| 1 | 日時 | 平成12年11月2日(木)10:30〜11:35 | ||||
| 2 | 場所 | 中央合同庁舎 第5号館 共用第9会議室 | ||||
| 3 | 出席者 |
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| 4 | 議題
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| 5 | 議事内容 | |||||
○会長
ただいまから、第114回中小企業退職金共済審議会を開催いたします。本日の議題は、「勤労者退職金共済機構の平成11事業年度決算の報告について」と、「その他」です。早速、議題1からご説明をお願いします。
○福祉課長
議題1の「勤労者退職金共済機構の平成11年度決算の状況」について、資料1に基づいてご説明申し上げます。1頁から6頁までは、8月31日の官報に公告されたものです。その内容については、後の頁にわかりやすいものを付けておりますので、7頁以下でご説明申し上げます。
7頁は「中退事業の現況」です。まず、一般の中退ですが、平成9年度、平成10年度と不振が続いておりました新規加入ですが、平成11年度に入ってから増加しております。平成12年度に入っても、いまのところ平成11年度を上回る率で増加しております。
共済契約者で見ると、平成11年度の増減率は、前年度比30.4%のプラスです。平成12年度の第1四半期も、前年度比で53.2%のプラスになっています。
被共済者で見ると、平成11年度は7.4%増と、それまでの減少から増加に転じています。平成12年度も14.0%増と、増加幅が拡大しています。これは、新規加入が大幅に伸びたことによるものです。追加加入については、平成12年度に入ってからようやくプラスに転化しました。リストラ等雇用抑制の動きを反映して伸びは弱くなっています。短時間被共済者のほうは、既に平成10年度から回復の動きがありました。平成11年度は57.6%、平成12年度は89.4%増と、一般を上回る動きをしております。
これをもう少し詳しく見たのが、8頁の共済契約者の状況です。加入(B)の欄は前頁のとおりです。脱退(C)の欄を見ますと、平成11年度は2万2,000件余となっていまして、そのうち86%は倒産・廃業等による全員退職です。下段の増減率ですが、平成9年度、平成10年度と続けて増加しておりましたが、平成11年度以降増加に歯止めがかかっております。平成11年度は−0.1%という形でマイナスになりました。こうした結果、今年6月時点の在籍数は41万5,000事業所ということで、過去最高の数字となっています。
その様子を表したのが下のグラフです。平成11年度以降加入が脱退を大きく上回る様子が出ています。こうした在籍者増加の理由として、第1には景気が回復基調であるということがあります。同じように加入促進活動を行ってまいりましても、働きかけに対する反応が違ってきたということではないかと考えております。
9頁は、被共済者で見た状況です。下に折線グラフが2つあり、三角を結んだほうが脱退、丸を結んだほうが加入の増減率です。低迷を続けておりました加入は、平成11年度、平成12年度に入り、明確に増加の傾向にあります。平成9年度まで増加を続けていた脱退は、平成10年度に入ってから歯止めがかかり、平成11年度は−3.3%、平成12年度は−0.5%になっています。そうした結果、平成12年6月時点では在籍者数は274万1,000人という数字になっています。平成9年7月以来減少が続いていたわけですが、そうした動きにようやく歯止めがかかりました。ただ、ピーク時の平成8年辺りと比べると、なお数万少ないわけですので、今後とも加入促進を継続的に精力的に続け、できるだけ早くピーク時の数字に追い着くよう努力していく必要があると考えております。
10頁は、在籍者を産業別、あるいは規模別で見たものです。上の帯グラフは産業別の状況です。いちばん上は共済契約者ベースで見たものです。黒塗りの部分の25.8%は製造業です。白抜きは商業で26.6%、斜線の23.5%はサービス業です。こうした3つの産業で全体の4分の3を占めております。こうした状況は、被共済者ベースで見てもほぼ同様で、製造業は多くなっておりまして36.7%、商業は18.4%となっております。
下の段は規模別で見たものです。圧倒的に小零細事業所が多くなっています。1〜4人規模が39.2%、5〜9人規模が28.4%ということで、10人未満でほぼ全体の3分の2を占めています。こうしたことから、中退加入の事業主について従業員規模を見てみますと、現在、平均で6.6人となっています。さらに被共済者ベースで見ても30人未満が3分の2近くになっています。
