| 議事
○座長
定刻になりましたので、ただ今から第12回労災保険制度検討小委員会を開催いたします。本日は、岩村委員と松本委員が御欠席でございます。それでは、前回に引き続き、労災保険制度検討小委員会報告(案)について議論をいただきたいと思います。
報告書(案)につきましては、前回の小委員会以降、文案の整理等についていろいろ精力的に検討、努力していただきましたが、当初の15日の予定を引き延ばしてさらに検討を進めた結果、労働者の健康確保支援の在り方、過去債務分の積立の計画期間の在り方、労働福祉事業の限度額設定方式の在り方について、小委員会でこれまで出された意見を併記するという形でまとめてもらっております。
それでは、報告書(案)の修正箇所について、事務局から説明願います。
○ 事務局
それでは、資料に基づきまして御説明したいと思います。ただ今座長から御発言がありましたように、前回12月5日に小委員会の報告書(案)として、「労働者災害補償保険制度の改善について」ということで御審議いただきました。その際、結論的には強い反対の意見がありましたので、そういった反対の委員の方とよく相談をして調整するようにということで終わったかと理解しております。
その後、いろいろ御相談させていただきまして、例えば、健康確保支援給付(仮称)について両論を併記するという形にさせていただいております。それがいちばん大きな変更点です。そのほか文章上の表現の若干の修正、あるいは趣旨を明確にする観点からの修正などを行ったわけです。御提出した資料のアンダーラインの部分が変更した部分ですので、その点を中心に御説明させていただきたいと思います。
1頁です。2の(1)で脳血管疾患等について予防の重要性等を記述した部分ですが、真ん中辺りで、「一般的に脳・心臓疾患は私病であるが、業務に起因するストレスや過重な負荷によるものもある」ということで、各側から脳・心臓疾患についての評価について出された意見を併記したという趣旨の修正です。
いちばん下のパラグラフでは、「以上のような状況を踏まえ、業務による過重負荷に伴う」ということで、「業務による過重負荷に伴う」というのを脳・心臓疾患の形容詞として記述してあります。これは労災保険制度において、発症の防止を図る脳・心臓疾患というのは、一般的な、全般的な脳・心臓疾患の発症ではなく、業務による過重負荷に伴うものであろうという御発言が前回、あるいは前々回にあったものですから、そういった趣旨で修正をさせていただきました。
次に、「法定給付としてそういった仕組みを創設すべきとの意見があった一方云々ということで記述してあります。「脳・心臓疾患は基本的に私病であることから、労災保険制度の法定給付として新たな給付を創設することが適当ではなく、今後、脳・心臓疾患の予防対策について、労働安全衛生対策等、幅広い分野において検討すべきであるとの意見があった」ということを記述させていただいております。これは冒頭に申しましたように、この小委員会で出された意見についても両論を併記するという観点から加えたという趣旨です。
なお書き以下のメンタルヘルスについては、今後の対応を待つという記述の部分ですが、「現在、多くの事業場において行われている集団健康診断では、医師との信頼関係の構築に時間を要すること等の問題から、個別の対応が必要な者の把握は難しい」という記述に修正しております。これはメンタルヘルスについて、いわば定期健康診断では状況の把握が難しいという点について理由を例示し、分かりやすい表現にするという観点から修正したものです。
(2)の冒頭の「事業主の努力や労働者の協力による労働災害の減少」ということで、「事業主の努力や労働者の協力による」ということを付け加えておりますが、これは趣旨を明確にするという観点です。「保険料収入が減少」していくといったことも趣旨を明確にするということです。
「このため」以下のパラグラフについては、「事業そのものの見直しを行うとともに」といったことを付け加えております。これは出された意見を反映させるということ観点からの修正です。「また」以下は、趣旨をより明確にするという観点からの修正です。
3頁です。3の「なお、使用者側からは、優先的に検討すべき事項以外の事項についても要望が提出されているところであるが、これらについては、別途の機会において改めて労使各側から要望事項の提出を求めた上で検討を行うことが適当である」のところについて、前回、御議論がありましたように、夏以降、本小委員会で労使各側から出された要望について検討しました。その際、労働側からは割と絞り込んだ形で出されたわけですが、使用者側からは網羅的な検討事項の要望が出されております。そういったものをどのように扱うのかという御議論がありました。これについては、別途の機会において改めて検討の場を作るということで、前回、合意が得られたかと理解していますので、そういった観点から記述を加えました。
(2)の労災保険給付と民事損害賠償との調整ですが、単に原案では「行政当局が検討する」という記述になっていましたが、単に行政だけではなく、労災審議会も含めた検討を行うべきであるといった御意見が前回出されましたので、そういった趣旨を勘案して「引き続き検討を進める」といった表現にしております。
(6)の過去債務の積立方式の問題です。現行では、昭和63年以前の年金受給者についての積立不足分については平成30年までの間に積み立てるということで進んでおります。これについては、30年の計画を延ばすべきではないかといった御意見、これに対して、現行の計画を維持すべきだという御意見があり、そういったものを併記した上で、引き続き検討を深めるといった形で議論を反映させるような趣旨で修正しております。
4頁にまいりまして、「記」の1の「健康確保支援給付(仮称)の創設」の部分です。ここについては、冒頭に申しましたように、この小委員会で出された意見について両論を併記するという観点から修正をしております。
そういった観点から、まず冒頭の労災保険制度において労働者の健康確保を支援するための措置について、2つの意見があったということで、「新たに法定給付として」云々というのは原案の部分です。
