第3回労災保険制度検討小委員会議事録

日時 平成11年9月13日(月)15:00〜
場所 中央合同庁舎5号館別館共用第13会議室
出席者
〔委員〕 公益者側代表 野見山座長、岩村委員、岸委員
労働者側代表 佐藤委員、真島委員、松浦委員
使用者側代表 宇田川委員、久保委員、高梨委員
〔事務局〕 野寺労働基準局長、横田審議官、荒労災管理課長、笹川補償課長、安倍労災保険業務室長、本川労災保険財政数理室長、田邉主任中央労災補償監察官、高崎企画官、石井職業病認定対策室長、原田調査官、浅野監督課長、中野計画課長、渡延労働時間課長、草野企画課長、落合福祉課長、足利女性労働課長
議題

○ 今後の労働福祉事業の在り方について

議事

○ 座長
 ただ今から、第3回労災保険制度検討小委員会を開催いたします。本日は田中委員が欠席されていらっしゃいます。初めに、皆様方のお手元に出ている資料の管理について、事務局から説明があります。よろしくお願いいたします。

○ 事務局
 お手元にファイルがありますが、これは過去にこの検討小委員会で配付した資料を中にファイルしております。今後、本日お配りした資料を持ち帰えられた場合には新たなものをそれに追加し、その場に置かれたものについては、そのままこのファイルにとじていくということで管理させていただき、毎回このファイルを皆様方の机の上に置いておくという形にさせていただきたいと思います。そういう意味で、過去の資料も随時見ながら議論をしていただければと思いますので、よろしくお願いします。そういうことですので、ファイル自体はお持ち帰りにならないようによろしくお願いいたします。

○ 座長
 いまのような取扱いでよろしいでしょうか。それでは、そういうことで取扱っていただきたいと思います。
 それでは、前回の第2回小委員会において、質問がたくさん出まして、その質問事項、あるいは資料請求もありましたので、事務局側から準備していただいた資料をベースに御説明をいただきたいと思います。ただ今日は資料がだいぶ大量ですので、簡潔に御説明をいただいて、できるだけ意見交換の時間を取りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○ 事務局
 資料1については、いま座長からお話がありましたが、前回の小委員会で出た質問事項について整理したものです。これについては後ほど簡単に御説明することにしまして、その参考にもなるだろうという意味で資料2以下についてまず御説明いたします。資料2は、小委員会で「労働福祉事業の在り方」を御議論いただくための論点メモです。前回の議論を踏まえて「事業の見直し」の2つ目の○の、「労働福祉事業の全体の枠組みをどう考えるか」という論点を追加しております。その関連では、例えば被災労働者、遺族に係る社会復帰促進事業・被災労働者等援護事業及び労働災害の減少につながる労働安全衛生確保事業と、労働条件確保事業の性格の相違を明確にすべきではないか、あるいは労働福祉事業の実施状況について、審議会がチェックする仕組みが必要ではないか等々の論点が考えられると思います。
 前回の論点メモでは、財源の確保については、今後の労働福祉事業の運営に必要な財源を安定的に確保するためには、いかなる措置が必要かということだけでしたが、今回、5つほど各論を追加しました。それに関連する資料も提出しております。1つは、今後の保険料収入の見通しをどう考えるか。さらに今後の年金受給者数の見通しをどう考えるか。いま保険料収入等の一定割合を限度額にしていますが、その関連で平成6年の建議で提起された、労働者の賃金総額の一定割合を限度額にするといった考え方をどういうふうに考えるか。あるいは、未払賃金立替払に要する経費を、その限度額の対象から除外するといった、今回の緊急避難措置について、そもそも未払賃金立替払事業が景気動向に応じて所要額が大きく変動するといった性格に照らして、どういうふうに考えるか。あるいは、この特例措置を御議論いただくときに、積立金の繰入れに関して御議論がありましたが、現在は特別会計法で、労災保険事業の保険給付費を支弁するために必要があるときには、各勘定の歳入に繰り入れることができると規定しております。これをどういうふうに考えるか。ほかにも論点がありますが、このような論点が考えられるのではないかと考えています。
 68頁ですが、平成12年度の要求額、その基になる保険料収入の資料です。平成12年度の保険料収入は、1兆3,342億円で、平成11年度の予算ベースの1兆4,328億円から比べると、1,000億円程度保険料収入が落ち込むという状況です。これは、景気の動向を反映したものと考えております。これをベースに限度額を算定しますと平成12年度は、2,395億円になります。平成11年度の予算は2,592億円ですので、限度額が200億円ほどマイナスになるといった状況です。平成12年度は、労働福祉事業全体で2,235億円の要求をしております。今回は未払賃金立替払事業を限度額の対象外とするということで、約142億円の未払賃金立替払事業費は2,235億円の外数として計算しています。合わせますと2,377億円ですが、平成11年度の予算が2,400億円ですので、それよりも若干マイナスで、財政状況を踏まえた抑制的な要求になっております。
 69頁も審議会や小委員会で提出させていただいている資料ですが、変更点があります。いちばん右の欄に、平成12年度の予算要求額が記述してあります。平成7年度から平成10年度までは決算額で、平成11年度が予算額、平成12年度は要求額を書いています。平成12年度の要求について簡単に御説明いたします。資料の3の3です。この審議会や小委員会でも御議論がありましたが、予算と実績とが乖離しているものをどう考えるかといった御議論でした。そういったものも勘案しつつ、できる限り実勢に応じた予算要求をするという考え方に立っております。当然ながら新規の行政需要については、的確に応えていくといったことを勘案した予算要求になっております。社会復帰促進事業については、約28億円のマイナスです。大きなものとしては、労働福祉事業団に対する出資金で、これは老朽化した労災病院の建て替え等に充てる出資金を相当程度減額しました。これが大きな要因です。なお、「(1).補装具・アフターケア等関係費」とありますが、アフターケアについては実 績に応じ、需要が多いことを考えて、10億円程度の増額要求をしております。
 「被災労働者等援護事業」ですが、これについても26億円程度のマイナスになっております。いちばん大きなものとしては、75頁の「高齢被災労働者等援護経費」で、いま全国各ブロック1カ所ずつにケアプラザをつくっておりますが、宮城に第7次施設が今年度中に完成するので、平成12年度は第7次施設の宮城分の建設費が不要になる関係で、23億円程度のマイナスになっています。
 76頁の安全衛生確保事業ですが、全体で約50億円の減額要求になっております。大きなものとしては、中災防や各災害防止団体に対する補助金が31億円の減額になっております。新規のものは、自発的健康診断受診支援助成金です。これは先般の国会で改正された、労働安全衛生法に基づいて、深夜業に従事する労働者が自主的に健康診断を受けたいといった場合の助成です。労働福祉事業団に対する交付金の中で措置しておりますが、実際の助成業務を労働福祉事業団で行わせるといったことから、労働福祉事業団の交付金で計上しております。約11億円ほどを計上しております。これは新規事業です。
 77頁の労働条件確保事業ですが38億円ほどの増額要求です。ここでは未払賃金立替払事業も含まれますので、大きなものとしては未払賃金立替払事業が102億円から145億円で、立替払の趨勢が非常に多くなっていることを踏まえて、約42億円の増額要求になっています。
  資料4の今後の保険料収入等の見通しについてです。いくつかのケースについて推計しておりますが、大きく分けて2つあります。上段が、平成13、16年度にマイナス5%程度の料率改正を行った場合です。下段が、平成13、16年度にマイナス3%程度の料率改正を行った場合です。マイナス5%というのは、平成10年度に労災保険の料率改定を行いましたが、そのときの平均料率が下がった割合が5%程度であり、したがって、上段は平成10年度と同程度の料率改正が行われたと想定される場合です。下段はマイナス3%ですので、そこまではいっていません。最近は災害も減少しておりますが、その減少幅がだんだん鈍化していることを考えますと、そこまではいかないのではないかということです。ただ、これはあくまでも想定で、実際どの程度の料率改定を行うかどうかというのは、平成12年度災害動向等を十分勘案して御議論いただくということです。保険料収入等の将来の見通しを算出するに当たって、このような2つの場合について推計しております。それが上下段の2つの欄です。
 縦の欄に4つの場合分けがあります。1つは2%成長で、1つは1%成長、もう一つが賃金、雇用横這い、もう一つは10年度の情勢が継続とあります。2%成長というのは、79頁ですが、去る7月、経済審議会で策定された「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」というところで、今後の経済成長率については、2010年ごろまでの中期的な実質経済成長率を年2%程度の成長率と見込んでおります。この2%をここで採用しました。なお、1%成長は足もとがそこまでいっていないので、この数年の間は2%までいかないで1%ぐらいではないかと考えて、1%ということでやっています。賃金、雇用横這いというのは、賃金と雇用者の増減率が平成10年度と同じで、いまの経済状態もそのままいくと想定したものです。これをやってみますと、1%成長ケースとほとんど同じです。平成10年度の情勢が継続というのは、これは最悪のケースになろうかと思います。賃金上昇率が−1.7%、雇用者 数が−0.7%で推移します。これは平成10年度の毎月勤労統計、あるいは労働経済 動向調査の数字をそのまま伸ばしたということで、いわば今後の経済見通としては 非常に悪い見通しを行った場合です。
 こういった8つのケースについて推計を行っております。保険料収入はそれぞれ収入の見通しを行っております。例えば上の欄の2%成長ケースでは、平成13年度以降1兆3,000億円を割り込む数字が想定されます。現行の118分の18を想定して限度額を試算すると、2,300億円を平成13年から平成15年については割り込んで、平成16年から平成18年については2,200億円を割り込みます。平成12年度要求は2,235億円プラス未払賃金立替払事業の142億円です。合わせて2,380億円ぐらいありますが、その限度額ではなかなか難しい状況にあります。右の方に行くにつれて状況は悪くなるばかりで、最悪ケースの平成10年度情勢の継続では、平成13年度以降保険料収入は1兆1,000億円台で、さらにそういう状況が続くと平成17年には1兆円を切るといったようなことも推定されます。
 資料の81頁は、年金受給者の見通しです。平成10年度の実数が21万6,007人です。これについて下の注にありますように、残存率は実績によって推移すると推計しております。新規受給者については、実績を勘案して少しずつ減少するだろうという想定をしております。ここにありますように、平成8年度から平成10年度の平均新規受給者数から毎年0.5%減少して発生します。だんだん発生するのですが、その発生の仕方が少しずつ減っていくという想定で推計しています。これによって推計をしますと、2005年には22万人を突破します。2010年から2015年の間は、23万人に迫るような数字になります。その後若干落ちまして、22万人ぐらいで定常状態に達するのではないかという推計を行っております。
 82頁は、年齢別の年金受給者の現状です。現在介護などの対策の対象にしているのは、傷病(補償)年金、障害(補償)年金の受給者です。そういう意味で、年齢の現状は遺族(補償)年金を除いた数字でつくっております。現在60歳以上が3万4,732人で、70歳以上が2万5,100人です。おそらく高齢化が進む中では、高齢受給者の割合が今後増えると見込んでいます。以上、今回の御議論の参考ということで提出させていただいた資料です。
 それでは、資料1に戻ります。前回の質問事項について簡潔に御説明いたします。担当課がいくつかありまして、説明者が何人か代わります。
 最初に2頁の労災病院の問題で、病診連携はどういうものかという御質問がありました。ここにありますが、旭労災病院がよくやっていますが、医師会等、診療所を登録医とし、そこから紹介を受けて診療を行う。ここまでは当たり前ですが、紹介された患者が入院を要する場合には、旭労災病院の医師とともに当該診療所等の登録医を副主治医として診療に当てるという特徴があると思います。総紹介件数3,000件のうち2,000件、7割弱がこういった病診連携制度の中で紹介された患者です。
 4頁の労災病院の委託業務の関係で、給食の関係はどうなっているかという御質問がありました。労災病院数39のうち全く委託をしていない病院が8病院で、一部委託の病院が19病院あります。今後はこういった業務についても、雇用の問題に配慮しながら、外部委託を推進していくという考え方で進めていきたいと考えています。
 5頁の労災就学等援護経費です。年金給付基礎日額を1万6,000円で制限していることについて問題はないのかという御質問がありました。年金給付基礎日額が1万6,000円を超えると、年金額も相当なものになります。そうなると、一般の労働者との均衡を失するという考え方から、上限を設けております。上限を設けた考え方としては、年金受給者の9割が、こういった労災就学等援護費を受給できるといった範囲で上限を設定するということで、逐年改善をしております。遺族(補償)年金、障害(補償)年金、傷病(補償)年金で違いはなく、いずれも同じ額でやっていますが、これについても稼得能力の喪失という点では同様に考えられる点から、特に不公平になるものではないと考えております。
 6頁のレセプトの審査です。労災保険情報センターにおいて、労災診療費にかかるレセプトを審査しています。審査項目の(1)から(5)にあるような点です。算定方法に誤りはないか、あるいは必要以上の診療がなされているのではないか等々の審査を行っております。実績は薬剤を入れると約350万件のレセプトが労災保険情報センターに毎年提出されます。そのうち、(1)から(5)の審査をして問題があるのではないかということで、都道府県労働基準局に回ってくる件数が3のところです。平成10年度で91万件です。350万件のうち91万7,000件あります。その結果、諸々問題があって査定をした金額が平成10年度で28億円です。全体2,400億円ぐらいだったと思いますので、1%前後です。ちなみに健保の支払基金の査定率は、1.1%の中ごろと聞いておりますので、同等の実績と考えています。それでは、7頁と8頁についてお願いいたします。

