中央職業能力開発審議会 第72回総括部会
労働省職業能力開発局能力開発課
日時 平成9年10月16日(木)10:00〜
場所労働省省議室
議題 (1) 自発的な能力開発を行う労働者に対する費用に係る支援制度について
(2) その他
配付資料 No.1 職業能力開発関係各種給付金の概要及び実績
No.2 「職業能力開発行政に関するアンケート調査」結果
出席委員
学識経験者  尾高部会長、小宮山委員、早川委員
労働者代表  柿崎委員、草野委員、久川委員
事業主代表  岩口委員、斉藤委員、野村委員、山 田委員


総括部会と雇用保険部会における議論の状況について

(部会長)
 早速議事に入りたいと思います。今日は前回に引き続きまして、「自発的な能力開発を行う労働者に対する費用に係る支援制度について」を議題としてご議論いただきたいと思っております。

(事務局)
 (説明)

(事務局)
 (説明)

(部会長)
 どうも、ありがとうございました。ご質問等がありましたらどうぞ、ご自由にお願いいたします。

(委員)
 もう1度お聞きしたいのですが、10月22日に部会を開催し、年内に取りまとめるというお話でした。我々としても、これからこの審議会の中で十分議論をして、できるだけ早目に取りまとめができるように努力をしようと思っております。しかし、法改正、これ以外にも高齢者給付の問題、あるいは介護の問題、いわゆる次期通常国会の法改正の日程が迫っていますので、もう少し細かな日程をお聞かせいただければというのが1つです。それから、例えば自発的な能力開発を支援する場合の水準とか財源みたいなものについてのご議論というのはまだなのでしょうか。その2つだけ、お願いします。

(事務局)
 後段の話からまいりますと、具体的な議論の方向としては、現在は事業主負担だけの3事業でやっておりますけれども、労働者の自発的な能力開発への支援を考えますと、もっと広い観点で、費用負担のあり方も含めて見直していく必要があるのではないかという認識では一致していると理解しております。ただ、具体的に中身をどうするか。それはこちらの審議会のご議論の状況等も承りながらということになっておりますので、まだそう突っ込んだ、具体的な議論に入っているところではございません。
 それから、法律につきましては、来年1月から始まります通常国会に法案を提出させていただくというふうに思っています。いま、委員からお話がありましたように、このほかに介護休業期間中の経済的補償の問題、ほかの内容もございますが、それらを盛り込んだ法案を次期通常国会にと思っております。いずれにしましても、雇用保険部会でのご議論を踏まえた上で、中央職業安定審議会に諮って法案を提出するということになります。スケジュール的には、そういうことを念頭に置いて考えているところでございます。

(部会長)
 ありがとうございました。要するに、具体的な内容はこちらの審議会で考えてくださいと。それが固まらないと、お金のことは具体的には議論できないというのが雇用保険部会のご意向のようです。したがって、いまの報告は先方の状況を受けて、こちらで具体的に「こういうことをしたらどうか」という、もっと具体的なことをお決めいただきたいと。そういうふうに言ってよろしいのでしょうか。

(事務局)
 雇用保険部会としての財源もありますが、中身につきましても、雇用保険部会は部会として議論はさせていただく、というふうに部会のほうは考えております。その際、こちらのほうでご議論もいただいておりますので、それも踏まえながら、連携を取りながら進めていくということでございます。

(部会長)
 良い機会ですから、この際、何か伺っておくこと等がありましたらお願いします。雇用保険としては、財政問題が非常に大きい問題になるというふうに理解しておりますが、そうなのでしょうね。

(事務局)
 一般会計も相当厳しい状況ですが、雇用保険のほうも単年度で見ますと赤字が続いている状況ではあります。ただ、幸いなことに制度の基本に伴うといいますか、積立金制度というのがありまして、そこの積立金がまだある程度あるものですから、それらも踏まえながら中身について検討していただいております。

(部会長)
 労働省としては、日本で将来、失業率がヨーロッパみたいに高くなるようなことはないと。そういう意味では、いまは財政が苦しいけれども、これ以上苦しくなることはないと考えていらっしゃると思っていいですか。

(事務局)
 質問があまりに大き過ぎまして、恐縮でございます。そうならないように、我々としては努力したいと思っております。

(部会長)
 そういうことに仮になったとしても、いま我々が議論している能力開発の支援に関する問題というのは変わらないということですか。

(事務局)
 むしろ、失業期間を短くするとか、失業なき労働移動に資するという意味では、労働者も常日ごろからレベルアップを図っておくといいますか、能力のアップを図っておくということは大いに意味があるのではないかと思っております。

(委員)
 そうしますと、今回については、雇用保険のいまの仕組みに入っていて、ある意味で保険を負担している人が対象になるということになるのでしょうか。というのは、例えば一旦家庭に入って、再就職をするために自己啓発をしようと思った人、例えば派遣とかも本来は入らなければいけない部分でも、実質的には入っていない人がたくさんある。そういうような、雇用されているいまの枠組みから外れたり、あるいは正社員でない雇用形態の人たちにも、雇用保険の仕組みを使った能力開発の給付ができる道があるのかどうかという辺りなのですが。

