| 1 | 日時 | 平成12年3月24日(金)10:05〜11:55 | ||||||||
| 2 | 場所 | 通産省別館902号会議室 | ||||||||
| 3 | 出席者 |
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| 4 | 議題
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| 5 | 議事内容 | |||||||||
○福祉課長
資料1から5について、ご説明いたします。資料1は、前回ご説明した内容のうち、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度の予定運用利回りを引き下げることを内容とする政令案要綱について、資料2は、林業退職金共済制度における換算日数を15日から17日とすることを内容とする告示案についての、それぞれ諮問文の写しですが、その内容について資料3に基づきご説明いたします。
まず1頁で、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度においては、平成9年7月に予定運用利回りの引き下げを行ったところですが、その後のさらなる金利情勢の悪化により、その財政状況は極めて厳しいものとなっております。具体的には、いずれの制度においても、ここ数年にわたって単年度欠損金が発生している状況です。清酒製造業退職金共済制度においては、現状のまま推移すれば平成14年度には累積欠損に転じ、林業退職金共済制度においては、既に存在している累積欠損金がさらに拡大することが見込まれる状況であり、放置すれば制度の安定的運営に著しい支障を生じさせかねない、という状況です。また、林業における就労実態については、制度発足当時に比べて、就労日数が長期化している状況にありますので、掛金納付月数1月に相当する日数と実際の就労日数との間に乖離が生じてきております。こうした状況を踏まえて、制度の安定的な運営を図るための措置を講ずるものです。
改正の内容ですが、まず1番目に、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度における予定運用利回りの引き下げを行い、清酒製造業退職金共済制度については、現行の年4.5%を2.3%、林業退職金共済制度については、現行の年3.7%を2.1%の予定運用利回りで制度設計をして退職金の額を定めるということです。また、既加入者の退職金額については、施行日の前日における退職金額を保全するための経過措置を講じます。2番目に、林業退職金共済制度における換算日数について、現行の15日を17日に見直すということです。なお、施行期日については、平成12年7月1日としたいと考えております。
2頁は、既加入者の退職金額について、施行日の前日における退職金額を保全するための経過措置についての説明です。
3頁は、清酒製造業退職金共済制度の予定運用利回りを年2.3%とする背景としての将来推計です。年2.3%の予定運用利回りですと、平成13年度以降、5年間にわたり当期純利益について欠損は生じないということです。
4頁は、林業退職金共済制度についての将来推計で、同様に年2.1%の予定運用利回りにすると、今後5年間は当期純利益について欠損は生じないという見込みです。
5頁以下は、前回の審議会で、予定運用利回りの引き下げによって、実際に受け取る退職金額がどう変わるかというご質問がありましたので、現行と引き下げ後のそれぞれの退職金額を示したものです。5頁で、清酒製造業退職金共済制度において、例えば掛金を10年間納付した場合、現行の年4.5%の予定運用利回りでは71万円程度ですが、これが年2.3%になると62万円程度、つまり現行の9割弱になるということです。
また、6頁は、清酒製造業退職金共済制度において、例えば現行制度の下で900日、つまり5年間就労した後に新制度に移行して、その後5年間あるいは10年間就労して退職した場合の退職金額について示したものです。新制度に移行後5年間就労した場合は、現行制度のままの場合の9割程度、移行後10年間就労した場合は、同じく8割5分程度の額になるということです。
7頁で、林業退職金共済制度の場合は、現行の年3.7%から年2.1%に予定運用利回りを引き下げても、同時に換算日数を15日から17日に変更するため、例えば掛金納付年数が10年ですと、現行よりも退職金額は若干多くなります。納付年数15年でほぼ同等となり、20年で若干少なくなるといった具合です。
8頁は、先ほどの清酒製造業退職金共済制度と同様に、現行制度の下で5年間就労した後に新制度に移行し、その後5年間あるいは10年間就労して退職した場合の退職金額を示したものですが、やはり換算日数の見直しの影響で、いずれも現行制度のままの場合とほとんど変わらないということになります。
9頁以下は、これも前回ご質問があったわけですが、制度を改正して退職金額を引き下げた場合に、実質的な給付水準が維持されるために必要な掛金日額の水準を示したものです。清酒製造業退職金共済制度において、先ほどと同様に現行制度の下で5年間、その後新制度の下で5年間就労して退職した場合に、同じ退職金額の水準にしようということであれば、掛金日額は390円、同様に新制度の下で10年間就労した場合は400円程度になります。
10頁ですが、新制度に新規に加入し、退職時の平均掛金納付月数である163月で退職した場合には、掛金日額を350円から360円程度にする必要があるという試算です。
11頁以下で林業退職金共済制度についても同様の試算を示しておりますが、換算日数を17日に見直すことにより、原資が増えるという面がありますので、現行制度の下で5年間、その後新制度の下で5年間あるいは10年間就労した場合でも、掛金日額は310円程度でよいということになります。
12頁で、新制度に新規加入し、退職時の平均掛金納付月数である110月で退職した場合には、掛金日額を330円から340円程度にする必要があるということです。
13頁は、前回と同じ資料ですが、林業労働者の月平均就労日数が最近では約17日に増えてきていることを示したものです。
14頁及び15頁は、以上に関する若干の法令の参照条文です。
○福祉課長補佐
引き続き資料4についてご説明いたします。前回の審議会で、各特定業種退職金共済制度について、予定運用利回りの引き下げとともに、加入促進及び履行確保対策に取り組んでいく必要があるという議論がありました。資料4は、これまでの取組み状況について簡単にまとめたものです。
