中央職業能力開発審議会第184回総会議事録
日時平成12年5月22日(月)10:00〜12:00
場所労働省省議室
議題(1)「ものづくり基盤技術基本計画案について(諮問)」
(2)その他
配布資料bP−1 ものづくり基盤技術基本計画(案)について(諮問文)
bP−2 ものづくり基盤技術基本計画について
bP−3 ものづくり基盤技術基本計画(案)の概要
bQ 「ものづくり懇談会」提言
bR 「ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策」の策定について
bS 教育訓練給付制度について
bT 中央職業能力開発審議会委員名簿
bU 中央職業能力開発審議会部会委員名簿
出席委員学識経験者尾高煌之助
小池 和男
早川宗八郎
 労働者代表市川 清美
小栗 啓豊
平山 和雄
堀口 雅行
 事業主代表青山 伸悦
小嶋 隆善
讃井 暢子
杉山 幸一

(会長)
 ただいまより中央職業能力開発審議会、第184回総会を開催いたします。
 今日の議題は基本的には1つで、あとは「その他」であります。その1つは、前回も申しましたように「ものづくり基盤技術基本計画案について」であります。事務局から説明をお願いいたします。

(事務局)
 いまお話がありましたように、「ものづくり基盤技術基本計画案」の諮問についてが第1の議題であります。これに関連した配付資料として、資料bP−1の諮問文とともに、計画案本体を配付しています。
 もともとこの計画案はいかなるものか、まず資料bP−2をご覧ください。これについては、99年3月、「ものづくり基盤技術振興基本法」というものが成立しておりまして、昨年の6月から施行されています。この法律に基づき、ものづくり基盤技術に関する施策を総合的、かつ計画的に推進する。政府は「ものづくり基盤技術基本計画」を策定して国会に報告し、概要の公表を行うこととされています。
 本日諮問しますのは、この「ものづくり基盤技術基本計画について」であります。この計画については2の下のほうに書いてありますが、政府全体として取りまとめるということであります。とりわけ文部省、通産省、労働省の3省が策定事務を担当しています。労働省の担当分として、本日、職業能力開発審議会に諮問するわけでございます。
 そのほか、3省共通の懇談会として、「ものづくり基盤技術基本計画懇談会」というものを設けております。これについては3月29日にご議論いただき、先週、5月19日に一応了承をいただいているところです。
 この計画ですが、全体像について資料1−3をご覧ください。最近のものづくりをめぐる現状を見ると、非常に厳しい状況にあります。もともと、ものづくりの基盤技術というのは日本経済の屋台骨であり、ものづくりの基盤は人にある、という基本があるわけです。しかし、最近の傾向として、経済が多様かつ構造的に変化しております。それに伴い、若年者を中心として、ものづくり離れということがかなり出てきているわけです。また、熟練技能者の高齢化といった状況も出ています。片や、産業全体として見ると、やはり地域における産業集積が海外との争いで、非常に空洞化してくるのではないかという懸念も出てきているわけです。
 こういった結果として、国内総生産に占める製造業の割合が低下している。あるいは、ものづくり基盤技術の継承が困難となっている。こういった事態が生じているわけです。やはり、日本の屋台骨であるものづくり、かつその基盤である人をどうするかということを考えていかなければならない。
 そこで、基本的な方針として、ものづくり基盤技術に関する能力を尊重する気運の醸成、あるいはものづくり基盤技術の積極的振興、さらにはものづくり基盤技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的推進が必要であるとなっています。
 ものづくり基盤技術の振興に関する施策として、右側にあるように4つ、その他も合わせると5つの柱を建てています。第1が「ものづくり基盤技術の研究開発」です。基盤技術の研究開発の推進ということで、国の研究開発制度における中小企業への支出等を中心としたもの、さらには技術、技能の客観化、マニュアル化といったことをやっています。また、高度化の観点からも、ものづくり事業者と大学との連携が不可欠であります。
 第2の柱として、「ものづくり労働者の確保等」があります。これについてはのちほど、また詳しく申し上げます。
 第3の柱が「ものづくり基盤産業の育成」、とりわけ産業集積の推進であります。こういった集積地域について、技術の高度化、新分野の進出ということをしながら、集積の高度化を施策として打ち出しています。さらには、ものづくりを支える企業というのは主として中小企業であるという観点から、中小企業の育成ということで、地域における公設の試験場、大学、中核的支援機関といったものの連携のもとに中小企業を育成していく。経営革新も同時に図るということを挙げています。
 4つ目が「ものづくり基盤技術に係る学習の振興」です。若者のものづくり離れが言われていますので、やはり学校教育の段階からものづくりに親しむという教育を行って、意識をものづくりに向けていくということが必要であります。そういった観点から、小、中、高等学校におけるものづくりの体験的な学習の充実、また、大学や高等専門学校においても少し実践的な教育を充実していただく。あるいは、ものづくり技術者への技術のリフレッシュ教育の推進といったものを挙げています。そのほか、ものづくりに係る生涯学習の振興を挙げています。
 その他として、情報技術を活用した新経営モデルの研究・構築や普及啓発といったものが挙がっています。こういった各般の施策を総合的、かつ計画的に推進していくのがものづくり基盤の法律、あるいはそれに基づく計画の意図です。
 これを踏まえて、2つ目の柱、「ものづくり労働者の確保」というものについて今日諮問をいたします。この内容については、1−1の諮問文、別紙をお開きください。具体的には、6頁からご覧いただきたいと思います。ここがものづくり労働者の確保に関する事項、労働関係の部門であります。これは3節に分かれていて、第1節が「失業の予防その他雇用の安定」、第2節が「職業能力の開発及び向上」、第3節が「能力の適正な評価(職場環境の整備)改善等」となっています。
 第1節、「失業の予防その他雇用の安定」というのは必ずしも能力開発というわけではありません。関連した部分として、例えば5つ目、「技能を活用した地域雇用開発等の推進」とあります。これは製造業が集積している地域、こういった所が先ほどお話しましたように、海外との競争で非常に厳しい状況に置かれているというわけです。しかしながら、こういった技能が集積している地域において、技能の継承・発展には、そういった技能を活かした新しい事業展開による雇用機会の創出、人材育成の取組みということが必要であります。そういうことを通して、ものづくり労働者の雇用の安定を図ることが、技能に関連しますが安定の部分、雇用の部分で書かれています。
