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第1表 諸外国における賃金債権の取扱い
倒産法制上の賃金債権の位置づけ | 立替払制度の概要 | ||
優先順位の概要 | 優先する賃金債権の範囲 | ||
フ ラ ン ス |
○優先的先取特権 一定の賃金債権について は、他のあらゆる債権に優 先する。 ※手続開始判決後10日以 内に、受名裁判官の命令に 基づき支払われる。 |
最後の60日分 (商業代理人は90日分) ただし、社会保障の最高 限度月額の2倍を上限 |
○使用者団体により組 織される賃金債権確保 のための保険機構が立 替払を行い(優先先取 特権と先取特権の部分 が対象)、後に債権者 に代位して請求 |
○先取特権 一定の賃金債権は一般先 取特権となる。 一般先取特権は、税・特 別先取特権に優先される。 [一般先取特権の順位] 1裁判費用 2葬祭費用 3医療費 4賃金 |
6カ月分 | ||
イ ギ リ ス |
○一定の賃金債権について は、第5位の優先債権とな る。 ○その他の賃金債権は、第 7位の無担保債権となる。 [各種債権の順位] 1管財人の報酬等 2固定担保付債権 3清算人の報酬等 4最優先債権 (個人破産の場合のみ) 5優先債権(一定の賃金 債権、租税債権、社会 保険料等) 6浮動担保付債権 7一般無担保債権 (以下 略) |
優先債権について、手続 の該当日直前4カ月分 (約£800を上限) |
○支払不能の場合の8 週を超えない未払賃金 (週あたり£220を 上限)及び剰員の生じ た場合の手当(£ 6,300を上限) について国民保険基金 が立替払を行う |
ド イ ツ |
○新倒産法(94年制定、 99年施行)により一切の 優先権が廃止され、賃金債 権も一般の倒産債権とされ る。 その保護は、倒産給付金 制度に委ねられている。 |
○倒産給付金 倒産手続開始、事業 活動の完全な停止等の 場合に連邦雇用庁が立 替払を行う(最後の3 カ月についての未払賃 金の手取額の全てが対 象) ○倒産給付金の申立と ともに、賃金債権は連 邦雇用庁に移転 ○退職は要件とされて いない |
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ア メ リ カ |
○倒産手続開始前の一定の 賃金債権については、第3 位の優先的無担保債権とな る。 [倒産手続における各種債 権の順位] 1担保付債権 2優先債権 3優先的無担保債権 (この中で賃金債権は第 3位、租税債権は第8 位) 4劣後債権 ○手続開始後の賃金債権は 担保付の債権には劣後する が優先順位としては第1位 とされ、原則随時弁済され る。 |
優先的無担保債権について 破産申立又は事業活動停止 の90日前以降に発生した 賃金債権 ($4300を上限) |
○連邦法上立替払制度 は存在しないが、立替 払制度若しくはこれに 準じた制度を有する州 も存在する。 ・オレゴン州 雇用税を財源とし州 が運営する賃金保障基 金による立替払制度 ・ウェスト・バージニ ア州等 建設業・鉱業の事業 者が事業を開始する際 に立てる保証金からの 未払賃金確保保証金提 供命令の制度 ・デラウェア州等 下請労働者の賃金債 権に関する元請業者の 支払義務 |