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マラリア
感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
(1) | 定義
マラリアはPlasmodium属原虫のPlasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)、Plasmodium falciparum(熱帯熱マラリア原虫)、Plasmodium malariae(四日熱マラリア原虫)、Plasmodium ovale(卵形マラリア原虫)などの単独又は混合感染に起因する疾患であり、特有の熱発作、貧血及び脾腫を主徴とする。ハマダラカによって媒介される。
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(2) | 臨床的特徴
最も多い症状は発熱と悪寒で、発熱の数日前から全身倦怠感や背部痛、食欲不振など不定の前駆症状を認めることがある。熱発は間隔をあけて発熱期と無熱期を繰り返す。発熱期は悪寒を伴って体温が上昇する悪寒期(1〜2時間)と、悪寒がとれて熱感を覚える灼熱期(4〜5時間)に分かれる。典型的には三日熱及び四日熱マラリアでは悪寒期に戦慄を伴うことが多い。
発熱期には頭痛、顔面紅潮や吐き気、関節痛などを伴う。その後に発汗・解熱し、無熱期へ移行する。発熱発作の間隔は虫種により異なり、三日熱と卵形マラリアで48時間、四日熱マラリアで72時間である。熱帯熱マラリアでは36〜48時間、あるいは不規則となる。他の症状としては脾腫、貧血、血小板減少などがあげられるが、原虫種、血中原虫数及び患者の免疫状態によって異なる。
未治療の熱帯熱マラリアは急性の経過を示し、錯乱など中枢神経症状(マラリア脳症)、急性腎不全、重度の貧血、低血糖、DICや肺水腫を併発して発病数日以内に重症化し、致死的となる。
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(3) | 届出基準
ア | 患者(確定例)
医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からマラリアが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、マラリア患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
イ | 無症状病原体保有者
医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、マラリアの無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
ウ | 感染症死亡者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、マラリアが疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、マラリアにより死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。 |
エ | 感染症死亡疑い者の死体
医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、マラリアにより死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。 |
検査方法 |
検査材料 |
顕微鏡下でのマラリア原虫の証明、かつ、原虫種の確認による病原体の検出 |
血液 |
核酸増幅法による病原体の遺伝子の検出
(PCR法・LAMP法・その他) |
フローサイトメトリー法によるマラリア原虫感染赤血球の検出 |
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