中央職業能力開発審議会第73回総括部会
日時 平成9年11月13日(木)10:00〜11:00
場所労働省省議室
議題 (1) 自発的な職業能力開発を行う労働者に対する費用面における支援制度について
(2) その他
配付資料 No.1 職業能力開発関係各種給付金の予算・実績の推移
出席委員
学識経験者 尾高部会長、小池会長、小宮山委 員、早川委員
労働者代表 柿崎委員、鈴木委員、久川委員
事業主代表 岩口委員、斎藤委員、野村委員( 代理 磯野氏)


(部会長)
 早速議事に入りたいと思います。今日は前回に引き続きまして、「自発的な能力開発を行う労働者に対する費用にかかわる支援制度」について議論をお願いいたします。まずそれに先立ちまして、事務局で資料を作成していただいておりますので、それをご説明いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(事務局)
 (資料No.1について説明)

(部会長)
 どうもありがとうございました。いまのご説明につきましてご質問等ございましたら、どうぞご自由にお願いします。中高年齢労働者受講奨励金はすごい伸びですね。何かございますか、格別なければ、後ほどでもまた言っていただくことにいたしまして、差し当たり次へまいりたいと思います。
 次に「自発的な職業能力開発を行う労働者に対する費用面における支援制度」が今日の中心課題ですが、この点についていままでのご議論を踏まえて、当総括部会としての考え方の取りまとめを今日はできればしたいと思っております。事務局より説明をお願いいたします。

(事務局)
 (資料読み上げ)

(部会長)
 どうもありがとうございました。それではご意見、ご質問等をお願いいたします。

(委員)
 ただいま事務局から出されましたまとめ案については、この間の数回にわたる議論の経過も踏まえたものですから、基本的には私たちは了解できるというふうに思います。そのことを前提にして、いくつか要望を申し上げたいと思います。1つは支援の対象となる中身におきまして、中期的なキャリア形成ということがあります。どういうものができるか、それは是非検討をいただければと思うのですが、中期的なキャリア形成とは一般的には段階的、あるいは体系的キャリアを目的にしているものだろうと思いますので、労働省としてこの中期的なキャリア形成としてのできれば指標などを示していただいて、その指標というものが企業なり、あるいは社会的に認知される、そういうような努力というものがこれから求められるのではないかと思いますので、これは是非ご検討をいただければと思います。
 2つ目は、いわゆる期間の問題ですが、イメージ的に言われている3カ月以上1年未満という期間のところで、通信教育的な部分というのは、おおむねこういうケースだろうと思います。しかし、民間の実例というのを私たちも十分把握できていないので、大変申し訳ないのですが、いくつかのところについてお聞きしてみますと、民間の場合については比較的短期間であるということです。ただ、その短期間というのは1週間、10日という期間ではございませんが、いわゆる3カ月よりももう少し短いと。したがって、これはこれからの中で議論、検討されるテーマだろうと思いますので、是非この辺についても配慮された幅広いカバーができるようなことをお願いしたいと思いますし、先ほども指定した範囲については、幅広くというふうに言われていますから、労働大臣が指定する訓練についても可能な限り、幅広くお願いができないだろうかと思っております。
 最後の問題で、本審議会での具体的な突っ込んだ議論ということにはならないということは十分わかっております。その上で、いわゆる水準の問題ですが、額、あるいは率の問題の部分については、雇用保険財政とのかかわりも当然出てくると思うのです。したがって、どの程度が常識的なのかということは、なかなか言うことはできないと思いますが、我々働く者の側としては、可能な限り本人の負担が軽減できる。例えば求職者も支給対象にしておりますので、そうしたことからすれば、本人の負担ができるだけ軽減できるような割合設定というものを是非雇用保険部会のほうに具申されることを特に要望し、以上3点のことについて意見と要望を労働側としてまとめてありますので報告いたします。以上です。