(事務局)
 雇用保険の中で申し上げますと、基本的には被保険者が対象ということにせざるを得ないと思っております。負担との関係から考えますと。そこは、制度としての制約がどうしてもかかってくると思っております。能力開発そのものについてどうするかは、別途の観点であり得るのだろうと思いますけど。

(部会長)
 その辺の問題も含めて、あとで議論していただいてもいいかもしれません。

(委員)
 よくわからないのですが、審議会と審議会との間でこういうボーダー的な話がよく出てきて、一体どちらで決めるのだろうかという話になる。先ほどのお話ですと、一応、こちらで基本的な方向性といいますか、考え方を決めるけれども、それを今度は向こう側で、それを参考にしながら決めるとなると、どちらで整理するのか。そこのところはどうなるのでしょうか。雇用保険のお金の問題については、そちら側でやられるというのはよくわかるのですが、基本的な枠組みだとか、ルールというのは一体どちらで決めるのでしょうか。

(事務局)
 それぞれのところでご議論いただいて、それを踏まえて労働省として法案を出すことになります。それぞれにご議論をいただいてご意見をいただき、それを踏まえた上で、最終的には労働省として、法律事項につきましては法案を国会に提出することになると理解しております。

(部会長)
 もし、私の理解が間違っていたら訂正していただきたいのですが、基本的にはプログラムの内容についての実質的な審議はここでやって、財政的な制度、背景というか、ファンデーションについては保険部会で議論していただく。そのときも、当然内容が問題になるでしょう。その上で最終的な法案を作るというようなことでよろしいのですか。

(事務局)
 はい、基本的にはそういうことです。今後とも、こちらの議論を審議会のほうにお伝えしますし、また審議会の審議状況につきましては逐次、私どもから報告させていただきまして、その動きを見ながら最終的に全体としての制度をまとめていくという形になろうかと思います。

(部会長)
 さっき、スケジュールのご質問がありましたが、いまのご質問との関係では、もう1度この総括部会をやって、その結果を保険部会にご報告して、それが多分、22日になるのですね。そうではないのですか。

(事務局)
 22日にしますので、今日の議論の結果を事務的には安定審議会のほうにまたお伝えして。安定審議会のほうでの議論につきましては、必要があればまた、ご説明させていただくというような形でお願いできればと思います。

(委員)
 そこのところは、我々がこれから議論する上で非常に重要なのです。というのは、残されているのが本日、あと11月が1回と、能開審の本審が17日に予定されているわけです。したがって、雇用保険部会のほうに立ち上がる、立ち上がるというのは、我々のほうから問題なり、あるいは意見を具申するというのは、おそらく本審が終わって以降だと思うのです。
 そちらのほうは、11月に何回か保険部会があるわけで、11月末のある日、あるいは12月の頭に報告という形を取るということを聞いていますが、少し細かく説明いただけたらと思います。

(事務局)
 おしまいのところしか申し上げませんで、失礼しました。22日から、さらに数回予定をしております。22日から、具体的な議論を始めてもらおうかと思っております。その後、部会としては、12月の上旬に最終的な報告を取りまとめるというふうに思っております。それは能開局の事務局とも、こちらの審議等も十分伺いながら日にちの設定をしておりますが、できれば12月の上旬に、雇用保険部会としては部会としての最終報告を取りまとめていただければと思っているところでございます。

(事務局)
 また部会長と相談させていただきます。

(部会長)
 総括部会はもう1度、11月13日に予定されていて、そのあと審議会の総会が17日にある。もし、できれば、それまでにこの総括部会のご意見を取りまとめて、総会で結論をお決めいただきたいと思っております。こちらの予定はそういうことですが、雇用保険のほうではそれに対応する形で実質的な議論を始めていただくというふうに今日伺ったわけです。
 日程のことを含めて、ほかにございませんでしょうか。もしなければ、雇用保険部会における審議状況については、一応これでおしまいにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。



自発的な能力開発を行う労働者に対する費用に係る支援制度について

(委員)
 いつもお願いをしているのは、それぞれの部分がトータルで示されているわけなのですが、今回はもうこれで結構だと思うのですけれども、例えば大企業の人員と中小の人員なり、あるいは費用の額なり、そういうものが見えることによって、産業の構造が見えるような状況になろうかと思うのです。特に大企業の場合、大企業におけるジョブ・トレーニングというのはいろいろな形で非常に発達をしておりますので、むしろそれをサポートする形で、中小が我々の大きな役割だと思いますから。そういう仮説が成り立つのか成り立たないのかを立証するためにも、是非、これからは規模別使用額、規模別人員、これを是非ご検討いただければというふうに特に、特にお願い申し上げます。