 さらに、6番目も非常に重要なことだと思います。若年者のものづくり離れが言われる中で、ものづくりの重要性を含めた、職業意識の啓発を図る。具体的には、在学中からセミナーや職場見学を実施するとか、インターンシップの導入を図るといったことが考えられるわけであります。雇用関係のところで、能力開発に特に関連するのは以上のような事項です。
 次に本体、第2節、「職業能力の開発及び向上」であります。これについては5項目を挙げています。第1が「産学官の連携による人材育成の推進」です。地域の特性に応じて、いろいろなニーズに応じた能力開発をしていく必要があるわけです。とりわけ、産学官の連携による育成システムを構築し、ここが基盤となって、教育訓練機会の開発・整備、人材ニーズに応じた最適な教育訓練コースを作るなり、機会の提供といったことをやっていくことが必要ではないかということを第1に書いております。
 第2に「公共職業訓練の推進」であります。やはり、公共訓練というものがものづくり基盤振興ということで大きな役割を果たすのは当然であります。特に、産業構造の転換や技術革新など、公共訓練もそういった変化に的確に対応してやっていくことが重要であります。このため、やり方としては特に、前回のご議論を踏まえて事業主団体などと連携し、情報技術化への対応も図る。ここを明確にして入れています。そういうことをしながら、ものづくり労働者の技能向上を図るための訓練、さらに今後のものづくりを担う者を要請するための職業訓練を訓練ニーズに応じ、公共訓練施設、能力開発施設で積極的に推進する。「訓練ニーズに応じて、公共職業能力開発施設で積極的に推進」というところは、特に前回のご議論を踏まえ、重点的に書いた部分であります。
 当然、公共と並んで、事業主が行う職業能力開発が極めて重要なことは言うまでもありません。そこで、事業主が行う職業能力開発が効果的に推進されるよう、必要な情報提供や相談援助の充実ということが重要です。また、中小企業事業主に対する助成というものも行っていくことが書かれています。
 労働者も自発的に職業能力を開発していく、ということが必要です。そういったことをプッシュしていくために、教育訓練給付金を効果的に活用するなり、自発的な職業能力の開発、向上のための時間の確保といったことを進めていくことが必要であろう。こういったことを書いております。
 5番目に、ものづくり人材育成のための大学、いわゆる「ものづくり大学」です。これについては来年の開校を目指しているのですが、その取組みを支援するとともに、人材育成機能の積極的活用を図るという形で書いております。以上が第2節、「職業能力の開発及び向上」です。
 第3節ですが、「ものづくりに関する能力の適正な評価、職場環境の整備改善等」という項目です。これは4つに分かれます。まず第1に、「職業能力評価制度の整備」です。やはりものづくりを推進するためには、ものづくり労働者の職業能力の公正な評価が必要ですので、技能検定が適正に運営、それから民間の職業能力検定、こういったものを一定基準に基づいて認定していき、できるだけ幅広く、職業能力評価を適正にやっていく仕組みを作る。
 2番目に、「技能の尊重気運の醸成」ということです。個々の政策をきちんとやっていくことはもちろん必要ですが、技能について社会的な評価を高めていくことが、全体の政策と相まって、非常に重要な核になります。そういう意味で、広く国民がものづくり労働者の技能について重要性を理解していただく。あるいは、熟練労働者が尊重される社会を作っていくことが必要である。そのためのやり方としては、卓越した技能を有する方の表彰ということも当然あります。また、技能競技大会や技能展ということをどんどんやって、技能者に努力目標を与える。また、国民一般がそのような技能展等を通じて、技能に身近に触れる機会を提供する。技能や熟練技能者が尊重され、適切に処遇されるための気運の醸成に努める。この「技能や熟練技能者が尊重され、適切に処遇されるための気運の醸成に努める」の部分は強調して書いています。
 それから、「さらに」のあと、「卓越したものづくり能力を有する個人及び企業を対象とする、内閣総理大臣賞を創設するものとする」とあります。これはあとで簡単に触れますが、「ものづくり懇談会」というものがあります。これは平成12年5月16日から、総理のご提言により生まれたものであります。もともと、いろいろな事故が相次ぎましたので、やはりものづくり基盤は安全衛生面からきちんと取り組まないと大変なことになる。そのような問題意識のもとにできた懇談会であります。
 先週、5月16日に一応懇談会の報告というものが出ました。その中で、卓越した能力を有する個人、企業を対象とする内閣総理大臣賞ということが提言の中に書かれています。その提言を踏まえて、本日お出しした基本計画の中でも総理大臣賞というものを入れているわけです。そのほか、教育現場においても、ものづくりの楽しさ、素晴らしさを若い人に味わってもらい、認識してもらうための施策の推進を謳っています。こういったことを通して、調整を総合的に図っていきたいというのが2番目の趣旨であります。
 3番目に「熟練ものづくり労働者の活用」です。熟練技能の継承が次第に困難になりつつある現状です。特に高品質、高精度の作品を作り出すことができる高度熟練者の方については、熟練技能の内容、技能習得のプロセスといったものの情報を収集し、広く提供する。そういうことによって、それを模範にして技能訓練を積んでいただく。あるいは、場合によっては機械化、技術化ということも出てくると思います。
 それだけでなく、やはり折角の能力をお持ちなわけですから、実技指導等の場を確保して、高度熟練技能者の方の能力の積極的な活用を図ったり、あるいは労働者の製作した製品について、労働者の名前を明記する。やはり、このような優れた熟練工の方がいてできた製品であることを明記することによって、熟練技能を継承することにも役立つと思います。それを明記することについて、企業が取組みを働きかけることを書いています。
 その他、4番目は「職場環境の改善その他福祉の増進」です。ものづくり労働者のモラルの向上、職場の活性化、快適な職場づくり、あるいは安心して生活し、ゆとりと豊かさを実現できる。こういった社会ないし職場づくりにおいて、各般の施策を講じていく必要があることを書いています。
 以上が「ものづくり基盤技術基本計画」の概要です。以上のような点でよろしいかどうか、お諮りする次第です。

