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劇症型溶血性レンサ球菌感染症

感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症

(1) 定義
 β溶血を示すレンサ球菌を原因とし、突発的に発症して急激に進行する敗血症性ショック病態である。

(2) 臨床的特徴
 初発症状は咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋痛などであるが、明らかな前駆症状がない場合もある。後発症状としては軟部組織病変、循環不全、呼吸不全、血液凝固異常(DIC)、肝腎症状など多臓器不全を来し、日常生活を営む状態から24時間以内に多臓器不全が完結する程度の進行を示す。A群レンサ球菌等による軟部組織炎、壊死性筋膜炎、上気道炎・肺炎、産褥熱は現在でも致命的となりうる疾患である。

(3) 届出基準
 患者(確定例)
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から劇症型溶血性レンサ球菌感染症が疑われ、かつ、(4)の届出に必要な要件を満たすと診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。
 感染症死亡者の死体
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、劇症型溶血性レンサ球菌感染症が疑われ、かつ、(4)の届出に必要な要件を満たし、劇症型溶血性レンサ球菌感染症により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を7日以内に行わなければならない。

(4) 届出に必要な要件(以下のアの(ア)及び(イ)かつイを満たすもの)
 届出のために必要な臨床症状
(ア) ショック症状
(イ) (以下の症状のうち2つ以上)
 肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、DIC、軟部組織炎(壊死性筋膜炎を含む)、全身性紅斑性発疹、痙攣・意識消失などの中枢神経症状
 病原体診断の方法
検査方法 検査材料
分離・同定による病原体の検出 通常無菌的な部位(血液、髄液、胸水、腹水)、生検組織、手術創、壊死軟部組織

届出票(PDF:357KB) 


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