(部会長)
 ありがとうございました。いまのご意見に対して、何かございますか。1番目は、中長期的キャリア形成のイメージを労働省としても作ってほしいということです。それから期間については、書いてはありませんが、あまり短いものではなくて、3カ月から1年以内というようなことをこの間議論しました。それを短期なものも含むほうがいいのではないかと。水準については、できるだけ高いほうがいいというご意見です。いまのご意見に対するご意見ではなくても、他にご意見があればどうぞおっしゃってください。あとで取りまとめたいと思います。

(委員)
 前回までもいろいろ雇用保険の対象にならない人のことを申し上げてきましたが、前回までは例えば一旦家へ入って、また再就職するような人のことを申し上げたのですが、その他にいま特に女性の場合など非正規の従業員が増えています。派遣とかパートとか正規ではない場合に、当然雇用保険に入っていなければいけないとされている人でも入っていない場合が結構あるわけです。ですから、その辺りのチェックをもっと強めていただくとともに、再三申し上げるように、弱い立場にある人がこのことで、二重に不利にならないようなことを、是非雇用保険の制度を作る以上はある程度の枠組みは仕方がないと思うのですが、そこから本来漏れている人と漏れるはずではないのに漏れている人というのがあって、どうも働き方からするとその割合が増えていく懸念も私はあると思いますので、その辺をどういう形で救い上げていくのかということも是非別途というか、並行して検討していただきたいなということをお願いしたいと思います。

(部会長)
 ありがとうございました。いまのご意見に対して何かございますか。新しい制度の中身、あるいは運用に関するご指摘と根本的な問題です。どういうふうに扱うことをご希望なのでしょうか。

(委員)
 これは原則的に言えば、当然雇用保険に入るべきところが、漏れているのはなるべくそこをきちんと入るように、特に派遣の場合などはかなり入っていないケースが多いのです。そうすると、そこで割と使い捨的に便利に使われてしまうという可能性がかなりありまして、今度またネガティブリスト方式にまた派遣の拡大になりますと、ますますそういう働き方は増えていくと思うので、その辺りをきちんと入るように指導されるということが1つだと思います。一方では、これに当てはまらない人たちの能力開発のために、別に何か、いまもいろいろあるのでしょうが、その辺りをきちんと充実していくということと両方あると思います。

(部会長)
 雇用保険に入っておられる従業員の方々に対する政策が手厚くなればなるほど、今度は逆に雇用保険に入らない人をたくさん雇おうという人もあるかもしれませんね。そういうことに対するご心配ですね。これはご意見を労働省のほうにお伝えする程度でよろしいですか。

(委員)
 それ以上に何かできれば面白いのですが。いま取りまとめの場で、それ以上は難しいと思います。でもその辺りは強くお願いしておきます。

(事務局)
 特に、いわゆる本来適用になっている方の問題というのは、非常に大きな問題なのですが、特にこういういろいろな制度ができますと、いまおっしゃったように、ますます未適のままで不利になっていくという面もございますので、その点につきましては、私どものほうから雇用保険のほうにお話をしたいと思っております。

(部会長)
 雇用保険部会だけではなくて、もしできたら労働省の行政側としても言ってもいいのではないですか。

(事務局)
 審議会というよりも、行政のほうの対応になってくると思います。

(事務局)
 それからもう1点おっしゃいました主婦の再就職の時点での支援など、いまの雇用保険制度がそもそもカバーをしていない、そういう人たちをどうするかというのは、本当に大きな問題だと思うのです。主婦の再就職支援のためには、いろいろ実物給付というのでしょうか、サービスは努力をして充実してきていると思うのですが、再就職のための準備の講座とか、そういうものについては手当てがされつつあるというふうに思うのです。例えば、こういう新しい対策を作るときに、その人たちが結果として落ちると。これについては、来年からだと思いますが、労働省において主婦の再就職支援のあり方を検討する、そういう場を設けるというふうになっておりますので、その際、再就職に至るまでの間の自己啓発の促進策などについても検討していただくように考えたいと思います。