(会長)
 どうもありがとうございました。ただいまのご説明について、ご質問、ご意見があればどうぞ。どの点からでも結構です。

(事務局)
 資料2、「ものづくり懇談会提言」に総理大臣賞のことが書いてありますので、関連して申し上げます。平成12年5月16日、先週の火曜日に報告が出たものです。
 1頁、「はじめに」とあります。これは先ほどちょっと申しましたが、90年代最後の年である昨年、99年に宇宙開発、原子力安全管理、鉄道保安等の分野で相次いで事故が発生した。やはり、これは我が国のものづくり産業が大きな問題を抱えているのではないか。国際競争力に重大な問題を提起しかねない、といった考え方であります。
 その反省に立って、ものづくり能力というものを真剣にどうしていくかを考える必要がある。そこで(2)、小渕前内閣総理大臣の直接の指示のもとに懇談会が招集されたわけです。昨年12月から議論を重ね、提言としてまとめられたというものです。内容自体、ものづくり全体について基本的な哲学、あり方にかなり踏み込んで書いています。
 とりわけ、能力開発に関連したものとして、19頁、20頁というところを見ていただきたいと思います。19頁に「ものづくり能力の開発促進」ということが書かれています。特に、ものづくり大学における専門的人材の育成、教育訓練コースの開発ということで、産学官が一体となっていろいろな教育訓練コースを開発すべきということが書かれています。
 また、20頁を見ると、いちばん下に(3)とあります。「ものづくりに脚光を与える内閣総理大臣賞の創設」と書かれています。やはり、ものづくりが日本を支える屋台骨である。そういうことからすると、ベスト・プラクティスの拡大、普及を図るため、内閣総理大臣賞等の創設や広報活動の積極的な推進を行うこととしています。その意味で、卓越した能力を有する方と企業を対象とする内閣総理大臣賞、さらに広報活動の積極的推進というような事項が書かれています。
 これを踏まえて、計画の中にもこういった事項を盛り込んでいるわけですが、詳しい説明は省略させていただきます。以上です。

(会長)
 どうもありがとうございました。ご質問、ご意見があればどうぞ。

(委員)
 ものづくり大学ができるということは、私も大変歓迎いたします。ただ、ものづくり大学と、いま雇用能力開発機構で行っている能力開発大学校、あるいは短大等の教育との関係というのは、労働省としてどのようにお考えなのでしょうか。
 というのは、ものづくり大学が将来、その方面の人材育成の中核になってくるとすると、ものづくり大学というのは差し当たっては建築と機械だけであります。ところが、ほかにも電気など、いろいろなものがあるわけです。そのときに、現在、能力開発大学校等の教育は専門学校等の中で意識しようとするのか、あるいは公共職業訓練施設という項で意識するのか。あるいは、ものづくり大学等との連携で意識するのか。ベクトルは大変近いところにあると思います。その辺の関係として、どう意識したらいいのでしょうか。
 懇談会のほうの答申でも、それから今日基本計画をお作りいただいているわけです。その趣旨には、基本的には反対ではありません。位置づけをどのようにお考えなのか、聞かざるを得ないかなという感じを持っています。いかがでしょうか。