まず、1頁からの建設業退職金共済制度については、以前に当審議会でもご説明させていただきましたが、昨年の3月18日に、労働省、建設省、勤労者退職金共済機構の三者による「建退共制度改善方策」を取りまとめ、それに基づいた取組みをこの1年間してきました。詳細については省略いたしますが、全部で10項目の改善方策について取り組んできたわけです。特に、関係建設産業団体、公共工事発注機関、各都道府県等といった関係機関に対する周知に重点を置いて、文書による通知のほか、実際に現場に職員を派遣して、随時説明等を行っております。
主だった点を少し補足しますと、2頁の3で、改善方策の内容としては書いておりませんが、各自治体においては公共工事において共済証紙が確実に購入されるよう、掛金収納書徴収方式を採用しています。これは、改善方策の実施前からすべての都道府県ですでに行われていたものですが、市町村では実施状況にかなりの差があるため、その積極的採用をお願いしてきました。その結果、同法式の採用市町村数は、平成11年2月現在の1,428から40市町村増えまして、12年2月現在、1,468市町村となっています。
4では、「建退共各支部における相談機能の強化を図る」ということで、各支部に相談対応マニュアルを作って送るとともに、大都市である東京と大阪に相談所を開設し、特別相談員を設置しています。
5では、「元請事業主による積極的事務受託の推進を図る」ということで、建設業退職金共済制度の履行確保等については、元請事業主のバックアップがないとかなり厳しいという実情を踏まえ、元請事業主に諸般のご協力をいただくために、事務受託処理要綱を策定したものです。今年度、大手ゼネコン等を60か所以上訪問し、その普及についてお願いをしてきております。
8で、「証紙以外の方式の導入について建退共本部に検討の場を設ける」ということが盛り込まれております。これについては、今年度、勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部に、労使関係者の参画をいただきまして、「建退共制度における掛金納付方法のあり方検討会」を設けております。この検討会の報告書が、資料5として先般取りまとめられたところです。本日は議題が多いため、この報告書の具体的な内容の説明は省略させていただきますが、次回の審議会の際にご説明させていただき、ご意見等を頂戴したいと思っておりますので、よろしくお願いします。
4頁の清酒製造業退職金共済制度については、前回もご説明しましたとおり、加入率が9割を超えており、加入促進の取組みについての余地があまり残されていないという状況にあります。ただし、焼酎と泡盛の事業所については、業界全体に比べると加入が進んでいませんので、清酒製造業退職金共済事業本部においては、これらの焼酎、泡盛の事業所の加入促進を重点課題として取り組んでいるところです。しかし非常に厳しい状況で、直接訪問等も行っておりますが、今年度においては加入には結び付いていないという状況です。 林業退職金共済制度については5頁、6頁にまとめてあります。1、2は例年実施しているものです。平成11年度に特に取り組んだこととしては、3で加入促進及び履行確保について文書により依頼したこと、さらに4で、各支部に普及推進員を設置して積極的な普及推進活動に取り組んでいただいたということがあります。
6頁の6で、いわゆる一人親方については、任意組合を組織することにより制度に加入していただけるという仕組みを整えておりますが、事務が煩瑣で、任意組合の組織化がなかなか進まないというご指摘が関係者からありましたので、各支部がそういった事務をバックアップできる体制を整えたところです。さらに、労働省及び林野庁においては、これらの取組みを踏まえ、労働省は平成11年12月、林野庁は12年1月に、都道府県の担当部署に対しあらためて加入促進及び履行確保の依頼をしたところです。
7頁以下ですが、これは前回、建設業退職金共済制度の加入が進まないという点についての分析を加えるべきではないか、というご指摘がありましたので、一昨年に建設業退職金共済事業本部で行った実態調査の中から関連する部分についてまとめたものです。まず、建設業退職金共済制度をどのようなことで知り、加入したかということについては、2の専門工事業者の加入動向と元請業者の指導の相関にあるとおり、元請事業主の役割が非常に大きいことが分かります。例えば認知経路を見ていただきますと、元請業者から聞いた、あるいは業界団体の会合等で聞いた、というのが大きな割合を占めています。また、8頁で、元請事業主の加入指導を受けていないという企業の割合が多くなっていますが、例えば、現在加入している企業が加入指導を受けていないという割合が約4割であるのに対し、非加入の企業が加入指導を受けていない割合は約6割と高くなっています。さらに、下の円グラフで、加入者のうち、元請業者の指導・要請に基づいて加入したという企業が半数を超えており、元請業者の加入指導・要請がかなりの影響を持っていることが推察されます。
9頁は、そもそも加入していない企業はなぜ加入していないのかということです。その理由としては、他の制度で間に合っているというのが62.2%で最も多くなっています。他の制度というのは、主に自社で退職金制度を持っている、あるいは常用職員が中心で般の中小企業退職金共済制度に加入しているなどが挙げられます。業種別にみると、特に電気工事業などでは85.7%と高い割合になっており、業種による差が大きくなっています。これは雇用形態の違いにも関わっているのではないかと推察しております。
10頁以下は、加入している専門工事業者、非加入の専門工事業者、加入している元請業者のそれぞれに、建設業退職金共済制度の問題点を挙げていただいたものです。専門工事業者では経費負担になるという回答が多く、特に年間完成工事高の小さな企業においてその傾向が強いといえます。
12頁で、元請事業主については、特に問題はないという回答が最も多くはなっていますが、年間完成工事高が大きな企業ほど、経費負担になるという回答が多くなっております。
13頁は、実際の工事現場を対象とした実態調査ですが、かねてから指摘されているとおり、下請業者、特に2次以下の下請業者において加入が進んでいないということが裏付けられております。例えば、1次下請業者では現場労働者数8.7人に対して建設業退職金共済制度加入労働者数が3.9人ですが、それが2次以下の下請業者になりますと、6.8人に対して1.6人という状況です。
○会長