さらに「次に」ということで、「労災保険制度の法定給付として新たな給付を創設することは適当でないとの意見によれば、当面の措置がやむを得ないものとしてどうしても実施するのであれば労働福祉事業の中に実施すべきであり、その際スクラップアンドビルドにも配慮する必要があるというものである」といった意見を併記させていただきました。
「記」の2の「労働福祉事業」の部分ですが、5頁の(3)の「限度額設定方式の見直しについて」の部分です。原案では、現行の保険料の一定割合というやり方を改めて、賃金総額を基準とする限度額設定方式に改めるという点のみ記述してありましたが、それに加えて、「平均料率が低下する中では、保険料収入等に乗ずる係数(現行18/118)について必要に応じて柔軟に改定することを検討すべきである」といった意見があるという趣旨の両論を併記しました。
以上、修正点を中心に御説明させていただきました。
○ 座長
どうもありがとうございました。以上のようなことで、4日以降の調整が進められたわけですが、この案について、個別に入る前に全体的にありましたらお願いいたします。
○ 委員
文章の構成のことですが、1頁の2を見ますと、「下記の制度改善を行う必要があるとの結論に至った」と書いており、(1)で両論が書いてある。ここは、健康確保事業を実施すべきという意見をも踏まえて、労災保険制度においてどのような取組みができるか引き続き検討を進める必要があるという記述になっています。一方、「記」については、全くの両論併記であって、これでは2の「下記の制度改善を行う必要があるという結論に至った」という文章自身がおかしくなっていると思います。これは慌てて修正を加えたものだから、ここの部分を詳細に書かなかったということでしょうが、制度改善を行う必要という以上は、反対意見を併記するのが正しいのですが、一定の方向性というのは明確に出ていたと思います。その辺がないまま併論の問題というのは、第三者が見たら何の報告か分からない。私自身もこれを読んで、2は何のためにあるのかと思いました。その構成について説明をいただきたいと思います。
○ 座長
一応両論併記という形になりましたので、むしろ(1)から本題の所ですので、今はお話のように2の表書きと言いましょうか、ここは多少手を入れたほうがいいかもしれませんので、研究させてもらいます。
○ 委員
趣旨は2に手を加えるという論議ではなかったと思います。論議があったことは事実で反対意見もありましたが、健康確保事業の制度改善ということを事前に謳っていた。そういうことを前提にして議論をされていたので、多数意見が何であるか。そして報告の最終的なまとめとしては、健康確保事業を実施していくという結びにしなければ、2を直すのは本末転倒ではないかと思います。
○ 事務局
私どもの理解としては、2の方は柱書で「次のような考え方により下記の制度改善を行う必要があるとの結論に至った」ということで、「記」で両論併記してあるのは平仄がとれない、おかしいのではないかという御意見だと思います。これについて私どもは、下記の制度改善を行う必要があるという点については、いわば「過労死」対策として労災保険法上何らかの対策をとることについて本小委員会で合意を見たのではないか、ただその際、方法論として法定給付でやるべきであるという意見と、法定給付は適当ではない、何かをやるとしても労働福祉事業でやるべきであるという両論が出されたと理解しております。
「過労死」対策として、労災保険法上何らかの対策をとるべきであるといった制度改善を行えという点については合意があるという理解の下で、2の柱書については記述を変更していないと考えているわけです。
○ 委員
これまでの小委員会での議論経過からすれば、1、2の強力な意見に押されて、議論経過をないがしろにしているのではないかと当然考えられます。大方の方向としては、座長の議論経過の途中途中におけるまとめでは、改定を提案されたように制度改善をするという方向が出ていて、その中で承知できないという意見があったということですから、そのように正確にまとめないと。
特に議論経過があって「記」のところがまとめになっているはずなのに、全然まとめにはなっていないのです。いちばん初めに労災保険制度における労働者の健康確保を支援する制度の関係については、大方のところがちゃんとそれが必要というように意見がまとまった、しかし一部こういう意見があった、というようにまとめないと。これまでの何の報告を見ても、こんな無茶苦茶な報告などはあり得ないのです。座長、そうではないですか。
○ 座長
前回の小委員会以降、いろいろ検討してもらいましたが、私としては小委員会の報告というのは、コンセンサスを得て報告をするのがいちばん好ましいし、そういう前提で議論していただこうと思ったのですが、結果的に主要3点についてどうしても合意が得られないということになりますと、その場合はそれぞれどういう御意見があったかということで、本審議会にその状況を報告するという形にならざるを得ないと考えて、こういった案文で御審議いただこうと思ったわけです。
○ 委員
これは表書きにも書いてあるように、当面改善の必要のある事項についての結論を得たというのですが、全然結論になっていないではありませんか。4頁の「記」の1の後段に書いてある意見が出たことは出たわけですから、これを記載するなとは言っていないわけです。しかし、議論経過の中で、一定の方向についてはまとめられたわけで、そのまとめをした上で、こういう意見もあったということで書くのがこれまでの常識でしょう。その常識とか取扱いについていかがお考えか、間違った取扱いになっているのではないですかという御指摘をしているわけですから、それにまともに答えてください。
○ 事務局
座長が御発言される前に発言させていただきたいと思います。ただ今の発言のように、少数意見も添付させる、あるいは少数意見を書き込ませるというまとめ方、さらには労働側がこう言った、公益者側はこう言った、使用者側はこう言ったというまとめのやり方もあろうかと思います。