(事務局)
 委員のお尋ねの点、ごもっともであります。今回のものづくり大学については、ご案内のように、確かに労働省としてバックアップをするつもりですし、財政的な援助もすることで考えています。ただ、どこまでも私立の大学として、民間発意で作ろう。その動きの中で、労働行政の目から見てどう考えるか。
 例えば同様のものとして、実は労働省としては産業医学の関係で、九州に産医大がありますが、ここは産業医学の振興なり、産業医をたくさん作るという観点から全面的に応援しております。それと同じような感じで、私立の大学ではありますが、ものづくりに関連して新しいタイプの教育を試みたい。言わば、技能と技術を融合して、新しいタイプの教育を試みたい。そこに着目して、応援をしようということでやっています。現在、能力開発機構のほうで行っている、あるいはもちろん都道府県が行い得る、能力開発法上の高度な課程という意味の応用課程なり専門課程、現実の姿としては「○○大学校」なり短期大学の部分があるわけです。
 これらのどこがどう違うのか、というのはごもっともな疑問だと思います。能力開発の立場から見ると、技能や技術といった辺りのかかわりというのは、法律の上では必ずしも明確ではない。もともと公共の能力開発施設として、1つには一般の学校教育の中ではなかなか供給しにくい人材、実はここの焦点がボケているのかもしれません。しかし、どこまでも法律を楯に取ると、片や学校教育法があるわけですので学校教育では得られない人材、それから従来、長年の間、大企業等では自らでも養成できるけれども、多くの中小企業では共同してももちろん作れるという意味の認定訓練関係がありますが、やはり外から供給してもらう必要があるだろう。そういう人材というイメージを描いて、それを作るのが公共の能力開発施設である。
 もちろん、ほかにも離転職者の問題等があります。ただ、いま委員がお尋ねの点は、おそらく長期課程の応用課程なり専門課程が中心だろうと思うので、あえて申し上げます。やはり、学校教育との棲分けが本来的には行われている。今回のものはどこまでも学校教育の一環です。ただ、学校教育の中でも、実はいろいろな反省というか、ご議論がある中で、従来の学校教育の中ではかなり特徴あることをやろうというのが、このものづくり大学だろうと思います。
 縷々述べましたが、公共の能力開発施設の側も、あるいは大学を中心とする学校教育の側もお互いに見直しが迫られている。お互いに反省と新しい展開を求めているものですから、結果としてちょっと重なって、わかりにくいというところがあろうかと思います。私どもとしてはそれぞれ、依って立つ立場が本来的には違うことは踏まえつつも、それぞれが発展する形で求めるのは当分の間、それはいいことではないかと思っています。

(委員)
 ベクトルは非常に近いわけです。昔ははっきり、片や学術文化というような目的で、片や実践技術というところを目標にしていくということで、ベクトルが相当近くなった。現在の大学の工学部など、もっと職業教育をやらなければいけないということをやっていますし、ものづくり大学ができるのもそのような傾向だろうと思います。
 そうすると、内容がだんだん似てきてしまうわけです。そういった意味では、これからお互いにうまく協力をしていくことを是非意識していただければと思っています。何しろ、労働省の能力開発としては非常に大きな内容と歴史、成果とを踏まえているわけですので、是非よろしくお願いしたいと思います。

(会長)
 いまの点でも、ほかの点でも結構ですが、よろしいですか。今日の「基本計画実施案」は大変一般的な書き方で、問題点を出しにくいこともおありかと思います。非常に一般的な書き方のものは前回もお示ししましたし、皆様のご意見を入れてかなり文言は変えてあるようです。それはそれとして、この際、これに関連して、議事録に残しておきたいというご発言でももちろん結構ですから、何かご意見がありましたらお願いします。
 なお、私の理解する範囲ではこの法律は議員立法で、いままでにない例とのことです。3省にまたがるために、審議会のご意見を伺うのはここだけと伺っています。どうぞ、訂正という意味ではなくて、これに関連したコメントなりご意見があればお願いします。

(委員)
 特定の業種に限定されている法律ということだったのですが、この提言はそうは言っても一般的に、いま読み上げられた点も含めて、全体的な問題を網羅しているわけです。そういう点では大いに結構なことです。私どもの関係で言うと、「職業能力開発の推進」という項があります。この分野には私どもも非常に深い関係があるわけです。
 率直に申し上げて、中小事業主の体力の低下が非常に深刻である。私どもの関係する短期大学校などを見ると、若い人の応募はかなりあるわけです。問題は若い人の就職先というか、受け入れ事業主というのがなかなか大変である。大体、学校関係者の役職員の事業主が、専ら犠牲的精神で引き受けている部分がかなりあると言われています。自分のところで育てて、勉強もしてもらって、技能者として役立ってもらうというのが本来の趣旨ですが、そういう点で言うと体力の低下はなかなか厳しい。もちろん、全体の受注減ということもありますが、全体の環境が悪いわけです。いままでも一定のご支援をいただいているわけですが、さらにこういう提言を受けながら、踏み込んだ角度から施策の検討を進めてほしいと常々思っていますので、関連して一言申し上げました。

