官民連携した雇用情報システム(仮称)についての基本的考え方
−三村委員の御意見に関して−

 基本的な考え方について

(1) 官民連携した雇用情報システム(仮称。以下「システム」という。)は、雇用情報のワンストップサービスの環境を整備し、求職者の早期再就職や在職者の失業なき労働移動の実現による我が国労働市場における労働移動の円滑化に資するものであるが、その運営については、官民連携した雇用情報システム運営協議会(以下「運営協議会」という。)が、官民連携の観点から、システムの運営主体として継続的に設置され、以下の点について所掌する。
 このため、民間機関の意向を十分反映した形で制度運営が行えると考える。
  1 システムの参加規約の制定・改廃
  2 参加規約に基づく参加機関の認証、情報提供の停止等
  3 システムにより提供されるインデックス情報の項目、内容の設定、変更等
  4 労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るための官民連携の在り方に関する検討
  5 その他運営協議会において検討を要すると認める事項

(2) システムへの参加には、1参加の自由、2システムで提供する情報範囲の自由、3情報項目・内容の自由、4詳細情報へのアクセス方法の自由があり、各参加機関は、自らの事業運営にメリットが生まれる方法、範囲で参加することとなる。
 このため、システムへの参加や掲載する求人については参加機関が選択でき、また、インデックス情報に係る問い合わせについても、ホームページへのリンク、ホームページアドレスによるアクセスだけでなく、E−メール、FAXによるアクセスもできるようにする考えである。
 また、この前提として、E−メール、FAXによる情報登録を可能とし、FAXについては、統一様式を定めた上で、運営協議会の事務局で入力する考えである。

(3) インデックス情報の項目、内容は、運営協議会における議論を踏まえ定められるが、「業務の内容」欄又は「特記事項」欄において、職務遂行能力、経験、資格等求人企業が求める求職者に係る具体的な情報を表示できるようにすることにより、参加機関、求職者にとっての負担軽減が可能であると考えている。
 ホワイトカラーに係る職業紹介事業に対する対応について

(1) ホワイトカラーを中心に業務を実施している職業紹介事業者について、運営協議会における議論も踏まえ、システムにおいて、それ以外の分野の職業紹介事業者とは異なる特性に配慮した取扱いを可能としていきたい。

(2) 労働者派遣事業については、職業紹介事業者との兼業の状況やシステムにおける情報提供のニーズ等を踏まえ、参考情報として労働者派遣事業に係る情報の掲載を可能にするとともに、職業紹介事業者が参加しやすい方法を実現する観点から、詳細情報へのアクセス方法としてトップページへのリンクを希望する場合に、当該トップページに労働者派遣事業を兼業していること等に伴い労働者派遣事業に係る情報が掲載されていても差し支えない(システムへの参加のために、トップページの変更までは求めない。)こととする考えである。

(3) ホワイトカラーに係る職業紹介事業については、求人企業から第一次選考機能を期待され、それに対応した事業運営がなされているものと承知しており、システムにおいてはこのような点に対応していきたいと考えている。
 このため、1(3)で述べたように、インデックス情報の表示の仕組み(「業務の内容」欄又は「特記事項」欄において、職務遂行能力、経験、資格等求人企業が求める求職者に係る具体的な情報を表示できるようにすること)により、第一次選考機能に配慮していきたい。
 具体的には、インデックス情報の掲載に当たり、必要な情報を可能な限り表示することにより、実際に紹介対象となり得ない求職者等からの照会等を回避できると考えている。

(4) 参加の自由の一環として、システムで提供する情報範囲の自由、情報項目・内容の自由を認めることとしており、これによってサーチ型の職業紹介事業もその事業の特性に応じた形でシステムが利用でき、その効率的運営にも資すると考えている。
 システムへの期待、懸念について

(1) システムは、民間機関等の保有する情報の「ありか」を示す一つの窓口を設けることによって、求職者、求人企業のニーズに合致したサービスを飛躍的に向上させるとともに、民間機関の利用促進を図るという意味での「ワンストップサービス」の環境を整備するために意味のあるものとする必要がある。
 このため、制度設計段階から、こうした点を念頭に置いて対処することとしており、関係者の意見も踏まえ、システムの信頼性(セキュリティ確保対策等を含む。)に配慮しつつ、官民の保有する情報をインターネットを利用して一覧、検索し、情報の「ありか」を把握してアクセスできるようにすることにより、失業者の早期再就職、在職者の失業なき労働移動に資するものとしていきたい。

(2) システムの構築に当たっては、ユーザーニーズに的確に対応することが基本であり、簡易、迅速に参加、利用できるようにするとともに、可能な限り新しい、意味のある情報を提供できる仕組みとしていきたい。

(3) インデックス情報について、1(3)で述べたように、必要な情報を可能な限り表示できるようにし、実際に紹介が可能な求職者等からアクセスされる仕組みとすることにより、職業紹介事業の効率的な運営に資すると考えている。

(4) システムにおける求職者情報の提供を、平成13年度から実施する考えはない。
 実施に当たっては、個人情報の適正な管理等について十分な配慮が必要であり、平成13年度からのシステムにおけるインデックス情報(求人情報)提供の実施状況を見つつ、公共職業安定機関における求職者情報の取扱いの状況等を考慮しながら、運営協議会で議論を行い、その結果を踏まえ対処する必要があると考えている。
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