こうした背景として、例えば中小企業でよく利用する税制適格退職年金というのがありますが、これは15人以上という規模の要件があります。それに満たない中小零細企業はどうしても中退制度に頼らざるを得ず、単独では、退職金制度を持つことができない中小企業について、事業主の相互共済と国の援助によって、退職金制度を確立するのだという、中退制度本来の目的に沿った運用がなされていることが明確に現れています。
11頁は、年度別に見た産業別の推移です。上のほうに共済契約者があります。近年のサービス経済化の進展といったことを反映し、いちばん上のサービス業、その下の商業といった第3次産業のウエイトが年々高まっている様子が出ています。第3次産業の数を合計すると、平成7年は58.2%だったものが、平成11年では65.7%と8%ほど増加しています。その一方で、製造業、建設業などは低下しています。なお、下のほうの被共済者で見ても同じ傾向が出ています。
12頁は、掛金等の状況です。いちばん上の表は、加入時の掛金の状況です。平成11年度は新規加入で9,100円程度、追加加入で7,000円程度となっています。その下は、在籍者全部で見た平均の状況です。平成9年度末では8,932円となっていますが、これが10年度末9,021円、11年度末9,084円、12年6月末9,105円と年々順調に伸びています。これは労使のご努力によるところだと考えております。
いちばん下は通算の状況です。中退制度内の通算は、平成11年度は1万2,221人と、前年度比で7.4%の増加となっております。平成9年度が6.3%増、平成10年度が11.6%増と利用は年々伸びています。通算の中身を見ると、企業の合併、関連会社との人事交流といった傍系企業間の通算が1万人強と、85%を占めております。
13頁は、具体的な退職金の支給の状況です。上の段は支給件数です。一時金支給件数の計の欄を見ますと、平成11年度は28万9,000件程度となっていて、前年より2.9%ほど減っています。右のほうは、年金形式の分割退職金の受給者が出ていますが、これは毎年500件前後と、まだ少ない数字です。ただ、公的年金が支給開始されるまでのつなぎとして、老後の生活保障機能としての一つの要素となる場合もありますので、今後とも一層の定着を図っていきたいと考えております。
その下は、実際の退職金の支給金額の状況です。解約手当金も含めた一時金支給額の計の欄を見ますと、平成11年度は3,524億円という数字がありますが、これは下の増減率に見るように、前年と対比して3%増となっています。さらに、これを1人当たりの金額で見ますと毎年伸びており、平成9年度が107万円、平成10年度が115万円、平成11年度が122万円、平成12年度第1四半期が124万5,000円と大変順調な伸びを示しています。これを退職金だけで見ますと、さらに金額が上がって、1人当たりの金額は平成9年度が109万円だったものが、平成12年度第1四半期には126万2,000円まで伸びています。
こうした背景として、いちばん大きいのは支給者の掛金を納付してきた期間、平均掛金納付月数が伸びていることを反映しております。平成11年度は平均で111.5カ月、9年4カ月という期間になっています。これを過去の数字と比べると、平成元年で7年ぐらいでしたので、2年以上伸びていますし、前年と比較しても3カ月伸びています。こうした状況を反映し、1人当たりの金額が伸びているわけです。なお、退職金の過去最高の支給額は(注1)で書いてあるとおりです。
14頁は、非中小企業に該当したことによる解約の状況です。共済契約者のほうが、中小企業でない事業主になると、原則として契約は解除となるわけですが、共済契約者、あるいは被共済者双方の意に反して制度がなくなるということになりますので、現在、中小企業退職金共済法第13条の2に基づき、適格退職年金制度及び特定退職金共済制度へと原資を移動できる制度があります。その状況を示したのがこの表です。適格退職年金への移行が多数を占めているという状況です。その下は、中小企業の範囲改定に伴う引継ぎ状況です。昨年、中小企業基本法が改正され、中小企業の範囲が拡大しています。具体的には、資本金の額が、いずれの業種においても大きく伸びています。また、サービス業については従来であれば50人以下が中小企業であったわけですが、これが100人以下へと従業員数の要件も伸びています。