(事務局)
 いま委員がおっしゃったことは、結果として、中小企業が団体等で作っておられる認定訓練施設の関係のことだと思います。実はいま、認定訓練関係はものすごい数になっていますが、かなりの部分が建設業関係です。認定訓練の問題については、ものの言い方が悪いのですが、いわゆる在来型と言うと変ですけれども、そういうところでは今でも割とうまくいっているのではないかと思っています。つまり背伸びをしていない。
 ただ、私どもの耳に入ってくるのは、これは県が主体でやっていますので、必ずしも十分な状況を把握しているかどうか、心もとない点がございます。私どもの耳に聞こえてきているのは、高度化をしてしまったタイプ、つまり「短期大学校等」ですが、これも昔から言っているところもあるのですが、先ほども出たお話で置き換えると、ここ何年かで長期の専門課程を設けているようなところで若干背伸びになっているのではないか。いまも例としてお話されたように、作ったところでやむを得ず卒業生を引き受けるとか、あるいはそれもままならなくなってしまうとか、本来の認定訓練のあり方から見ていかがかという点が若干耳に入ってきています。
 ただ、従来から中小企業を中心として、一社限りではなかなか持てない。本来のニーズをよく見極めた上で、外の機関に頼るのではなく、やはりある地域、業界なりの特徴ある需要に基づいて教育なり訓練をやろうということなので、本来の精神に立ち返ると、なお伸びていっていただきたいというのが基本です。
 この点については今後の政策ともかかわってきますが、私どもとしては認定訓練施設、認定訓練機関について、それはそれとしての発展をなお目指していただきます。併せて、その際、公共の能力開発施設も直接の企業連携、業界連携だけではなくて、認定訓練施設を経営しているという団体との連携等をうまく図っていく。今でもやっているところはやっているのですが、さらにバックアップできるようなやり方はないのか。いろいろな形のものが連携を取り合っていければと思っています。
 公共の能力開発施設との関係で申し上げますと、もちろん中小企業に限定するわけではありませんが、主として中小企業の人づくりについて、今後さらに積極的な役割が果たせないだろうか。訓練を直接実施するという意味だけではなくて、いろいろな形で提携しつつ、公共の能力開発施設がソフト面も含めてさらなる役割を果たせないだろうか。できればいろいろなご意見を承りつつ、今後の新政策に活かしていければと思っています。

(会長)
 よろしいですか。

(委員)
 結構です。

(会長)
 いまの点でも、ほかの点でも何かありますか。これは前回もいろいろご議論をいただきましたし、いろいろな省に関係するものですから、もしよろしければ「ものづくり基盤技術基本計画案」について、妥当であると答申してよろしいでしょうか。

(異議なし)

(会長)
 どうもありがとうございました。

(事務局)
 いま、答申文をお配りいたします。

(答申文配付)

(事務局)
 平成12年5月22日付、労働省発第16号をもって諮問のあった、「ものづくり基盤技術基本計画(案)」について下記のとおり答申する。
 記.「ものづくり基盤技術基本計画(案)」は妥当なものと認める。以上です。