(部会長)
 その資料は計算しないと出ないんですか。

(事務局)
 制度的に中小企業と大企業に分けているものは取れると思います。

(部会長)
 そうしたら8年度だけでも次回にでも、もし簡単にできるようだったらお見せいただけますか。

(委員)
 いまの資料1、いちばん下の「中高年齢労働者等受講奨励金」、これはこれからなのでしょうが、30歳以上の労働者等について、データはこれからということになるわけですね。

(事務局)
 はい、そうです。

(委員)
 あと、これはいま、各個別に実績が出ていますけれども、これを全部足せば給付金の全体の額がわかると思うのです。各種給付金全体を足したものが時系列に、どの程度のパーセントで伸びているかというのはすぐわかりますか。

(部会長)
 これはすぐ出ますか。計算しないとわからないですか。では、すみませんがそれも次回でよろしゅうございますか。

(委員)
 はい。

(部会長)
 それでは、次回に計算して、結果をご覧いただけるようにしたいと思います。
 格別、ほかになければ、今日の議論のいちばん中心のものになると思いますが、自発的な職業能力開発への支援のあり方について事務局から説明をお願いします。

(事務局)
 (説明)

(委員)
 1つだけ確認をさせていただきたいのですが、実は1月から2月にかけての総括部会で部会長報告をしていただいた中に、「労働者の負担の軽減」という中に、例の「中高年齢労働者等受講奨励金」については拡充、活用を図るということがありました。そして、さらに今後、ますます労働者個人の能力開発意欲が高くなることから、実質的には能力開発に取り組む労働者個人に対しても、その手法や財源も含めて速やかに検討しますということでした。確かに前のほう、要するに「中高年齢労働者等受講奨励金」の拡充、活用と、あとのほう、手法や財源を含めて新しい検討をしますという、これは関連があると思うのです。そういった意味では、「中高年齢齢労働者等受講奨励金」の内容として拡充、活用という形になるのか。もう少しそれを発展的にして、新しい制度として、それも含めた形で労働者の自発的能力開発に資していこうということなのか。前の文章の読み方の感じなのですが、その辺はどうなのでしょうか。おそらく、同じことを考えているのだろうと思うのですが。

(事務局)
 私どものほうといたしましては、いまおっしゃいましたように、今後、新たな給付金制度を考える場合には、内容的には拡充的な要素もあると思いますが、性格的にはやはり発展的解消といいますか、もっと広い意味を対象にし、特に中高のように本来定年退職後なり、再就職後の能力開発ということに止どまらず、やはり現在の職務におけます能力開発も含めました幅広い制度というふうに理解しております。

(委員)
 そういった意味では、雇用保険部会との関係が生じてくるのだろうと思うのです。

(委員)
 いま、ご指摘があった点、私も全くそういうふうに思いますし、いまお答えになったような考え方で議論に入っていきたいと思います。議論に入る前にいくつか、もうちょっとイメージを教えていただければと思います。まず、対象者の「求職中」というイメージは、要するに雇用保険を受給されているような人を対象というイメージでよろしいのでしょうか。
 それから、「年齢による制限は原則として行わない」と。しかし、一方では雇用保険のほうの高齢者求職給付、どういうふうになるのか私にはわかりませんが、1つの大きなテーマとなっている、いわゆる65歳以上の問題、ここをどういうふうに考えたらいいのか。
 それから、「対象となる能力開発の範囲」として、現在の職務に役立つ能力開発というイメージはどうも、自発的能力開発ということからすると、少し狭い範囲にとらわれてしまうのではないか。むしろ、これは従来の企業責任で、企業のジョブ・ローテーションだとかでやるようなイメージになってしまうのかなと思うので、もう少し現在の職務に役立つ能力開発というところを教えていただければと思います。
 同じく単なる趣味のための一般教養は対象としないことについては、ここは大体イメージとしてはわかります。ただ、いまは新しい専門職というか、よくNHKのテレビなんかでも放映されているガーデニングの取扱い、こういう人たちはどこに入るのだろうか。新しい専門的技術、技能、何と言うのかわかりませんが、新しく出てくるようなところについては趣味の範囲なのか一般教養の範囲なのか。そうではなくて、新たな職業としての範囲なのか。そういうことについて、少しイメージがあればと思います。
 それから、能力開発の期間の考え方はどうなのか。
 それから、助成の水準として、いま50%限定を取っていますけれども、そういうような支給率、上限を適切に組み合わせるというのはダブルカウントというか、ダブル規制というのが原則なのか。そういうようなことについて少しイメージをお聞かせいただければ、さらに議論に参加させていきたいと思います。以上です。

