閣議後記者会見概要
H13.5.08(火)9:43~10:08 厚生労働省記者会見場
広報室
会見の詳細
閣議について
- 大臣:
- 今日の閣議は昨日の総理演説にもございましたが、都市再生本部の設置につきましてご提案がございました。その他ハイジャックの問題でありますとかその他の問題が若干報告がございました。特段のものはございません。
- 国会提出案件につきましては、土井たか子社民党委員長から提出されております、国政の基本に関する質問に対する答弁書、その他人事案件等でございます。
- その大臣発言といたしましては官房長官から都市再生本部の設置につきましての発言がございました。併せて経済財政担当大臣からも都市再生の発言がございました。それから外務大臣から外交青書、まあ白書ですね、出すと言うことでその内容について若干の発言がございました。それから内閣総理大臣発言といたしまして、低公害車の導入促進につきまして率先して環境問題に取り組みますために、原則としてすべての公用車を低公害車に切り替えるという発言が昨日もございましたが、14年度以降、3年を目途にこれを低公害車に切り替えるというものであるという方針が出されたところでございます。それにつきまして環境大臣、経済産業大臣から併せて低公害車のご発言があったということでございます。今日の閣議は以上でございますが。
質疑
- 記者:
- 低公害車を14年度以降3年を目途にというのは、これは総理が発言なされたのですか。
- 大臣:
- そうですね、総理発言でございます。14年度以降3年を目途にこれを低公害車に切り替えるというものであり、各省ともこの方針で取り組んでいただきたい。本年度においても、交換車両は全て低公害車とする努力をあわせてお願いしたいというものでございます。総理発言でございます。
- 記者:
- 新しく買った車を3年で潰しているわけではないですよね。前倒しをここからやらないといけないですよね。
- 大臣:
- そうことでしょうかね、だから売却する物は売却して、切り替えていくということではないかと思いますが。まだ若干新しいものもあるだろうかと思いますが、それらをどうするかというところまでは出ておりません。
- 記者:
- 閣僚懇では何か。
- 大臣:
- 閣僚懇はですね、いろいろ各省庁にまたがる話というのが最近多い。それを各大臣が知らない間にどんどん話が進んだりすることがあるので、そうした問題を一体どういうふうに話をしていくか、そういう何かシステム化できないか。それは閣議でそうしたことも皆やるのかそれとも閣議以外のところでそういうところの話をするのか。少しその辺を検討していかないと各省庁間にまたがる話、関係する話が非常に多い。例えばこの低公害車の問題でもこれは経済産業省にも影響いたしますし、もちろん環境省にも影響いたしますしいろいろなところに影響することになります。あるいは総務省あたりで自治体との関係も出てくるでしょう。そうしたことを一体どういうふうにしていくのか、といったようなことを大枠の話の触れていかないとならない事がある。特に外交の問題等についてどうするのかといったようなことで、やはり省庁に関係する事がままある。それらをどうするのかというような意見がいろいろ出たということでございます。
- 記者:
- どの大臣から。
- 大臣:
- そこはどの大臣であるということは言わないことになっておりますので控えたいと思います。
- 記者:
- 今の外交の話なんかは、もっと一元化した方がいいという話になるということですか
- 大臣:
- 一元化と言いますか、いろいろ関連することがある。省庁で進めていることがありますね、例えば省庁なら省庁で捕鯨なら捕鯨の事を進めている、あるいは皇室の外交日程なら外交日程みたいなものがあったりとか様々な問題がある、それらは省庁別にやられていてそしてトータルで一体どうなのかということをどこが判断をしていくのか、そのへんの判断が今のところできていないというような議論があります。
- 記者:
- 厚生労働省関係では何かそういった問題は。
- 大臣:
- 今のところはありませんけれどもこれから出てくるでしょうね。とりわけ雇用の問題などはですね、これは経済産業省あたりあるいは金融庁等々の問題が出てまいりますから、その都度話し合いをしていかないといけないと思います。だから雇用なんかの問題につきましては、前もって柳沢大臣や平沼大臣にこういう問題がありますからこれは前もってお話合いをさせてもらいたいと、私の方からも言っております。まあ今日の話し合いではそういう省庁の話し合いが必要だということそれが一つ、大臣が知らない間に進むこともある、大臣もそういうことを知っていないとならないことが知らずにいるために大きな問題になる可能性もあるというような事、そうした事をどうするかといったようなことだと思います。