(会長)
 どうもありがとうございました。次に、「その他」の項について、事務局から説明いただく項があるそうですのでお願いします。

(事務局)
 配付資料をいくつか配っています。資料bRをご覧いただきたいと思います。「ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策の策定について」でございます。
 ご承知のように、いま雇用情勢は非常に厳しい状況にあります。3月時点の完全失業率が4.9%、完全失業者が349万人、求人倍率が0.53という数字で、過去最高水準になるなど、厳しい状況にあるわけです。今後とも、当面は厳しい状況が続くと考えられるわけです。しかし、やや上向きという傾向も出ております。企業からの求人が増加しつつあって、遠からず改善の兆しが現れるのではないかと期待しているところであります。
 特に重要なのは、情報通信技術や介護関連の分野では今後成長が見込まれますので、必要な人材を早期に育成し、就職促進を図るという観点が極めて重要だろう。その見地から、今般、「ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策」というものをまとめたわけです。以下述べるような対策ですが、今後1年間、集中的に実施して、雇用の回復が景気の回復に併せて進んでいくようにということを目指しているわけです。
 中身については、次の頁の「ポイント」をご覧ください。いま申し上げたように、特に情報通信技術や介護関連の分野において就職に結びつけよう。そういうことを中心として、ミスマッチ解消を行おうというのが重点です。
 第1に「能力開発」が出てきています。成長分野に重点を置いた就職促進の一環であります。職業訓練を拡大し、働く人すべてのIT化対応の促進と就職の促進を図ろうというものです。具体的には専修・各種学校との連携の強化、あるいは夜間コースの開設による情報通信等の訓練コースの拡充強化があります。2番目として短期コースの開設、また複合型受講制度の創設等により、情報通信や介護関連分野の職業訓練の拡大を図っていこう。
 それから、訓練受講者の就職の促進であります。昨年6月、「新規・成長分野雇用創出特別奨励金」というものが緊急雇用対策時にできています。この要件を緩和し、特に職業訓練受講者を加えようとするものです。
 いまの点とも重なりますが、いまの2つ目の○、「奨励金の抜本的拡充」です。非自発的離職者以外に、いま申し上げた訓練受講者、さらには学卒未就職者が非常に多いという状況を踏まえ、学卒未就職者も「雇用創出特別奨励金」の対象とする。それから、いままで30歳以上60歳未満の方に限って奨励金を出していましたが、30歳未満、若年者も含めて対象に加える。それから、支給額を一律70万円増額という内容の改正を行い、ミスマッチ解消を進めていこうというものです。
 第2番目に「雇用機会創出支援対策等の強化」です。この点は直接能力開発ではありません。中小企業労働力確保法、あるいは介護労働者法に基づく支援措置を通して、中小企業等の労働者の雇入れを進めていこうというものです。
 3番目に「学卒未就職者対策の強化」ということで、学卒未就職者に対する事業主や民間教育訓練機関への委託訓練を積極的にやっていこう。それから、学卒未就職者の方の採用後の能力開発を支援していく。具体的には、こういった方を雇った場合に助成金の対象としていくという考えです。
 そのほか、雇用関係で「雇用維持、非自発的失業者対策の強化」があります。特に完全失業率が5%以上になった場合、「緊急雇用創出特別奨励金の全国発動」を行っていこう、ということが予め書かれています。現在4.9ですが、仮に5%を超えればこういった全国発動を考えたい。
 そのほか、「賃金労働条件、年齢間のミスマッチの解消策」、これは労働力需給調整機能の強化ということです。雇用保険制度の改革によるセイフティ・ネットの確立等が挙げられています。
 この緊急雇用対策の意味ですが、類似の緊急対策を打ってきています。これは昨年6月、70万人を上回る規模を対象とした雇用・就業機会の増大ということで打ち出していて、13年度末までで70万人を上回る予定であります。今回の緊急対策はこのうち、少なくとも35万人程度を1年間において生み出そうということで、とりわけ集中的にミスマッチ対策を中心として打ち出したという性格のものです。
 以上のような措置を1カ月以内に措置する、ということで進めていきたい。これが緊急雇用対策の策定です。以上です。

(会長)
 どうもありがとうございました。何か、ご質問なりご意見はありませんでしょうか。特にないようでしたら、もし用意があれば、ほかの説明はありますか。

(事務局)
 いまの点を補足すると、次の頁に「雇用就業機会の増大数」ということで、この1年間の内訳を書いています。今回35万人と申しましたのは、2の「雇用創出」です。これを足し合わせると、中小労確法で10万人、介護分野で3万人、公的部門における臨時応急の雇用創出で15万人、成長分野で7万人、これを合計したものが35万人ということでございます。
 これ以外に、先ほど申しましたような、離転職者に対するミスマッチ対策としての職業訓練の受講者数を14万人強と予定しています。うち、3.5万人程度がIT関係と考えていて、今年度においてもかなりの規模の能力開発を進めていきたいと考えています。以上がミスマッチ対策の補足でした。

(会長)
 どうもありがとうございました。それでは、いま説明のあった資料以外でも、一般能力開発施策を含めて、ご意見がありましたらどうぞお願いします。

(委員)
 雇用創出計画の35万人に関係して、前に説明を聞いたかどうかわからないのですが、3に「公的部門における臨時応急の雇用創出15万人」というコメントがあります。これはイメージとしてはどのようなものなのでしょうか。

(事務局)
 各都道府県に交付金というものを積増ししております。公共事業など、いろいろ都道府県は持っていますが、各都道府県が雇用拡大のための計画を作り、そういうものを流していく。それは市町村なども対象なのですが、公共事業などを流して失業者を吸収していただくという事業を昨年からやっています。これによって、15万人を生み出そうという計画です。
 これについては、市町村などが創意工夫して、いろいろな事業をやっていただく。例えば縄文時代の遺跡発掘とか、いろいろありますが、工夫をして仕事を出していただく。そこで雇用吸収を図って、雇用創出をしてもらう。こういうお金を都道府県は積んでいます。ですから、これは国というより、都道府県の裁量でいろいろやっていただくということで積み増しています。そこで、15万人を賄おうという性格のものです。

(委員)
 都道府県が裁量でやっていくということですが、より基礎的な自治体というか、市町村などは直接タッチすることはないわけですか。

(事務局)
 ですから、計画は都道府県ごとに作りますが、実際に事業を発注したりするのは市町村が出してやっていくということです。もちろん都道府県もありますが、地域全体でやっていくというのが考え方です。

(会長)
 いまの点でも、ほかの点でも結構ですが、何かありますか。

(委員)
 「離転職者に対する職業訓練」で、14万人のうち、IT関係が3.5万人ということでした。いわゆる非自発的な離職者というか、問題となるのはある程度年齢の高い方ではないかと思います。このIT関係3.5万人というのは、どのような層をターゲットにしたものなのでしょうか。

(事務局)
 IT関係を全部集めたものですので、何も自発や非自発に関係なく、レベルの高いものもあれば通常のものもあります。関連ものとして、訓練計画をその程度やっていくということです。