ただ、前回12月5日に最初にこの報告書の原案を御議論いただいた際に、使用者側委員から非常に強い反対があったわけです。そういった中で、この小委員会全体としてコンセンサスを得られるような形で報告書をまとめるにはどうしたらいいかという観点から考えさせていただきました。そういった観点からは、両論を併記するというやり方であれば、従来強い反対意見を表明していた使用者側の賛同も得られるのではないかという観点に立って、このような形にさせていただいたわけです。
○ 委員
前段の1、2のまとめというか、本委員会がどういう結論だったか。そして4頁の「記」以下の両論併記の仕方ですが、「・・によれば・・というものである」という書き方だったら、この間議論し、ある程度まとめのペーパーも出た、そういうことからすると、「というものである」というものでは決してなかったのではないか。下の労働福祉事業の中で行うスクラップアンドビルドが何を指すのかは説明いただきたいと思いますが、そういう意見があったという、ここでの「というものである」という表現は妥当なものだと考えられますが、両論のうち、本来趣旨の方で実施しようではないかという方向で進んでいたものを「というものである」と止めて、そして最初の発言と一緒ですが、「制度改善を実施するにという結論に至った」という、これでは小委員会の結論にはならないのではないか。
今個別に相談してと言われましたが、座長が何回かの会議の途中で、おおむね多数意見はこの実施に賛成であると認めるという発言もされた。そういうことから言えば、行うという前提に立って、「その実施内容について検討するという意見が付されている」というようにまとめるのが、まとめ方としては正しいのではないかと思えてなりません。
○ 委員
各論に入っては良くないかもしれませんが、1頁の「労働者災害補償保険制度改善について(案)」の2の(1)の論旨の組立てに関して、ちょっと意見があります。特に2頁で「労働安全衛生対策、健康保険制度、労災保険制度などの幅広い分野において検討すべきであるという意見があった」と書かれていますが、私は予防医学の立場で申しますと、労働安全衛生対策とか労災保険制度の方は、むしろ1頁の真ん中のパラグラフに入れるべき内容だと思います。
と申しますのは、前回の小委員会の時にも申しましたが、労災保険制度とともに、労働安全衛生制度対策で、ハイリスクに対する方々への保健指導とともに全体的な労働安全衛生対策の中で、脳血管疾患、あるいは心筋梗塞等の予防の両方が重要だと申したつもりで、労災保険で給付するべきではないと申し上げたつもりは全然ありません。
それから1頁の(1)の「脳・心臓疾患は私病であるが」という所がやや強調され過ぎではないかと思います。事務局の方で御存知だと思いますが、1987年にILOとWHOの合同委員会で、ワークリレーテッド・ディジーズに関する予防に関して大きな報告が出されており、労働衛生の中ではほぼ定本となっている『アイデンティフィケーション・プリベンション』で作業関連疾患の予防についてなされており、その大きなというか、むしろメインになっているのは脳・心臓疾患の予防なのです。それを単に私病として考えるよりも、労働省の訳では、「作業関連疾患」、一般的にはワークリレテーテッド・ディジーズ、「労働関連疾患」と訳す方もおられますが、そのように働く人々の心臓並びに脳血管疾患のような病気に関しては、就業している方に関しては作業との関連で、例えば、労働時間とか深夜交替制勤務の適当な在り方、仕事の自由度、労働者に対するサポートの在り方などを適切にすることによって、予防することが可能であるという方向が、ILOやWHOで出されていて、その辺の趣旨からすると、世界の働く年齢層の脳・心臓疾患の予防という、今の流れから見ると、私病であることが強調され過ぎていると思います。
私の大学、大学院時代には、職業病の予防、つまり、じん肺とか職業がん、あるいは振動障害などの予防が労働衛生のメインのテーマであるように勉強してきましたが、そうではなく、今私ともが産業医教育をしたり、学生に労働衛生の講義をしていて、基本的なところは私病のほかに職業病、作業関連疾患の両者を予防するのが労働衛生の大きな課題だとしてやってきました。
この文意を見て、順番立てとか脈絡などを変えた方が、10回近くにわたった小委員会の議論を踏まえたものになるのではないかと思います。特に労働安全衛生対策とか労災保険などは、私は両方とも必要だと思っていますが、それはむしろ1頁の真ん中のパラグラフに入れるべき内容ではないかと思います。
○ 座長
特に予防対策は、給付でやろうがやるまいが、安全衛生対策、健康保険制度全般の中でやるというのが大きな柱としてのやり方だから、法定給付以外でやれというところの立論としてやるのは結構です。そこだけの立論ではいかがかなというのがただ今の御発言の御趣旨ですから、全体として被せてもいいのではないかと思います。
○ 事務局
この部分は意見を両論併記した部分です。そのようにやれという意見があったということを記述している部分ですので、そういう点を御理解いただければと思います。
それから、私病を強調し過ぎではないかということですが、否定する気は全くありませんが、「一般的に脳・心臓疾患は私病であるが、業務に起因するストレスや過重な負荷によるものもある」という表現は、この委員会で出た脳・心臓疾患についての評価というか考え方をまとめる観点から、両方を書いてあるという趣旨の文章ということです。その点は御理解いただければと思っております。私自身としては、委員が言ったことを否定するとかそういう観点ではなく、どうしてこういう表現が、こういう場所に入っているかという点を御説明させていただきました。
○ 座長