(事務局)
 私どもで考えているイメージで申し上げますと、最初に言われました求職中の者ということですが、これはおっしゃいましたように、イメージとしては雇用保険制度でやるということになりますと、雇用保険の被保険者であった方で失業しており求職中の方ということになろうかと考えています。
 2番目、年齢の問題がございましたが、先ほど申し上げましたように現在の中高の奨励金というのは、年齢はだいぶ下がってはまいりましたけれども、やはり定年等、再就職のための能力開発という性格を持っておりますが、これを原則的には広く対象にするという場合には、年齢制限をかなり大幅に拡大する必要があるだろうと。先ほど委員もおっしゃいましたように、高齢者給付の関連までは、そこを意識しているということではございません。
 3番目としまして、「現在の職務に役立つ能力開発」がちょっと狭いのではないかということでした。これは私どもも取り方によって、実際に従事している職務ということで、ちょっと狭いという感じもしております。下のほうに書いてありますように、「現在の職務」をもう少し中長期的な、キャリア形成も意識した意味での「職務に役立つ能力開発」という感じで捉えたほうが、今後のあり方についてはいいのではないかという考え方を持っております。
 もう1つ、趣味、一般教養ということで、ガーデニングの例が出ておりました。これは前回、前々回もありましたようになかなか難しい場面なのですが、ガーデニングといいますか、特に能力開発の範囲については、現在は原則的には資格取得をある程度目的としたものということになっております。それが特に新しい分野で、まだはっきりした資格がないものとか、それから特にホワイトカラーの能力開発ということになると、あまり資格制度が整備されていないものについても、やはり実質的に能力開発に資するというものであれば、対象とする余地があるのではないかと考えております。ただ、ガーデニングなんかの場合ですと、資格としましては建設業法の中に「造園施工管理技士」といったようなものもございまして、こういうレベルも1つの目安としては考え得るのではないかと思っております。しかし、あまりにも基礎的、ないしは初歩的なものはいかがかという感じを持っております。
 それから、能力開発の期間ということでございますが、現在は、3カ月から1年の者を対象にするということになっておりまして、特に1回ないし2回のセミナー的なものまで対象にするのかどうかという問題があります。あと、長いものについては、先ほど委員がおっしゃいましたように、1年を超えるものでも対象とすべきものが出てくるのではないかということも予想されます。そこはもう少し、詰めて考える必要があるかなと思っております。
 最後に助成の水準ということですが、これはなかなか難しい。そういう点では、1つにはやはり自発的能力開発というのも、ある程度自己責任で行っていただくという原則的な部分もあります。これは現在、私どものほうで支給率がいくらとか、具体的にイメージを持っているということではございません。

(部会長)
 いまのご質問に関連して、議論の進め方の提案をしたいと思います。2つに分けたらどうでしょうか。要するに、基本的な方向について、どういう線かということを議論していただく。それが明らかになったところで、具体的にどうするかという議論をもし時間があればやる。もちろん、基本的な方針とか方向を議論するときに、何か具体的なイメージが必要だろうと思います。ですから、そういう議論をすることを排除する意味ではないのですが、とにかくどういう方向で行くか。広げるか広げないかとか、年齢に制限を設けるとか設けないとかいう、基本的なところでまずご議論いただいて。それが一巡したところで、もうちょっと具体的なイメージづくりをするというふうにしたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。4をまず議論するところから始めてはどうかと思いますが。

(部会長)
 年齢の制限もできるだけしない方向がいいのではないか。また現在の職務に役立つということはもちろんなのだけど、それだけでないほうがいいのではないか。しかし、一般教養を高めるものというのは原則として除外する。個別具体的にどうするかというのは、あとで考えようというのでどうでしょうかと。
 それから期間とか水準、支給率についてはもうちょっと先といいますか、一般原則が決まったところで、もう少し議論していただくほうがいいのではないかと思います。いかがですか。

(委員)
 1つ質問させてください。自営業は保険の対象ではないですよね。そうすると、例えば中高年奨励金の中に、自営業になるための能力開発はかまわないのですか。

(事務局)
 資格を取得して自営になるケースも当然ありますが、現在、被保険者であるという前提は間違いありませんということであれば構わないと思います。

(委員)
 要するに、利用できるかできないかという意味において、保険との関係が起きるわけで、それからあとのことは別ですね。

(部会長)
 基本的には自己啓発なのだから、それでかまわないのではないでしょうか。いまが被保険者であれば。私の意見ですが、例えば給付率はそんなに高くしないで。一般に自己啓発が基本なのだから、自己で負担するのが原則ということについては合意しているわけですよね。だから高率でやるということはないと思うのです。呼び水になればよろしいのではないでしょうか。いかがですか、かなりイメージが湧いてきたと思うのですが。

(委員)
 先ほどの派遣でも本来は雇用保険の対象にしなければいけないようなものがありますね。事務局のほうは「そこはもう、制度上の割切りです」と。したがって、それはもう我々の理解でよろしいということなのでしょうか。

(委員)
 本当は、これからまた規制緩和で派遣とかが増えていくし、特に女性はそういう形の働き方が増えていくと思うのです。そこでまた、強者と弱者みたいな形で、これの恩恵が弱いほうに行かないというのは問題だろうなと思うのです。本体のところで何かの配慮ができればいいですが、いまの仕組みで無理だとすれば、雇用保険でやるこれのほかに、そういう立場の人が利用できるようなものを新たに設けるとか。財源の関係とか、いろいろあるのはわかっていますけど、そういう部分がこぼれていくのをそのままにしておいていいということではないのではないか。せっかく、こういう新たなものを自己啓発で作るときに、かえって弱い立場の人のほうが必要とする部分だってあるわけですから、その辺への配慮が是非必要ではないかなと思いました。あとはここで、そういうものをどうフォローするかということは是非、やはり検討していただきたいと思っています。

