中央職業能力開発審議会第85回職業訓練基準部会 議事録
労働省職業能力開発局能力開発課
日時平成9年6月27日(金)13:30〜15:30
場所労働委員会会館 602会議室
議題1 普通職業訓練における訓練科の新設等について
2 高度職業訓練における訓練課程の新設等について
3 その他
出席者 学識経験者今野 浩一郎(会長)
尾高 煌之助
古郡 鞆子
労働者代表柿崎 昌悦
草野 忠義
鈴木 利文
事業主代表斎藤  詢
杉山 幸一(代理)

(部会長)
 (開会の宣言)

(事務局)
 (挨拶)

○ 議題1 普通職業訓練における訓練科の新設等について

(事務局)
 (配付資料No.1-1、1-2 、1-3 について説明)

(部会長)
 ありがとうございました。ただいまの説明についてなにか御意見はございますか。専門的なことが多いものですから、なかなかコメントしにくいかと思いますが。

(委 員)
 「はい作業」とはどういう作業ですか。

(事務局)
 安全衛生関係で資格としても取り上げられていますが、例えば倉庫などで米俵を積んでいく作業がありますが、だんだん高くなるとそれが崩れて、労働災害を招くということで、その積み方、くずし方も非常に安全衛生上重視しなければいけない。林業の現場でしたら、丸太を積んでいく作業のことを指しています。

(委 員)
 自動車車体整備関係で「車わく」と「車体」は違うのですか。「車体」というのに「車わく」というのを入れなさいというのが専門家の意見なのでしょうか。

(事務局)
 「車体」といいますのはいわゆるボディーのことで、「車わく」というのは、フレームといいますか、普通は、あまり「車わく」という言葉は使わないのですが。  最近は一体化されているものが多いそうですけれども、用語として運輸省の法令上区別して使われているということなので分けました。

(部会長)
 他に何かありますか。

(委 員)
 森林環境保全科で「社会経済」について盛り込むとありますが、どういう科目名なのですか。

(事務局)
 資料bP−1の3ページ目の専攻学科の2で「森林環境保全」という教科の科目名がありますが、その科目の中で具体的に社会経済なりについて教えていくということです。

(委 員)
 環境経済学とかそういうのではなくて、調査、社会経済調査のような科目になりますね。

(事務局)
 専攻学科の1に「森林のレクリェーション利用」ということで、多目的な利用が出てまいりますので、そういうものも含めて社会経済の動向とか利用者の意向とかを含めて勉強させていこうと考えております。

(部会長)
 他にいかがでございますか。

(委 員)
 森林の関係なんですが、環境保全ということで、6ページの1の3のイに、「森林施業及び森林の多面的利用を通じた森林の管理」とありますが、これは森林そのものの管理ということに限定されるのでしょうか。それとも、環境問題も含めたものになっているのでしょうか。

(事務局)
 後半の方の幅広の方で対応するということにしております。

(部会長)
 他にございますか。なければ、この件につきましては、次回の総会に報告するということにさせていただきます。
 それと先ほど言われていた、理容・美容科はいつ頃の見通しになるのですか。

(事務局)
 まだ見通しが立っておりません。

○ 議題2 高度職業訓練における訓練課程の新設等について

(事務局)
 (配布資料2ー1 、2-2 、2-3 について説明)