いかがでしょう。大事なところはコンセンサスを得るに至らなかったということであれば、それぞれの御意見の論拠を記述していくということにならざるを得ないような気もいたします。私がこれまでずっと皆様方の意見を伺っていて、私なりに流れはこうではないかと考えて申し上げたのです。この点については、もし報告書を本審に出すという段階になった時には、座長の責任において、どのように座長として流れを判断した上で、こういう報告書になったかについて、本審の方によく御説明をするという考えではおりますが、そういった趣旨で御理解いただければ有難いと思っています。
○ 委員
理解できません。こういうまとめをされたことに対して、使用者側委員はどのように今までの議論を受け止められているのか、むしろ意見を聞きたいですね。意見を聞かせてください。
○ 座長
いかがですか。御意見をいろいろ申し述べられたお立場からどうぞ。
○ 委員
前回12月6日に出された改善についての案ですが、これについて私どもは6日の席で我々としての考え方を述べさせていただいたつもりです。その後、事務局とも話合いをさせていただいて、我々としてはギリギリの線として、こういう考え方ということであれば、まとめることについてやむを得ないのかなという判断をしてきたわけです。先ほど労働者側委員から御意見がありましたが、その辺の御意見もあるであろうということは考えながら、我々としての考え方の整理をしてきたつもりですので、この線でまとめることについてはやむを得ないと思っております。先ほど言われたような形で多数意見はこうであるとか、そういう形で表現をする、そういう形でのまとめの仕方については、反対です。
○ 委員
6日に出された原案が、私どもは極めて議論の経過に近いと判断しております。その上で使用者側委員が、これでは納得できない、理解できないという御指摘でしたので、確かにそういう意見はあったということですから、前回の提案資料の記述の1の下に、「それでは理解できないという意見がある」ということをはっきり書いたものにしてもらわなければ、これでは議論経過を全く無視した嘘の報告書になりますので、私どもは賛成できないという意見です。これでは賛成できない。こういう報告書なら出さないほうがいい。まとめには全然なっていないですよ。
○ 座長
前回、こういう方向で行こうということで結論が得られた部分もありますし、得られなかった部分もありますから、得られなかったところは、少なくともこういう意見があったということを、本審では御報告するということまでで、それ以上のことは難しいと。
○ 委員
「意見があった」ということを書くのを否定はしていません。書いてくださいと言っているわけです。でもこれは書きぶりが議論の経過とは全く違うでしょうと言っているわけです。こんな報告書を出したら、将来にわたって恥をかきますよ。私どもは使用者側の一方的な無責任な発言によって議論の中身がねじ曲げられ小委員会の検討経緯がねじ曲げられた報告書が強引に出されたと直ちにPRします。新聞広告でも何でもやりますから、そういう覚悟をしてください。絶対私は賛成できない。
○ 委員
また同じようなことになりますが、事務局の側から私は説明を受けました。前の論議に若干修正が加わって、これなら十分納得できると。その説明をお聞きしたにも関わらず、根底から確保事業について振り出しに戻るような書きぶりに変わってしまったのです。使用者側との一定の調整があってそうなったことは御苦労だと思いますが、これでは健康確保事業をやっていこう、「過労死」が増えて社会問題化している問題について、いちばん責任を負うべき労働省なり、その中身を審議する労災保険審議会の、それも特別な委員会の結論として今日出された文案については、言い方は悪いのですが、恥ずかしいまとめ方だと思います。
私は座長見解のようなものを付け加えて、今出ている点をまとめるという形で出される方が、かえって良いのではないかと思います。今両者、あるいは三者で代表を出してやっても、結局同じ議論にしか進まないと思うのです。両論を書くことに誰も反対もしていないし、強力な意見があったことは事実ですし、ある意味では納得すべきところもあるかもしれませんが、今そういうものをなくしていこうという、努力をしていこうという積極的な行政の姿勢について、小委員会は評価を与えながら、そのことを論議したわけです。この文面全体からいうと、私も素人ですが、日本の公式の文書としては成り立っていないのではないかと思います。
先ほど公益委員が言われましたが、なぜ私病、私病と強調しなければいけないのか。私たちは素人ですが、危険因子があるということと、疾患というのは違うと思います。一般的に私病である、もともと私病であるがと、そんなことをあえて言わなくても、それはそれで、それぞれが健康保険なり自費でかかっている。健診をやって二次健診以降、一定の指導をしようというのが本来の狙いですから、一般的に私病という意見が強くあったことは認めますが、このように書き出されてしまうと、これを小委員会の委員として認めて、本審に報告して名を連ねるのはちょっと恥ずかしいという気がします。だから、座長の所で少し時間を取って検討されたらどうですか。
○ 座長
それでは、誠に申し訳ありませんが、小委員会を11時ぐらいまで中断させていただきます。
(中断)
○ 座長
それでは、小委員会を再開させていただきます。この報告書(案)につきまして、いろいろな御意見を伺いました。しかし、コンセンサスを得られなかったという点は、やはり小委員会としても認めざるを得ませんので、そういう前提で先ほど来、種々御意見が出された点を含めて、コンセンサスがあったことを前提とした修正原案を、再度事務当局から報告させていただき、その上で御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○ 事務局
それでは、述べさせていただきます。1頁目の2の(1)の中段ごろの下線部分ですが、次のように改めさせていただければということです。「脳・心臓疾患はWHO、ILOにより作業関連疾患と位置付けられているが、一般的には私病である場合が多い」。
○ 委員
配布されないのですか。
○ 座長
時間が間に合えばペーパーにすぐ準備させますが、あまりお待たせしてもと思いましたので、準備できたところからいたします。
○ 事務局
