(別紙1) 基発 第 412 号 平成12年6月14日 (社)日本化学工業協会会長 殿 労働省労働基準局長 化学物質の製造・取扱い事業場における爆発災害の防止について 爆発・火災災害防止対策については従来から行政の重点として種々の施策を進めて きたところでありますが、去る6月10日に群馬県尾島町の化学物質製造工場におい て、爆発により、4名が死亡、付近住民を含む28名が負傷するという災害が発生し ました。 今月は全国安全週間の準備期間として職場の安全総点検を呼びかけていたところで ありますが、その中で、このような重大災害が発生したことは誠に残念なことであり ます。 爆発の危険性のある化学物質の製造・取扱い事業場においては、今回の災害のよう に、一度発生すれば大きな被害をもたらすことに留意し、その対策に万全を期するこ とが重要であります。 今回の災害の原因等については現在調査中でありますが、過去の災害が安全対策に 活かされていなかったことも考えられるところであり、同種災害の再発防止のために は、特に下記事項等の徹底が必要と考えられるところであります。 つきましては、以上を勘案の上、安全文化の創造、すなわち組織と個人が安全を最 優先する気風や気質を育てていくことも含め、化学物質の製造・取扱い事業場におけ る爆発災害の防止対策の徹底について傘下会員に対し、周知いただきますようお願い いたします。 記 1 中間体を含む製造・取扱い化学物質の性状について確認すること。 2 化学物質の製造・取扱い設備について点検を実施すること。 3 爆発の危険性のある化学物質の通常の製造・取扱い時及び装置の運転の停止、補 修、再開時等における作業規程の内容が適切なものとなっているか、また、守られ ているかを確認すること。 4 過去に発生した労働災害、設備・装置等の破損、ヒヤリハット事例等を摘出し、 これらに対する安全対策を徹底するとともに、温度や圧力等の想定される異常事態 への対応についても確認すること。特に、事業場特有の取扱い物質、製造工程を有 する場合には類似の災害事例の収集に努め、必要な対策を講じること。 5 関係労働者に対し、1〜4について安全教育を実施すること。