こうしたことにより範囲が拡大したわけですが、これに伴い、平成11年12月から1年間の時限措置として特退金のほうの団体から中退への制度の引継ぎが可能となっています。その状況を示したのが下の表です。25団体について111事業所、5億円弱の金額が中退のほうへ引き継がれています。最新の数字として9月段階現在を集計しているところですが、どうも10億円を超える引継ぎが実現しているようです。
15頁から特定業種のほうの説明に入ります。まず建設業の共済契約者の数は、加入が9年度6,200件、10年度7,700件、11年度8,500件と大変順調に伸びています。したがって、増減率のほうも大変プラスになっています。その一方、脱退のほうは平成11年度の増減率は−11.7%ということで、加入が非常に増えて、脱退が減っているという状況を反映し、年度末における最新の在籍の数は16万1,000事業所という数になっています。
こうした加入・脱退の傾向ですが、これは被共済者について見た場合も同様です。いちばん右側の被共済者の数を見ると、平成9年度は200万人以下であったものが、平成12年6月には約214万3,000人と増加しており、大変好調な状況にあります。清酒製造業では制度の成熟化が進んでおり、共済契約者については2,600事業所、被共済者については3万5,000人という辺りでほぼ止まっています。
16頁の林業ですが、林業でも制度の成熟化が進んでおり、共済契約者については3,700事業所、被共済者は4万9,000人程度でほぼ止まっています。共済契約者の新規加入で、平成11年度に93件というやや大きい数字がありますが、これは平成10年度末に、三重県内の財団で独自に退職金制度を実施しているところがあったわけですが、ここが解散になったことから、中退共に約40ほど移ってきましたので、こういう数字になりました。その横の脱退事業所数が10年度末63件から11年度末33件まで減っていますが、こちらのほうは森林組合の統廃合が一段落したことによるものと考えられます。
17頁は退職金の支給状況です。建設業、清酒製造業、林業それぞれ平成11年度の退職金の支給件数の欄を見ると、増減率は−4.1%、−2.8%、−5.3%といずれの業種も減少しています。ただ、その一方で1件当たりの支給金額は順調に伸びており、建設業では9年度76万円、10年度80万円、11年度84万円、12年度第1四半期88万円と大変順調に伸びています。清酒については9年度95万から12年度第1四半期122万円へ。林業については9年度65万から12年度第1四半期81万円へといずれの業種も順調に退職金の額は伸びています。これも、平均の掛金、月数の伸びを反映したものではないかと考えています。なお、退職金の最高支給額は、(注2)で書いてありますので、後ほどご覧ください。
18頁以下は決算の状況です。18頁は一般の中小企業退職金共済事業の収支状況です。平成11年度の当期純利益で9億円の利益が出ています。これは、平成3年度以来8年ぶりのことです。その結果いちばん下のように、積立金不足が若干ではありますが9億円程度減少しました。こうした利益が出た理由の第1は、平成11年4月から、制度の予定運用利回りを4.5%から3%に引き下げており、責任準備金が増加するスピードが鈍ったことが挙げられます。それに加えて、平成11年度については、株価などが大変好調でしたので、金銭信託において予想以上に利回りが出たということがあります。こうした2点の理由によって利益が出たわけです。
19頁は建設業の状況です。建設業については、平成9年度に制度予定運用利回りを引き下げており、それ以来黒字基調が定着しています。平成11年度についても68億円の利益が出ていて、その結果積立金のほうは287億円という形になっておりまして、大変好調な状況にあります。
20頁は清酒製造業です。当期純利益の欄を見ますと、平成7年以来損失が続いています。平成11年度については1.4億円の損失になっています。こうしたことから、審議会のほうでもご審議いただいたわけですが、平成12年7月から制度の予定運用利回りをそれまでの4.5%から2.3%へと引き下げています。こうしたことにより、平成12年度以降は収支状況を改善するものと見込んでおります。
21頁は林業です。林業についても同様に、当期純利益の欄にマイナスが並んでおり、損失が続いていたわけです。平成11年度についても4.1億円の損失となっております。こうしたことから、清酒製造業と同じように、平成12年7月から、制度の予定運用利回りを3.7%から2.1%まで引き下げています。そうしたことにより、平成12年度以降については収支が改善するものと見込んでおります。