(委員)
 さきほどのご指摘の内容については、1つは特にパートなどの場合には、構造的な要因があるわけです。例えばいま雇用保険の3つの要素というのは、1年以上雇用が見込まれるもの、あるいは20時間以上、そして年収90万円。これは例えば一部地域の最賃をそれに適用した場合、働いていても90万にならない。あるいは非常に短時間だけれども高パートというか、知識パートというのは年収が500万円も600万円もあるけれども、20時間以上に達しないだとか、そういうような構造的な部分があるので、我々は違う審議会の中で、いま先生がご指摘されたような内容については、雇用保険部会のほうで、派遣だとか、あるいはパート問題については労働側としてはご発言していますので、是非そういうように相互の審議会の連携を図りつつ実現することに期待を申し上げます。

(部会長)
 ありがとうございました。いまの点について何かございますか。他にありますか。いまの点については、これはちょっと案ですが、本審議会のときに雇用保険の対象に現在ではなっていない方々についても配慮をする必要がある、というようなことが議論になったということを総括部会長が口頭で報告するという可能性を考えたらどうでしょうか。

(委員)
 部会長にお任せいたします。

(事務局)
 部会長のほうからもし、よろしければ本審の際にお願いします。

(部会長)
 ということで、労働省にお聞きいただく以外にそういう対処をしたらいかがかと思います。もしその時に発言が足りませんでしたら、補足をしていただきたいと思います。最初の問題はどういうふうに処理いたしましょうか。特に水準については、ここに書いてある以上何か言うのは難しいかと思いますが。

(事務局)
 これから今日おまとめいただきまして、中職審のほうでもご検討いただきまして、さらにまた具体的な要件はその後になると思いますので、それはまた当然私どものほうから、そういうご意見があったというのは十分お伝えしたいと思っております。ただ、具体的に決まるのはもう少し先になるのかなと思います。

(部会長)
 具体的なことはもっと先に議論する機会がまだあるわけですか。

(事務局)
 この場というよりも、いまのあれは具体的な制度の枠組みを作った後、実際に省令を作ったり、その要綱を作ったり、その段階の議論になると思いますが。

(部会長)
 雇用保険審議会との連携のこともあるから、今後のスケジュールをご紹介していただくほうがいいのではないですか。

(事務局)
 今日おまとめいただきまして、17日の総会でご了解いただくということになりましたら、その後雇用保険のほうへ私どもの審議会の意見を伝えまして、その後雇用保険のほうでは雇用保険部会を11月25日に開きまして、一応最終的な取りまとめはいまのところ12月8日ぐらいだと聞いておりますが、中職審としての取りまとめも目指しております。それで一応中職審としての報告書がまとまれば、その他の会合等の問題もあるのですが、雇用保険のほうでは具体的な法律改正案の作成、それで要綱の諮問という形を12月下旬か1月上旬には中職審のほうでお諮りしたいと。それでそれを下旬には中職審としても法律案要綱の諮問についてまとめたいということになっております。それでよろしければ、能力開発審議会のほうとしては、諮問された後の答申が出る前に、1度総会の場で雇用保険法の改正、特に自発的な能力開発に関する部分についてご説明申し上げまして、了承を得る機会を作って、その場でまたご意見をいただきたいと考えております。

(部会長)
 もちろんいま議論しても差し支えはないのですが、あまりはっきりしたことは今はわからないわけですよね。いま課長がおっしゃってくださったのは、あくまでもプランですが、そういうプランがあるということを背後にお考えいただいて、議論することが効率的かもしれません。あくまでもこれは自己啓発が基本だから、給付も高ければ高いほどいいというわけでもないという意見もあると思います。いかがですか。