(部会長)
 それはそうですね。審議会の委員の方はほかにご意見があれば言っていただいて、できる処置はしたいと思います。
 提案として、具体的な期間とか水準、給付率にかかわるところは別として、基本的に年齢とか給付対象をできる限り広げるというのはいかがでしょうか。反対の方はありませんか。

(委員)
 それで結構だと思います。先ほどの対象となる範囲で、現在の職務に、が狭いのではないかというご指摘がありましたが、現在の職務や、将来のキャリア形成に役立つ能力開発ということにすれば、もうちょっとすっきりするのではないですか。そして次に出向とか再就職のための能力開発を掲げれば、もうちょっとすっきりするのかなという気がいたします。

(部会長)
 いま、具体的なご提案がありましたが、いまのご提案に関して何かございますか。格別、反対がなければ、そういう方向にしてみたいと思うのですが。

(委員)
 いちばん基本になる対象の、いわゆる雇用保険の被保険者ということはもう動かせないのですか。

(事務局)
 やはり、財政的基盤を雇用保険制度の枠組みの中に求めるということになりますと、そこはちょっと動かし難いのかなと。ただ、能力開発の必要性の範囲としてはそれとはまた別にあると思いますが、いま当面のやり方として雇用保険制度の枠内ということになると、やはり被保険者というのはちょっと動かし難いかなという気がします。

(部会長)
 一般財源から組み入れるということを考えれば別ですけど、それは非常に難しい状況だろうと思います。

(事務局)
 そういう面から言いまして、先ほど例に挙がりましたように主婦の方の円滑な再就職ということになりますと、実は能力開発だけではなくて、いろいろあるわけです。その点についてはまた、省内でも検討するというふうには聞いています。

(委員)
 もし、被保険者が対象ということになると、逆に年齢制限は要らないのではないですか。

(事務局)
 最初に申し上げましたように、相応として、いまの中高の奨励金はだんだん拡充してきたというものの、発足の当初はどうしても定年、ないしは再就職後に必要な能力開発を在職中に進めるという発想から出発していますので、年齢をある程度制限なり、対象の範囲を限定ということがあったのです。しかし、今後は在職者のキャリア形成というものも含めまして、全般ということになると、いま委員もおっしゃいましたように、そういう思想から言うと年齢制限を設けるという必要性は出てこない。ただ、そうは言っても、年齢によって多少重点の置き方を変えるかどうかというのはあると思いますが、原則的には年齢制限を設けるということはなくなってくるのかなという気はいたしております。

(部会長)
 ほかに何かございませんか、いまの一般原則に対して。

(委員)
 いまの考え方でよろしいと思うのですが、その場合、あとで議論される予定になっています支給の水準等の関係、どの階層でも同じ職業のキャリアアップに対して同じ水準で行くのか、ある程度の階層について重点的に、助成率を高めるとか。そういうこととの関係があると思うのです。年齢制限を取っ払うというのはいいよと。しかし、それは常に、すべてが同じ水準じゃないよと。そこにはやはり、政策的な部分を出さなければいけないわけです。政策的な部分を30にするのか40にするのか、50にするのか、そこがこれからの議論の中身だろうと思います。いまは良いのですが、やはりそういうこととの関係で、年齢制限との関係はある意味で一体なのかなと考えています。これは私の個人的な意見です。

(委員)
 教育訓練の内容については職業能力開発の向上のために必要な範囲をカバーするものだということとした上で、免許資格の取得を限定すべきものではないという整理をしていただきたいと思います。

(部会長)
 できるだけポジティブに、ということですね。

(委員)
 同じようなことで、いま内容の問題を直接言っているのですけど、必要な職業能力の向上には集合的な訓練のみでは対応できないということですが、企業内における集合的な訓練というのは私はそんなにないと思います。特に、中小企業の場合には個別課題の問題を中心にやるわけですので、整理をしていただきたいと思います。

(部会長)
 いま、ご指摘がありました3つについてご異議ございませんか。

(委員)
 国全体のボトムアップを図るためということですが、今度の自発的な能力開発というのがやはりボトムアップ的なのか。それとも、いわゆる構造変化に伴って新しい需要が出て来る、一方ではちょっと古びたものが過剰になってきているということからしたら、変化対応というのは強いだろうと思います。そういう意味からしたら、国全体のボトムアップと言うのが結果的にはそうなると思うのですが、むしろ、いちばん最初に産業構造の変化とか経済のグローバル化、そういうものに対する変化に対応するというほうがパンチというか、はっきりするのではないでしょうか。また、そうなると、むしろキャリア形成だとか、あるいは新しい事業に対してのニーズとなる職業能力開発というほうが、いまの時点で自発的能力開発というものの訴えにポイントが合うのではないかという感じがするんです。

