(別紙) 労働者災害補償保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法 律案要綱 第一 労働者災害補償保険法の一部改正 一 目的の改正 労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害 又は死亡に対して迅速かつ公正な保護をし、並びに業務上の事由による労働者の脳 血管疾患又は心臓疾患の発生の予防に資するため、必要な保険給付を行うものとす ること。 二 二次健康診断等給付の創設 (一) 二次健康診断等給付は、労働安全衛生法第六十六条第一項の規定による健康 診断又は当該健康診断に係る同条第五項ただし書の規定による健康診断のうち、 直近のもの(その結果に基づき二次健康診断等給付がされていないものに限る。 以下「一次健康診断」という。)において血圧検査その他の業務上の事由によ る脳血管疾患及び心臓疾患の発生に係る危険の程度に影響を及ぼす要因に関す るものとして厚生労働省令で定める検査が行われた場合において、労働者がこ れらの検査のいずれの結果にも異常の所見があると診断されたときに、当該労 働者(当該一次健康診断の結果その他の事情により脳血管疾患又は心臓疾患の 症状を有すると認められる者を除く。)に対し、その請求に基づいて行うもの とすること。 (二) 二次健康診断等給付の範囲は、次のとおりとすること。 イ 脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査であって厚生労働省令 で定めるものを行う医師による健康診断(一年度につき一回に限る。以下 「二次健康診断」という。) ロ 二次健康診断の結果に基づき、脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図 るため、面接により行われる医師、保健婦又は保健士による保健指導(二次 健康診断ごとに一回に限る。以下「特定保健指導」という。) (三) 政府は、二次健康診断の結果その他の事情により脳血管疾患又は心臓疾患の 症状を有することと認められる者については、当該二次健康診断に係る特定保 健指導を行わないものとすること。 三 二次健康診断等給付を受けた労働者に係る措置 二次健康診断等給付を受けた労働者から二次健康診断の結果を証明する書面が提 出された場合における当該労働者に対する事業者の措置に関しては、労働安全衛生 法の関係規定によるものとすること。 四 その他 その他所要の整備を行うものとすること。 第二 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正 一 一般保険料の保険料率の設定方式の改正等 (一) 厚生労働大臣が一般保険料に係る保険料率について定めるにあたり、過去三 年間における労災保険法の適用を受けるすべての事業に係る二次健康診断等給 付に要した費用の額を考慮するものとすること。 (二) 二次健康診断等給付に係る保険給付の額及び労働保険料の額は、メリット制 (事業場ごとの災害率による保険料の調整)に係る算定の基礎に含めないもの とすること。 二 有期事業に係るメリット制の改正 事業場ごとの災害率による保険料の調整幅の最高限度を、三十五パーセント(現 行三十パーセント)に拡大すること。 三 その他 その他所要の整備を行うものとすること。 第三 その他 一 施行期日 この法律は、平成十三年四月一日から施行するものとすること。 二 経過措置等 この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに関係法律の規定の整備を 行うものとすること。