どうもありがとうございました。以上の説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
○会長
今後ともよろしくお願いいたします。それでは「政令案要綱」のご説明をお願いいたします。
○委員
建設業退職金共済制度についての実態調査結果を示していただいたわけですが、加入率のアップを図るためにどう活かすかという点については、この資料からどのように読み取ればいいのでしょうか。
○福祉課長補佐
もともと、この実態調査結果を踏まえて、1頁以下で触れました「建退共制度改善方策」を取りまとめたわけですが、まずは元請事業主の役割の重要性が挙げられます。そこで、改善方策の5番目にあるように、元請事業主に積極的なご支援、ご協力をお願いすることを考えております。なお、例えば、すでに自社で退職金制度をお持ちの企業について、あえて建設業退職金共済制度への加入を促すといったようなことは必ずしも適当ではないので、特に積極的な手立てはしていません。
それから、直接的にこの資料から読みとれるわけではありませんが、建設業における労働者の雇用形態がかなり変わってきている、ということがあります。前回、例えば期間雇用か否かという区別での分析も考えてはどうかというご指摘をいただきましたが、かつては期間雇用が中心であったものが、最近では必ずしもそうではなくなってきています。制度の建て前としては、期間雇用か否かということで、一般の中小企業退職金共済制度の対象なのか、あるいは特定業種退職金共済制度の対象なのかという区別がなされるわけですが、雇用形態が変化する中で、現場実態を無視して、例えば杓子定規に、常雇化したからすぐに一般の中小企業退職金共済制度に移行するなどということになると、業界退職金制度としてのこの制度そのものが、そもそも成り立たなくなるということにもなりかねません。この資料では改善方策の詳しい内容は出ておりませんが、要は建設業退職金共済制度であれ、一般の中小企業退職金共済制度であれ、労働者の方々が退職金制度の恩恵を受けられるようにするのが政策目的であることから、例えば、そういった点についての運用上の解釈を整理するといったことにも取り組んできたわけです。
もう1つ、お手元にお配りしている共済手帳に、働いた日数に応じて共済証紙を貼っていくわけですが、そういった仕組みが必ずしも今の時代にそぐわないのではないか、というご指摘もいただいていることから、改善方策の8番目に挙げているような検討会を設けて、今回、新たな掛金納付方法のあり方についての報告書を取りまとめたところです。その内容については、また次回ご説明させていただきたいと思っています。
○福祉課長
今回諮問させていただいているのは、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度に関するもので、建設業退職金共済制度については、前回のご質問にお答えする趣旨で資料としておりますことを、念のため申し添えます。
○委員
分かりました。
○会長
その件については、今日の議題の「その他」として、「新・中小企業退職金共済制度加入促進5か年計画」についてご説明があり、むしろそちらの方が近いと思われますので、そこで議論ができればと思います。まずは、予定運用利回りを引き下げるという非常に重要なテーマについて、ご意見をいただきたいと思います。
○委員
4頁の清酒製造業退職金共済制度における平成11年度の加入促進の取組み状況について、焼酎の事業所における加入率は68.0%、泡盛の事業所では0.0%となっていますが、加入していない理由について、分かれば教えていただきたいと思います。
○勤労者退職金共済機構
制度そのものに対するご理解はかなり進んでいるように見受けられますが、他の事業所が加入していないから、という要素があるようです。
さらに、全体を完全に調べたわけではありませんが、調査などでお伺いしている限りでは、例えば一般の中小企業退職金共済制度に入っておられる所、あるいはそもそも規模が小さい所が非常に多いということがあります。これらの事業主の方々は酒造組合中央会に加入されていますので、今そちらの方にも働きかけをしているところです。
○会長
不明な部分があるということですね。
○委員
分かりました。
○委員
前回、欠席しましたので、前回の労働者側委員からの発言と重複するかもしれませんが、退職金というのは、1つの労働債権であると思うのです。そういう中で、経済情勢が主な要因であるにしても、現行の予定運用利回りと今回提案されている予定運用利回りとの乖離が非常に大きく、簡単には受け入れがたい内容だと思うのです。これは意見として申し上げておきたいと思います。
また、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度に関する問題についても、実際の労働者は期間雇用から常用雇用に近い形に変わってきているのではないか、そうであるならもう少し制度全体を見直さないと、期間労働者を対象とするという形でいつまでも運営していていいのかという気がします。たまたま私は勤労者退職金共済機構の特定業種退職金共済事業に関する参与をつとめておりまして、新潟県の越後湯沢にある有名な酒造会社を視察させていただいたことがありますが、「もう清酒製造業退職金共済制度にはお世話にならないことになりました。従業員は皆常用雇用で、機械がお酒をつくってくれます」ということでした。昨年見せていただいた別の事業所も同様で、そういった実態の中で、清酒製造業退職金共済制度のあり方が今のままでいいのかという気がします。
結論としては、予定運用利回りの見直しについてはやむを得ないということで一致するのかもしれませんが、先ほど未加入事業所の実態について不明な部分があると言われた部分も含めて、もう少し改善する方法があるのではないでしょうか。建設業退職金共済制度とはまた違うところはあると思いますが、その辺りについての見解をお聞きしたいと思います。
○福祉課長
清酒製造業の関係ですが、私は先日仙台の日本酒造杜氏組合の会長の所へ行ってまいりました。清酒製造業退職金共済制度の果たしている役割についてはご理解をいただいておりましたが、杜氏組合としても、中長期的な課題として、共済証紙の日額については引き上げてほしい、また実際にそれについて業界の方や中央会の会長とも話し合いの場を持たれた、とのことでした。
しかし、清酒製造業全体の状況が大変に厳しく、例えば100社のうち、90社ぐらいまでは対前年比マイナスの生産高で、商品がヒットしたなどと言われるのはほんの数社であるとのことでした。杜氏の方というのは、労働者であるとともに、経営者とともに新商品の開発に携わったりしておられますので、業界の状況も非常によく分かっておられるわけですが、そういったことも含め、現状では共済証紙の日額の引き上げが難しいのは仕方がないということかと思います。
