第2回小規模事業場における健康確保方策の在り方に関する検討会議事要旨


1.日時平成11年12月3日(金)15:00〜17:00
2.場所通商産業省別館825号会議室
3.出席者大久保委員(座長)、圓藤委員、清宮委員、荘司委員、高瀬委員、高堰委員、武田委員、並木委員、沼野委員、橋本委員、長谷川委員、松浦委員、皆川委員、山岸委員、吉田委員 中野計画課長、鶴田労働衛生課長、高橋主任中央労働衛生専門官、田中(敏)副主任中央労働衛生専門官、田中(一)中央労働衛生専門官、半田計画課長 他
4.議事
(1)地域産業保健センター事業の活性化について
(2)その他
5.配付資料
  資料1  第1回小規模事業場における健康確保方策の在り方に関する検討会議事要旨(案)
  資料2  小規模事業場における健康確保方策の在り方等に関する委員意見
  参考   東京都産業保健健康診断機関連絡協議会の調査による定期健康診断の有所見の状況
6.議事概要
(1)久川委員から松浦委員に委員交替の報告があった。
(2)資料確認
(3)資料説明
    資料1:前回の「第1回小規模事業場における健康確保方策の在り方に関する検討会議事要旨(案)」について説明。
    資料2:小規模事業場における健康確保方策の在り方等に関する委員意見(事務局仮まとめ)について説明。
    参考:前回の指摘を受け、各年齢別の有所見率に係る資料を提出。
(4)討議
   資料2について検討を行った。
   これに対する意見は以下のとおり。

1「小規模事業場における基本的な問題の認識」について

・10人未満事業場の健康診断の有所見率に関する実態把握が必要。
・有所見率について事業場規模別と年齢階層別のクロス集計を行えば、中小零細事業場の問題が明らかになるのではないか。
・有害業務は下請で行う傾向がみられ、その結果、中小企業では健康を損ないやすいという構造的問題がある。
・1の(2)の2・に「経済基盤の脆弱性」があるが、これは「基本的な問題」に入る。
・30人以上の事業場でも、産業医の選任や、安全衛生委員会の設置が必要だ。
2「地域センターが今後担うべき役割」について
(1〜3)健康相談窓口、個別訪問指導、情報提供について
・相談窓口や個別訪問は、夕方や休日がいいというのは先入観ではないか。
・センターには常勤の者がいないので、連絡が取れないことがあるのは問題だ。
・医師会が電話を受けたり、FAXや留守電、携帯電話で対応可能である。
・パンフレットを送るなどでは、効果がなく、コーディネーターなどが実際に出向き事業者に直接話す方法が有効である。
・個別訪問をするには、コーディネーターの数をもう少し増やしてほしい。
(4)今後の事業について
○モデル的好事例の収集
・産業保健サービスは、すべての労働者に等しく提供されるべきという理念のもとに、地域産業保健センターは設置されたのであるから、基本的には50人未満の全ての小規模事業場を対象とするべき。
・コーディネーターの数も限られることから、現実には全ての小規模事業場に対応できないので、まず、モデル対象地区又は事業場を設けて、好事例を集め、周知するべき。
・対象事業場の規模としては、効率を考え、30〜49人の事業場に絞るほうがいい。
・規模を絞ると、零細事業場にアピールできないおそれがある。
・零細な下請の集まりである構内下請の協力会や、工業団地を利用する。
・好事例の紹介だけでは、各事業場の基盤や事情が違うので、効果的でない。
○地域センターで行うサービスの範囲
・そもそも地域産業保健センターの役割は、安全衛生面の意識の向上などPRのためか、あるいは小規模事業場に対して何か具体的にサービスするためか明らかにすべき。
・健診などの具体的サービスは、既存の医療機関で行い、産業保健の関心を高めるための研修などの活動を地域センターで行うことが望まれるのではないか。
・具体的サービスは小規模事業場が自発的に産業保健活動を行うようになるまでの支援に留めるべき。
・基本的に全ての事業所は責務として有料で健診を実施するべき。
・保健所の行う健康診断で、零細事業所の労働者も受け入れる仕組みになっており、整合性がとれていない。
○費用対効果について
・安全対策でも事故の予防に経費をかけた方が最終的には経費節約になるように、産業保健活動も同じという費用対効果の明確な証拠を、事業者や労働者に示す必要がある。
・そのための調査研究を是非実施してほしい。
・産業医が関与することによって年間約400万円節約できるという試算が医師会にある。
3「地域産業保健センターの活性化を図るための対策」について ○研修について
・コーディネーター研修は是非必要である。
・推進センターを中心にコーディネーターの研修を行うと良い。
・地域の医師会員の啓発や、産業医の質の向上のため、産業医の研修は是非とも必要。
○生涯保健への取り組み
・医師会は、就労期の健康管理を産業保健として切り離すのではなく、母性から、学校、就労、老人に至るまで、生涯にわたる保健事業の体系化に取り組んでいる。
・地域の医療機関が、「かかりつけ医」として、生涯健康管理という視点の中で、産業医と一体化して、労働者の健康管理を行ってはどうか。
・一つの方法として、その地域の労働者の健診データを地域センターに集積させ活用してはどうか。
・個人の健康情報は自分で管理をするべきであり、地域センター等に個々の労働者のデータを集積するのは、プライバシーの問題もあり、好ましくない。
・大企業では、一元的に健康情報を管理し、健診を含め質の高いサービスを受けられるので、小規模事業場の場合には、地域センターが産業医的な役割を果たしてはどうか。そのために必要な費用は受益者負担で従業員の人数頭割りで事業者が出せばいい。
・定年後から老人保健制度の対象になるまで間の施策を検討する必要がある。
・医師会では高齢者の医療制度創設を提案しており、施策として考えてほしい。
○行政への要望
・センターで働く産業医等の謝金などを増やしてほしい。
・センターが、知られていない要因として、局や監督署が協力的でない部分がある。
・行政が健康診断の実施をPRをしていく必要がある。
○その他
・生活習慣病、作業関連疾患の対策のために国家的な規模での疫学的な情報集積が必要。
・50人未満の事業場に対し、定期健康診断結果の報告を義務化するよう法令改正すべき。
・有機溶剤、一酸化炭素中毒、酸素欠乏症等の職業性疾病の防止のため、地域産業保健センターが担うべき役割があるのではないか。
・有機溶剤による急性中毒は事故であって、健康管理をすることでなくなるものではない。
・構内下請事業場については、親企業の責任で安全管理、衛生管理をさせてはどうか。(安衛法の改正を含め)。
・中小企業の対策を検討する場合、労働者だけでなく事業主とその家族のことも考える必要がある。

照会先;労働基準局安全衛生部労働衛生課
産業保健班
 依田、奥野(内線5495)



審議会へ 戻る