労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令要綱案等について(回答)
平成12年3月27日
労働省

概要  労働安全衛生法の改正に伴い、政省令について所要の改正を行う。(別添 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱等 参照

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
 通知の対象となる化学物質の名称で、「クロロ」と「クロル」があるが、「クロロ」に統一すべきである。 1件  表記方法を整理し、「クロロ」に統一することとした。
 通知の対象となる化学物質の名称が化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)、水質汚濁防止法など他の法律の名称と異なると、一般の使用者等が混乱するので、整合させるべきである。 1件  原則として、現行の法律、政令で使用されている名称を用いることとしているが、現に法律によって同じ物質でも名称が異なるものがあり、完全に整合性をとることは困難な面もある。
 また、通知に際し、当該物質であることがわかれば、本政令の名称以外の名称を使うことは差し支えないものである。
 トリクロロエタンには、1,1,1-トリクロロエタンと1,2,2-トリクロロエタンの異性体があるので、個別列挙するべきである。 1件  これら2種の異性体は、いずれも通知対象物であることから、2つの異性体を包括的に表す名称としてトリクロロエタンを用いている。
 なお、すべての異性体が対象とはならない場合は、個別名称を列挙している。
 既に施行されている労働安全衛生法施行令での物質名と政令指定物質との名称とで異なるものがある(特に異性体のあるもの)ので、統一してほしい。 2件  酢酸プロピル等には、数種類の異性体があり、それらの異性体が全て対象である場合には、包括的に記載している。
 なお、例えば、ノルマル体のみを表す場合は、「ノルマル」と記載することとしている。
 通知対象物(灯油、軽油、鉱油等)を明確に定義できるものとされたい。 1件  軽油については、日本工業規格(JIS)のJIS K 2204、灯油については、JIS K 2203の規格に適合しているものが該当するものであり、このような定義についても周知を図りたい。
 PRTR法対象指定化学物質リストに該当しない物は、指定に適さないのではないか。 1件  労働安全衛生法第57条の2においては、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物を指定しているところであり、PRTR法とは法の趣旨が異なるものであるので、指定する物質について必ずしも同一とはならない。
 FDA(間接食品添加物)に登録されているものは指定に適さないのではないか。 2件  FDAにおいて指定されているのは、食品添加物としての用途に限定されているものであるが、労働安全衛生法第57条の2において指定されているものは、その物の製造等を含め、用途を限定せず、労働者に健康障害を生ずるおそれのある物として指定しているところである。
 「プロピレングリコールモノアルキルエーテル」は、勧告理由書等を見ると「プロピレングリコールモノメチルエーテル」と思料されるが。 1件  「プロピレングリコールモノメチルエーテル」とした。
 「ウレタン」とは何を指すか。 1件  「カルバミン酸エチル」のことであるが、「ウレタン」が学術用語集等で慣用的に使用されているため、「ウレタン」を用いることとしている。
 金属化合物の指定に当たって、「金属その化合物」の表現を使っているが、金属化合物を全て対象とする理由は何か。
 なお、今後の見直しについてどのように考えるか。
1件  金属化合物のうち、学識経験者等により、特定の物質のみ指定することが適さないと評価されたものについて、「金属及びその化合物」と記載することとしたものである。
 なお、見直しについては、新たに情報が得られた場合等、適宜行うこととしている。
 ステアリン酸ナトリウムには、毒性がないと思料されるため、除外すべきである。 1件  ACGIH(米国労働衛生専門家会議)においてTLV-TWAが勧告されており、大量にばく露すると肺障害の恐れがあるため、学識経験者等が検討した結果、通知対象物とする必要があるとされたものである。
 「シリカ」はどのような形態のものが対象となるのか。 1件  結晶質シリカ並びに非晶質シリカのうちヒューム及び溶融シリカが対象となるものとする予定である。
 通知対象物の適用範囲は、労働安全衛生規則別表第2及び労働安全衛生法施行令別表第3第1号で定める適用範囲とするなど、下限濃度を1%より引き上げるべきではないか。 2件  特定化学物質等障害予防規則等の対象との整合性を考慮し、1%を超えるものを対象とすることとしたものである。
 有害性の弱いものについては、成分を含有する旨の記載だけ、又は成分含有量の記載幅を広げてほしい。 1件  成分の含有量については、労働安全衛生規則において、一定の幅による表記でも差し支えないこととする予定である。
 通知の際に、CAS番号を記載することとされたい。 2件  労働安全衛生法第57条の2においては、必要最低限通知すべき項目を定めているものであり、CAS番号等これを上回る事項は任意である。
 通知における含有量の記載方法が労働安全衛生規則第31条と同じである場合に、20%の場合は、どのように記載すればよいか。 1件  20%の場合、当該規定により範囲を指定する場合は、より安全な範囲指定である20%〜30%とすることが適当である。
 化学物質の形状と記載義務の関係を明確にされたい。 1件  固有の使用形状を有する物で、ばく露をしない取り扱いが行われるものについては、労働者に健康障害を生ずるおそれがそもそもないことから、施行通達により通知義務対象から除外することを考えている。
 表示対象物と通知対象物とは全く別の物か。 1件  今回の「通知対象物」には、「表示対象物」が含まれているものである。
 製品名にキシレンが使われており、その中にエチルベンゼンが入っているものがあるが、この場合の取り扱いはどのようになるか。 1件  政令で指定している「キシレン」は、「オルト−キシレン」、「メタ−キシレン」、「パラ−キシレン」の包括名称であり、キシレン製品に混入しているエチルベンゼンについては、1%を超えて含まれていれば、成分の項目にその名称を記載する必要があるものである。
 「ミネラルスピリット」中に含まれている「インデン」、「トリメチルベンゼン」の取り扱いはどのようになるか。 1件  パブリックコメントにて示した労働安全衛生法第57条の2第1項における政令で定めるものの第551番「ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリット及びミネラルターペンを含む。)」に含まれるものであれば、「ミネラルスピリット」として記載して差し支えないこと。
 深夜労働についてはそれなりの報酬を得ることを前提としているため、特別扱いは不要ではないか。 1件  本改正省令の根拠となる労働安全衛生法の改正は、深夜業に従事する労働者については、特に充実した健康管理が必要であるとの視点から、国会の審議を経て成立したものである。
 その他(労災補償に対する意見といった本件に直接関係ないもの) 1件  本件とは直接関係のない事項である。
(注)一人で複数の意見が提出された場合は、それぞれの項目ごとに1件として計上してあります。
 
担当課室:(労働省労働基準局安全衛生部計画課)
御意見等お寄せいただき、ありがとうございました。


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