22頁以下については、それぞれの各事業における資産の運用状況を具体的にご説明申し上げます。各事業とも当然のことながら安全確実ということと、効率性を上げるという2つの観点に留意しており、そうした観点から幅広い分散投資を実施しています。なお、4つの事業によりまして運用の様子が違っているわけですが、これは中退法75条によって区分経理、それぞれの事業ごとに勘定を設けて整理する、というのが義務付けられていますので、資産運用はそれぞれ事業ごとに完全に分離した運用となっております。そのために、各事業ごとに資産構成の割合が異なってまいります。
一般の中退ですが、平成7年の金融債のところですが、金融債については、最近は大変利回りが低くなっていますので、平成7年においては26.6%を構成していたものを、償還され次第順次別の資産に回しており、現在は9%まで引き下げています。同様に生命保険資産の欄で、平成7年については30.6%という数字があったわけですが、これを10.4%まで引き下げています。なお、生命保険資産については30.6%から、平成8年度に19.1%まで引き下げていますが、そうした際に生保の財務内容等を厳しくチェックし、信用リスクの高い生保については、この時点で運用機関から外しています。千代田、日産、東邦といったものは、この時点で運用リストから外しています。さらに共栄についても、平成10年度限りで解約しておりますので、中退のほうに影響はありませんでした。こうした形で、運用機関の信用リスクというものについては、退職金共済機構の資金運用部において、非常に厳密に最大限の注意を払って対処しています。
生命保険資産の下に金銭信託という欄があります。その一方で利回りがいちばん期待できるのは金銭信託です。平成7年度には6.1%だったものを順に引き上げ、平成11年度には31.5%まで引き上げていて、こうした形で、資産運用の効率化を図っています。以上が一般の中退です。
23頁は建設です。建設業においても同様の方針で運用を行っており、金融債については13.4%を5.1%まで引き下げています。生命保険資産については、27.9%を13.0%まで引き下げています。金銭信託については、平成7年度は1.3%だったものを平成11年度には24.9%まで引き上げていて、こういった形での資産運用の効率化に努力しております。
24頁は清酒製造業です。こちらも運用方針は同様です。金融債は31%からゼロまで下げています。また、生命保険資産は36%だったものを13%まで引き下げています。その一方で、金銭信託は平成7年度は0だったものを、現在は16%まで引き上げています。
林業も同様です。金融債については29.4%だったものを、2.5%まで引き下げています。生命保険資産については、38.8%だったものが18.5%まで下がっています。その一方で、金銭信託については0だったものを20.3%まで引き上げています。こういった形で、資産運用の効率化に努力しているところです。私からの説明は以上です。
○会長
ただいまの説明について、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○委員
平成11年度に入って、一般の退職金も数字では増えているという報告なのですが、収益のところで見ますと、ちょと減っているように思うのですが、これはどういう理由でしょうか。
○福祉課長
19頁の表で見ますと、確かに平成10年度から平成11年度にかけて収益が減っているわけですが、これは運用環境として低金利状態が続いておりますので、そうしたことが影響しているのではないかと思います。
○委員
19頁もそうですが、一般のほうも加入者増になっているけれども、収支状況の収益で見ると減少しています。運用が下がったと言いながらも若干なことであって、掛金収入のほうが増えているのではないかと思われます。そこの説明をいただきたい。
○勤労者退職金共済機構
建設業について19頁ではご指摘のとおり、平成10年度、平成11年度と掛金収入が減少しております。1つには、建設投資というか、特に公共事業関係の伸びが減少しているという環境にあった、ということがベースにあります。
○委員
加入者数が増えているというのに、建退共の場合については証紙の値段は決まっているので、その間で買われた証紙が減っているという説明だろうと思うのですが、みんなに説明するについては合わないのではないかと思いますがどうですか。
○福祉課長
これは建設工事、特に公共工事の関係で、おそらく日数が減っているようなことも影響しているのではないかとも考えています。
○勤労者退職金共済機構
いま、手元に具体的な数字がないのですが、いちばん根底にあるのは請負事業費が減っている、ということだと認識しております。
○会長 加入者は増えているわけだから、1人当たりが減っている、というふうに考える以外ないということですか。
