第353回 労働者災害補償保険審議会 議事録

日時 平成12年1月25日(火)10:00〜10:30
場所 通商産業省別館第901号室
3. 出席者  
〔委員〕公益者代表 野見山会長代理、岩村委員、岸委員、金城委員、松本委員
労働者代表 北裏委員、佐藤委員、高松委員、田中委員、真島委員、松浦委員
使用者代表 久保委員、桜井委員、高梨委員、早川委員
〔事務局〕野寺労働基準局長、横田審議官、荒労災管理課長、笹川補償課長、安部労災保険業務室長、本川労災保険財政数理室長、
田邉主任中央労災補償監察官、高崎企画官、石井職業病認定対策室長、田中労災保険審理室長
中野計画課長、鶴田労働衛生課長
4議題

○ 労災保険制度検討小委員会報告について
議事

○ 会長代理
 定刻を過ぎましたが、最初にお断り申し上げます。保原会長は御出席できないという通知をいただいたそうです。そこで、労働者災害補償保険審議会令第4条第3項に基づき、本日は私が当審議会の進行を務めますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、ただ今から第353回労働者災害補償保険審議会を開催いたします。
 本日は、保原会長のほか、宇田川委員、廣田委員が欠席されております。それでは、議事に入りたいと思います。
 前回、当審議会として労災保険制度検討小委員会から報告書の提出を受けたところですが、本日は本報告書を踏まえ建議に向けたご議論をお願いしたいと思います。
 これより労働大臣あての建議の案文を配付いたしますので、御検討をお願いいたします。

(建議文(案)の配付)


○ 会長代理  それでは、建議文の案を事務局に読み上げていただきます。

○ 事務局
 読み上げます。
 「労働者災害補償保険制度の改善について(案)。当審議会においては、平成11年8月より労災保険制度検討小委員会を設け、労働者災害補償保険制度の改善について検討を行ってきたところであるが、今般、当面改善の必要のある事項について、別添報告書のとおり同小委員会の結論が得られた。当審議会として同報告書を踏まえ検討を行った結果、下記のとおり意見の一致をみたので、この旨建議する。
 記1健康確保支援給付(仮称)の創設については、新たな法定給付として創設することが適当である。2その他労災保険制度検討小委員会報告書の趣旨に沿って労働者災害補償保険制度の改善を行うことが適当である」。以下、省略いたします。以上です。

○ 会長代理
 この案文について、御意見がありましたらお願いしたいと思います。また、前回、過去債務分の積立期間について、10年間延長すべきであるとの御意見等もありましたが、この点について建議にどのように盛り込むべきか、何か御意見等がありましたらお願いいたします。
 それでは、意見交換に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

○ 委員
 今会長代理からありました過去債務分の積立期間の問題ですが、前回私どもの方から、是非それを10年延ばしていただきたいと、こういうことをお願いいたしました。是非、積立ての計画期間については見直しをしていくということで、次回の料率改定は平成13年4月からということになるわけですが、それに間に合うようにきちっと10年延ばすと、こういう方向での記述を今お配りいただいた建議に是非盛り込んでいただきたい、こういうふうに考えております。