○ 事務局
 7頁の安全衛生情報センターにおける安全衛生情報提供システムですが、この事業は労働災害防止等に関して、災害事例やヒヤリハット事例や機械設備の工夫改善事例、さらには化学物質の有害性情報等をインターネットを通じて無料で提供するというシステムです。3番の労働条件等自主的改善対策推進事業は、賃金、労働時間等に関する統計等を提供するものです。こういう事業や労働基準行政情報システムは、本省と地方局署とのネットワークを構築して、申請、届出等の電子化への対応等を図るものですが、これらのシステムとは異なります。
 次に8頁の地域産業保険センター事業です。この事業は労働基準監督署の管轄区域ごとに郡市区医師会に事業を委託して、実施することをお願いしているものです。この事業の内容は、労働者数が50人未満の小規模事業場、つまり産業医の選任義務のない事業場ですが、このような小規模の事業場に対して産業保険サービスを提供するものとして位置付けている事業です。事業の中身は、郡市区医師会において健康診断をしたとしてもその結果をどう見ていいかわからないということで、その後どういうふうにすればいいかというような相談をはじめとして、各種健康相談、メンタルヘルスの相談といった相談窓口を開催したり、地域産業保険センターでお願いした医師に個別に事業場を訪問して、産業保健指導を実施するということや、産業保健情報の提供ということで、例えば小規模事業場に産業医の紹介を行ったりするという業務を行っています。
 ただ、4番の機能の拡充のところですが、全国一律にやっていると、1センター当たり年間500万円の事業で、郡市区医師会に事業を委託してお願いしていますが、都市部では事業所数や労働者数も多いため、このような活動では十分に対応できないということから、都市部のセンターにおいては機能を拡充するということで、通常のセンターよりも多く、例えば(1)のところでは夜間や休日にも健康相談窓口が開設できるように、予算を上積みするとか、メンタルヘルスの相談日を増やすとか、個別訪問する回数を増やすとか、さらには地域の労使双方の代表者、学識経験者から産業保健に関する課題等について広く意見を交換する懇談の場を設けるという機能拡充を行うセンターを、本年度まで48カ所について運営を行っているということです。この事業については、頑張っているところもありますが、なかなか十分所期の目的を果たしていないセンターもあることは、我々が調査した中でも確かにありました。現在、その原因について調査を行うとともに、実際、これらに携わっておられる方も委員になっていただいて、専門家によって活性化のあり方について御議論をしていただいているところです。
 なお、こういうセンターは敷居が高いというお話もあるということでしたが、我々が調査した中では、例えばこのセンターの背後には労働基準監督署がいて、またここに行くと何を言われるかわからないというような、いろいろな誤解もあるようですので、今後そのような誤解も解くような周知というか、センターのPRも重要になってくるのではないかと考えています。