(部会長)
 ありがとうございました。それでは、これは新しいシステムですので、ゆっくり時間をかけて議論をしていきたいと思います。何かございますか。

(委 員)
 では何点か意見を含めて質問させていただきます。まず第1点は、名称についてですが、「実践課程」と「専門課程」の一般論、つまり、専門的に見ると今まで慣れていますから、専門課程の上に実践課程を上積みしたということでいいのかもしれませんが、一般的な用語として適切かどうかということを考えていただきたいと思っているわけです。専門の上に実践を上積みするということが一般的に通じるだろうか、ということがまず頭の中にあるわけです。従って、たとえば、実践課程が最初2年間で、その上に専門・実践課程とかですね、専門課程という用語そのものについても、やや文部省の学力を重要視するような気風がだんだん強くなってきておりますので、その点も含めながら考え方を整理することが必要ではないかと思うわけです。従って具体的には、専門課程を実践課程、さらには、後で行く実践課程を実践専門課程みたいなことで、対応するような用語に変えることができないだろうかというように思うわけです。これが1つめでございます。
 2つめの問題点は、訓練時間と訓練の年数の問題です。先程の説明の時にお話がありましたが、高卒の2年課程を修了した人に限定してものごとを考えた場合には、訓練期間2年、訓練時間1,400時間でいいのですが、在職労働者も自由に参加できるような方法がなければ、この実践課程というのは本当は生み出すことができないのではないかと思うわけです。今すぐ入ってくるかどうかは別の問題としても、そのようなことも意識して展開していただきたいと思います。従って、「適切な範囲内での延長」という部分は、単位を小刻みにして、一つ一つ取っていってもいいというような範囲としてとらえることができないだろうか。2つめの、1,400時間と2,800時間という数字の問題は、総数の時間でありまして、それを単位化するということで、単位を細分化するといってもいいような、そういう様な実施方法ができないものかと思います。今、御説明を伺っていると、最後の実践応用などは、在職労働者も一緒になって入ってこれるような仕組みになっているわけですから、単位を認定されることが必要だなと思います。これが2つめです。
 3つめの問題点は、訓練の対象者ということで、「専門課程の高度職業訓練修了者又はこれと同等以上の学力及び技能を有すると認められる者」と書いてありますが、「学力」という言葉が本当に適切なのか、ということです。「同等以上の専門的知識及び技能」でいいのではないのでしょうか。学力となると一般教養のことで、専門課程から実践課程に行くときに、ひょっとしたら選抜するときに英語なり数学なりという方法で学科試験をするのかどうか。もっと専門的な知識を見ることが必要だと思うので、「学力」という用語をここでは使う必要はない。「専門的な知識」でいいのではないかと思います。
 それから2ページの職業訓練指導員ということの問題で、これはある面では、ここでいう実践課程の部分と、従来の専門課程の部分と分離して指導員の配置をするということか、それともここでは一般的にいう指導員の性格の問題として、取り上げていいのか、一般論として取り上げているのか、特化して問題を整理するということなのかをお聞きしたいと思うんです。
 それから、2ページの3番に実践課程の短期の問題が出てきますが、用語として実践短期課程ということで作るということですが、「企業人スクール」とか、もう一つは「研究開発支援型コース」ということですが、もう少し用語の問題も含めて整理しなくては、受ける方が何に入っていくか解らないので、統一した名称の問題と、単位を修得するような仕組みづくりを考えた上で、それを修了した場合には一定の単位を付与する、というような、連続した教育システムを考えてはいただけないだろうかと思います。
 次に資料bQ−2ですが、「訓練の内容」のところで、解るような気もしますが、少し用語として、2行目の「専門課程等で修得した特定の専門分野における高度な知識・技能を核として関連する専門分野に関する基礎的な知識・技能」、と書いてありますが、前段の方は、専門的なことをやってきて、大きな柱をつくって、それを横に広げようということでここに書いてあるようですけど、ここで専門を修了したときに、ある面では、横の基礎的なものは勉強しているのではないか。ですから、今度の実践課程の時には、「基礎」という言葉を外して、「関連する専門分野に関する知識・技能」でいいのではないか。「基礎的な」という用語は外してもいいような気がするわけです。それと、ここに言う、「専攻」と「実践応用」というのは1年ということで読むものか、カリキュラムの経過の中で1年半と読むものか、このことについては、これからの課題だと思います。
 以上のことを整理していただきたいと思います。

(部会長)
 では順番に考えていきたいと思います。まず名前ですが、先程、専門課程と実践課程の名前を変えた方がいいと言われましたが、何に変えた方がいいと言われましたか。

(委 員)
 専門課程を実践課程に、その上に専門・実践課程。それと、後でまたやらなくてはなりませんが、2ページの9については基本的に私は反対ですので、これと一緒にしないでいただきたいと思います。

(部会長)
 わかりました。一応、案とします。ただ、委員の案もわかりにくくないですか。

(委 員)
 もっと整理してもいいかもしれませんが、ただ、最初の2年間に基礎という言葉はよろしくないと思っています。9を行うのであれば1つの方法だと思いますが、都道府県もありますし、10校に対して他の短大もたくさん集まってくるので、そこと区別するのは不可能だと思います。