○勤労者退職金共済機構
そういうことになります。
○会長
そうすると、その減った理由は何かという話ですね。
○勤労者退職金共済機構
就労日数に応じて証紙を買うことになりますから、その就労日数が実際の雇用日数が減れば、買っていただける証紙の金額も減る、枚数も減る、ということを言いたかったのです。
○委員
そういう説明で納得はしておりますが、通常1カ月計算21枚です。それが19枚になったのか、20枚になったのか、そこのところを言ってもらわないと、推測でものを言っているとしか思えないのです。
○福祉課長
この辺は、もし分析できるようでしたら、今後分析してまいりたいと考えております。
○勤労者退職金共済機構
一般の中退ですが、加入者は大変増えている状況です。資料の9頁の年度末在籍被共済者数を見ると、平成10年度に比べて平成11年度は在籍者数が落ちています。それによる収入の減が1点です。それから、福祉課長が説明した、運用収入の減という点で掛金等の収入が減っています。
○委員
先般から若干問題になっております簿価表示と時価表示に関連して伺います。ここで言っている収支状況の中での運用利回りというのは、簿価表示での運用利回りというのはどういうことなのかがよくわからないのです。時価によって変わる金融商品も当然あるわけですから、その場合に簿価表示という下での運用利回りというのは何を指しているのか、どういうふうに理解すればいいのでしょうか。
○福祉課長
通常時価というと、株価の場合だと、株価が上がった時点の時価を評価して、いわゆる含み益という形でまいります。その一方、簿価表示の利益のほうは、現実に実現した利益です。例えば、債権だと具体的に入ってきた利息の金額、償還されてきた債権の金額もあります。また、金銭信託などにおいては、時価にあまり影響を与えない範囲で実現してきた利益が出てまいりますので、その分を加えて簿価で表示しているわけです。したがって、この3%という数字よりも、時価で見ると金銭信託については、高い数字が出てくるわけです。
○委員
金融商品というのは、時価で動いているわけでしょう。
○福祉課長
金銭信託については、時価で運用されています。
○委員
ここで表示されている利回りというのは、どういう形で算定されているのですか。
○福祉課長
金銭信託についても、運用は時価を基準にして運用させていただいているわけですが、例えば株だと売らないと現実の収益になりません。金銭信託の中には証券等がありますので、そういった形で入ってきた利息とか、償還された分もありますので、実際に入ってきた利益が簿価の実現した利益という形で表示されているわけです。したがって、現在金銭信託を解約してしまえば、当然のことながら簿価表示よりもっと高い利率が出てくるわけですが、中退は長期的な制度ですので、金銭信託については、そういう形で毎年毎年の簿価の表示でやらせていただいているということです。
○会長
実際にキャッシュで入った分だけで利回りを計算する、ということですね。
○福祉課長
そういうことです。
○委員
簿価表示の運用利回りというのは、逆に言えばフィクションの世界ではないですか。
○福祉課長
確かにフィクションなのかもしれませんが、いまのところ財政制度審議会等の決まりにより、特殊法人については、少なくとも決算は簿価でやるのが決まりになっていますので、この点についてはご理解をいただきたいと思います。財政制度審議会のほうで、今年の10月から財務諸表の導入について新たに検討を始めることになっておりまして、そういう中でひょっとしたら、こういった時価の問題についても扱うことが入ってくる可能性もあります。
○委員
1点目は、7頁の中退共の現況のところで、被共済者が特にパートタイマーの部分で増えているということですが、これは雇用構造が急激に変化していることを反映しているのではないかと思われます。今後の動向を見ても、パートタイマーというのは、かなり構造的に増えてくるのではないか。この部分についての社会保障の拡充であるとか、福祉の向上というのは非常に重要であるので、この部分についての加入促進というのは、前にもこの審議会で議論されましたが、やはり力を入れていくべきではないかと思います。
2点目は、22頁の資産運用状況ということで、金融債のシェアが低下している。これは、運用利回り向上のためには好ましいことであるし、なおかつ金融債の中身を見ても、商工債であるとか、それぞれの業態に応じたところに金融債の資産が割り当てられている、というのは非常に評価できると思います。