○ 事務局
 10頁の労働基準行政情報システムについて、2つ御質問がありました。1つは、労働福祉事業の安全衛生確保事業として実施している理由はどういうものがあるか。もう一つは、平成7年度より開発をしたということであるならば、当審議会の報告等はどうなっているかということでした。最初の安全衛生確保事業として実施している理由は、4に整理しています。この労働基準情報行政システムは、具体的には4の2つ目のパラグラフにありますが、このシステムに登録されている個別事業場にかかる監督結果の違反状況、あるいは危険機械の保有状況、あるいは労働者の死傷病報告等の情報といったものから、安全衛生法等に問題を有する事業場を的確かつ迅速に把握することができます。そういったものに対して、監督指導を的確に実施することで、労働者の安全衛生等の確保が行われるという考え方に基づいて、労働福祉事業の安全衛生確保事業として実施しています。次に当審議会の関係で経緯を調べてみましたが、労働福祉事業全体の総額、あるいは安全衛生確保事業全体の総額等は、本日と同じように御報告はしているのですが、個別に労働基準行政情報システムに要する費用が何億円とか、そういうような形の記録は残っておりませんでした。
 11頁の労働条件等自主的改善対策推進事業については、なぜ安全衛生確保事業として実施しているのかということです。最初の労働条件等自主的改善対策事業は、例えばモデル就業規則の普及等を推進していくわけですが、就業規則がきちんとすれば災害防止、健康確保に資するという意味合い、それから労働条件制度整備支援事業についても、その業種・業態に応じた自主的な労働条件の整備を行うということで、安全衛生面の改善に寄与するという考え方に基づいて、これらの事業についても労働福祉事業の安全衛生確保事業で実施しています。

○ 事務局
 12頁の産業安全研究所、産業医学総合研究所が独立行政法人化された場合の財源措置の在り方についてですが、独立行政法人の考え方は、必ずしも国が直接行う必要はないけれども、放っておいたら民間においても実施することはないので、国と切り離した形で運営すれば、効率的に運営できるのではないかというものについて、独立行政法人化を図るというものですので、財源については、独立行政法人通則法46条においても、政府が予算の範囲内において、業務の財源に充てるために必要な金額の全部または一部を交付することができると規定されておりますので、現在財政当局と調整中ではありますが、現行と同様に一般会計、また特別会計の労災勘定の双方から交付できるような形で、業務の運営を行っていきたいと考えています。
 13頁ですが、産業医科大学における卒業後の進路状況ですが、現在までのところ1,536人の方が卒業されております。産業医等になられた方は685人で、卒業されてもなかなか1人前の医者になれるわけではなく、現実に産業医科大学におきましても卒後修練コースとして4年から6年のコースを設けておりますが、修練医等が421人で、その他が430人。この中には一定期間、在学中6年間とすれば9年間産業医等に従事したため、就学資金の返還が免除された方も含まれております。そういう方や死亡された方も含めてその他が430人となっております。
 それから、学生納付金ですが、産業医科大学は6年間合計で1,400万円です。なお、平成12年度においては自治医科大学並びになるように値上げを準備しているところです。この納付金については、就学資金を奨学金のような形で貸し付けて、在学期間の1.5倍産業医等に従事した場合には、その返還が免除される仕組みとなっています。

○ 事務局
 14頁の財形についてです。1つの御質問は、なぜ労働条件確保事業として実施しているのかということです。2にありますように、財産形成は労働条件の一環として位置付けられるものです。財形を実施する場合、これは当然全従業員に適用しなければいけないものですので、そういったものについては労働基準法上、就業規則に記載すべきものといった事項で整理されております。そういった意味合いで、財産形成の促進が労働条件の向上につながるといった考え方で、労働福祉事業のうち労働条件確保事業で実施しているものです。もう一つの御質問は、一般会計から出ているかということでしたが、財形については労働保険特別会計である雇用勘定と労災勘定により、すべて支弁されています。
 17頁の中退金の掛金助成についても、労働条件確保事業として実施している理由は何かということですがこれは申すまでもなく、退職金制度は労働条件の最も重要なものの1つです。独力で退職金制度を設けられないような中小企業に共済制度を活用して、退職金制度を普及させていくという観点。さらに中退金は外部積立型の退職金制度ですから、支払いが確実な退職金制度を普及するといった観点からも、中退金の掛金助成は労働条件の向上に資するといった意味合いで、労働福祉事業の労働条件確保事業として実施しています。

○ 事務局
 18頁の紛争解決援助制度の運用状況ですが、次の19頁に、「紛争解決援助制度」の概要という、制度の考え方などが資料としてあります。紛争解決援助制度は、昨年の労働基準法の改正によって、昨年の10月1日から実施している制度で、2の概要にありますように、紛争当事者間の自主的な紛争の解決を促すことを目的としています。この制度の対象案件は、解雇(整理解雇を含む)、労働条件の変更など、いわゆる労働基準法には違反しないけれども、当事者間で民事的な側面についての紛争がある案件についての解決を図ろうということです。紛争当事者である労働者、あるいは使用者からの労働基準局長に対する申出によって、その申出に対して早期解決のための助言、指導を行う制度です。この運用状況は、18頁に戻って御説明いたします。1に、5,537件という数字がありますが、これは紛争解決援助制度の対象案件ということで、監督署を含めて申出のあった件数が5,537件です。そのうち解決までいたった件数が1,478件です。5,537件、1,478件という件数の中には、事実上監督署での情報提供や相談で解決にいたった件数、あるいは、労働基準局長の助言なり相談を求めて、紛争解決援助制度にのってきたという件数が、全部で半年間で47件あります。その中で、相談等をしているうちに申出人の意に沿う形で解決したも のが24件、労働基準局長の助言、あるいは指導によって解決にいたった件数が11件で、その他12件は現在事件を処理中です。なお、この制度は、3月31日までの半年間の実績です。その後の4月1日から9月末までの半年分の状況について、各都道府県の労働基準局を通じて収集中です。件数等すべてにわたって非常な勢いで増えてきているのが現状です。

○ 事務局
 21頁以下は、事業主団体に対して労災勘定の経費を支出していろいろな事業をやっておりますが、その実績及び効果はどうであったかといった御質問がありました。建設業労働災害防止対策以下、7つの事業について整理しております。それぞれ簡単に御説明いたします。

○ 事務局
 初めの建設業労働災害防止対策費ですが、これは死亡災害の約4割、全体の労働災害の約3割が建設業において起きている現状に鑑みまして、特別に対策を講じております。別紙の1の1の25頁ですが、まず専門工事業者安全管理活動促進事業においては、実際に現場で働く労働者のほとんどが専門工事業者に雇われた労働者ですので、専門工事業者に対して研修、セミナー、安全性教育を実施したり、またパトロール、個別指導等を実施し、さらには専門工事業者の集団に情報提供等をしております。この結果、必ずしもこの事業だけの効果というわけではありませんが、平成5年の本事業開始の前年では、専門工事業者の死亡災害数は838人でしたが、平成10年は646人です。
 26頁の、木造家屋等の低層住宅建築工事安全対策モデル事業です。木造家屋建築工事、低層住宅の建築工事においても、非常に死亡者数が多く、特に足場先行工法をこの事業として徹底するよう指導いたしました。375現場で作業手順書の作成指導、足場の設置支援等を行いました。また、安全パトロール、現場安全対策検討会等を行いました。足場先行工法がかなり普及した効果であろうと思っておりますが平成7年、本事業が開始された年の前年では、153人の木造家屋低層住宅建築工事で死亡災害がありましたが、平成10年には79人となっております。
 27頁の中小地場ゼネコンにおける総合的な労働災害防止対策の推進事業です。中小地場ゼネコンにおける労災事故については、大手ゼネコンに比べて安全管理能力というか、その水準の問題もあって事故発生率が高いという問題もありましたので、ここにターゲットを当てて、例えば新任現場所長への研修や、店社の安全衛生管理担当者の研修を行ったり、モデル店社を指定して、これに対する指導等を行ってきております。この結果、ただちにこの事業の効果だけとは言いがたい面もありますが、平成9年では683人だった死亡災害件数が、平成10年では584人となっております。
 小規模事業場等団体安全衛生活動援助事業についての資料がで28頁にありますが、これは50人未満の小規模事業場を集団としてとらえて、特に基本的な安全衛生管理活動等をしっかり行ってもらおうという事業ですが、これは今年度スタートしたばかりで、その対象となる団体はここに書かれている団体です。そういう意味では、事業を開始したばかりで、実績効果はこれからです。