ただ、先ほど委員のおっしゃったのは、日額の引き上げ以外に、清酒製造業及び林業の各退職金共済制度が、制度としてやっていけるのかどうかというお話かと思います。これは、中長期的になかなか難しい問題があるというご指摘だと思いますが、実際、両制度が業界退職金制度として運営されてきた経緯がありますし、中長期的なあり方については、労使をはじめ業界関係者のご意見を十分に伺いながら、慎重に検討していく必要があると考えております。
○会長
私は実態をよく知らないのですが、たぶんお2人の意見は、お2人とも実際のところを見ておられるわけですから、正しいと思うのです。統計では林業労働者の就労日数は増えており、言葉の定義は難しいのですが、常用雇用化していることは確かです。その辺で大きな状況の変化が起きた場合には、制度の見直しが必要になってくるかもしれません。そのときにはそういう検討をこの場ですることになるでしょうから、今日こういった問題提起があったということを議事録に残しておいていただきたいと思います。他にご意見はありますか。
○委員
今の問題提起とも関係するのですが、先ほど、泡盛の事業所が加入しない理由として、一般の中小企業退職金共済制度に加入しているからという説明がありました。予定運用利回りに代表される福祉サービスの度合いが各業種の退職金制度ごとに違うということになると、より良い所に加入したいと考えるのは当然です。そうすると、むしろ清酒製造業といった、ある意味で予定運用利回りの改正だけでは解決できない構造的な問題がある業種の場合、その福祉サービスの度合いを切り下げてしまうと、さらに加入率が低下するといった悪循環に陥ることになるのではないか、業種ごとに異なるという仕組みについて、長期的に考え直す必要があるのではないか、という気がします。
○勤労者福祉部長
先ほど、労働者の雇用実態がかなり変わってきているというお話がありました。清酒製造業の場合、労働力の確保が難しいことから機械化という動きが出てきております。そういった雇用実態をどうとらえていくのか。それから、例えば林業であれば、外国産材の問題が従来からありますし、清酒製造業においても非常に零細な企業が多いものですから、業界としての今後の安定性の問題等、いろいろな問題を抱えているといったこともあり、両業種とも加入者数が減少してきています。加入者数が減ってくれば、制度の運営自体が難しくなってくる。その辺の雇用実態なり、業界の実態といったことを、これから私どもも十分分析していかなければならないと思っています。ただ、現時点では、先ほど課長からもありましたように、業界関係者の方々の意向としては、業界退職金制度である本制度を守っていこうということでもありますので、当面はそういった方向で進めたいと考えております。
○委員
この諮問内容はやむを得ないことだと思いますが、今回の見直し後の予定運用利回りというのは、他のいろいろな制度と比べてどうなのですか。確かに今回の引き下げ幅は大きいのですが、周囲の状況を考えた場合はいかがでしょう。
○福祉課長補佐
関係する制度等についての状況を申しますと、ご承知のとおり、そもそも一般の中小企業退職金共済制度については、平成11年4月から年3.0%に引き下げており、これが1つの目安かと思います。また、通産省でやっておられる経営者向けの小規模企業共済制度においても、平成12年4月から年2.5%となる予定です。それから、商工会などがやっておられる特定退職金共済制度については、もちろん一律ではないのですが、生命保険会社の保証利率とほぼ連動していますので、年1.5%から2%といった水準になっているのではないかと思います。
○委員
特にそれほど低いわけではないということですね。
○福祉課長補佐
そこはそれぞれのお受け止め方かとは思いますけれども。
○委員
私がやっております中小企業の地域連盟は、ほとんどが中小企業というよりも零細企業で構成されていますが、中小企業退職金共済制度に未加入のところが多く、制度の利点等を説明しながら加入促進を図っているところです。
私は先日、とある講演で、一生懸命勉強して就職することよりも、自分で事業を始めることも考えてはどうかというようなことを話しましたが、ただ、会社に勤めた以上は、退職金というものが1つの目的でもあり、その額が少なくなるということは、楽しみが減るということになると思います。ですから、共済証紙の日額を上げて、受け取る退職金額の水準の維持を図る方がいいのではないかと思います。
○会長
ちょうど金融の専門家がいらっしゃるのでお聞きしたいと思ったのですが、こういう長期の運用利回りというのは、資産の規模が大きくなればなるほど高くなるのですか、それとも資産の規模には影響されないものですか。
○委員
一般的には、ロットが大きければ大きいほど、運用の効率は高まるかと思います。ただ、それだけではなくて、例えば金銭信託の比率はかなり高くなってきていますが、受託者間の競争を高めていくということも重要だと思います。
○委員
資産運用にあたっては、いろいろ検討したうえでやっておられるのでしょうが、金融情勢全般を考えれば、そう簡単には実際の運用利回りは上がらないと思います。ただ、なるべく高い方がいいと思ってお聞きしました。
○委員
将来推計については、運用期間を例えば5年間とすればこちらの運用の方がいいけれども、10年間とすれば別の方がいいといったような難しい問題もおそらくあると思うのです。掛金及び退職金等の額についての見直しは5年間ごととなっていますが、これは機械的にどこかで区切って考える必要があるということだと思います。また、先ほどご紹介があったように、他の共済制度と比べて、そう大きく変わらない水準で提案されているわけですから、これだけ異常な超低金利が続いている中で、制度の健全性を維持することを考える必要があると思います。
先ほど掛金を引き上げたらという話もありました。確かに、それによって退職金額は維持できるということではあるのですが、経営者側から見ますと、売上げが減少している状況で、さらなる負担がかかることになり、その度合いが強くなりすぎるとそもそも制度に加入できないといったことになりかねませんから、それとのバランスも考えざるを得ないと思うのです。もちろん、良い条件で退職金を給付できるというのがいちばん望ましいことですから、運用の仕方についてもいろいろと工夫をしていただいているとは思いますが、全体的に他の共済制度も見直されているということでもあり、大変厳しい状況ではありますけれども、今回提案されている内容はやむを得ないという気がします。