1頁のいちばん下の行ですが、「脳・心臓疾患は基本的に私病であることから」という部分を削除させていただきます。
4頁の「記」の1の「健康確保支援給付(仮称)の創設」の1行目の「労災保険制度において労働者の健康確保を支援するための措置の創設については、意見の一致を見たが、その方法については、次の2つの意見があった。まず新たに法定給付として『健康確保支援給付』(仮称)を創設すべきであるとの立場からは」とあり、あとはずっと一緒で最後の所ですが、「適当であるとの意見が出された。次に、労災保険制度の法定給付として新たな給付を創設することは適当でないとの立場からは、当面の措置がやむを得ないものとして」とあり、あとは一緒で、最後が「立場からは必要があるとの意見が出された」。以上です。
○ 座長
以上、修正を加えた上で、さらに本審での報告に当たっては、先ほど来、私から何度も申し上げておりますように、座長としての口頭報告は、会議の流れ等も含めてさせていただくということで進めてはいかがかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○ 委員
すごく努力されて直されたことには敬意を表したいと思います。1頁で言われたところで、公益側の意見として聞いていただきたいと思いますが、「近年増加傾向にある」のあとで、「私病である」と言ってしまうことに関して、医学の立場では、どちらにしても言い過ぎだと思います。文面は事務局の方で直された方がよろしいかと思いますが、いわゆる生活習慣病といった位置付けが大きくなってきていますので、「偏った生活習慣に起因することが多いが」とし、もう本が出ていますので、事務局の方さえ入れても構わないのでしたら、「ILO、WHOの合同委員会で、いわゆる作業関連疾患としても指摘されているように、業務に起因するストレスや過重な負担によるものもある」としたほうが、全体像の把握とか医学的な流れから見て妥当ではないかと思います。細かな文面は事務局のほうで検討いただければと思います。
○ 座長
今の御意見を踏まえ文面はこれから検討しますが、御趣旨としては今の線を踏まえて修文していくということで考えております。
○委員
WHOなりILOが作業関連疾患として位置付けているものはいくつもあるわけですが、その中に脳・心臓疾患関係も入っていたと思います。ただ、そこで言っている作業関連疾患というものの位置付けは、いろいろな観点からそういう位置付けをしているのであって、例えば、医学的な側面もあるでしょう、日本的に言えば労働災害防止的な側面もあるのでしょう。
一方において当審議会で議論しなければならないのは、災害補償をするという面と、いろいろな面がある中で、必ずしも災害補償という観点からの接近ではなく、作業関連疾患という形での接近をしていると私は理解していますが、そういう意味からすれば、作業関連疾患としての位置付けについては、事実そのとおりですが、ただ今のが御発言なさったように、先ほどの事務局の提案ですと、「私病である場合が多いが」という表現すら、全く痕跡もないようにしてしまうことについては、私はいかがなものかと思っております。
もう1点それに関連してですが、1頁のいちばん下の削除として、「脳・心臓疾患は基本的に私病であることから」というのは、意見が2つある1つの方の意見の論拠としてそれを入れているわけですから、そういうのを削っていただいては困ると思います。とりあえずそこの部分についてだけ意見を申し述べたいと思います。
○ 委員
正確を期すために文書で配ってほしいのですが。
○ 委員
最後に出された1頁のいちばん下の行の、これは個人的な意見であるから切ってもらっては困るということですが、医師でもないのに「私病であるということから」と断定してありますので、それだったら少なくとも「私病であると考えることから」とか、あるいは「そのように判断をしていることから」とか、何とか言ってもらわないと。ここについては私病なのか公傷なのかというのは、状況によって大きく判断が分かれているということですから、個人の意見としてこんな断定的なものを議事録に残すことはどうかと。個人の意見は意見として尊重しますが、これはあとに大きな責任を持つし、この文章そのものが、そんな特定をした意見を取り入れたことに対して、この小委員会として責任を問われる問題も発生しますので、当然正確を期すということで、あなたが考えるのであれば、あなたが考えるというように文章を継ぎ足さないと、これをこのまま入れることについては私は承知できません。
○ 委員
極めて個人的な意見として申し上げているつもりはありません。私どもは脳・心臓疾患が基本的に私病であるという考え方は、いわば使用者側としてそのように考えていることを表現として入れてもらいたいと申し上げているわけで、大勢いる使用者側の経営者、あるいは事業主の中で私が特異な意見を述べているとは考えておりません。
もう1点申し上げるとすれば、今まで脳・心臓疾患に関連する労災補償の認定に当たって、認定基準が労働省から定められていますが、そこを貫く、何遍も改正を重ねてきているわけですが、その場合に、補償の認定をする場合の基本的な考え方は、私は脳・心臓疾患という基礎疾患は私病であるということを前提にしながら、しかしだからといって、一切の補償をしないという考え方ではなく、一定の条件に具備するに至った場合には、労災補償の対象にするという考え方になっていたと思いますので、私の申し上げた脳・心臓疾患は基本的に私病であるということは、極めて特異な個人的な意見ではないと思っておりますので、個人的な意見として入れろということについては、ちょっと認識が違うのです。
○ 委員
今も説明の中で言われたように、経営者一般が私病であると考えていることを踏まえて意見を言ったというから、考えているということを入れてもおかしくないではありませんか。今のあなた自身の説明でそのように言われましたよ。それぞれの事例ごとに判断が違うのに断定をする医師は1人もおられないわけで、やはり私病であると考えているという考え方に基づいて意見を言われるべきであって、断定をすることは、私は間違っていると思います。個人であっても法人であっても、当然そうではありませんか。