(部会長)
 その問題についてはまた後で議論させていただきたいと思います。他に名前について意見はございますか。

(事務局)
 委員がおっしゃったのは、思いが2つおありではないかと思いますけど、1つは、「実践」と「専門」という語感が、一般の国民が持っている語感からいきますと、専門の方が高いのではないか、というのが1つと、もう1つは、能開短大なり新しく作る能開大学校が、知識偏重になりつつある、あるいは、そうなっては困るというお考えがあって、それで実践ということを非常に強調なさりたいということで出された提案なのかと思います。そのお考えは大変大事なポイントだと思います。私ども実は、副案がなく、いつまでも仮称を付けているので、早く確定したいと思っているのですが、一つ考えなくてはならないのが、専門課程というのはそれなりに訓練体系の中で長く使われ、定着してきているということをどのように評価するか、ということがあると思います。全くの私案ですが、例えば、専門課程T・専門課程Uや、前期専門課程・後期専門課程などですが、そういうのはいかがなものかと。

(部会長)
 あるいは高度専門課程とか。だいたい私も含めて、一般の人からすると、実践という言葉は教育についてはすごくなじまないと思うのですが。

(委 員)
 だいたい今、「実践」という言葉があるのですかね。普段使わないのではないでしょうか。労働組合も、古く堅い言葉を使っているのですけれど。正直言いまして、ピンときません。

(委 員)
 ただ、実践というのができた経過は、第一線の現場に直接関わりのあるような、つまり、中小企業等において、何年か積み上げたものを即戦的にものを考えるということで、実際の現場を意識した仮想現場ですね。

(部会長)
 それの意図はわかるのですが、「実践」という言葉がいいのかということなのですが。理論志向じゃないということですよね。

(委 員)
 「応用課程」というのはだめなのですか。専門課程を「基礎課程」とやって。

(委 員)
 そうすると一気通貫なんですね。2年間の基礎課程を終わったら必ず応用課程に行く。したがって、9が生きてくるとなればそういうことが起こるんですけれども。

(部会長)
 「専門応用」ですかねえ。

(委 員)
 どっちが上かよくわかりませんけど。

(部会長)
 普通、専門というと基礎的な知識を、基礎というといろいろな専門分野を横つなぎにしたベースという感じですよねえ。その上に、専門が乗っかるわけですよねえ。そういうのは専門というより実務という意識はないですよね。どうですか。

(委 員)
 その基本的な哲学は、専門と今ある上にもう一つ、2年をのっけるというのが、基本的な哲学でしたっけ。

(部会長)
 そうです。もう少し、実務的な能力を付与できるような2年課程を載せたい。

(委 員)
 4年通して下からずうっとというのは反対であるというわけですか。

(委 員)
 反対です。それは、将来は別ですけど、都道府県の短大もありますし、限られた何校しかありませんから、他の校からも集まってきますよね。ずっと通っている人と、他から集まって来る時に、選別されるという状況があって、そういうことの仕組みであるなら最初から、そういう仕組みに作らなくてはいけないわけです。

(部会長)
 その点についてのお話は、大きな問題だと思いますので、また別枠の時間で議論したいと思います。

(委 員)
 でも、それと関係するのではないですか。

(委 員)
 それも、ある意味で意識して物事を整理するというのなら、別に反対ではないです。

(委 員)
 私は、そこのところはもうクリアされているのかと思っていました。

(委 員)
 突然出てきたという感じも幾らかあるわけですが。

(部会長)
 でもこれは、一気通貫だろうが、2年の積み上げだろうが、訓練課程としては一貫性を持たせたいという意味では一緒ですよね。違いますか。

(委 員)
 というか、今の案だと、実践課程というのは専門課程を受けないと入れないんですよね。

(部会長)
 いえ、途中からでも入れますよ。外部からでも。

(F 委 員)
 同等以上なら。でも、原案としては積み上げた方がいいのですよね。

(部会長)
 それはそうですね。

(委 員)
 実践という言葉を聞いて、私らが現場の中でイメージするのは、OJTかな、という感じになりますよね。まあ教育なんでしょうが、どちらかというと色合いがOJTでも、仕事の一部でそれを通して教育訓練の実をあげる、言葉のイメージでどうしてもこういう感じにとらえてしまうんですよね。

(委 員)
 今の提案は私は正しいと思います。というのは、日本のOJTは非常に優れているという前提の問題があるんですね。ただ、中小企業はなんとなくOJTをやってきたものを、もっと科学的に展開していこうということで、従来、5年かかったものを、それを科学的に解明して2年間で終わるということの位置付けということも事実なんですね。したがって、ここで専攻なりを見るとお解りかもしれませんが、中小企業に行って、その中に展開するためには、特化した専門性だけを持っていったのでは、中小企業に役に立たないから、もっと幅広くしようと、こういう様なことで、OJTの要素の問題をかなり分析した上で展開する課程だというは事実なんですね。