○ 会長代理
 ありがとうございました。ただ今の御意見について、特に大きなご異論がなければ。

○ 委員
 意見がないのではなくて、前回は非常に細かな勉強会のような質問・議論をされたから、この提案された部分について審議をする時間がなかっただけでして、私としてはこれは必ずしも異論がないということではない。ただ、前回の説明の中でもありましたように、おかれている産業・企業経営事情が非常に厳しいということと、幸いにして計画を上回る積立てがすでになされているという事情を考えた場合に、これの期間の10年間が適当かどうかということについては、もう少しこれまでの試算をしたものも含めて試算をする必要があると考えておりますが、基本的には延期するということについて私どもとしても特段の反対はしない。
 しかし、この種のものについては、これまで小委員会で議論されたときにも事務局の見解が出されたように、過去債務分というのは、これまで災害を発生した労働災害によって負傷されたとか、あるいは亡くなられた遺族に対する補償部分ですから、これからその期間を延長するということになると、新たに事業に参入する方々の負担という問題も当然生じてくる。そういうものを十分斟酌した対策と、それから経営者の皆さん方にもそうした変化が起こるということをきめ細かく徹底しておかないと。過去債務分とはいかなるものか、私は新たに事業を開始したわけであって、私がそこまでの責任を負う必要があるかどうかと、そういう疑念が発生をして、そして労災保険に対する信頼を失うということになってはならないと、こういうふうに考えておりますので、延期をするということについては特段反対をいたしませんが、事業者の皆さん方に格段の理解と協力が得られるような、きっちりとした対応をお願いしたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 もう1つ、建議は基本的にはこれでよろしいのですが、2の「小委員会報告書の趣旨に沿って」というふうに文章が極めて不明確に記述してあると思います。したがって、1つだけ確認をしておきたいのですが、「報告書の趣旨に沿って」というのは、前回確認された報告書の記述の項の1ポツ、2ポツ、そして3ポツと、この3つの範囲にとどまっているのか、それとも検討経過の中で私どもとしては引き続き検討すべき事項、検討を重ねろと、そのような方向を示したと考えておりますが、報告書の記述の前の3ポツの「さらに検討を深め、あるいは運用上の対応を図るべきと考えられる」と、「考えられる」というものまで「今後改善を行うことが妥当である」という項目の中に入っているのかということについて確認をしておきたいと思います。

○ 事務局
 事務局の理解としては、今のお尋ねになった問題については、小委員会報告の「記」以外の3の部分ですが、この部分についても「さらに検討を深め、運用上の対応を図るべきであると考えられる」というようなことが記載されております。さらに、小委員会報告全体では、頭紙には「当面改善の必要のある事項についてその結論を得たので、別紙のとおり報告する」というふうにされております。
 もちろん、狭い意味と言いましょうか、「記」の部分は小委員会報告の1頁の2の所で「下記の制度改善を行う必要があるという結論に至った」という記述もあるので、言わば狭い意味では「記」の部分について制度改善を行えというふうに言っていると考えられます。ただ、頭紙で「この度、当面改善の必要のある事項」、3の冒頭で「運用上の検討を深め、運用上の対応を図るべきであると考えられる」というふうにされていることを考えると、3で、これは労使から出していただいた要望事項を踏まえて検討したものですが、できるものについては逐次改善を図っていく、というようなことを事務局としては必要であろうというふうに考えております。
 例えば、3の(1)で書いてある「給付基礎日額の年齢階層別最低最高限度額」の問題について、これは毎年1回夏ごろ改定しているわけですが、従来は特段審議会に諮ることなく改定していたのですが、どういう最低・最高限度額がいいのかどうかを必要に応じて審議会の意見を聞いた上で改定するとか、あるいは「労災かくし」とか労働者性の問題については、さらに地方機関に対して指導周知を図れというふうにありますので、そういった点については全国会議等々において、地方機関に対して周知を図っていきたいというふうに考えております。そういう意味でできることについては、3のいくつかの項目で記載されているものについても対応を図っていきたいというふうに考えております。

○ 委員
 事務局の見解はわかりました。私の判断は多少違いますので、私はそういう報告書のまとめにはなっていないと考えております。確かにこういうふうに3の中で議論はしたし、今後、継続検討をしていこうということは確認をしたのですが、私どもはその検討を事務局に一任したというような判断はいたしておりません。当然のことながら、今回結論を出して、引き続き法律や政省令の改正に結びつけていくというふうにまとめたのは、記述の所であるというふうに判断をいたしております。
 したがいまして、検討経過の中で「引き続き検討していくことが必要がある」というふうにまとめたものについては、これはいま例に出された前回報告書の3ポツの(1)の「設定方法を改善する」という限度額については、確かに事務局の責任で見直されるのですが、その見直しの設定方法の改善ということになると、当然これは事務局一任で見直されるものではないというふうに私は理解をしてきております。したがいまして、もしこの結論を出していない記述以外の所の項目についても見直しをするということであると、事務局の考え方をこの審議会に諮った上できっちりとした対処をされるべきであるということについて意見を申し上げておきたいと思います。