○福祉課長
1点補足いたしますが、清酒製造業及び林業の各業界においても、労使の方々の話合いの場で、共済証紙の日額を上げることについての議論はしておられます。ただ、業界の厳しい現状を踏まえて、今回それを実現するのは難しいという結論で、関係組合の方のご理解を得ているという状況です。
○委員
3頁、4頁の右側から2番目の欄の運用利回りというこの数字は、今後も一応、その程度は見込める利回りと考えていいのですか。
○福祉課長補佐
この推計については、それぞれ注の2にあるとおり、平成12年1月時点の金利水準が継続したと仮定した場合の数字を算定しております。つまり、ある意味では手堅く見込める程度の水準と考えております。
なお、例えば、昔の高金利のときに買った債券というのは、相対的に利回りが高いわけですが、それが随時償還を迎えており、買い換える際にその分利回りが下がりますので、全体的に運用利回りは償還を迎え、買い換える度に下がっていくという傾向にあります。
さらに蛇足ながら、林業退職金共済制度については、平成16年度から17年度にかけての運用利回りの下がり幅が大きいのですが、これはこの時期に償還される債券が非常に多額であることによるものです。
○委員
前回の議論の中で、制度の健全性の問題があり、私なども見直しはやむを得ないという発言はしてきました。ただし、予定運用利回りの引き下げについて、年4.5%から2.3%とか3.7%から2.1%という具合に極端に下がり過ぎであり、もう少しどこかで止めようがなかったのかという気がするのです。単に計算の結果がこれだと言われても、本当にそれでいいのだろうかという疑問が湧かないではありません。言い方は悪いかもしれませんが、年4.5%から2.3%ではなく、見直しの幅にも限度があるという設定の仕方はないのか、退職金額が下がるにしても、この程度が限度だというようなシステムにするよう、今後検討する必要があるのではないかと思いましたので、意見として申し上げておきたいと思います。
○福祉課長
いかにも急に下げたという印象を受けられるかもしれませんが、逆にある意味で年4.5%なり3.7%でよくこの年度までやってこられましたねというご意見を周囲からいただくような面もあるわけで、先ほどからご説明しておりますように、これはどうしてもご理解いただけない水準ではないと思っております。もちろん、金利情勢が変わってくれば、できるだけ機動的、弾力的にご審議をいただきたいと思っており、そこのところは業界の関係者の方々にもご理解を得ておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
ただし、あまり頻繁に予定運用利回りを変動させるのは制度としては妥当でないという点もあわせてご理解いただきたいと思います。
○委員
率直なお話で、私も理解できる面がありますから、それは否定しません。また、頻繁に予定運用利回りを見直すべきだという趣旨でもありません。ただ、見直しをするときでも、制度を維持する意味でその幅をどう設けるかといったことを考える必要があるのではないかと申し上げたのです。
○会長
いずれにしても、かなり制度に関わる問題ですので、そういうご意見があって検討課題の1つとして考え得るということを、議事録に残しておいていただきたいと思います。
○委員
確認ですが、積立金不足については、現在不足しているからといって赤字になるというか、不足した部分に利子を払わなければならないというような状況ではないのですね。
○福祉課長補佐
そういうことではなく、実際に積立金不足があることにより、本来積立金があれば、そこから生まれる利益というものが生まれないために、例えば年2.5%で運用できていると言っても、全体の利回りとしてはそれよりも低くなるということです。
○委員
分かりました。それとは別に、今回の予定運用利回りの引き下げは仕方ないとしても、情勢が好転した際には、是非早急に見直しをしていただきたいと思います。
もう1つ、一般の中小企業退職金共済制度と違って、1日働いたら1枚共済証紙を貼るという仕組みですので、共済証紙の貼付の履行を、是非、業界団体の方にしっかりしていただくようにお願いしていただきたいと思います。
○福祉課長補佐
特定業種退職金共済制度の予定運用利回りについては、法律ではなく政令で定めており、機動的、弾力的に改正できる側面もありますから、情勢が好転した際には、また皆さまのご意見をうかがった上で、ご相談させていただきたいと思います。
○委員
積立金不足を解消することは確かに重要で、その点から言うと、林業退職金共済制度の予定運用利回りについて年2.1%に引き下げるのは妥当だと判断できるわけですが、清酒製造業退職金共済制度の場合は積立金は黒字になっています。将来設計においては現時点の金利水準が継続するという仮定が設けられていますが、景気が良くなってくれば当然金利は上がってくるわけで、いまの状況を中長期的にいわば底であると判断するとすれば、例えば、なぜ年2.5%ではなく2.3%なのかという点について、合理的な説明をお願いしたいのですが。
○福祉課長補佐
多少技術的なことになるかもしれませんが、清酒製造業については、脱退者数が急速に増えております。すなわち、費用の欄にあるような退職金支出が非常に大きくなる一方で、新規加入者数がほとんど見込めず、掛金収入が大幅に減少するという状況ですので、収益、費用のバランスを確保するために、運用利回りの部分で若干の配慮をしたものです。
○委員
そういった構造的な要素が加味されているということですね。
○福祉課長補佐
はい。
○委員
3頁、4頁の将来推計の表の中で、平成10年度及び11年度の運用利回りと積立金の欄を見ますと、10年度に比べて、11年度は運用利回りが下がり、積立金が減少するということになっていますが、実際には株価の上昇等の影響により、例えば平成11年度の厚生年金基金等の運用利回りは相当改善しているわけです。ここにはそれがどういう形で反映しているのですか。
○福祉課長
もちろん株価の上昇によるプラスの影響はありますが、そもそも清酒製造業及び林業の各退職金共済制度の場合は、株式による運用の割合が少ないということがいえます。また、特殊法人の会計処理の基準は簿価によるものとされており、簿価による決算等を公開しているところです。そのために実際には反映されない部分もあります。現在、時価評価のあり方について内部的な検討に着手したところであり、今後も前向きに考えていきたいと思っております。
○委員