○ 事務局
 35頁の労働条件明示モデル就業規則等普及促進事業の事業実績です。この事業の実績がそこに書いてありますが、趣旨は労働基準法上、就業規則を作成し届出をする義務が課されているのが10人以上の労働者を指導する事業場で、10人未満の小規模事業場においては就業規則を作成し、届出するという義務がないということで、就業規則の整備が不十分な状況にあります。そこで、労働条件が不明確だということによるトラブルが少なからず発生しているというのが現状です。そういう現状に鑑みて、小規模事業場での労働条件の確保を図るための、小規模事業場向けのモデル就業規則の開発、作成を行うことが、この制度の趣旨です。事業実績は、モデル就業規則の作成は、建設工事業のモデル就業規則を作成する。それから、小規模事業場の一般のモデル就業規則の2種類を作成しています。また、こういった就業規則の開発、作成支援ということで、労働基準監督署長が10人未満の中小企業団体を指定して、就業規則の普及促進会議をやったり、あるいは就業規則普及指導員による個別の事業場への指導を実施することにしております。指定団体に対する指導、援助ということで、これまでに401団体を指定し、普及促進のための会議を延べ1,141 回開催しています。また、就業規則普及指導員を全国で386人選任していますが、こういった指導員を活用して個別事業場に対する就業規則の普及促進の指導事業を行っております。対象になっている事業場数が1万3,561事業場です。その際に、リーフレットなどでモデル様式の普及に努めています。
 次に、36頁の労働条件制度整備支援事業ですが、この事業は特定の業界が抱える労働条件制度面での問題点を的確に把握し、それに対する対応策を検討し、労働条件制度の整備に向けて自主的、かつ計画的な取組みを推進するという趣旨で行っている事業です。事業を実施するに当たっては、3年計画で行うことにしておりまして、ここにある初年度、2年度、3年度というのが1団体が3年間かけてやるうちの、それぞれ1年目、2年目、3年目ということになります。1年目には、労働条件の実態調査を行って、業界が抱える問題点を分析することにしております。2年目は、1年目の実態調査に基づいて、業界独自の労働条件制度整備推進マニュアルを作成し、そのマニュアルに基づいて労働条件制度整備支援講習会を実施します。3年目は、2年目までの成果を踏まえて、さらに残された課題を把握するということで、さらなる労働条件面の実態調査を行うということと、業界団体で労働条件制度整備推進リーダーというものを選任し、その人が個別指導を実施しております。この3年間で労働条件の整備を図ろうということです。
 これまでの団体の指定実績は、(1)にありますように、平成7年度から平成9年度にかけては、社団法人の全国木材組合連合会の対象事業場数が3万事業場で、そこの労働者数が24万人、以下平成11年度、13年度分も含めて5つの団体を指定し、同じような取組みを行っております。

○ 事務局
 22頁の総括表で御説明いたします。労働時間関係の団体を対象とした助成金を3本挙げております。(1)の労働時間短縮実施計画推進援助団体助成金については、労働時間の短縮促進法、基準法とは別の、時短に向けての取組み促進法に基づいて、複数の事業主が共通して抱える時短推進上の課題に対処するために計画をつくり、その承認を受け、承認を受けた事業主で構成される団体が、時短のための取組みを行った場合、それに要する活動にかかる経費を助成するものです。右側の効果の欄を見ていただきますと、これは所定労働時間だけに絞り込んだものではありません。年休の取得促進、所定外の削減等々も含めて、時短についての包括的な取組みを進めようとするものです。対象団体は平成7年度から挙げております。平成9年度、10年度については、(2)の事業主団体等労働時間短縮自主点検事業助成金ができた関係でそちらにシフトして、団体の額に応じ、予算も必要な絞り込みを行ったところです。
 2番目の事業主団体等労働時間短縮自主点検事業助成金については、平成9年4月1日からの週40時間制の完全実施に伴い、当時まだ実施率が非常に低かったことを受けて、平成9年度、10年度の2年間は指導・援助に徹する期間として、40時間が確実に定着するよう、従来猶予されていた事業場を対象にして指導援助を行いました。その際に、団体を切り口としてとらえて40時間の定着の取組みを行うことが有効であると考えられることから、平成9年度、10年度の2年間の事業として行ったものです。平成9年度においては241団体、平成10年度においては435団体の指定を行いました。具体的にどういった団体が対象となったかというのは、38頁の別紙4の1に掲げております。これらの結果、40時間労働制の達成割合については、右側の効果の欄でそれぞれ開始時期別に団体の構成事業場全体でとらえた場合の達成率のアップ状況を示しているところです。
 3つ目の事業主団体等特例事業場労働時間短縮促進助成金については、本年3月に当審議会に諮問して御承認をいただきました特例事業の労働時間短縮の関係で、平成13年4月1日に、従前の46時間制を44時間に短縮することに向けて、団体ベースの取組みを促進しようとする助成金です。これについては、今年度開始のものですので、現時点で具体的な成果は上げておりません。なお、現時点において具体的な対象に上がってきているものについては、別紙4の2の44頁で掲げています。以上です。

○ 事務局
 23頁の労働災害防止団体補助金についてです。これら労働災害防止団体について は、事業主団体による自主的な労働災害防止活動を促進し、これと行政が相まって 労働災害の防止に寄与することを目的として、労働災害防止団体法に基づき設立さ れた団体に対する補助です。
 まず1番目の、労働災害防止対策費補助は、これらの団体が調査研究や啓発活動、安全衛生管理活動、災害防止特別活動にかかる事業費そのほか、こういう協会の管理諸費等について補助を行うものです。事業実績は、それぞれの団体ごとに46頁の別紙5の1から、平成8年度、9年度、10年度についてそれぞれ後ろに資料として付けておりますので、後ほど御覧いただければと思います。この事業だけというわけの効果というわけではありませんが、全体として労働災害の発生件数はここのところ減少傾向で推移し、特に昨年はトータルの労働災害による死亡者数が1,844人で、2,000人を初めて切ることができました。
 (2)の中小企業安全衛生活動促進等事業助成事業についてです。これは安全衛生管理活動が必ずしも十分に行われていない中小企業、300人未満の事業場を集団としてとらえて、基本的な安全衛生管理活動を行ってもらう事業ですが、50人未満の小規模事業場をターゲットとする事業に今年度から順次切り替えておりまして、この事業については来年度をもって終了する予定としております。
 その下の労働者健康確保事業助成事業費ですが、これは職場における健康保持増進対策、特にTHPを中心とした取組を推進してもらおうという事業です。これについては、これまでは規模に関わりなく推進助成事業を行ってきましたが、来年度からは対象規模を300人未満の中小規模事業場にターゲットを絞り込んで、別途事業を衣替えをして行うことを考えております。事業の効果等については、別紙5の9ということで後ろに付けておりますが、この事業を実施する過程でTHP等の導入の実施率については、平成4年から9年を比べてみますと、5,000人以上のところ、1,000人から4,990人のところ、300人から992人のところではTHPの実施率は上がっております。以上です。

