(別添2) 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案要綱 第一 法律の目的 この法律の目的に、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定 した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進等の措置を講ずることを規定す るものとすること。(第一条関係) 第二 「高年齢者等」の範囲 この法律における「高年齢者等」の範囲に、中高年齢者(労働省令で定める年齢 以上の者をいう。)である在職の求職者を含めるものとすること。(第二条第二項 関係) 第三 基本的理念 高年齢者等は、その職業生活の全期間を通じて、その意欲と能力に応じ、雇用の 機会その他の多様な就業の機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮 されるものとすること。(第二条の二関係) 第四 事業主の責務 一 再就職の援助等に係る事業主の責務の対象となる労働者を高年齢者等に拡大する ものとすること。(第二条の三第一項関係) 二 事業主は、その雇用する労働者の高齢期における職業生活の設計について必要な 援助を行うよう努めるものとすること。(第二条の三第二項関係) 第五 高年齢者等職業安定対策基本方針に定める事項 高年齢者等職業安定対策基本方針において、新たに、事業主が行うべき再就職の 援助等及び職業生活の設計の援助並びに第六の高年齢者雇用確保措置に関して、そ の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針となるべき事項等を定めるものとする こと。(第二条の五第二項関係) 第六 定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促 進 一 定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の措置 その雇用する労働者について六十五歳未満の定年の定めをしている事業主は、当 該定年の引上げ、継続雇用制度の導入又は改善その他の高年齢者の六十五歳までの 安定した雇用の確保を図るために必要な措置(高年齢者雇用確保措置)を講ずるよ うに努めなければならないものとすること。(第四条の二関係) 二 労働大臣による計画作成指示の廃止 一に伴い、労働大臣による継続雇用制度の導入又は改善に関する計画の作成の指 示に関する規定を廃止するものとすること。(第四条の三関係) 第七 高年齢者等の再就職の促進等 一 国による再就職の促進等の措置の対象となる労働者を、高年齢者等に拡大するも のとすること。(第六条から第八条まで関係) 二 事業主による再就職援助措置、多数離職の届出及び再就職援助計画の作成等の対 象となる労働者を高年齢者等に拡大するものとすること。(第九条から第十一条ま で関係) 三 事業主は、再就職援助計画を作成したときは、再就職援助計画書を当該計画に係 る労働者に交付するものとすること。(第十一条第二項関係) 四 労働者は求職申込みの際に、公共職業安定所に再就職援助計画書を提示すること ができるものとし、公共職業安定所は、再就職援助計画書を参酌し、当該求職者に 対し必要な助言その他の援助を行うものとすること。(第十一条の二関係) 第八 高年齢者等雇用安定センターの業務の範囲 一 高年齢者雇用安定センターの名称を高年齢者等雇用安定センターと改め、中央高 年齢者等雇用安定センター及び都道府県高年齢者等雇用安定センターの業務に、高 年齢者以外の中高年齢者である在職の求職者の雇用の安定に係る業務を加えるもの とすること。(第二十五条及び第四十一条関係) 二 労働大臣は、中央高年齢者等雇用安定センターに雇用保険法第六十二条の雇用安 定事業のうち、高年齢者等を雇用する事業主又はその事業主の団体に対して支給す る給付金であって労働省令で定めるものを支給する業務等を行わせるものとするこ と。(第二十六条関係) 第九 シルバー人材センター等の業務の範囲 シルバー人材センターが高年齢退職者に提供する就業の範囲を臨時的かつ短期的 なもの又は労働大臣の定めるその他の軽易な業務に係るものとすること。(第四十 七条関係) 第十 事業主に対する助成等 一 国は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入、再就職の援助等高年齢者等の雇用の 機会の増大に資する措置を講ずる事業主に対する助成その他の事業主に対する援助 等の措置を講ずることができるものとすること。(第五十二条関係) 二 国は、高年齢者の雇用の安定その他福祉の増進に資するため、高年齢者の職域の 拡大その他の雇用管理の改善、職業能力の開発及び向上等の事項に関し必要な調査、 研究及び資料の整備に努めるものとすること。(第五十三条関係) 第十一 その他 その他所要の整備を行うものとすること。 第十二 施行期日等 一 この法律は、平成十二年十月一日から施行するものとすること。(附則第一条関 係) 二 この法律の施行に関し必要となる経過措置を定めるとともに関係法律の規定の整 備を行うものとすること。