実態を反映した時価評価にすべきだというのは、いわば時代の流れですから、ぜひ早急な検討課題としてお願いしたいと思います。その意味では、この数字は実態を反映していないわけですから。
○福祉課長補佐
補足しますと、一般の中小企業退職金共済制度の場合は相当程度金銭信託に投入していますが、清酒製造業及び林業については、金銭信託への投入割合、投入額ともに、それほど大きなものではありません。この数字自体は、確かに簿価ベースの推計ですから、言ってみればリアルタイムというか、最大瞬間風速的な意味での金利情勢は反映されていないという面は否定できませんが、実際上の影響という点では、それほど大きなものではないと考えております。
○勤労者福祉部長
時価評価の問題と予定運用利回りの問題と両方あるものですから混乱していますが、一般の中小企業退職金共済制度と比べてロットが小さいという問題があるうえに、例えば、金銭信託の割合を一定程度高めようと思っても、債券の償還の問題などにより、急にはできないというような問題もありますので、すぐにそれが大きな影響を及ぼすわけではないとご理解いただければと思います。
○委員
株価が上がってきたから最近では話題になっていますが、逆に下がってきたときにはどうするのだということも裏腹にありますから、簡単に時価評価がいいと言っていいかどうか。世の中がそうだと言えばそうなのですが、まずはこの制度が健全に運営されていくことが大事なことだと私は思います。
○会長
かなり議論をしていただきました。おそらく、予定運用利回りについては、下がらない方がいいが、やむを得ない状況なので、今回の引き下げについては仕方がないというご意見が大勢だと思います。できれば本審議会としてこれらの提案について了承したいと思いますが、いかがでございましょうか、了承いただけますでしょうか。
○会長
それでは、事務局より答申文案を配布いたします。
○福祉課長補佐
諮問内容が2つ、すなわち予定運用利回りの見直しの関係と換算日数の見直しの関係がありますので、お手元に2枚の答申文案をお配りしております。
「中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案要綱について(答申)。平成12年3月24日付け労働省発労第13号をもって諮問のあった標記の件について、当審議会は妥当と認める。」
「中小企業退職金共済法第2条第4項に規定する業種を指定する等の告示を改正する告示案について(答申)。平成12年3月24日付け労働省発労第14号をもって諮問のあった標記の件について、当審議会は妥当と認める。」
○会長
この文案により労働大臣あてに答申を行いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○会長
それでは、労働大臣は所用によりこの場に来られないようですので、答申文は労政局長にお渡ししたいと思います。
○労政局長
ありがとうございました。
○会長
それでは、議題3の付加退職金の支給率等の諮問内容について、事務局よりご説明願います。
○福祉課長
資料6が諮問文ですが、その内容について、資料7に基づき簡単にご説明いたします。毎年度末にお諮りしているものですが、まず付加退職金の支給率について、資料7の1頁で、平成11年度における中小企業退職金共済制度の資産運用の利回りが2.92%と、予定運用利回りである3.0%を下回り、利益が発生しない見込みで、また平成12年度以降についても当分の間、十分な剰余が発生することが困難であると考えられることから、平成12年度の支給率をゼロとするものです。参考までに、下の方に過去の予定運用利回りと運用実績を載せておりますが、平成6年度以降、付加退職金の支給率はゼロとなっております。
2頁以降はやや技術的なことで、付加退職金の支給率がゼロということに基づいてのお話ですが、2頁では、退職金を分割して支給する場合の付加分割支給率について、3.0%プラスαのαの部分をゼロにするということです。
3頁も分割支給に関わるもので、分割支給の割引率について、同じく3.0%プラスαのαの部分をゼロにするということです。
4頁は、制度加入時において過去10年間に遡って勤務期間を通算できることになっていますが、この際の過去勤務通算月額の乗ずる率について、付加退職金に対応する部分をゼロにするということです。
○会長
それでは、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。
○委員
このところずっと付加退職金の支給率がゼロということはやむを得ないものと考えますが、ひとつお聞きしたいことがあります。労働省の労災保険の特別会計の中で、労働条件確保事業として中小企業退職金共済制度がありますが、その新規加入掛金助成費の平成12年度予算額が対前年比で1割程度、38億円から34億円に減少しています。最近、中小企業退職金共済制度の加入者は若干増えているとも聞いていますが、この予算が減るということはそれに逆行しているように思います。その理由を説明してください。
○福祉課長
おかげさまで、中小企業退職金共済制度については、加入企業数が昨年11月から21か月ぶりに増加しており、これは1月8日付の日本経済新聞にも記事として取り上げられて、大変ありがたい状況だと思っております。
ご質問は、おそらく委員が労災審議会に出られたときの資料についてのものだと思いますが、まず、中小企業退職金共済制度においては、新しく加入した事業主に対して、掛金総額の3分の1を2年間助成する制度を設けています。これについては、平成10年度の不要額、つまり予算額と実績額との差が9億円余り出たことを踏まえて、平成12年度予算においてはその乖離を縮小して予算額を適正化し、確かに減少しております。ただし、実際には平成10年度の助成実績額及び平成11年度の助成実績見込額を上回る額を確保しており、必要な額は確保できていると考えております。ご心配をいただき、大変恐縮です。
○会長
他にございますか。特になければ、本審議会として、これについて了承することにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○会長
事務局より答申文案を配布いたします。
○会長
それでは、朗読をお願いいたします。
○福祉課長補佐
「中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律(平成10年法律第46号)附則第7条第3号ロ(1)の支給率等について(答申)。平成12年3月24日付け労働省発労第15号をもって諮問のあった標記の件について、当審議会は妥当と認める。」