1点疑問なのは、平成9年度に長期信用債がちょっと増えている。これは、長銀の部分の金融債であると思うのですが、ある部分信用不安を反映したものであるのかどうか。ほかのところではほとんど、例えば生保のところで信用リスクをかなり考えているというお話がありましたが、そういったものがあるとすると、若干健全性という意味からいうと考えなくてはならないのではないかという気がするのです。
○勤労者退職金共済機構
パートタイム労働者の加入についてお話がありましたが、私どもといたしましても、労働省の指導を受け、非常に増加が著しいパートタイム労働者の加入促進を図っています。福祉の向上を図るという観点から、積極的な取組みを行っているところです。第3次加入促進5カ年計画においても、これを重点項目として取り上げています。
具体的には、パートタイム用のチラシ等を作り、あるいは都道府県労働局、あるいは21世紀職業財団等と連携を図りながら、事業主団体に対して加入促進についての協力要請に努めているところです。
○福祉課長
2点目については、いま手元に資料がありませんので、恐縮ですが後ほどご報告させていただきます。
○委員
22頁ですが、平成11年度の運用の構成比が出ています。この内容を、従来から議論してきた経過からすれば、相当大きく変化してきたと思っています。この変化の方向は、平成12年度とは限りませんが、今後もまだ変わっていく過程だと受け止めていいですか。
○福祉課長
そのとおりです。
○委員
国債がいいかどうかはわかりませんが、長期ものについて少し考えておかないと、いままでは従来の国債などが相当影響して、運用利回りを確保できたという傾向があるのでしょうけれども、いま利回りが下がっているときに、長期ものをどういう構成にしていくか、というのを少し慎重にしておいてもらわないと、これは今後の問題にもかかわるのかなという感じがいたします。
投資先の問題もありますので、目先の利回りの問題もあるのですが、長期的にも考えておかないと、いまは助かったけれども、今度はあと問題が起こるということもあるものですから、その辺を慎重にお願いしたいということだけ申し上げておきます。
○福祉課長
わかりました、その点については十分考慮してやっていきたいと思います。
○委員
パートタイマーのところで、勝先生がおっしゃったことと関係のある質問ですが、短時間被共済者のうち、厚生年金に入っていて、なおかつ中退金に入っている方と、それから年収130万円未満の専業主婦とか、あるいは国民年金だけに入っているパートの方もいると思うのです。そういう割合はわからないでしょうか。それとともに、男女比はわからないでしょうか。
この質問の裏には、社会保険と、中小企業退職金共済事業との役割分担が、パート労働者の間でできているのかどうか、というのを見たいので、本日でなくてもいいので教えてもらえればありがたいと思います。
○福祉課長
いま、そういうデータは取っておりませんので相当難しいと思いますが、いろいろ調べてみて、もしわかるようでしたらお知らせしたいと思います。
○委員
8頁と9頁の共済契約者状況のところですが、8頁だと共済契約者の脱退が平成11年度で2万2,115件、このうちの86%が倒産という話でした。通算制度があるわけですが、その通算制度があるという説明を個人ないし会社のほうに、どのように説明しているのかを教えてください。それから、倒産などの場合は、1年未満でも継続できるということもあります。そういう利用状況みたいなことがわかったら教えてください。
○福祉課長
利用状況は、資料の12頁の通算状況のところのいちばん下に8表があります。法14条通算というのが、これは退職後2年以内だと、中退制度に加入している別の企業に移った場合には通算可能である場合でして、これが実際の数字です。
○勤労者退職金共済機構
いま、通算制度はどのような形で周知しているかということですが、当然のことながら共済契約者に対しても周知しておりますし、個々の被共済者に対しても、手帳等に具体的に書いてあります。そのような形での周知を図っています。
○委員
手帳に書いてあるだけではなくて、辞めるときに別個にこういう制度がありますよ、ということをされているのかどうかということを伺いたかったのです。
○勤労者退職金共済機構
被共済者が辞めて退職金を受けるときには、その退職金手帳を持っていって給付を受けるということになっていますので、少なくともそれを見た段階で注意して見れば、通算制度があります、ということが書いてあります。
○委員
いろいろな質問に対して答弁がありましたが、結局いまの帳簿の会計原則は現金主義なのか発生主義なのかというと、これは現金主義ということでやっているわけです。私たちは事業家です。事業家は、みんな発生主義とか、いまの現状を見るのに時価でやっています。役所の会計というのは、どうしても大福帳ですからね。その辺はどっちが良いとか悪いとかというのは問題ではないのです。
