりしている場合には、労災の認定というのも再開されるんでしょうか。
大臣:
けい肺と肺ガンが両方存在するときの話ですか。
記者:
はい。
大臣:
それはそうでしょうね。
記者:
触法精神障害者に戻らせていただいてですね、検討会でも4回やって出た議論で、論点は出尽くしたと考えていいんでしょうか。
大臣:
大きな大枠の議論はそこに出ているというふうに思います。しかしそこをさらにどうするかという具体的なことについては、まだこれから検討をしなきゃならないこともあるんだろうというふうに思います。しかしこれから先の議論として一番大きな方向性として、どういう方向に進むのだということを、やはり政治が判断をしなければ議論が進みにくいという側面もあるというふうに私は思ってます。ですからその今までの議論を踏まえながら、そして政治がこういう方向でという方向性を判断をして、そしてさらにまた議論をしていただくということに、それはならざるを得ないというふうに思います。
記者:
じん肺の関係なんですけれども、IARCがですね、平成9年に出してですね、韓国でもドイツでも見直しが始まってたんですけれども、いわゆる取り組みが遅いんじゃないかと、訴訟を起こされるということですね、そういう議論すごく関心があるんですけれども、遅かったという指摘についてはどのように。
大臣:
取り組みと申しますか、日本の中における研究の進行に合わせてこちらもやっているということでありまして、やはりこうした先端的な部分というのは、これからもより積極的に研究をしていただくような方向に、やはり政治の方も持っていかないといけないんでしょうね。いわゆる学会の進行状況、学会の状況にある程度お任せをして、そしてその結果を見せていただいてそれに対応するというだけではなくて、やはり先進的な部分では政治や行政がやはりもう少し早くここは結論を得なければならないと思うような部分につきましては、厚生労働省での研究班もできるわけでありますから、これからはそうした先端的なことについてはより積極的にやっていくという姿勢も大事だと思います。これがそれに当たるかどうかはわかりませんけれども、一般論でいえばそういうことだと私は思います。

(了)