(委員)
 部会長がおっしゃるとおりだと思います。ただ、この前もご説明があったように、例えば文部省の調査によると、あるいは労働省調査によると、教育訓練の費用の説明がありまして、したがって我々もだいたいそういうものが水準ではないかなと思います。ただし、それを全額ということにはならないだろうと思います。それはやはりこのいちばん最初に書いてあるように自助努力というものも必要だと。そしてそのことはおっしゃるとおりだと思います。ただ、求職などの場合があるもので、可能な限り本人も負担するけれども、本人の負担が生活、あるいは求職活動に負担のかからない、そういうような配慮というものを是非お願いしたいことが、先ほどの要望ですので、これから保険財政全体との整合性の中でご議論をいただければということが要望なのです。

(部会長)
 いま私が申しましたのは、個人的な意見ですが、よろしければ、そのとおり労働省に雇用保険部会のほうにも伝えていただきますが、それでよろしいですかという念を押したいためにそういうことを申しました。他の委員の方はよろしいですか。

(委員)
 いまの件と直接というよりも、自発的な能力開発ということについては、やはり自助努力と受益者負担という大原則がある。先ほど各種の能力開発の給付金の予算、実績の説明がございましたが、PRもあったと思いますが、思ったよりも中小企業で普及しつつあると思いました。やはり大事なことは、やはり大局的には中小企業に効果的な施策になるということを要望いたしたいと思います。

(委員)
 いまお話があった内容をある面では重複すると同時に、強化してほしいということで、中長期というのはキャリア形成の問題点について、必ずしも段階体系とか、中小企業にとって見た場合、1人1人がどういうふうな教育を受けたほうがいいのかという情報が十分に機能していないような気がするわけです。全体のイメージの中には、費用の問題、入学料、受講料ということで、現存の各種学校、専修学校、またはそれに準ずるようなところが頭のイメージの中にあると思うのです。多くの労働者はその事の状況ばかりではないだろうと思うのです。特に地方のほうに入っていった場合には、いま地域職業訓練施設等もあるわけですから、これらの有効活用の問題も含めて、何かの情報と同時に、それらの教育システムを形成しておかなければ、地方における各種学校、専修学校が進んでいる地方と、そうでない地方との問題があるわけです。したがって、情報面と同時に、その対策の問題をこれから力を入れてほしいということをお願い申し上げたいと同時に、1つ1つのキャリア形成の問題がわかるように、わかりやすいような相談機能を予算化してほしいというふうに思うところです。私は言葉がよくないので、勘弁していただきたいのですが、労働省らしいキャリア形成の問題は、いまヨーロッパ等ではかなり能力評価ということを通して展開しているわけですから、そういうふうなものを日本的に考えて対応していただきたいと思うわけです。
 もう1つは、中高年齢労働者等受講奨励金のいい点はたくさんあるかもしれませんが、欠点は資格ということで対応してきたわけですし、非常に評価したいと思うのですが、もう少し考え方を整理しなければ、また二の舞になっていくのではないかと。そのことが本当に将来のキャリア形成にどういうふうに担保されているのかということが、現存の問題として必ずしも十分でないこともあるわけですので、それらの反省の上に立って、キャリア形成については、一層情報を提供するようにしていただきたいとお願い申し上げます。

(部会長)
 ありがとうございました。いまそれぞれご意見がありましたが、それぞれについてどういうふうに我々として対応することをご希望ですか。この案はこの案として、それを前提としてご意見をいただいたものと承りましたが、私どもとしては、どういうふうにしましょうか。

(委員)
 例えばいつも審議会等の中には、段階、体系、中長期的なキャリア形成とか、OJTの日本が備えている体制の問題とか、言われているわけですが、それをある面では総括的にもっと研究会や何かで機能するように展開していただけないものだろうかと。
 1つは、いま中央能開協会等が行っている内容の問題があると思いますが、必ずしも十分ではないのです。または地方との能開協会との関係もあるわけですから、こことの連動の問題をどういうふうに整理されるのか、というふうなことを1つ1つひもといておかなければ、単に労働省が各種学校、専修学校の教育訓練に関する支援策を講じたということでは済まないような気がしてならないわけです。その点も含めながら問題を整理していただきたい。したがってキャリア形成というのは一体どうなのか、というふうな部会等の中でより具体的に、その実態も含めて知って、その問題に対して発言するような場面があってもしかるべきではないかと思うところです。