(事務局)
 結果として、国全体としての職業能力の水準も、結果として全般に高まればそうなるでしょうという意味合いでしたが、いまおっしゃったようになるかなという感じはします。

(部会長)
 ただいまのご発言に関しては、何か反対意見はありますか。それでは、いまの点についても、考慮していただけますでしょうか。
 同じようなご指摘がありましたらいつでも言っていただくとして、先ほどの具体的な内容等についてはいかがでしょうか。

(委員)
 期間のところにつきましては、もちろん非常に短い、1、2回のコースなんていうのは制度の趣旨からするとなじまないのかなと。やはり、ある程度一定の期間が必要かなと。問題はコースによってですが、民間の主流のコースというのはどのくらいの期間になっているのか。事業団のものについては言われなくても大体、我々としてはイメージがわかるのですが、民間の有料訓練のコースの長さというのか、料金の高さは大体どういうふうになっているのか。そういう民間のコースの状況、料金の状況、それをどういうふうに受講してキャリアアップにつながっているのか。そんなものがあれば、非常に役に立つと思いました。

(部会長)
 事務局でも、多分網羅的なものはお持ちでないと思いますが、何かいまの要請に対して答えられますか。

(事務局)
 いま指定部分のものはあるのですが、ご参考までに、これも個別ではないのですが、トータルの数字を申し上げます。いまの中高年齢労働者等受講奨励金の指定コースの現状で言いますと、通学制の場合ですと入学料の平均が6,810円ということになっています。それから、受講料の平均が15万4,000円ほどということになります。それから通信制でございますが、入学料の平均が1,500円ほどになります。受講料の平均が約6万と。

(委員)
 いま、おっしゃった内容は、どちらかというと資格問題が中心なんですよね。一般的な期間は非常に短い状況であるわけです。したがって、1年以上という所は民間では存在しないと言ってもいいと思います。大学の入学促進等ということになってくると1年が2年になり、ということですが、民間では多くても6カ月が限界であって、大体3カ月、1カ月、1週間単位、10日単位が多く用意されることだと思うわけです。費用の問題の点については、経営者層を中心にやるものが高くなって、一般に対するものは各種学校、専修学校で行っている内容からすると、いまご説明の低いほうの状況に入っているだろうと思うわけです。
 それは一般的なことで、資格問題になってくると、資格の度合について、社会的な評価の問題も高ければ高いほど、入学金なり受講料が高いということになってくると思います。

(部会長)
 いまのお話、内容と期間、支給率等についてのご議論はどういうふうにしましょうか。何かご提案はありますか。

(委員)
 先ほどの期間の問題、自発的な問題の期間の長期的なものが本当に発生するかどうかということの1つの目安としては、有給教育休暇制度の期間の問題をもしできたら、200日の限界の問題を出している所が何件あるか。私の推測で非常に恐縮なのですが、そんなに多いわけではないのです。しかし、これから伸びるかどうかということについては、大学の開放との問題でどういうふうにこの事が出てくるのか。したがって1年がいいのか、2年がいいのかということも、大学等の開放が論点の中に入ってくるのではないかと思うわけです。

(部会長)
 仮に大学とか、大学院に行く人があったとしても、全期間について対象にするかどうかはまた別問題ですよね。それから、内容としては、イメージはどういうことなのでしょうか。労働大臣が認定する対象を、この支援の対象にするというイメージですか。

(事務局)
 実際の制度論はまだと思いますが、現実的にはやはりある程度、労働大臣があるコースを認定するという行為が前提になって、そこでそのコースを受講した場合、ということになるのではないかと思います。

(部会長)
 いま言ったのは1つのイメージですから。別に、それに限定しろとか、そういうことではないわけですから。支給率とか支給制限とか、ダブルカウントとか、そういうものはどうですか。

(事務局)
 実際問題、支給率とかになりますと財源の問題も出てまいりまして、一体財源がどれくらい確保できるのかということによってもかなり変わってくると思うのですが、いまはそこまでの議論というか、雇用保険のほうもそういう議論になっておりませんので、一応の考え方をお聞きしたのです。

(部会長)
 財源の問題はカッコに入れておいて、皆さんのご意見として何かあればおっしゃっていただいたらどうでしょうか。

(委員)
 大体そう長いコースはあまり見られないと。であるならば、やはり1年以内は1年以内にというような。それでは、下をどうするのか。いま聞くと、10日、1週間もあるという。私のイメージは、そういうものはどうかなと。そういうものがキャリアアップになるのかな、と思っていたので、そこのところをある程度自助努力してもらったり、そこに集中してもらうにはある程度の期間が必要じゃないのかなと思ったもので、一定の期間として上限を定める。だから、そういう表現をここに入れたらどうかなというのが1つです。
 ただ、その場合にどうしても、負担の問題があるのです。例えば、ここで16万円というふうに言われているわけです。16万円の半分というと8万円ですよね。それでは、全部がいわゆる負担になってしまうわけだから、そこに自助努力の負担も必要だ、ということになるのだと思う。そうなってくると、自助努力の範囲というのは。特に求職活動をしている人たちというのは、一方は生活をしているわけだし、一方は生活を支えなければいけないわけです。どの期間であるかは別にしても。そうなってくると、自助努力のある程度の範囲というのがあると思う。そうすると、そこを国がサポートするには、50%を上限にするというのはどうか、というふうに私は少し思っているわけです。
 ただ、それでは額は青天でいいのかというと、額は青天ということにはならないだろう。したがって、額はある程度上限額は決めざるを得ないかなと。しかし、額は決められるかもわからないけれども、補助率を50%にするという、先ほど言った考え方は私自身は納得できないなと思います。