○ 委員
削除しろという御主張ではなくて、「私病であると考えられることから」とか、そういう表現にしないと、そのほうが正確ではないかという御趣旨ですね。
○ 委員
そうです。
○ 委員
それは結構です。
○ 委員
それから資料が来るまでに、「記」のところに「創設について意見の一致を見たが」ということで挿入するということですが、「以下の2つの意見があった」ということで書きますと、「どうしても実施するのであれば労働福祉事業の中で実施すべきであり」と書いてありますが、この意見の関係については、新たな給付の創設は反対で、やるなら労働福祉事業でやれと意見はなっていると読んだらいいのですか。
○ 事務局
私どもはそのように理解しておりますが、経営側として御意見があれば伺いたいと思います。
○ 委員
ここで書いてあるのは表現のとおりで、「次に」という所についての記述は、労災保険制度の法定給付として新たな給付を創設することは適当でないという立場です。したがって、法定給付として新たな給付を創設するのは適当ではないというのが、後段の意見だと考えております。
○ 委員
今までの小委員会のまとめですので、少し追加の御提案をさせていただいてもよろしいでしょうか。1頁の下から5行目の上の所に、折角事務局のほうで「医療の分野においては、予防の重要性が広範に認識されるようになっているが、脳・心臓疾患については、労働安全衛生法で定める健康診断により、その発症の原因となる危険因子の存在を事前に把握でき」、そのあとですが、「かつ、適切な保健指導により発症を予防することも可能である」とした方が、今まで10回ぐらいの小委員会で保健指導をして、発症予防をすることによって労災の事案を減らそうということが、より明確になると思いますので、事務局で文案を練っていただきたいのですが、「把握し、適切な保健指導を行うことにより、その発症を予防することも可能である」と書かれるといろいろ準備された資料などが活きると思うのですが。
○ 座長
今の点で特になければ、事務局の方で補修作業をして下さい。
○ 事務局
はい。
○ 委員
4頁の冒頭の書き出しについて、ちょっと相談をしたいと思っておりますので、ペーパーがまいりましたら、休憩をお願いいたしたいと思います。「創設については意見の一致を見たが、その方法について」という表現ぶりについて、私どもはそこまで言えるかどうか検討したいと思いますので、ペーパーが来る前でも結構ですが、お願いしたいと思います。
○ 座長
それでは中断いたしましょうか。
(中断)
○ 座長
それでは、小委員会を再開いたします。
○ 委員
4頁の書き出しに関連してですが、「労災保険制度において」以下、「その際スクラップアンドビルドにも配慮する必要があるとの意見が出された」という本文の整理について、労働者側委員として、その線でよろしいということであるとすれば、私どもとしてもその表現でやむを得ないと思います。
ただ、表題については変えていただいた方がいいのかと思っています。ここの書き出しの点ですが、「労災保険制度において労働者の健康確保を支援するための措置」の創設については云々とあり、中身として「まず」として「健康確保支援給付を創設すべき」云々ということが1つ書いてあるのに合わせて、「次に」ということで、「当面の措置がやむを得ないものとして」云々と言っており、必ずしも「次の」が「給付」ということになるかどうかというのは、先々の問題ですので、ここの表題を「健康確保支援措置の創設」とし、「給付」という言葉を「措置」と改めてもらうことが可能であれば、この文章表現については、先ほどの御提案ということで、労働側がオーケーであるとすれば、我々もそれでよろしいと思います。
○ 委員
1の表題の「給付」を「措置」に切り換えるということであれば、反対です。これはもともとこの小委員会に諮問をされたテーマが「健康確保支援給付(仮称)の創設」ということについていかがかということを諮問されたわけで、諮問された項目までを手直しすることについては、全く議論をしておりませんから、これでは反対です。
ただ、私どもとしては、書き出しの所を「健康確保を支援するための措置の創設」というように、非常に両論の意見が出ているということから、ここですでにトーンダウンしてあると判断しているわけです。本来なら労働者の健康を確保するための支援給付措置ということを改めて書かなければならないのに、使用者側の反対意見があったために、ここは支援するための措置と極めて丸めて書いてあるのを、私どもは我慢しているわけで、表題まで書き換えろということであれば、賛成はできない。しかし、表題はそのままにして、ちゃんと1行目で受けてあると私どもが判断をして、こういう状況だからこれから幅広く議論をしていくということであれば、辛うじて受け止め得る、受け止めたいということを申し上げておきたいと思います。
○ 座長
今御意見がありましたが、私としてもここの所は「給付」の問題を相当議論してきて、「給付」は反対だということでしたので、やはりテーマはこれだったということは明示しておいたほうがいいと思います。中身で「給付については反対だ」という御意見がはっきり書いてありますので、タイトルについては御了解いただけるかと思いますが、いかがでしょうか。
○ 委員
確認をしておきたいのですが、労働者側委員とすれば、表題の点は別として、本文についてこのように修文をしたものであるとすればやむを得ないという御判断だという理解でよろしいのですか。
○ 委員
これは私どもが議論の経過の中で、年末のここまで来てまとめたいという事務局側の意向があるから、私どもはあえて譲りたいと言っているわけで、本来なら、1行目は「労働者の健康確保支援する給付措置の創設」とならなければいけないわけですが、それをやったら労使の意見が対立して、意見の一致がみられないので、あえて支援するための措置ということで広く受けてあるわけでしょう。だから、私どもとしては、この時点でまとめるということであれば、やむを得ないと言っているわけです。私どもは好んで良く出来たと言っているわけではないのです。