○ 会長代理
 ただ今おっしゃったように、3の中の「検討事項」、これは行政だけでやってもらっていいものと、当然重要な問題、基本的な問題は、具体的に改善する場合には審議会に御相談いただかなくてはいけないもの、あるいは諮問していただかなくてはいけないような問題もあると思いますので、その辺はきちっと事務局の方も考えた上で対処してもらいたいと思っております。例えば(3)など「周知徹底」、これはどんどん進めてもらわなくてはいけないと思っていますから、これはそれでいいと思いますが、その他の問題について、特に重要問題については、おっしゃるとおり検討したあとで審議会にも十分御相談いただくということは結構だと思いますので、その点はお願いしておきたいと思います。
 さて、ただ今過去債務分の積立問題についての御要望、また、この問題の意味について御意見の発表がありましたが、そういった御意見を十分斟酌した上で、最終建議に修文として反映させていきたいと思いますが、事務当局に案文の修正を準備してもらいたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(一同異議なし)


○ 会長代理
 それでは、暫時休憩をして、事務局のほうで修正文を準備していただきます。

(休憩)


○ 事務局
 こういう修文でどうかと思いますが、読み上げいたします。お配りした2の「その他労災保険制度検討小委員会報告書の趣旨に沿って労働者災害補償保険制度の改善を行うことが適当である」という所につなげて、「特に、過去債務分の積立ての計画期間については見直すこととし、次期料率改定の時期に向けて早期に結論を得ることが適当である。」、こういう1つのセンテンスを付け加えてはどうかというふうに考えます。

○ 会長代理
 どうもありがとうございました。ただいま口頭で修文の部分の説明がありましたが、過去債務部分の積立問題は、これでよろしければ御了承いただきたいと思いますが、何かありますか。

(一同異議なし)


○ 会長代理
 それでは、以上過去債務部分にかかる修文も含めて今回の部分については、全体として意見の一致を見ましたので、建議としてまとめることについて御了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(一同異議なし)


○ 会長代理
 ありがとうございました。それでは、これを建議するという方向で審議会としてまとめたいと思っております。
 それ以外につきまして、前回の委員会以来議論が出ていた建設業のメリット増減幅の拡大問題につきましては、賛否両論等意見を集約するには至らなかったので、この問題につきましては追って労災保険法改正の法案要綱の諮問を受ける前に、再度審議会を開催してご議論いただいて、もし結論を得ることができればその線でまとめていきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
 御異論なければ、その線でご了承いただきたいと思います。

(一同異議なし)


○ 会長代理
 ありがとうございました。それでは、先ほど御了承いただいた修文後の建議案文を文章としてお配りいたしますので、お待ちいただきたいと思います。

(修正案の配付)


○ 会長代理
 ただ今お配りした建議案文をもって当審議会の建議といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。

(一同異議なし)


○ 会長代理
 ありがとうございました。それでは、これをもって建議は終わりたいと思います。
 なお、労働基準局長より御挨拶があるそうですので、よろしくお願いします。

○ 局長
 小委員会の審議も含め大変長期にわたり、ご議論をいただきまして、大変ありがとうございました。本日頂いた建議に沿い、改めて法案要綱を作成いたしまして、また御意見を伺いたいと思います。なお、懸案事項となっている事項については、今後とも引き続き御相談をしながら進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○ 会長代理
 ただ今局長から御挨拶がありましたが、次回の審議会は、先ほどの建設業のメリット問題も含めて、その他労災保険法等の改正案要綱をご検討いただくということになろうかと思いますが、引き続き委員の皆さま方には御協力をお願いしたいと思います。
 本日は、どうもありがとうございました。これにて終会いたします。

照会先
労働基準局労災管理課

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