○会長
以上の文案によって、労働大臣あてに答申を行うということでよろしゅうございますか。
○会長
それでは答申文を労政局長にお渡しいたします。
○労政局長
ありがとうございました。
○会長
次に、議題4の「その他」ですが、事務局から「新・中小企業退職金共済制度加入促進5か年計画」について、ご説明願います。
○福祉課長補佐
資料8に基づきまして、新たな中小企業退職金共済制度加入促進5か年計画の概要について、簡単にご説明させていただきます。加入促進対策については、一昨年11月に、当審議会でもヒアリング等を行い、ご議論をいただいたところです。
現在、中小企業退職金共済事業本部においては、加入促進5か年計画に基づき加入促進対策に取り組んでおりますが、その計画期間が今年度末で終了することを踏まえ、今般、平成12年度を初年度とする新たな5か年計画が策定されましたので、ご報告するものです。
まず1頁の加入促進活動の現状と課題についてですが、1番目に退職後の生活保障としての退職金制度が重要であること、2番目に、これは特にこの1、2年企業倒産等も相次いでいるため最近は行政としても強調している部分ですが、いわゆる退職金の保全という観点からは、本制度のような社外積立型の制度の方が望ましいと考えられること、3番目に、退職給与引当金の限度額が引き下げられ、社内準備型の制度のメリットが減ること、また新企業会計基準が導入され、退職給付債務についてきちんとバランスシートに載せる必要が出てくるわけですが、社外積立型の本制度に加入していればそれを意識する必要がないこと等から、いずれも本制度の特色が優位に作用するものと考えており、引き続き本制度の加入促進活動に取り組んでいきたいと思っております。
そこで今回も新規加入目標を設定したわけですが、参考までに6頁をみていただきますと、前回計画、これは正確にはまだ現行の計画ということですが、その現行計画においては、5か年で新規の共済契約者数20万所、被共済者数76万人という目標を掲げておりました。各年度別には初年度が3万4,000所、以下4万所程度という目標だったわけですが、達成率をみますと、初年度こそ6割強でしたが、平成9年度、10年度には景気の低迷もあって5割以下となっています。さらに、本制度の新規加入者数の年度別推移をみると、昭和61年に掛金助成制度が導入されたことと、生命保険会社の協力を得た加入促進を導入したという特殊事情があり、約7万所が加入しています。この特殊事情のある昭和61年を除くと、過去の最高が昭和62年の3万4,000所ですから、言ってみればそれを超えるという相当意欲的な目標を掲げていたわけです。そこで、目標は目標としても、あまり乖離が大きいのでは意味がないのではないかという反省もあって、今回の目標設定に当たっては、ある程度現実的な、政策目標として妥当なものとするよう意識しています。
では、実際にどういう数字かということですが、1頁で、今回の計画においては、共済契約者数14万所、被共済者数70万人という目標を掲げました。その積算根拠は、過去の加入動向を基にした推計により、ベースとして加入が見込まれる部分、これに昨年の中小企業者の範囲拡大により新たに加入が見込まれる部分、さらに新規創業企業の増加に対応して加入が見込まれる部分を加味し、その推計値に2割程度の政策目標を加えるということで、2割増しに設定したものとなっています。なお、各年度別には、加入促進活動の浸透度合いを考慮して、当初の2年間は2万5,000所、後半の3年間は3万所というように、後半を若干多めに設定しています。
2頁以下の具体的な加入促進対策事業の内容ですが、基本的には現行計画で取り組んでいる活動をベースに、必要に応じた見直しを図ったものとなっています。今回新たに付け加えた、あるいは少しアレンジをしたものについてご説明しますと、まず3番目と4番目で、先ほどの目標の積算のところでも出ましたが、新たなターゲットとして、新規創業企業に対する加入促進活動、中小企業者の範囲拡大によって新たに対象企業となる所への加入促進活動を考えております。
5番目で、従前、業種に着目した加入促進活動は必ずしも積極的に行っていませんでしたが、サービス業では退職金制度の普及率が相対的に低いという状況があります。また、サービス業は成長産業であり、その事業所の割合も増えていますし、先ほどの中小企業者の範囲拡大によって、対象となる事業所数が最も増える業種でもあります。そういったことから、サービス業を重点対象とした加入促進活動に取り組んでいきたいと考えております。
6番目の全国的展開による加入促進活動では、以前の審議会で、独自に加入促進活動を展開している労働組合もあることから、それらとの連携も考えていくべきではないかというご意見をいただいたことを踏まえて、関係機関、事業主団体に加えて、今回新たに労働組合等を通じた広報、あるいはホームページ間のリンク化の推進について盛り込んでおります。
3頁の7番目の特定地域加入促進活動ですが、まず加入促進モデル県事業として、毎年度3都道府県を選定し、2か年にわたり積極的なPR活動をしていただいております。以前の審議会でも当時のモデル県事業実施県である香川県庁の方からお話を伺ったところですが、これは非常に実績を上げている事業であり、引き続き力を入れていきたいと思います。
また、モデル県事業により得られた効果を維持、継続していきたいということから、今回の計画の中では、モデル県フォローアップ事業として、モデル県事業実施済みの中から毎年度2都道府県を選定して、単年度事業で同様の事業を実施するということを盛り込んでいます。
さらに、市区町村単位での加入促進活動として、従前は独自に掛金助成制度を導入していただいている自治体は、非常に本制度に対する理解があるということでご協力をいただいていたわけですが、今回はそれのみならず、もう少しきめ細かく市レベルでの普及率等も考慮して特定都市地域を選定し、加入促進活動を展開していきたいと考えております。
最後に10番目の退職金相談コーナー・普及推進員等の活動についてです。まず、現在全国で8か所ある退職金相談コーナーについては、増設できないかというご意見もいただいておりますが、予算上の制約等もあり、今回は見送らせていただいております。また、各都道府県に普及推進員を配置していますが、より実効ある活動をしていただくという観点から、例えば、月に何軒程度の訪問をするといったことも含めた、より具体的な活動目標を設定し、その目標管理を進めていきたいと考えております。以上です。
○会長
ご意見、ご質問等はございますか。
○委員