○ 事務局
 23頁の後半の、総合的短時間労働者対策推進費です。パートタイム労働者について、適正な労働条件の確保及び雇用管理の改善を図るための各種施策を講ずるということで、その施策の大きな柱の1つとして、短時間労働者雇用管理改善等助成金を設けています。パートタイム労働法に基づいて、短時間労働援助センターがこの助成を行います。21世紀職業財団を窓口にして行っている事業です。対象団体は、平成6年度以降数の変動がありますが、平成10年度で124団体で、別紙6の1に各 団体の名簿を載せてありますので、あとで御覧いただきたいと思います。
 事業実績は、平成10年度124団体の例で申し上げますと、パートタイムの労働者の雇用管理の改善のための事業主向けのマニュアルを各団体でそれぞれに作る事業が99団体です。実際には185種類のマニュアルが作られております。(2)の広報誌等の発行、(3)の事業主向け講習会の実施、(4)の集団健康診断の実施については、そこに掲げてある数字で、それぞれの団体ごとに10年度は実施されているところです。効果ですが、平成10年度に助成事業を終了した41団体について見てみますと、新たに雇入通知書を交付することになった事業所が1,540事業所で、新たにパートタイム労働者専用の就業規則を整備した事業所が896事業場、新たにすべてのパートタイム労働者に定期健康診断を実施することとした事業所が1,127事業場で、新たに有給休暇を付与することとした事業所が803事業場ということです。パートタイム労働者について、十分適正な労働時間の確保、雇用管理の改善が進んでいなかった部分について、実際にこの助成金によってかなりの効果をあげています。以上です。

○ 事務局
 66頁の「中小企業勤労者総合福祉推進事業の実績と効果」です。平成10年度に管理運営費について国の補助金を受けた中小企業勤労者福祉サービスセンターは120団体です。このサービスセンターと申しますのは、中小企業が単独では実施しがたい従業員の福祉事業について共同で事業を実施する団体です。市区町村がサービスセンターを設立して、その事業に要する経費について助成を行う場合には、国がその一部を補助することとしております。当該120団体の会員数は約72万人です。内容は、例えば共済給付事業、傷病、急病見舞金や傷害見舞金などです。これはすべての団体が行っております。
 また、人間ドック、生活習慣病等の健診費補助を実施した団体が114団体、参加者数が延べ5万7,000人、健康の維持増進関連のセミナー、講習会等を実施した団体が38団体、参加者数が約7,000人、健康増進のための施設等の利用割引等を実施した団体が94団体、参加者数が延べ18万人、財形制度事務代行などのいわゆる財産形成事業を実施した団体が75団体ということになっております。全体では120団体、会員数が72万人ということになっております。

○ 座長
 どうもありがとうございました。ただいま御説明があった資料は、大体2つに分かれると思います。最初のほうは、今後の労働福祉事業の在り方を見直すという点から、財源や将来展望を含めた資料が出ております。もう1つは、現行の労働福祉事業に関する質問事項13点につきましての回答がありました。議事進行上、資料No.1の現行の労働福祉事業について、もし御疑念があれば、とりあえずそこを簡潔に終了してから、資料No.2に関する意見交換に入っていきたいと考えておりますがいかがでしょうか。

○ 委員
 質問に対する答えが極めて形式的で、不親切であることを指摘しておきたいと思います。なぜなら1つ1つ質問したことに対して、2回目の配付資料では事業実態の概要について出されておりますが、こちらには予算額があるのに、こちらのほうには施策などの回数だけが書いてあるわけです。どちらも見比べなければならないので、審議するのに見にくいでしょう。全然わからないではないですか。具体的に私が本当にこれでいいのかと考えているものに、46頁以降の「災害防止対策補助事業の実績」というものがあります。なぜ実績のみを拾われたのか分かりませんが、これは大体どれぐらいの予算規模で、これに何人の人がかかわっているのか、また全国展開なのか、そうではなくて全産業に任せているのか、そういうようなことを書かないと、これでは実績を羅列しただけではないですか。これでは本当にこういう事業が適正に運営されているか、さらに改善しなければならない施策はないかどうかが見えないですよ。

○ 座長
 ただいまの御質問について、各団体への補助金の決算がありますね。回数ももちろん大事ですし、その辺の要求はありますが、その補助金に対して事業がどう使われたかについては、出せるかどうか、また関係団体に聞いてみて、その上で対応してもらったらいいかと思います。

○ 委員
 もう1つ。質問に対してはそれぞれの事業の展開規模が書いてありまして、それぞれの事業については、必要な旨の基本的な考え方が述べてあります。私どもは、例えば地域センターの問題や、安全衛生情報センター、労働基準行政の情報事業というものが不必要とは言っていないのです。この機会だから、事業の在り方について見直そうということなのです。基本的には地域センターの事業など、何人の人が常駐されているか分かりませんが、1センター当たり年間で2桁の20数件とか30件とか、平均で46件ということになっているわけです。220日開けていて、1センターで平均40何件しかないというと、ほとんど開店休業でしょう。民間の事業では、こんなことは成り立たないわけですよ。これだけの金を出していて、民間ではとても考えられないような活動実績について、これで本当にいいと思っているのか。さらにもうひと工夫しなければならない、それにはどういう方法かというのがないと、ここでは本当に議論できませんよ。

○ 事務局
 いまの地域産業保健センター事業については、我々もよく御説明しなかったので、ちょっと誤解があったのだろうと思っております。常に200何日開けているわけではございません。常駐しておりますコーディネーターも、月18日程度ということで、必ずしも20何日いるわけではありません。また相談日も予算上、大体月6回程度ですし、個別訪問についても、月6回程度という予算です。1センターの活動費は全体で年間500万円で、それで医師会に事業をお願いしているというのが実態です。それからいきますと、もちろんいまの活動が十分だというわけではございませんが、必ずしもいま言われたような実態の話ではないと思っております。
 ただ先ほども申し上げましたように、こういう地域産保センターの事業というのは、一所懸命頑張っている所もあるわけですが、必ずしも十分でない所があるのも、委員がおっしゃるとおりです。我々としてはそこがいかに活性化して、しっかりやってもらえるかということにつきまして、いま直接センターの運営に携わっておられる医者や、コーディネーターを担当されている方に集まっていただきまして、議論を開始しているところです。

○ 座長
 現状について不十分な点がかなりあることは、よく分かってまいりましたので、将来の労働福祉事業の在り方を論ずるときに、こういった事業についてどう改善していくか等について、また御議論していただけたらありがたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○ 委員
 今の在り方について今回、小委員会に議論を委託したのでしょう。今しないで改めてこの後にする機会があるのですか。

○ 座長
 ですから今日は現状について報告をいただいたので、それについての疑問その他をまず伺った上でどう改善していったらいいか、問題点をどう解決していくかについて、改めてまた御議論いただこうと思っておりますので、よろしくお願いします。

○ 委員
 具体的にお聞きします。前回、欠席しておりますが、17頁の中退金に対する助成の問題で、この文章は非常に分かりにくいのです。「中退金の加入促進に大きな効果を発揮しており」と書いてありますが、実際の助成というのは、中退金の加入に対してお金が出ているはずなのです。そのことと「なお10年度において190億円保全された」という表現がありますね。この意味がちょっとよく分からないので、説明していただきたいと思います。それと今は中退金が統合されて、勤労者退職金共済機構になりましたが、その他の建設業とか清酒製造業とか林業などに対しては、労働保険の会計から出ていないのかどうかということをお聞きしたいと思います。
 続いて18頁の「紛争解決援助制度の運用状況」の5,537というのは、件数なのか人数なのか、その辺の説明がありませんでした。「件数」と書いてありますが、では人数にすればどうなるのかというところをお聞きしたいと思います。それと先ほどの委員の説明と同じようなことに繋がりますが、ちょっと関心がありますのでお聞きします。足場先行工法の助成を375現場行ったということですが、これは予算に対してどの程度行われたのか。そういった表示がないと、375やったということは分かりますが、このことについては予算は400ほどあったとか、そういう数字があるのではないかと思われるので、差し当たりその辺りをお聞きします。

○ 事務局
 最初に中退金のことですが、表現がわかりにくくて申し訳ありませんでした。中段の「掛金助成」云々の趣旨ですが、「掛金助成」というのは、新規加入掛金月額の3分の1について2年間助成するというものです。ここで言いたかったことは、新規で共済契約をしました企業等のアンケートによりますと、そのメリットとして掛金助成があるからというようなことを答える企業が多くございます。そういう意味で掛金助成自体が中退金の普及に役立っているのではないか、それがひいては外部積立型の退職金に繋がるわけですから、そういう意味でも労働条件の確保に繋がるといったことを表現したかったわけです。参考に書きましたことは、今般の不況の中で残念ながら倒産企業が多く出ているわけですが、その中で中退金から払われた退職金が、190億円あるという趣旨です。

