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ラッサ熱

感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について

 ラッサ熱

(1) 定義
 ラッサウイルス(アレナウイルス科)による熱性疾患である。

(2) 臨床的特徴
 発症は突発的で進行は緩やかである。マストミスに咬まれたり尿や血液に触れたり、あるいは感染発症者の血液、体液、排泄物等に直接接触する等の後、潜伏期間(7〜18日)を経て、高熱(39〜41℃)、全身倦怠感に続き、3〜4日目に大関節痛、咽頭痛、咳、筋肉痛、次いで心窩部痛、後胸部痛、嘔吐、悪心、下痢、腹部痛等が認められる。
 重症化すると顔面頚部の浮腫、眼球結膜出血、消化管出血、心のう炎、胸膜炎、ショック。重症経過で治癒後、一側あるいは両側のろう(難聴)を示すことが20%以上ある。発症期の症状はインフルエンザ様である。

(3) 届出基準
 患者(確定例)
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からラッサ熱が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ラッサ熱患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
 鑑別を必要とする疾患は、他のウイルス性出血熱、腸チフス、発しんチフス、赤痢、マラリア、デング熱、黄熱である。
 無症状病原体保有者
 医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ラッサ熱の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
 疑似症患者
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から、ラッサ熱の疑似症患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 感染症死亡者の死体
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ラッサ熱が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ラッサ熱により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
 感染症死亡疑い者の死体
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ラッサ熱により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。

検査方法 検査材料
分離・同定による病原体の検出 血液、咽頭拭い液、尿
ELISA法による病原体の抗原の検出
PCR法による病原体の遺伝子の検出
蛍光抗体法によるIgM抗体若しくはIgG抗体の検出 血清

  • 届出票(PDF:375KB) 

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