- 記者:
- 昨日の所信表明演説なんですけれども、社会保障についての部分について大臣のご感想を聞かせていただきたいのですが。
- 大臣:
- 昨日の所信表明演説の中で総理からは雇用問題、それから子育て対策等々につきましてかなり踏み込んだお話がございました。これは今までこうしたここまで踏み込んだ話は、いままでの所信表明演説では無かったというふうに思います。ですからとりわけ子育ての問題等、この保育所のいわゆる保育所待ちのお子さんを無くしていく、待機児を無くしていく、ゼロにしていく。あるいは学童保育を全体に広めていくといったような、そうした具体的な発言というのが今まで無かったわけでして、そうした面では非常に少子化対策に踏み込んだ発言であったというふうに思っております。最初にも申しましたとおり、一つ少子化対策をしっかりとやってもらいたいという総理からのメモと申しますか私も頂いたわけでありまして、その一端が昨日の所信表明演説にも現れたというふうに思っております。やはり我々もこのテンポをかなり早めていかないといけないというふうに思います。
- 記者:
- 昨日の演説の中ではですね、給付を厚く負担は軽くというのは続かないということですけれども、要するにこれからは相当財政的な物に。
- 大臣:
- それはそのとおりだと思います。
- 記者:
- それだと給付の削減ということにですね、これから大きな負担になってくると思うんですが。
- 大臣:
- まあ、給付の削減まではですねいくかどうか、これは全体を見ないと分かりませんからあえて言えませんけれども、削減は無かったとしても給付を増大をさせるということはなかなか難しい状況にある。例えば年金を出した場合、増大をさせるということはなかなか難しい。それでは保険料を今よりも削減をすることは可能かと言えば、これもまた難しいわけでありまして、国庫負担の3分の1を2分の1に引き上げるということによってどうなるかという問題はあるというふうに思いますけれども、しかし少し長い目で見ました場合にはなかなかそれは難しいというふうに思わざるをえません。したがって安定したシステム、将来も安心できるシステムというものをどう構築するかということが大事である。現在だけの状況というのだけではなくて、将来も併せてそうしたシステムをやはり作り上げていくということが、やはり大事ということを昨日の言葉の中に散りばめていられるのではないかというふうに思います。それは当然のことだと。
- 記者:
- おっしゃるのはある意味では保険が安定したシステムということで、ある意味では保険料をどこまでしか上げないと、そういうことも当然か。
- 大臣:
- 当然それは含まれてまいりますね。年金にしろ医療にしましても、それはいわゆる限界というものがありますから、それを全体でやるかあるいは所得別に行うか、そのへんのところは検討しなければならないと思いますけれども、所得の多い人に対してどのようにするかというような考え方もございますし、また所得のあるなしに関わらずどうするかという考え方もありますし、そこは考え方はいろいろあると思いますけれども。しかし医療なんかを考えますときに高齢者医療なんかの時にも所得の高い人、所得の高い人については年金にしろ医療にしろやはりある程度自己負担というものをお願いしなければならない。年金であれば年金の税との関係も考慮させていただかざるを得ない。そんなことは起こってくるのではないかというふうに思います。
- 記者:
- 和歌山でケアマネージャーが関わる凶悪事件がおきましたけれども、大臣はどのように受け取られますか。
- 大臣:
- 昨日私も新聞を拝見をしてケアマネージャーの皆さん方は大変厳しい中で、全体で見ますと非常にご苦労をして立派な仕事をやっていただいているわけでありますから、ケアマネージャーに就いておみえになる皆さん方は大変つらい思いをしていただいているのではないかというふうに思っております。大変残念な出来事であったと思いますが、これはいわゆるケアマネージャー全体の話ではありませんで、特定の人の話でありますから、そこはケアマネージャー全体に関わる話では無いというふうに思っております。あの方がどういう人だったのかということを私も分かりませんけれども、しかし社会的に本当に信頼されるべきケアマネージャーという職の人があういうことを起こしたということは大変残念なことだと思います。これから一つ気を付けていかなければなりませんし、そうした意味で施設全体と申しますか、独自におやりになっているところもございますし、それから施設の中でお仕事をしてお見えになる方も有るわけでございますし、福祉に関連する人達というものはやはり信頼をされるということが何よりもまず大事でありますから、お互いに指摘をしあってそして日々向上をしていく、信頼をされる人間に向上していく、そういうお互いの励まし合いというものがやはりなければならない。そうしたことを福祉関係の人間はもう一度原点に返って考えなければならない、そういうことを教えた一つの事件ではなかったかという気がします。大変残念な出来事です。