○ 事務局
 あと、一般の中退金以外に清酒製造業と建設といった特定業種退職金共済制度という所に対しても、掛金助成はございます。

○ 事務局
 足場先行工法の現場について、予算上どうなっているかは、いまは手元に持っておりませんので、また次回に。

○ 事務局
 18頁の紛争解決援助制度の数字は、相談件数です。大体1件1人の相談と思われますが、人数にしたら何人かという正確なところは、今はちょっと分かりかねます。

○ 委員
 中退金の助成問題を書くのであれば、いま担当課の方がお答えになったように、制度として立派に存在しているわけですので、3つの特退金につきましても書いて、説明すべきではないかと思います。お願いしたいと思います。

○ 委員
 今日、論点として労働福祉事業の在り方が提出されておりますので、その議論に入っていかなければならない時点がいずれくるわけですが、現状を的確に把握しておかないと、その辺の議論が十分できないと思うのです。そういう意味で今日質問の点について、いろいろ御説明いただいたのですが、私にはまだ解明されていない部分がいくつかありますので、その点について説明を求めたい、あるいは質問をさせていただきたいと思います。10数項目ぐらいあるのですが、いかがいたしましょうか。

○ 座長
 できれば今日は労働福祉事業の現状に関する質問とか、おさらいをひと通りやってみて、将来の在り方について検討するときに、現状に振り返って見る必要があるという場合には、随時振り返ることも結構だと思いますので、いまここで御発言いただいたほうが良いのか、いま委員がおっしゃった質問の項目を書いていただいて、それを資料でお答えしたほうが良いのか、どちらが良いですか。

○ 委員
 審議会で発言を求めることについて、書類で出してくれというのは、どういう審議の進め方なのでしょうか。5時まで予定されているわけですから、まだ45分ぐらいあるわけです。それなのにこの場で質問をしないで、書面で出して欲しいというのは、審議の進め方として私は、いかがであろうかと思います。

○ 座長
 数字を出してくれというようなことであれば、後で紙に書いていただければ早いからと思ったのですが、議論すべき内容であれば、もちろんその辺はどうぞ。

○ 委員
 数字はできるだけ避けたいと思います。最初の旭労災病院の病診連携の関係については、医師会の診療所の医師を登録医としているらしいですが、医師会以外にも診療所はたくさんあるわけです。そういう所の登録医は、一体どれくらいおられるのかという点が1点です。それから照会件数が、平成10年度でいきますと約2,000件あるということですが、この2,000件のうち、業務上疾病とか業務災害によるものと、私傷病によるものとの両方があると思うのです。一体どの程度が労災にかかわる関係での照会がなされているのかという点をお願いしたいと思います。
 5頁に労災就学等援護経費についての説明がありますが、この1万6,000円という支給限度額の設定については、今まで労災審議会に報告がなされていないような気がするのです。なぜ審議会に報告がなされていないのかという点です。また、1万6,000円というのは年金受給者の9割をカバーするということで設定しているようです。なぜ1万6,000円に設定するかというと、一般労働者の賃金との均衡から、相当程度給付基礎日額が高いと、一般労働者の所得といいますか賃金との均衡を失することになるのだろうと思うのです。その考え方からすれば給付割合をもってカバーするという発想は、どうもおかしいのではないかという感じもするので、その点について教えていただきたいと思います。
 次に、労災診療費のレセプト審査の関係について、査定額が28億円ということですが、これには不正な請求、あるいは不当な請求の両方があるような気がするのです。不当なもの、あるいは不正なものが一体いくらぐらいあるのか。それから一般の健康保険のほうですと、こういうような不正をやれば指定の取消しがあるわけですが、そういう手続はどれくらい行われているのかどうか。あるいは1年ごとの指定ですが、次回は指定しないというような不正に対しての厳しい措置が取られているのかどうかを教えていただきたいと思います。
 若干意見めいていて恐縮ですが、14頁には財形制度についての説明が書いてありますね。要するに3では労災保険法上の労働条件確保事業に該当しますということを書いているのですが、この審議会では違法なことをやっているとは、多分、全員誰も思っていないわけです。ですから違法かどうかという問題ではなくて、適切かどうかということだろうと思うのですが、ここの理由はどうもそのような感じには受けないのです。
 17頁の所で、先ほど中退金のことが出ておりましたが、いま退職金のあり方については一般企業においても、いままでのような退職金のあり方が良いのかどうかという見直しをしている企業が現れてきているわけです。そういう状況の中でこういう退職金共済事業に、労災保険のほうから援助をしなければならないのかどうか。その辺は後ほどで結構ですので、教えていただきたいと思います。18頁の紛争解決援助制度については、前回も私が質問したような記憶があるのですが、会社側からどれくらい申出があるのかということですが、今日も一向に御説明をいただいておりません。この件数のうち、どれくらい会社側の申立てがあるのかどうか教えていただきたいと思います。
 質問に絞りますが、最後の66頁の所です。いろいろな事業をやっておられるみたいですが、人間ドックや生活習慣病等の健診を実施した団体について、その団体がいくつかということになっているのですが、どうもよく分からないのは、こういった規模のこういった団体ですと、総合健康保険組合というものを作っているケースはないのかどうか。あるいは健康保険組合がないとすれば、政府管掌の健康保険制度で人間ドックや、生活習慣病対策をやっているわけですが、そういうものがあるのかないのか。また40歳以上になりますと、市町村が健診事業をやっておりますが、その辺の振分けはどのようにしているのかどうか、教えていただきたいと思います。

○ 事務局
 最初の旭労災病院について、医師会以外の登録医がいるかということですが、これは医師会との連携でやっておりますので、おそらく医師会に加入していない診療所は入っていないかと思いますが、確認して次回、御報告したいと思います。

○ 委員
 私が言っているのは、医師会の診療所の登録医のほかに、医療法人の診療所とか財団法人の診療所という類型もあるわけです。医師会には多くの方々が加入しているだろうと思うのです。ここでは「医師会の診療所」と書いてありますが、「等」のほうがどのようなことなのか。質問はそういう趣旨です。

○ 事務局
 これは瀬戸、旭、医師会等の並びですから、ほかの医師会という意味だと思いますが、いずれにせよ確認して御報告したいと思います。
 労災就学等援護費を1万6,000円引き上げてきたときに、なぜ審議会に報告していなかったのかについては、御意見はいろいろあるかと思いますが、我々の理解としては支給要綱ベースで決まっているものは、御報告してきていないという理解です。政省令で引き上げるもの、例えば介護(補償)給付の上限額といったものにつきましては、当然ながら労災保険法上、当審議会の意見を聞かなければいけないということになっておりますので、政省令レベルについては審議会の答申という形で、御意見を聞いておりましたが、事実問題として支給要領、支給要綱で決まっているものについては御意見を求めていないということです。あと、一般労働者との均衡で、9割をカバーすることが矛盾するかどうかということですが、これは最初の議論等を調べてみまして、御報告したいと思います。
 RICにつきましては、これが不正か不当か間違いなのかというのは、なかなか難しいかと思います。例えば平成10年度の請求誤りは、52万件ほどのレセプトがございます。ただ、これが意図して不法でやったのか、それとも本当に請求誤りなのかというのは、なかなか判断が難しいわけです。その辺の統計はございません。実際に指定の取消しなどをやった例というのはあるようです。件数等は調べまして、次回御報告したいと思います。
 それから財形を労働福祉事業としてやる理由が、これではちょっと分からないということでしたが、我々の考えとしては、労働者の財産形成というのも、事業主の援助の下でやる以上、1つの労働条件であるといった考え方の下で、労働条件確保事業の中で実施することが適切であると考えているわけです。中退金につきましては、退職金の在り方を見直している企業が出ている中で、助成を続けるのかどうかという問題意識だと思います。退職金の在り方について、例えば来年度から会計基準が変わるとか、将来債務を計上しなければいけないといった中で、一部企業に退職金制度の在り方を見直す機運が出ていることは確かです。しかし現実を見ますと、退職金制度を作っている企業がやはり9割を超えるといった状況の中では、しかも労働者の意識として退職金というのは重要な労働条件であるといった認識がある中では、中退金制度の中で掛金助成を続けていくという必要性は薄れていないのではないかと、私どもは考えております。