(部会長)
 そうすると、それぞれ違う面からのご発言ですが、その1つは中小企業における教育訓練が効果的に行われるようにということで、例えば情報の流れとか、あるいは制度の地域的な格差があるとすると、それを是正するというようなことについても我々として勉強する、あるいは行政のほうでもそういう点に勢いをつけていただきたい、ということをご指摘いただいたと思います。それから中高年については、欠点もあるかもしれない。その点を留意したほうがいいというご指摘がございました。今日の案は案としてお認めいただいて、いまご指摘の中小企業等にかかわる点については、今後この部会、あるいは審議会等で留意する機会を作る努力をする。あるいは行政側で何かサジェスチョンはありますか。

(事務局)
 キャリア形成についての情報提供とか、カウンセリング、あるいはそういう情報提供をカウンセリングするためのソフトの開発ということかと思うのです。まず体制については、各雇用促進センターに自己啓発を支援するコーナーというものを設けておりまして、そこで来所される労働者に対していろいろ情報提供をしたり、相談援助をするという体制を作らせていただいております。また、地方能力開発協会の窓口におきましても、「ADDS」という愛称で呼んでいるのですが、教育訓練についてのデータベースを持っておりまして、それを活用しながら個別の相談に応じるという体制は作っております。
 それからこの7月から錦糸町に事業開始をいたしましたアビリティガーデンの中でも、本格的なカウンセリングをやるということと併せて、そういったカウンセラー自体の養成もそこでやるということで、予算措置をし、これはこれから本格的にやろうということになっております。そういうことで、カウンセリングとか、情報提供もまったく手掛けていないということではなくて、それぞれ体制を作ってやりつつあるということはご報告させていただきたいと思います。それから、キャリア形成、キャリアカウンセリングについてのアドバイスというのは、基本的には個人個人、個々のそれまでの職業経験ですとか、関心事項、それに応じてカウンセリングするということだと思いますが、そういうカウンセリングは一般的な開発と併せて、もう少しいくつかのモデルとしての指標みたいなものが作れるかどうかというのは、これから勉強してみたいと、いまの話を聞いて思ったのです。

(委員)
 いまお話になられたようなことで、例えば雇用促進事業団のほうでは、50産業ぐらいの産業ごとの評価制度、OJTを中心としてやっているものにどういうふうに上積みするかというものの分析の提示をしていることは事実なのです。ところが、それが社会的にどういうふうに評価され、どういうふうに動き出すのかということがまだ十分ではないわけです。一方においては、能開協会との関係もあるわけですし、そういうふうな資格とは別問題として、評価の問題も年々変えています。それが一体世の中でどういうふうに認められていくのか。実際には、やっている者からすると、中高齢労働者等受講奨励金が著しく伸びたものも、そういうふうな相談機能が動いていることは事実ですが、もっと何か国の機関としての動きをとってもしかるべきではないかと。
 これは会長がよく言われております日本のOJTは優れているというものを、かなり分析させていただきまして、現場の第一戦の中小企業等なりの人が参加しながら、その体系の問題を作り上げているところです。その裏付けの問題についても、国の問題として整理される状況がなければ、広範にわたって大衆化しないような気がしてならないわけですので、その点も考えていただきたいと思います。

(事務局)
 もう1つおっしゃったこととの関連で、学習をしたことの結果をどういうふうに社会的に評価するか、それが労働市場で評価される、あるいは企業の中での処遇で評価されるということは、大変大事なことだと思うのです。それは資格を取得したということもあるでしょうし、あるいは資格取得という形ではない教育訓練ということもあると思いますが、いわゆる評価の問題については、私どもも次の大変大きな課題だというふうに認識しております。