(会長)
 訓練の期間や場所はよろしいですか。

(事務局)
 いま、委員のお尋ねの点ですが、資料の最初の頁をご覧ください。1のすぐ下に、「職業訓練の拡大による、働く人すべてのIT化対応の促進と就職の促進」とあります。
 14万人の内訳はいま申し上げたとおりですが、そのうち、主としてどういう人を対象に考えているのかということだろうと思います。IT化対応というとき、訓練内容そのものの問題として、何がIT対応なのか、ということもいろいろあろうかと思います。現在、「IT革命」なる言い方で言われるときに、産業政策的な言い方ではいろいろな論評が試みられたり、話が出されています。ただ、労働問題、あるいは雇用の問題として言われるときは、多分に抽象的な議論になっているかと思います。
 産業的によく、IT革命の例として言われるのが、おそらくEコマースという現象であったりするわけです。ただ、中身を見ると、誰が何をすることをもってIT革命と言っているか。事業活動ベースではよく出てくるのです。よくアメリカ事情だということで伝えられたり、あるいはアメリカでどれだけの数が足らないという話等も伝えられてきます。
 IT革命によって働き方が変わってくる、という目で着目すると、アメリカ的にもよく言われ、グリーンスパンも演説で言っていたようですが、小売店の販売従事者の仕事自体も明らかに変わってくる。外を回る人ならモバイルの機器を持ち、中でもオンラインの端末を操作して売上げ等の記録を取る。IT革命によって、事業のあり方も違ってきたし、人の仕事の仕方も違ってきた。何も高度なソフトを組んだり、コンピュータそのものを作ったりということだけがIT化ではないはずと私どもは考えています。
 今回、IT化対応というとき、実はこれは緊急対策的なものなのです。いまは非常に変化の激しい時代なので、本当の中長期に見てということはいかがかと思いますが、それにしてもこの何カ月でとか、非常に短い期間で見る見方ではなくて、もう少し腰を落ち着けてやるべき部分、それが実はIT対応だろうと思います。当面するところでも、現実に失業率の状況、あるいはミスマッチという状況を見ると何か対応したい。
 ここで考えていますのは、中高年の方を含め、とにかくコンピュータをいじったことのない人、アレルギーを感じておられる方も多い。先ほど申し上げたように、パソコンを使う、あるいはモバイルのものを使うといっても、びっくりするほど高度でないものも含めて、触ったことのない方、あるいは少ししかできない方にとっては大きなネックになっている。もちろん、一方で、本来の情報処理技術等の部分もやるわけですが、主として大幅に拡大したいと思っているのは、パソコンそのものとしてはそれほど高度でなくても、各職場ではそれがある程度ないと困るというものは、やったことがない人にはできるだけ覚えていただこうということです。
 したがって、これはえんえんたる教育訓練でなくてもいい場合もあり得る。場合によっては複合型、つまり従来的な仕事の内容そのもの、経理事務なら経理事務、あるいはマーケティングならマーケティングというように、本来部分は本来部分で教育訓練を受けていただきながら、人によってはパソコン部分が足らないではないかといえば、併せて訓練を受けていただく。そういうようなことも含めて、とにかくIT化に対応していこう。これは緊急対策なので、先々というか、あまりのんびりしたやり方はできないわけです。やや長い視点で見たときの対応については、別途、時間をかけるという意味ではなくて、別によく考えないといけないだろうと思っています。

(会長)
 よろしいですか。もしなければ、私個人の意見を申し上げます。今日の「ものづくり基盤技術基本計画」にも多少かかわりますが、それはもう答申をしたことですから、それとは別に発言します。
 今後の能力開発の重要な施策の1つは職業能力の評価です。それについての個人的な考えは何回かお話しました。ものづくりの基本計画の文言に表れているように、もちろん労働省の技能検定、それから民間機関、例えば委員のところがたくさんおやりのいろいろな検定の重要性は十分踏まえた上でのことですが、そういうものとプラスアルファの部分、両方をお考えいただくとありがたいというのが私の意見です。
 つまり、テストになじむような技能の評価のレベルでいけば、いま日本はおそらく、社長を別として、働く方一般の時間あたり賃金は世界最高の国の1つだと思います。アメリカよりもだいぶ高いと私は思っています。そこである程度生き延びていくためには競争力が必要です。その競争力を支えるのは、検定で測れる部分はもちろん大事なのですが、それだけではちょっと足りないのではないかというのが率直な印象です。
 プラスアルファというのは何かというと、基本的には職場でプラスアルファを身に付けた方々のものではないか。それがわかるというのは、職場での実務経験を広い意味で評価する。非常に曖昧なことですが、そういうことが割と大事ではないか。しかも、それは日本だけの事由で言っているのではなくて、ここでもちょっと言ったと思いますが、ILOの職業訓練の関係者の方々も、このごろは work based skill、つまり職場の実務経験に基づいた技能と company recognision 、会社がそれをどう認めて促進しようかというところに次第に動きつつある。
 それだけを言っているのではありません。是非、誤解しないようにお願いします。ただ、プラスアルファの部分をやっていくためには、霞ヶ関というのは1つの情報を作り、流通する機関なのです。何も「小渕懇談会」のことを言うわけではありません。ここに「ベスト・プラクティス」とありますが、何となく良さそうなケースを情報として調べて伝えていく。そのような格好の機能が割と大事ではないか。その上で、それを何らかの形で少しずつ広げていく。
 そういうことも含めた認定というか、バックアップというか、非常に曖昧な感想で恐縮です。要するに、いちばん言いたいことは車の両輪のように、テストになじむ部分とプラスアルファ、両方をやっていく必要があるのではないか。これは別に製造業に限りません。大変面倒な、どこの国もやっていないようなことですが、そのような職業評価制度を構想していただけるとありがたいと思います。どうも、抽象的なことで恐縮です。いまの点でも、ほかの点でも何かありませんでしょうか。