○ 座長
お気持は十分察しました。今御意見の表明もありましたので、「記」の1については、先ほど来、修正した線で御理解いただきたいと思います。
○ 委員
先ほど諮問、諮問と言われていますが、労働省が労働大臣の名前で、この場に健康確保支援給付措置の創設を諮問をしたという手続ではないと思っているのです。要するに、そういう問題についての議論をしていきましょうということで、事務局からそういう提案というか、1つの考え方があるということで議論がなされてきているということの流れだったと思います。その辺はそういう流れでいいと確認をさせてもらえれば、必ずしも「給付」という言葉を「措置」に改めることについてはこだわりません。
○ 座長
今の発言については、座長としても十分考慮に入れておきます。御発言になった点については、事務局から正確に述べてください。
○ 事務局
もう一度読み上げさせていただきます。若干、先ほど御主張と違う部分があるかもしれませんが、労災補償制度上は業務起因性がある部分については、起因性があるとして認め、それ以外は広い意味で私病ということで整理していることを前提として、以下のように改めさせていただきたいと思います。
まず下線部分で、「脳・心臓疾患は生活習慣病と言われ、偏った生活習慣に起因する私病であることが多いが、一方、ILO、WHO合同委員会により作業関連疾患と位置付けられており、業務に起因するストレスや過重な負荷によるものもある」。
「一方」の1つ下のパラグラフの最後ですが、「危険因子の存在を事前に把握し、かつ、適切な保健指導により発症を予防することが可能である」。
最後の行ですが、「脳・心臓疾患は、基本的に私病であると考えられることから」としました。
○ 委員
使用者側委員が「私病であることから」ということを入れられることには、全くそれぞれの立場があるわけですが、私は私病であろうとも作業関連疾患であろうとも、それを判断するのは個々のケースによると思います。それで生活習慣病と言われ、偏った生活習慣に起因することが多いということ自体が、私病であることが多いことをすでに示しており、そこでわざわざ「私病であることが多い」と入れる必要があるのかどうか。ある病気がどういうことが多いのかという一般論をここでは述べているのだと思うのです。ですから、「業務に起因するストレスや過重な負担によるものもある」ということはどうなのでしょうね。作業関連疾患であると限定しているわけではありませんので、「作業関連疾患の1つ」と書いたらいいと思います。
いずれにしても、そんなに私病とか、脳・心臓疾患が私病であるとか、これであるとかというのを、小委員会として、このように定義するのは妥当ではないように医者の立場では思いますが、どうでしょうか。一般的に生活習慣病で偏った生活習慣に起因することが多いということ自体がそれを示していると思うのです。だから、わざわざ私病だとか、わざわざ作業関連疾患で、絶対作業が関連しているのだなどとどちらとも言うべきではないのではないかというのが学識としての立場です。
○ 座長
ありがとうございます。いかがでしょう、言わなくてもいいのではないかという御提案ですが。
○ 委員
私ども使用者側の立場からすれば、我々の考え方を明確にしておきたい。それを記述の上でもしておきたいと考えておりますので、せっかくの御提案ですが、私どもとしては削除するという御提案には応じられません。
○ 委員
1頁の下の所にそれを入れればよろしいということで、1頁の真ん中にはあくまで一般的な記述で私は書いてあると思えるのです。ですから、どんなお立場であれ、どなたであれ、その立場で意見として1頁の下の所に入れるのはよろしいでしょうが、真ん中の辺りは一般的に「脳・心臓疾患が」という記述が入っていて、むしろこういう病気をどう考えるかということですから、私病であるとか、絶対に作業関連疾患であるのだとか、そのように書く必要はないのではないかと思います。
○ 事務局
質問いたします。生活習慣病とよく言いますが、そういう時に私病的なニュアンスといいますか、生活習慣病というのは、そういったニュアンスが非常に強いという表現なのでしょうか。
○ 委員
ですから、生活習慣か喫煙でであれ、栄養の偏りであれ保健指導を十分する必要があります。もちろん労働条件が起因している場合には、それも全て持ちますが、そういう点も含んでいることだと思います。
○ 事務局
私ども表現としては、「生活習慣病と言われ、偏った生活習慣に起因する私病である」と。
○ 委員
起因することが多いということです。
○ 事務局
私病であるという表現は。
○ 委員
ここにはふさわしくないと思います。
○ 事務局
偏った生活習慣に起因するのは私病と言えるのですか。
○ 委員
偏った生活習慣が、例えば、栄養と言っても、食事の習慣、喫煙などのストレスとか労働環境、例えば夜勤明けに朝ご飯をきちんと食べないなど、いろいろそういうこととも絡んでいることがありますので、保健指導はかなり具体的にやるべきものだと思いますが、一般論として「生活習慣に起因することが多い」と言ってしまってもいいと思います。しかし、どのように個人の生活習慣をいい方向に持っていくかということについては、働き方とか余暇の取り方、栄養の摂り方に持っていき、ここで私病と言ってしまうことに関しては、労使の見解がここにまで出てきてしまうことに関しては、反対いたします。
○ 事務局
私病という表現を是非とも残していただきたいという御発言があったものですから、こういう言い方が妥当かどうかは分かりませんが、妥協できるかなという感じで「私病」という表現を入れたのですが、御配慮いただければと思います。
○ 座長
一般論としてはですが、あくまで使用者側の意見の、私病であると考える立場から、見送れということについてはそのままにし、そこは使用者側の御意見も十分主張の中に含まれているということだとすれば、真ん中の所はの一般的な説明では私病ということを外すということで御了解いただけませんか。
○ 委員