(部会長)
 支給率と上限、両方決めて、その低いほうを適用するというのはどうですか。

(委員)
 それも1つの方法ですね。おっしゃるとおりです。

(部会長)
 それをいくらにするとか、何%にするかは、財源との兼ね合いで決めるのでしょうね。最終的には。

(事務局)
 支給率等を組み合わせて、適切なものになるようにという方向を示していただければ、現実の財源とのからみでいろいろ決めていくということで。

(委員)
 仮にこの制度ができた場合には、中高年齢労働者等受講奨励金というのはやめるのですか、吸収するのですか。それとも、これは単独でこれから継承するのか。その基本的な考え方さえわかれば。こちらは50%なんですね。一方の分がどうなるか。いや、もっと包括して、全体を見直そうか。それは、どういうふうな考え方を持っていらっしゃるのですか。

(事務局)
 制度としては発展的解消、と先ほど申し上げましたが、新たな制度ができれば、おそらく現在の中高のものは全部包含される形で。結論的に申しますと、中高の奨励金は廃止ということになるのではないかと思います。

(委員)
 そのときに、前の制度はなるたけ既得権みたいなものとして、いまの率などは残っていくのですか、それとも新しい制度になれば、前の制度はご破算ですということなのですか。

(事務局)
 新たな制度を考える場合、当然、前の制度はご破算というか、考慮はしますけれども、全部が同じになるということは、その辺はまたご議論いただければ。

(委員)
 私は廃止することに賛成です。その賛成が前提なのですが、実は「中高年齢労働者等受講奨励金」をうけるような自己啓発というのは、ある面では企業のほうも時間的な配慮をしてくださっているんですよね。廃止をした場合には、時間的な配慮が消えてしまうのではないかという心配が一面にはあるわけです。どちらかというと、費用の問題と時間の問題の両面から考えた場合に、現在の職務に役立つ職業能力というものが前面に出てこなければ、企業の配慮もだんだん消えていく恐れがあるのではないかということを心配するものですから、その点も内容の点に含めておいてほしいという感じを率直に思ったわけです。
 それから、現在の資格制度の問題が就業に必ず結びつくとは限らないことも日本の形態なんですよね。したがって、「中高年齢労働者等受講奨励金」を受けて、実際に資格を取得して、就職にどういうふうに結びついたかというプランニングの問題点については必ずしも十分に機能していないような気がします。

(事務局)
 いまおっしゃったのは、実際には自己啓発ということで出ていく方について、例えば有給にするとか、企業にも役立つということでいろいろ配慮していただいている。そこの仕組みをあまり崩さない形で考える、ということですね。

(委員)
 そういう性格が薄まってしまう可能性があるんでしょうね。

(委員)
 それを担保するような、裏づけがなければいけないわけですよね。

(委員)
 したがって、「企業のほうについても時間的な配慮をしてほしい」ということを、直接関係はありませんが、おりこんでいただきたい。「中高年齢労働者等受講奨励金」の分は、最初はリストラ政策の問題でできたものですから、最初のころはかなり企業が積極的に時間配分をしてくださったんですよね。ところが、年齢が下がってくると企業が関心を持たなくなってくるということが現実の問題としてあるものですから、その点もよろしくお願い申し上げたいのです。

(部会長)
 労働時間の上で配慮してくださった事業主には、別途、援助をする制度はあるわけですね。

(事務局)
 はい。資料にありましたように「自己啓発助成給付金」ですとか、それから最後の頁になりますけれども、今度新たにできました「自主的能力開発環境整備助成金」という、これは制度導入の関係ですが、そういう形で時間的配慮をして、有給教育訓練休暇を与えた場合については、そういう助成を行うという現状がございます。

(部会長)
 こういうものは別に変わらないわけですね。

(事務局)
 現在の「中高労働者受講奨励金」は包含されるので、新たな制度ができれば廃止というふうになる。その他の助成金をどうするかについては、もう少しいろいろ考えていかないと。

(部会長)
 これはかなり技術的なことだから、もちろん考慮していらっしゃるのでしょうが、仮に新しいプログラムを始めるとして、現行の制度で中高年齢労働者等受講奨励金以外のものをどうするかについては、事務局でご検討いただくしかないですね。さしあたりというか、叩き台が。