いま発表されている内容についても、これはこれで押していただいて結構と思いますが、これを見ても、いままでは10年間不況でした。平成3年ぐらいから落ち込んで、来年には10年になるわけですが、拡張ということで3、4年前から言っていましたが、あのときにやってもこれだけ上がってこない。結果がこの数字で出ました。
だんだん上がってきて、倒産するところは倒産してしまいました。私どもの協同組合の理事長が、100社へ行っても30社ぐらい潰れています。損切りとか何とかで、銀行などは大蔵省の関係でいろいろごたごたやっていますが、中小企業の場合は、潰れるところはほとんど潰れました。
ですから、今度は中退金などを利用の人たちも増えてくるということですが、規約や内容等、今の答弁を聞いてもお役所の答弁で、何がなんだかさっぱりわからない。もっとはっきりしたことを言ってもらったらいいのではないでしょうか。それから、はじめの2年は掛金が没収されてしまうような話等もあるわけですが、現実に積んだ金が返ってこないということの矛盾も、私たちが「入れ」と言っても、「いやだ」という事業者がいるということは、積んだ掛金をはじめの2年間は取られてしまうとか、そういう制度をもうちょっと改めてもらいたい。そうすれば、もっと加入促進がプラスになるのではないかと思います。
○会長
いくつかご意見をいただいたのと、いくつか宿題をいただきましたので、それは今後対応していただくことにいたします。本日は、もう1つ「その他」の議題がありますので、そちらに入ります。
○福祉課長
資料2で、「磁気カードの実験」についてご説明申し上げます。磁気カードの実験については、今年度、来年度において、現場でカードの実験を行い、現場での使い勝手、事業主の事務負担等を調査することとしております。前回の審議会において、試行に際しては、どうしても中小零細の現場で多く実験すべきではないか、という強いご指摘をいただきましたので、これを踏まえて今回カードの実験の試行方法をご報告するものです。
今回の試行においては、磁気カードを使い、パソコンにデータを蓄積していく方式、それから出勤簿を基にOCR用紙に記入してもらう方式の2つを合せて試行することとしております。
具体的な実施箇所は、2にありますように4種類の類型を考えていまして、例えば事業所に1度労働者が集まった後、現場に向かうような場合には、就労日数を事業所で把握するケースがあります。その一方で、工事現場へ労働者が直接出向いて、就労日数を現場で把握するケースもあります。さらには、こういった建退共の事務を小規模の契約者のほうが事務組合に委託するようなケース、それから一人親方の場合といろいろなケースがあります。こうした4つのケースについて、合わせて最低でも20カ所程度を選定し、被共済者ベースで100人程度の実験をしてみたいと思っています。事務組合、任意組合については、全建総連さんのほうに推薦をお願いしたいと思っています。実施場所は、建退共支部が実験の指導を行う必要があるということで、東京周辺を考えています。
実施のやり方としては、選定事業所等において、雇用する被共済者の名簿を作っていただきます。その上で建退共のほうが磁気ストライプ付きのプラスティックカード(磁気カード)を配付します。これは、銀行のキャッシュカードのようなものをご想像いただければいいかと思います。その上で、出勤時にこの磁気カードを、労働者のほうがカードリーダーに投入します。そして、就労日数については、パソコンにデータとして蓄積されます。合わせて、OCRの用紙に手書きのほうで記入していただきます。こういった機器については、建退共のほうで用意して配付する予定です。
データを集めた結果ですが、今回の実験においては、システムがうまく作動するかどうかについても当然実験することとしておりまして、システムで集めたデータと、OCRの手書のデータが本当に一致するかどうかといった点についても、検証してまいりたいと思っています。また、当然のことですが、7で書いてありますように、実験参加者には、アンケート調査を行い、使い勝手を十分調査してまいりたいと考えております。
具体的なスケジュールとしては、11月いっぱいをかけて実施箇所を選定し、機器を調達していく予定です。3月までの間で、1カ月間程度の実験を行い、アンケートもやる予定です。今回のカードにおいてはコストの問題も大変重要です。したがって、プログラム開発費用、ランニングコストといったすべてのコストについては、システムの青写真ですが、概略設計を行って把握することとしております。この概略設計については、現在業者を選定中ですので、11月中には発注してまいりたいと考えています。