○ 事務局
 18頁の紛争解決援助制度の申出は、それだけあるわけですが、その内訳が労働者側か使用者側かということについて、これまで私どもは整理の仕方として、そういうふうには取っていないので、今のところははっきり分かりません。したがって時間をいただければ、労働者側からの申出がどのぐらい、使用者側からの申出がどのぐらいというのは分かると思います。次の19頁にも大体の概要ということで、事例の基本例を提示しているわけです。多くは解雇に遭ったとか、労働条件を引き下げられたということで労働者側からの申出ですが、数的な把握というのがちょっと出来ていないので、しばらく時間をいただきたいと思います。

○ 事務局
 次にサービスセンターの具体的な事業内容についてですが、実はサービスセンターは中小企業と申しましても、実態的には10人未満の小零細企業の方が入っておられるのが大半です。いま委員から御質問のあった総合健康保険組合というものに、そういった所はほとんど入っていないと我々は思っております。それから市町村が健診事業をしている部分について、どういう健診事業かというのは確かに把握しておりませんので、若干いくつかの例に当たって、人間ドックや健診の補助の実態はどうかということについて、もう少し調べてみたいと思っております。

○ 委員
 当たっていただくのは、確かに必要だと思いますが、健診の補助を実施する補助対象事業の要綱などの中に、そこの団体において適用される保険制度がどういう保健制度なのか。市町村なり政府管掌健康保険制度の場合ですと、そちらのほうからの人間ドックなどの健診事業の適用は、政管健保に入っていればすべてが受けられるわけですが、それとの関係でどういうものを人間ドックの対象にするのかについては、定められていないのでしょうか。

○ 事務局
 申し訳ありませんが、すぐにはお答えできませんので、そこのところは調べさせていただいて、御報告したいと思います。

○ 座長
 それでは後刻、追加的に回答するということで、現在のところはいいですか。

○ 委員
 先ほど落としたのですが、12頁で安研と産医研が独立行政法人化された場合の財源は、財政当局と調整中ということでしたね。いま現在、この両研究機関は一般会計と労災勘定とは、どのくらいの比率で、全体で何億円で、そのうち何パーセントが一般会計で、残りの何パーセントが労災勘定なのか、今でなくても結構ですので教えていただきたいと思います。

○ 事務局
 現在、産業安全研究所につきましては、特別会計から約6億円、一般会計から5億5,000万円、産業医学総合研究所につきましては特別会計から約10億円、一般会計から約4億5,000万円ということになっております。

○ 座長
 ほかに御質問等ございましたら、どうぞ。引き続き必要な御質問等がありましたら次回以降にでも出していただくことにして、現行の労働福祉事業に関する第1次のレビューは、一応、これで終わりまして、資料2に入りたいと思います。資料2の論点メモは事務局の方で準備したものですが、これはいわば実質的な審議内容にもかかわってきますので、同時に出されました将来の展望等にかかわる辺のところで、まず御意見、御質問等を伺って、その上で論点メモの議論に入っていったらどうかと思います。そんな進め方でよろしいですか。よろしければ資料2にかかわる諸事業の事業費の推移等々につきまして、御質問等がございましたらお願いします。

○ 委員
 今日、いろいろ御説明いただいて、私の知らないこともたくさんあって大変勉強させていただきました。事業の主な内容というのも資料3−2で決算額、予算額等でお示しいただいているわけですが、自分でやればできないことはないのですが、できれば額ではなくて予算の中のそれぞれの項目が占める比率を、グラフか何かにして出していただくと非常に推移がわかるのと、重みづけがどう変わってきたかというのが理解しやすいと思います。額で出していただくと、ちょっとすぐにはパッとどういうふうにウエイトが変わっているかというのが分からないので、それをお願いしたいというふうに思います。それが多分、今後の方向を考える上で1つ参考になるのではないかという気がします。

○ 事務局
 訂正したいと思います。

○ 座長
 御意見、御質問がございましたら、どうぞ。

○ 委員
 現状の把握ができてないから言いようがないです。

○ 座長
 それでは、もう少し御意見がございましたらお出しください。資料1でいろいろ質問が出た中で、労働条件確保事業については労働福祉事業でやる意義があるのかというその辺の疑問等が出ていることは事実ですが、これは将来の事業の在り方の議論の時に議論していただくということにもなるかなと思っていますが、ここで御議論されたほうがいいということであれば、されて結構だと思います。

○ 委員
 その問題は、事業倒産等に関連する未払賃金が非常に多くて、労働者の生活を非常に困難なものにしているという実態に鑑み、これが事業主のほとんどが加入している労災保険勘定の中で、労働福祉事業として導入されたという経過を考えますと、そしてまた現状、その支払額が予算を上回るというような厳しい状況というものも考えると、この未払賃金立替払事業を、この労働福祉事業として行う以外に、例えばドイツ等で導入している保険制度という、こういうようなものの代替案が示されない限り、これから外すということは導入経緯からすれば基本的には考えられない。
 そういうふうに、これは捉えていかなければならないと私は判断をしていますので、この事業として行うということについてどうかということであれば、事業として行うべきか、それとも独自の保険事業として展開をすべきなのかというふうに、同時に問うてもらわないと、金がかかりますから要りませんと言われても、導入した経過からして、そんな無責任な答えが出せるはずがないと考えています。それだけは申し上げておきたいと思います。

○ 座長
 今の点は、いろいろ事務局で選択肢として、将来の可能性について次回でも結構ですので、考え方を示していただければありがたいと思います。よろしくお願いします。事務局側から考え方を少し出していただくということで、よろしいですか。

○ 委員
 個々の事業について見ていかないといけないのだと思いますが、労働条件確保事業の類型に属しているものの中には、どうも説明を伺っていても、端的に言えば例えば11頁のところの労働条件等自主的改善対策推進事業と言っている事業があって、それはこの災害防止と関係がないとは私も言いませんけれども、しかし、ここで言っている労働条件というのは、いわば一般労働条件を適正なものにしていくというところに、その狙いがあるのではないかと私は思うのです。
 そういうことからすれば、いまの労働福祉事業として支出していることについて、違法であるとは私も思いはしませんけれども、さて、労災保険の労働条件確保事業として違法ではないから、一般労働条件の関係は何でもいいのかというと、人件費以外は何でもいいということになってしまうのではないかと私は思うのです。そういう観点からすれば、こういうものは基本的には一般会計で出してもらうのが筋なんだろうと思います。
 もちろん、国のいまの一般会計の状況からすれば、非常に厳しい状況にあることは認識していますが、しかし、そういう状況があるから特別会計のほうに付ければいいんだということは、本来あってはならないことなので、そういう意味で話が脱線して恐縮ですが、時間短縮のための助成金というのも、やや、そういう点からすれば同じ性格もあることはあるのです。ただ、そちらのほうは、もう既に時限を切ってやるということになっていますので、将来はそういう時間短縮のための助成事業を、今回は特例事業所ということになっているわけですが、それはそれとして、やはり労働条件の関係事業というものについては、それ相応の自ずからきちっとした制約というか、それがないといけないのではないかと思います。

○ 座長
 ありがとうございました。これからの在り方論にも入り始めましたが、現状も含めて何かございますか。どうぞ御遠慮なくお願いします。

○ 委員
 国の予算や何かに疎くて恐縮ですが、先ほど産医研に関して特別会計と一般会計の2つに関して質問が出ましたが、それ以外のところで私はまだ、どうも特別会計と一般会計の全体の配分と言うのでしょうか、労働省の仕事の中での全体像がよく見えてないところがございます。他の委員はご存じなのかもしれませんが、その辺の基本的なところの数字を、最初に押さえさせていただければありがたいと思います。

○ 座長
 基準局の全体の予算の中で、一般会計と特別会計がどういうふうになっているかということを次回でも結構ですから、基準行政全体の姿がわかるようにしたらと思います。どういうウエイトを持っているかです。