(事務局)
 この場でご意見をいただければ、私どももそれを踏まえまして、また検討させていただきたいと思います。

(部会長)
 事務局のプランとしては、ほかのものは現行どおりやっていくというのが原案ですか。

(事務局)
 いや、廃止を考えているという意味ではなくて、新たな制度の仕組みがもう少し具体的に決まりませんと。1つありますのは、先ほど申し上げました「自己啓発助成給付金」なんかでも、要するに有給教育訓練休暇を与えた場合の賃金に対する助成というものがありますし、事業主が自己啓発のための受講費用を出した場合について、事業主の方に一部を助成するという仕組みもある。その両方がありますので、それをそのまま維持することが必要かどうかという議論が1つあるのだろうと思います。ただ、いまの感じでは、直ちに廃止ということにはどうかなと思っていますけど。ちょっと、新たな制度の枠組みを見ながらということで。

(部会長)
 今日、ここで大体賛成していただいた方針をもとにして、具体的なプランを作れますか。

(事務局)
 はい。それから、先ほど言われましたように、今度新たなものができても事業主の配慮という、配慮のインセンティブという部分を考慮してほしいというようなご趣旨かと思っておりますが、その点についてはそれを踏まえて、いまのいろいろな助成金制度のあり方についても考えていきたいということであります。

(委員)
 さまざまな助成制度に重複しているようなもの、あるいは同趣旨のようなもの、そういうものについて検討することは、私はかまわないと思います。ただ、いまのお話がスクラップ・アンド・スクラップであるならば、それは問題ありと。我々のほうとしては重複部分について見直して、スクラップ・アンド・ビルド、これが我々、労働側の基本です。だから、先々、能開の制度なり、あるいは助成のさまざまな制度、非常に複雑で煩瑣になっているものについて見直していくことは一向にかまわないと思います。ただ、そのことがスクラップ・アンド・スクラップになるのでは受け切れないなと思います。

(事務局)
 もう少し明確に言いますと、その他の自己啓発助成金なりの廃止を考えているということではありませんで、一方では事業主の方が労働者への自己啓発を援助していただくというのも1つ、法律に規定されております大きなものですので、そのインセンティブが一方では必要だとは私どもも思っております。ただ、先ほど申し上げましたように新しい制度の全体像が明らかでないので。直ちに全部の廃止を考えているということではございません。

(事務局)
 ちょっと補足しますと、基本的には併給調整ということなのです。趣旨がダブッたものをどちらか、という。

(部会長)
 今日のご発言をもとにして検討していただいて、できれば次回に最終的なとりまとめを作るところまでご議論いただければいいなと思います。そういうことでございますので、特に根本的なところでご意見がある場合には是非、言っておいていただけるといいと思います。

(事務局)
 いま、部会長がおっしゃいましたような形で、今日のご意見を踏まえまして、次回には報告の形でお出ししてご意見を伺いたいと思っております。今日のご議論を踏まえまして整理してお示しして、ご意見をいただければというふうに私どもは思っております。

(部会長)
 部会長報告(案)になるということですか。

(事務局)
 内容的には、今日のご議論が1つの(案)だと思います。

(委員)
 もし、付け加えていただくなら、支給制度そのものの点についてはこれでいいのですが、それを裏づけます情報の提供とか資格、私どもは国際的に見ても資格と評価の問題は大きく分かれることだと思っているわけです。評価の問題を中心として自己啓発が行われるだろうと思うわけですから、制度の改善の問題も含めながら整理をしていかなければいけない。そのことを裏づけなければ、支給制度の問題は切りがつかないと思うわけです。さらには、先ほど申し上げたのですが、先進国の多くが支給は直接しなくても、企業の中における教育の配慮があると思うわけです。つまり、自分が勉強するということについて企業が多くの理解を深めて、その対応をするということが先進国の多くのところで行われているわけです。それらの裏づけの問題についても、1行でも2行でも結構ですから書いていただいて。その点もよろしくお願い申し上げておきたいと思うわけです。

(部会長)
 いまのご発言に対して、何かご意見はございますか。あるいは、何かご異存はございますか。そうすると、確認しますと、教育訓練を受ける本人に対して、あるいはその人が関係している企業等に対して、自己啓発に関する情報の提供を行う。情報の提供というのは、そういう努力をしたときにどういう結果になるか。あるいは、そのために必要な労働時間を含めた、いろいろな必要性に対する企業側の配慮等々について、できるだけ広くインフォメーションを提供することが必要だ、という趣旨のことですね。支援制度の中に入るんでしょうね。

(事務局)
 そうですね、もっと広い意味での支援ということになるかと思います。ちょっと考えてみますが、支援制度の内容というよりも、別な意味での支援かなという気がいたします。

(部会長)
 いまのご発言の趣旨を活かすことにいたします。
 何か、ほかにございませんでしょうか。格別なければ、今日のご議論を踏まえまして、いまの議論を事務局で、ご苦労ですが整理していただいて、もし出来ましたら次回は部会としての報告にまとめたいと思います。今日はこれで終わりにいたします。どうも、ありがとうございました。



(注)  本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、職業能力開発局能力開発課 03-3593-1211(代)までお願いします。



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