新たな掛金納付方法ですが、これについては労使の声を聞くために新たな検討の場を設置することにしておりまして、この場においては、現場での試行の結果、それからいま申し上げました概略設計の結果を踏まえ、十分な検討をお願いしたいと思っています。目処としては、1月ごろからできれば開催したいと考えております。構成員については、労使双方の実務に精通した方を選んで、十分なご議論ができるようにしたいと考えています。
○会長
ご質問があればお願いします。これは、何人ぐらいの方が実験に参加することになるのですか。
○福祉課長
大体20カ所、100人程度は最低でもやりたいと思っています。
○委員
100人程度で、大体その期間ですか。
○福祉課長
私ども今回の試行は、今年度、来年度に行う、というふうに最初に申し上げましたが、これは今年度の分でして、来年度についても新たにその分を上積みして、できるだけ多くの方の使い勝手なりの結果を見てまいりたいと考えています。
○会長
また、実験の進行に合わせてご報告はしていただけると思いますのでよろしいでしょうか。本日の議題は以上ですが、お手元にその他の資料がいくつかありますので、これについて簡単にご説明をしていただいて終わりたいと思います。
○福祉課長
こちらは、加入促進月間のものですので、実際に月間を運用いたしました機構のほうからご説明申し上げます。
○勤労者退職金共済機構
お手元の色刷り4枚の紙がありますので、それに基づいてご説明いたします。本年度の加入促進月間は一昨日で終了いたしました。中退、建退、清退、林退各事業本部とも、そこにあります実施要綱に基づいてさまざまな取組みを行ったところです。中退共事業本部の例だけ申し上げます。本年度は、第3次加入促進5カ年計画の初年度です。この5カ年計画において、加入促進の重点としております小規模企業事業主、新規創業企業、あるいはサービス業、パートタイム労働者等に焦点を当てながら進めたところです。
具体的には資料中ほどに、協力を依頼する機関・団体というのがありますが、行政機関、金融機関、事業主団体、さらには保険会社といったところから多大なご協力をいただき、各種活動を実施いたしました。
具体的な実施内容は、5の実施事項のところに、周知広報、加入促進、その他とありますが、そこに列挙されているとおりですが、若干補足させていただきます。周知広報の中の、テレビ、ラジオ、新聞等による広報というのがあります。テレビについては、民放の全国ネットにより、いわば加入企業の実例を紹介しております。新聞については全国紙に、具体的な日程としては10月2日に7段抜きの広告を掲載したところ、多くの反響が返ってきております。
ポスター、懸垂幕、横断幕等が書いてありますが、ポスターについては約2万1,000枚を、全国の関係機関に配付して掲示をお願いしております。関係機関等の機関紙、あるいは広報紙にも、私どもの記事の掲載を依頼しております。そういう中で、いままであまり取り組んでおりませんでした、新規創業企業関係の団体の機関紙等にも掲載をお願いしました。
次は加入促進です。
とありますが、未加入企業に対する働きかけが重要ですので、約5万3,000件を対象に加入意向調査を送付しました。それをフォローする中で、積極的な加入勧奨を働きかけました。具体的には、普及推進員、あるいは職員が直接事業所に赴き、加入促進に努めているところです。
に特定県における加入促進を目的とした制度普及促進会議の開催というのがあります。この特定県と申しますのは、私どもが指定しております加入促進モデル県、あるいは、その加入促進モデル事業が終ったフォローアップ県といった特定の県において、特に制度普及促進等の会議を開催し、加入促進に向けた、より一層の普及の要請を図ったということです。
このほか、月間の恒例行事として、制度の普及に貢献した事業所、団体、自治体等に対して表彰を行いました。以上簡単ですが、本月間において、私どもが行った事業です。
○会長
本日の審議会はこれで終わります。今回の議事録の署名委員は、笹川委員と茂木委員にお願いします。どうもありがとうございました。
6 配付資料
| (1) | 勤労者退職金共済機構の平成11事業年度決算について |
| (2) | 磁気カードの実験について |
| (3) | (参考)各退職金共済制度加入促進強化月間実施要綱 |
| (注) | 配付資料については多量のため省略しておりますが、労働省(大臣官房総務課広報室又は労政局勤労者福祉部福祉課)において供覧しております。 |
| 照会先 労働省労政局勤労者福祉部福祉課 担当:山本・武村 TEL 03(3593)1211(内線5376) |