マイナーな事柄かもしれませんが、5番目に関連してお伺いします。介護保険制度が今年の4月からスタートし、約17万人のヘルパーがそれに携わり、今後5年でおそらく50万人程度まで増えていくだろうといわれていますが、そういう方々に対するアプローチが、今の制度の枠組みでできるのかどうか。例えば、NPOというのはボランティア団体ではなく、きちんと給料をもらうことになっているわけですが、そこに属する人に対するアプローチができるのかどうか。新規の雇用創出分野でもあり、そういう形でアプローチできればメリットを受けられる人も相当いるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○福祉課長補佐
制度上は、法人格の有無や営利、非営利の区別に関わらず、事業主の方には加入していただくことができ、その点についてはクリアできていると思います。ただし、雇用関係の有無については、実際の状況を見ないとはっきりしたことは申し上げられない面があります。
○委員
NPOについては難しいかもしれませんね。きちんと雇用契約を結んでいる方々については問題ないのでしょうが。
○福祉課長補佐
そのあたりについて、どこまで柔軟に解釈していけるかというのは、ある程度慎重に考えていく必要があると思います。
なお、念のため補足しますが、この加入促進5か年計画は、労働省ではなく、勤労者退職金共済機構で策定するものです。
○会長
せっかく議論するわけですから、前提条件を聞きたいのですが、この計画はもう確定したものですね。我々がここで議論したことは反映されるのですか。
○福祉課長補佐
5か年計画というのは、あくまでマスタープランです。この5か年計画自体、策定に当たってはこれまでにいただいたご意見を踏まえて検討したつもりですが、このマスタープランを基に、さらに各年度の加入促進計画を策定しますので、建設的なご意見をいただければ、そちらに反映することはできると考えております。
○委員
先ほどのNPOのお話ですが、労働省で介護労働関係の人材の供給体制の強化として、雇用確保の助成金や教育訓練費の給付といった枠組みを整備していただいています。そういった仕組みとうまくリンクして、そういう法人が雇用を拡大するとか、事業を始めるといったときに、うまく勤労者退職金共済機構の方でフォローするようにできれば、NPOもこういった助成金を受けられるのではないかと思います。我々の団体もできる限り協力はさせていただきますが、有機的に取り組まれてはどうかと思います。
○会長
普及推進員というのは、どういう方がやっておられるのですか。
○福祉課長補佐
県によってまちまちですが、県のOBなど、中小企業退職金共済制度にご理解の深い方に委嘱し、若干の活動費用もお渡ししています。活動の中心は関係機関との連携強化で、都道府県や事業主団体などへの訪問、協力依頼が中心ですが、直接事業所を訪問しての加入勧奨も行っています。
○委員
2番目の小規模企業加入促進対策の中で、未組織事業所対策として2つほど書いてありますが、ここでいう連携強化、協力関係強化というのは、具体的にどういったことをするのですか。直接訪問するのか、定期的に会合を開くのか。私どものネットワークであまりカバーされない部分ですのでお伺いします。
○勤労者退職金共済機構
例えば、全国中小企業勤労者福祉サービスセンターの方から、各市区町村の中小企業勤労者福祉サービスセンターに対して、私どもの制度の加入促進をしていただけるようお願いをしております。また、具体的にさまざまな会合に私どもの職員が出張して、制度についての説明をするという形で協力をさせていただいております。
○委員
この計画には、いろいろな団体への協力依頼や関係強化といったことが多く出てきます。中小企業退職金共済事業本部には加入促進担当の部署はないのかもしれませんが、私の実感でいうと、建設業退職金共済制度の場合は、私たちの言葉でいうところのオルグ活動、つまり組織活動をやっておられるのに対し、一般の中小企業退職金共済制度の場合は、あまりそれが見受けられないように思います。その点についてはいかがでしょうか。
○勤労者退職金共済機構
ご指摘のとおり、努力がまだまだ不十分な点はあるかと思います。ただ、組織としては、30名余りからなる事業推進部がありまして、そちらの職員が具体的に窓口となる全国の事業主団体や金融機関を訪問して、制度の説明や加入促進に対する協力依頼をさせていただいております。直接事業主の所に伺うことはあまり多くはないのですが、むしろそういう窓口となる所にご理解をいただいて、加入促進をお願いすることの方が早道かと考えております。
また、最近はホームページをリニューアルして、直接加入の問い合せ等ができるようにしました。問い合わせをいただいたところには資料をお送りし、後日電話をして、状況を伺うというフォローにもつとめております。今後とも努力してまいりますので、よろしくお願いします。
○会長
それでは、そろそろ予定の時間もまいりましたので、今日の審議を終わりたいと思います。ありがとうございました。
6 配付資料
| (1) | 中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案要綱(諮問) |
| (2) | 中小企業退職金共済法第2条第4項に規定する業種を指定する等の告示を改正する告示案(諮問) |
| (3) | 「中小企業退職金共済法施行令の一部を改正する政令案要綱」及び「中小企業退職金共済法第2条第4項に規定する業種を指定する等の告示を改正する告示案」に係る関係資料 |
| (4) | 特定業種退職金共済制度における加入促進及び履行確保対策の概要 |
| (5) | 建退共における掛金納付方法のあり方検討会報告書 |
| (6) | 中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律(平成10年法律第46号)附則第7条第3号ロ(1)の支給率を定める件等について(諮問) |
| (7) | 「中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律(平成10年法律第46号)附則第7条第3号ロ(1)の支給率を定める件」等に係る関係資料 |
| (8) | 新・中小企業退職金共済制度加入促進5か年計画について |
| (注) | 配付資料については多量のため省略しておりますが、労働省(大臣官房総務課広報室又は労政局勤労者福祉部福祉課)において供覧しております。 |
| 照会先 労働省労政局勤労者福祉部福祉課 担当:山本・池嶋 TEL 03(3593)1211(内線5376) |