(部会長)
 いかがでしょうか。いちばん最初の水準のことについては、求職活動に負担がかからない水準が望ましいというおまとめをいただきました。
 それからいま特に中小企業に対する訓練が効果的であるように一層努力をしたいというご指摘がございました。この2つのご意見については、先ほどのご意見と併せて、会長に口頭で部会長からそういう意見があったということをご報告するということにしたいと思いますが、いかがですか。

(異議なし)

(部会長)
 これも個人的な意見として、職業能力開発関係の各種の給付金の実態は、非常に素晴らしい努力を日本としてはしていると思いますが、これがどういうふうに我々審議会として評価できるかということについてもう少し主体的に審議会としても検討する機会があってもよろしいかと思います。そういうことも念頭に置いて、先ほどのご意見については適切、かつなるべく簡単にまとめますが、口頭で会長へ報告するということにしたいと思いますが、いかがですか。

(異議なし)

(部会長)
 そうすると、そういう付帯意見を口頭で述べるということを前提にして、今日ご紹介いただいた案についてはいかがですか。私から1つあるのですが、自ら教育訓練を受ける場合、直接必要となる費用、すなわち入学料・受講料についてとありますが、これは「入学料・受講料等」としなくていいですか。

(事務局)
 現在が入学料と受講料という形になっておりまして、ここに「等」を付けてあまりにも幅広な対象になり得るというのも。だいたい主要な部分はもう入学料と受講料になっておりまして、それをあまり広げるような印象をここで与えるのはいかがかという気がしますが。ただ、それに付随するのは絶対入り得ないかというのはそうではないと思いますが、あまり最初からすべて対象になり得るということはいかがかという気がします。

(部会長)
 私はあまりにも限定的かなと思ったのですが、広げるという意味では必ずしもなくて、その点が1つ気になりましたが、いまのような理解でよければ。

(委員)
 いまの部分は、通信教育の問題が中心になるとこれはこれで整理できるのですが、直接的な訓練を受ける場合には、教材関係の問題とか、いろいろなことが出てくることは事実なのです。

(委員)
 「入学料」という言葉は、割合狭い感じがしますね。学校みたいな感じで。受講料のほうは相当範囲が広いでしょうから。

(事務局)
 まさに「直接必要となる費用」ということで。

(部会長)
 よろしいですか。私が気が付きましたのは、例えば障害としてもっとも多いのは「時間面での制約、費用面の制約、情報面の制約」という順序で書いてありますが、これは労働省でなさった調査の結果に基づいてこういうことが書かれているということです。それから資料的な背景があってこういう順序でこういうことになっているということです。これは念のため申し上げました。よろしいでしょうか。格別特にご異議がなければ、この案をこの部会としてお認めいただきたいと思いますが、いかがですか。

(異議なし)

(部会長)
 それではいまご了解いただきましたので、これを踏まえたものをこの部会の部会長報告として、11月17日に開催予定の審議会総会へ報告したいと思います。それにつきましては、部会長報告の表紙となる案文を作る必要がございますので、その文言を読み上げていただきます。

(事務局)
 「案文読み上げ」

(部会長)
 という文言を付けまして、先ほどご議論をいただいた自発的な職業能力開発を行う労働者に対する費用面における支援制度についてのとりまとめを部会長報告として11月17日に審議会の会長にご報告するということにしたいと思いますが、いかがですか。

(異議なし)

(部会長)
 ありがとうございました。それではお認めいただいたものといたします。今日の議事予定は以上でございますが、皆さんから何か特にこの場でご発言等のご希望はありますか。

(部会長)
 ありがとうございました。今日はこれで閉会といたします。

(閉会)



(注)  本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、職業能力開発局能力開発課 03-3593-1211(代)までお願いします。



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