ここの所は何を書いているかの部分の問題だと思います。今までの状況というものをきちんと書いているわけです。書き出しの「有所見率が高まっている」ということも事実ですし、健康状態に問題がある労働者が増えているというのもデータ的に出ています。それから、それに続けて「業務による過重負荷による」云々というのは、認定された件数が近年増加にあるという形で事実関係を書いていて、その上で「脳・心臓疾患はWHO、ILOの合同委員会で」云々ということを言っているわけですので、その点はやはり明確にしておく必要があると思います。
もちろん医学の面の接近の仕方と、労災の特に今までの補償行政の接近の仕方と、いろいろな接近の仕方があるわけだと思いますが、ここで言っている、私どもも言っている、あるいは真ん中にも書こうとしている問題というのは、労災の補償の側面からすれば、基本的に、あるいは一般的に私病ですよという位置付けを書こうとしているわけですので、それは当然のことだと私は思うのです。
○ 委員
本当に国語的な問題になりますが、真ん中の所は「一般的に脳・心臓疾患は」と書いてあって、労災補償件数の割合などを言っているものでは全くありませんで、これはあくまで医学的な表現だと思って、そのつもりで事務局にも申し上げさせていだだいたのですが。
○ 委員
異議なし。
○ 委員
12月6日に出されたここのくだりの部分で、もともとはそれでいいのではないか。ここで議論してきたのは、そういう基礎疾患を持っている人たちが、労働者の中に非常に増えていて、それに過重負荷がかかった場合に「過労死」に至ったり、障害が残ったりということを問題にしているのであって、私病であるか公傷であるかとか労働災害であるかなどということを、その段階で争って言い合うことは何もない。
だから、使用者側がそれは私病であるという根拠に立たれて給付に反対されるのは論旨として一貫しているから、そういう立場で書かれるのはいいが、(1)の修正を行った、委員が言われてWHOとかILOの問題もそうなのでしょうが、6日に出された文章のほうがすっきりしていて、問題意識も明らかになっていると思うのです。
社会的に、弁護士たちが「過労死110番」をすると、いろいろな相談が来ると思うのですが、今大きな問題になっていることについて、この小委員会として、あるいは行政としてどう受け止めているか。それはあくまでも業務で過重負荷がかかった時に発症している、そのことを論議しているのであって、今は一般的に私病であるかどうかを文章上争うことは何もなく、私は12月6日に出されたこの辺りの表現で的確に表していると思います。
○ 座長
せっかく医学的な立場から一般論として客観的な記述として脳・心臓疾患についての記述を提案されたわけで、ここに書いてあるような「偏った生活習慣に起因することが多いが」ということで、そのまま客観的な表現で、私は簡にして要を得ているのではないかと判断をいたしますし、また使用者側として是非私病であるという考え方だという主張は、あくまで主張として明確に残しておくということで処理させていただきたいと思いますが、御了解を賜りたいと思います。
○ 委員
必ずしもこだわりませんが、今入れようとしてる問題の後の所で、「社会的にも『過労死』として取り上げられ、また労災認定を巡っての争いなど」云々となっているのです。ですから、「社会問題を惹起している」という前の所で、労災認定の問題もひっくるめて書かれているわけですが、少なくとも認定に当たっての考え方を行政としてこの記述によって変えないということであれば、それはそれで結構です。この記述によって労災認定基準を変えるきっかけにするという意図だとすれば、私どもとしては大変困るということを申し上げたいのです。従来から行っている労災の、いわゆる過労死の認定基準の考え方が変わらないということであれば、あとは表現の問題として先ほどのような形になってもやむを得ないとは思います。その点についての行政としての考え方を明確に示しておいていただければ有難いと思います。
○ 事務局
私どものいわゆる「過労死」事案についての認定の考え方は、端的に(1)の2行目から3行です。「業務による過重負荷により基礎疾患が自然経過を超えて急激に著しく増悪し、脳血管疾患及び虚血性心疾患等を発症して死亡又は障害状態に至ったものを認定する」。これをいわば「過労死」事案と考えておりまして、そのような考え方については、今後とも維持していきたいと考えております。
○ 座長
ありがとうございました。いろいろ御意見がございまして、私どもとしても不十分でありますが、訂正、修正をした上で、一応のまとめとして本審に報告させていただきたいと思いますが、御了解いただけますでしょうか。
(了解の拍手あり)
○ 座長
ありがとうございました。それでは、これをもちまして小委員会報告書はこれでまとめたいと思います。座長の不手際で議論がいろいろ錯綜して誠に申し訳なかったのですが、問題が問題で非常に難しい問題でしたので、皆様方に本当に12回という多数回にわたり御審議いただきまして、誠にありがとうございました。それでは、文章表現で口頭でしか申し上げられなかったこともありましたが、これを全部ペーパーに下ろした上で本審議会に報告をするということで、できれば事前に準備をしてもらいたいと思っております。そのことで来年本審議会に報告させていただく。その際、私も座長を務めましたので、この間の経緯等についても必要な報告をさせていただきたいと思っておりますので、御了解いただきたいと思います。
○ 委員
もう大体整理できていると思いますので、年明けにいただくのではなく、今日の然るべき時間までに、先ほどの整理したものを頂戴できればと思いますが、いかかでしょうか。
○ 座長
では、速やかに準備願います。それでは、今のような手続でできるだけ早く皆様方のお手元に配りたいと思います。
検討小委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。
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