(委員)
 今回でなく、11日付でファックスをいただいたときには、議題の中に第7次能力開発基本計画の策定という部分が予め流されておりました。今回見たら、この議題が抜けておりました。前回の場合だと、各委員の名簿もこの中で配付されましたし、既に動いているのかなということもあります。
 この会議では、かなり重要な方向づけだと思います。第9次の雇用対策基本計画を見るとスパン10年で出されていますので、今回の第7次がどういう方向づけなのか。また、第7次を作るに当たって、第6次、この5年間の成果なり反省、あるいは積残しの部分の評価をどうされたのか。あるいは、第9次の雇用対策基本計画の部分でどれを取り入れて、21世紀への能力開発基本計画の中に大きな部分として盛り込んでいくのか、というのはおそらく議論されていると思います。その辺、中央能力開発審議会の中で、ただ単に諮問でなく、多少審議できるような場、あるいは協議できるような場も含めて、いままでの進捗状況も含めてお願いしたいと思います。
 また、今日のミスマッチを解消する緊急対策の中で、私も素晴らしいと思ったのは、失業者、在職者が複合的に受けられるという部分はいままでなかったと思います。ですから、これから在職者、あるいは離転職者のレベルに合わせて、複合的に受けられるようなシステムをもっともっと民間も活用して、開放できるようなシステムをこれから作っていくべきではないかと思うのです。ですから、そういう意見なども是非、この中で協議をしていただけるような、進捗状況も含めて、もしありましたらお願いしたいと思います。

(事務局)
 いま委員がおっしゃった点ですが、実は「今後の審議会の運営について」ということで、ほかのテーマが終わったらご提案しようと思っていたところなのです。ちょっと先走ってしまって恐縮です。
 例年ですと、今後の審議会の段取りというのは、おそらく8月上旬あたりに「概算要求について」ということでお集まりいただくことをご説明申し上げていたと思います。実は、基本計画の見直しの点がありました。従来ですと、基本計画も比較的期限切れ後に作るというか、今回のケースだと来年の3月、場合によっては5月ぐらいに最終的な決定を見る。
 実はこういう時勢なものですから、従来的なスケジュールということもあり得るのですが、私どもも先ほど会長からもご指摘のあった評価の仕組みなど、いろいろなことを検討していかないといけないだろうと考えています。場合によっては、そういう検討の中から法律を含む改正も出てき得る。
 そのような状況ですから、基本計画について、最終的な策定時期というのはさておいても、ご議論は始めていただかないといけないのではなかろうか。もちろん、本来だと私どもがある程度腹を決めて、何かをお示しするというやり方もあろうかと思います。
 その意味で、今回は8月上旬の審議会はそれとして、できればそれより前に、7月ぐらいに審議会を開いていただければと思っています。まだ、基本計画の議論と言えるほどかどうかは別として、形を決めるより従来のフォローアップ問題とか、テーマによっては予めご意見を承っておいたほうがいいこともあろうかと思います。実は今後の審議会の運営問題として、8月上旬よりも前の機会で、何かご議論をいただくような機会をセットさせていただければと、ひと区切りついたらお諮りしようと思っておりました。

(会長)
 いまの点、誤解があるといけませんので、情報としてお伝えします。もちろん、この審議会では、基本計画についてはかなりの回数をかけて議論してきました。いままでは総括部会、総括部会というのは正規にお入りの方も、そうでない方も出席できます。事実上全員なのです。そこで何回も何回も議論をしてきましたので、単に最後の諮問だけということはありません。その点、どうか誤解のないようにお願いします。
 ただ、皆様もご承知のような事情で、具体的な日程が必ずしもはっきりしない場合もあり得ます。そこで、いま事務局がお話くださったように、この審議会の次の会合を少し早目にということでした。その点について、事務局から何か説明はありますか。

(事務局)
 いま、お話があったように、従来は重点施策を7月下旬にやっていたのですが、できればそれより前の時点で、基本計画についてどのような検討を重ねていくのか、どういった項目を議論していくのか等についてご議論いただく機会を設けたいと考えています。

(会長)
 いまの点については、今後のこともございます。日程その他は事務的にいろいろ詰めていただくこととして、ほかに何かありますか。もしなければ、今日の審議会はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

照会先 厚生労働省 職業能力開発局
    総務課 政策計画・調整係(内線5959)


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