○ 委員
 特にお願いしたいのは、先ほども産業安全研究所あるいは産医研の数字で、一般会計から何億円、特別会計から何億円というので、人件費は置いておいていただいて、人件費以外の費用でどうなっているかというのを、是非、分かるようにしていただきたいのです。人件費込みですと、先ほどの事務局の言われた数字も、人件費はたぶん外してあると思いますけれども。

○ 事務局
 込みです。

○ 委員
 そうすると、人件費部分はさきほど説明があった5億円なら5億円のうち、どっちなのかということを是非、明らかにしていただきたいと思います。

○ 事務局
 一般論で申し上げれば、労働省の予算は確か4兆を超えるぐらいなのですが、そのうち一般会計は5,000億を切るぐらいです。その半分ぐらいが実は雇用保険に対する一般会計の繰入れで、その他が、いわば国としてベーシックに確保しなければいけない行政組織あるいは人員政策等について、一般論で言えば一般会計が担保します。
 特別会計は労災と雇用がありますが、こういった安全衛生の関係の政策、あるいは雇用関係の対策といったものは特別会計に馴染むということで、労働省のほとんど99.9%と言っていいぐらい、特別会計を財源的なベースとして実施しているという状況です。具体的な比率については、また次回にお話したいと思います。

○ 座長
 ほかに何か御意見、御質問等がございましたら、どうぞ。

○ 委員
  保険料収入が減少しているというお話なのですが、現行の保険料率というのは、ある程度は経済対策という意味合いもあって、前も発言しましたけれども、大臣が特別に談話を出して下げるという行為が行われましたよね。産業が全体に縮小傾向だから、収入も減っているんだという説明が中心になっているけれども、ちょっとそうでないのではないか。産業界の要請もあって、保険料率を下げたというふうなところも加味して、説明をしないといけないのではないかと思います。
 さらに保険料収入の見通しの料率改正が、すべてマイナスで見るというのは、どういう意味合いがあるのか、ちょっとよく分からないのですが、その辺は説明してください。

○ 事務局
 委員の御質問の、まず保険料率を引き下げた要因ですが、完全に保険料の収入と支出を見込んで、それで比率でもって保険率を設定するという形で決めていますので、そういう政治的な配慮というのは、ほとんど考える必要はないのではないかと考えています。
 もう1点の将来の保険率を引き下げるということですが、これまでの災害発生率の動向を見ますと、大体、年々、発生率は低くなってきています。ただ、最近は発生の減り方そのものが若干、鈍化してきていますので、昔と同じくらい保険率を引き下げるというのは、かなり難しい情勢ではないかと考えていますけれども、ある程度引き下げが行われる可能性はかなりあるのではないかと考えていまして、そういう設定をしたわけです。

○ 委員
 いまの説明だけでは納得しないのですが。そういう事でプラス・マイナスを見て、収支を見て保険料率を決めていくというのはそうなのですが、当時の大臣談話というのは、もうちょっとそれを越えていたように思うのです。そういう資料もこの審議会に出ているのです。古いのを見ていただければ分かります。全くそんな配慮はなかったというふうな今のお答えでは、ちょっと違うのではないかと思います。

○ 事務局
 その辺の経緯も、詳細をまた次回に御報告したいと思います。保険料収入について、先ほど説明不足だったのですが、確かに経済状況の問題のほかに、あともう1つ御承知のように労災保険料率は災害の起こる割合によって、1000分の6から今は1000分の134と決まっておりまして、一般論として、いわゆる第3次産業化とか、サービス経済化ということでサービス労働とか事務労働みたいなものが増えてきますと、料率の低い業種、産業が増えてくるといったことが影響してきて、それについても大体、毎年0.1%ぐらいずつ保険料の減少につながっている状況がございます。

○ 委員
 保険料収入だけでこの表は成っているわけですけれども、それはたまたま労働福祉事業の限度額を見ようとするから、そういう事になるわけです。本来的には保険料率をどうするかというのは、労災保険の全体の収支で、保険給付をもひっくるめた収支の在り方とのかかわり合いになるわけです。一般的に言えば、公的年金にしたって健康保険制度にしたって、給付と負担とのバランスが取れないといけないわけです。給付が固定したままで、この負担を考えるという発想もないわけではないですが、給付の在り方を見直していくことの中で、負担の在り方も考えていくという発想でないといけないので、給付は固定したままで、従来を一歩も変えないという発想では、私はいけないのだろうと思います。
 保険給付の在り方の問題についても、いずれまたこの小委員会の場で、是非、私は検討していただきたいと思っていますが、その全体の議論をするとか、あるいは今は充足賦課方式を取っているわけですが、そういう財政方式の在り方についても、どうするかということを検討しなければならないので、そういういろいろな角度から保険料収入のところは関係してくると思うので、それを抜きにして労働福祉事業の関係だけで議論するというのは、部分的な検討という事になるのではないかと思います。その点を是非、今日の問題ではないと思いますけれども、検討事項にしていただきたい。

○ 委員
 それには異論があります。労災保険というのは、現に業務遂行中に被災をして給付を受けている人が障害が残るとか、手当をしなければならないとか、あるいは残された遺族の生活をどうするかという給付ですから、他の保険と同じように負担問題を前提にして、給付の在り方について見直すなんて、そんな乱暴な審議をするつもりは私どもにはありませんから、まずそういうふうに御理解いただきたい。
 給付金額を見直す必要があるという時には、物価が大幅に下がるとか、経済変動が起こって、みんなの生活水準が下がって、労働者災害補償保険法に基づく給付を受けている人が抜きん出た優遇を受けているというような、そういうような状況が生じた時に、初めて負担と給付の問題を見直すという議論になるわけであって、いまは経済成長が止まっていますけれども、この状況で負担と給付を見直すということについては、これはそういう意見があるということであれば、私もそういう反対の意見を持っているということについて言っておきたいと思います。

○ 座長
 いまの御議論ですが、小委員会の直接的な課題は、労働福祉事業の在り方ということですから、必要な限り保険全体の財政はどうなるかということも、もちろん頭に入れておかなければいけませんが、いま直接的に本体の負担と給付を議論するのは、ちょっと先の問題にさせていただきたいと思っていますので、その辺は御了解いただきたいと思います。

○ 委員
 そのまとめでいいのですが、やはり財源確保の問題については参考資料も出されていますように、基本的にいままでの保険料率の決め方で、3年に一度の労働災害の産業別の発生状況にリンクした料率の改定ということで、私どもは労働災害は撲滅、ゼロといった方針を持っていますから、これは、これからも労働災害発生件数は減少するということで、料率は下がるということを前提に、しかもそれにリンクして収入は下がるということを前提に、私が問題提起をしているのは、むしろ労働安全推進事業などについて、労災保険からでなく業界あるいは事業主独自に、それは自らの努力によってやるべきものもあるし、労災病院などについても、これは一般の国公立の病院の数も多いし、その他の法人とか、地域によっては余るというようなところなどで、これはこの分野から少し撤退をするとか、削減をするとか、そういうようなところで絞っていくということを考えないと、こうした財源問題から端を発して、方向を見誤るということにならないように是非お願いしたい。そういう意味で保険料収入の見通しについては基本的には継続的に減少するということ。
 年金受給者数については、労働災害が減少し収入が減るという前提になりますと、年金受給者数も将来的には減るけれども、どこが頭になって、どこから減少していくのかというものを、少し専門的に議論をしておく必要があると思います。そういった前提を1つ置いて、今後の労働福祉事業の在り方について、せっかくの機会ですから、これはしっかりと検討をしてもらいたいということを申し上げておきます。

○ 座長
 ほかに特段ございませんか。いま委員からも話が出ましたように、一応、将来の議論のベースになる将来展望、財政的な見通しの考え方が出ましたので、これを1つの基礎として、非常に厳しい状況になるということのようですが、その上で労働福祉事業はどうあるべきか。そしてまた労働福祉事業の財源確保をどうするか、この辺の議論に次回以降は入っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 本日は時間がまいりましたので終了したいと思います。本日は長時間ありがとうございました。


照会先
労働基準局労災管理課

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