- 記者:
- 国として何か対処できる部分が有りますでしょうか。
- 大臣:
- この事件に絡みます問題は、事件の真相がもう少し明らかになっていくことでありましょうし、司直の手に委ねられておりますところは、司直の手ではっきりとさせていただかなければなりません。この制度そのものが問題で起こった事件ではないと私は今思っております。
- 記者:
- 先ほどの年金と税の関係なんですけれども、高額所得の年金の方と税との関係について見直す考えがあるような気がしますけれども、具体的に厚生労働省として税調なんかに提言をしていくということは考えられるんですか。
- 大臣:
- 年金の問題も一度見直しを行ったところでございますし、次の見直しに向けていろんなことを考えなければならないと思いますが、これは先程申しました国庫負担の3分の1から2分の1への引き上げと同時に改めるべきところは改めるというようなことをやらないといけないだろうと思います。そうした時に、それにプラスしてより安定した制度にしていく為にどうするかということがやはり議論になるだろうというふうに思いますから、そうした時に出てまいります可能性としてはないとは言えないと思います。もう少し今年いっぱいぐらいの議論を重ねていかないといけない。
- 年金につきましては、あまりにも財政が厳しいということを主張しすぎたきらいがありました。それで年金というのは非常に厳しくて将来もう破綻するかもしれないのだというふうに信じている方がおみえになるわけであります。本当は決してそんなことはないわけで、他のどんな商品と比較してもこれ程安定をしたものはないわけでありますから、もう少し年金の安定性、将来性というものを本当のことを国民の皆さん方に分かっていただく努力というものをしていかないといけないというふうに思ってます。それは年金局の方で、早々にそうしたところをまとめて欲しいということを言っているところでございます。そのまとめをしながら新しい変革をするところがございましたら、それも併せてしていくということだろうと思います。
- 記者:
- 児童虐待のニュースが相変わらず続いてるんですけれども、大臣としてどう受け止められるかということを聞きたいんですが。
- 大臣:
- 児童虐待これは昔もそれはあったんでしょうけれども、しかし、最近とみに報道されるようになったということもあるんでしょうか、我々の目に余るような児童虐待が起こっているように感じられます。児童虐待につきましてはそれぞれ児童に関わります関係の皆さん方で、連携を密にしてどのように対策をそれぞれの地域で取っていただくかという以外に方法がないわけでありますから、小児科の先生をはじめとし、保健婦さんあるいは民生委員の皆さん、あるいはまた学校の先生や保育所の先生、幼稚園の先生等々、関係する児童に関係する皆さん方で連係プレーをどうしていただくかということを地域ごとにお願いをする以外にないというふうに思っております。国の方でも代表の皆さん方にお集まりをいただいて、今後どういうふうに進めていったらいいかということを今後またやりたいというふうに思っておりますが、それぞれの地域におきましても、そうした動きというものをよりめん密にそしてより活発に行っていただく以外に道はないだろうというふうに思います。
- 先般も児童相談所にお伺いをいたしました。所沢にお邪魔をしまして、いろいろとお聞きをいたしましたが、児童相談所なども様変わりと申しますか、今までの児童相談所とは全く内容が変わってきておりますし、倍々ゲームで児童虐待に対するいろいろなニュースと申しますか情報が入ってくる。現在の体制で対応しきれないようになってきている。そうした状況をどう克服していくかということだろうと思います。ただ役所のそうした人数を一生懸命増やしてもらっておりますが、都道府県によりましては、大々的に増やしていただいているところもあるわけですから、役所の人数を増やしていただくと同時に、そうしたことをどうすれば予防することが出来るかということにもこれから神経を使っていかないといけないだろうというふうに思います。その両面からその地域地域で対策を立てていく、もっときめ細かな対策を立てていくということが大事になってきたと、先日もお邪魔をいたしましてつくづくそう感じたわけであります。
- もちろん現在の児童相談所の体制も十分ではありません。こうしたところに対します国からの対応をもう少し考えていかなければならないと思っております。
(了)