(部会長)
 あとは名称ですよね。これは生徒のことも考えないとね。卒業した後、履歴書を出したときに、「専門・実践課程卒業」と書いて、「何だこれ」と言われたら可哀想ですからね。ですから、名称は大事ですよね。

(委 員)
 「高度」という名前が付けば一番いいですよね。高度専門課程か高度実践課程という名前にすれば一番いいですよね。労働省は「実践」に愛着を持っているかもしれません。国会通すのに苦労したわけですから。

(事務局)
 理念といいますか、どういうカリキュラムにしたいかという意味では非常に愛着をもっておりますが、名称については、ずっと仮称であると言い続けてまいりまして、もう一つ私たち自身も、納得していない部分もありますので、ご自由に議論していただいて、いい知恵をいただきたいと思います。

(委 員)
 「高度専門課程」というのは、専門課程の上に行くからそれは一番無難なところですよね。

(部会長)
 それとか、「専門応用課程」。履歴書をもらった方が「専門・実践課程」と書かれても、ピンとこないですよね。

(委 員)
 一般的には、制度のものを説明しだすのでしょうね。2プラス2でいった人について言えば、4年の大学と同じ様な仕組みを作って出してあると。

(部会長)
 3つアイディアが出ましたので、1番最初は柿崎案の「実践」と「専門実践」、これが第1案で、第2案が、「専門」と「高度専門」、第3案が、「専門」と「専門応用」、と3つ出ましたので、また考えてください。
 その次が、これも重要なのですが、訓練期間の問題ですが「単位制」にしたらどうだということですが、これはどうですか?

(事務局)
 単位制につきましては、私どもも、導入する方向で、検討させていただきたいと思っておりますが、単位制を導入するということになりますと、仮称・実践課程だけでなく、専門課程からきれいに整理していかないと、実践課程だけというわけにはいかないでしょうから、そうしますと、教科の現在の中身を、どのように単位制にしていくか。かなり緻密な議論をしないと、なかなか難しい問題ではないか。ということで、とりあえずはこの今の仕組みを御議論していただいた後、また、ニーズ等を把握しながら、いろいろな研究等をしながら、そちらの検討を段階を追って、やらしていただければ、と考えております。一緒にスタートは苦しいのではないかと思います。

(部会長)
 確かに、難しいです。その次の、資料bQ−1の2の1の訓練対象者で、高度職業訓練修了者又はこれと同等以上の学力及び技能の部分の学力という部分が気になるということでしたが。

(事務局)
 少し御説明させていただきますと、現在普通課程の訓練基準の対象者の書き方が、学校教育法による中学校又は高等学校を卒業した者、若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者であること。専門課程につきましては、高等学校を卒業した者、若しくはこれと同等以上の学力を有すると認められる者であること。ということで、普通課程にしても専門課程にしても、訓練の対象者を限る際の1つのメルクマールとしての学力という問題は、はっきりと今の訓練体系の中で位置づけられています。一方で、今回の仮称・実践課程の対象者が、2年間の専門課程を修了された程度の方を対象とする、ということからすると表現上、学力は当然のことながら、専門課程の源である学力があり、かつ、その上で専門課程を修了したという意味での技能を持っているということを、どう表現するかと、こういう問題に帰するんではないかと思いまして、学力又は技能と書いたところでありますが、そういうところの学力は、全体として見れば、訓練体系の中での位置づけということで、必ずしも学力偏重とまでは言えない、というふうに解釈できると思います。これは一応、法令上の問題です。

(委 員)
 私はそこに大きな違いがあると思うんですね。今の短大の場合には、卒業をする時に、国家公務員なりの中級職の資格要件を加味しなくてはいけなくてですね、当時創るときにそういうことを前提にやったわけです。そうすると、ある面では、中卒の人が入る門戸の問題点についても、整理せざるを得なかったわけです。その前の法律条項の中では、例えば、中卒の2年課程の人も、短大の中に入れると言っても、その学力の方に引っかかって、中級職の試験に合格できないということで全部排除したんですが、その頃の学力というやつは明確に、今やられている様な状態で、今の専門課程のことについては、整理された上で学力という用語を使ったわけです。ところが、今回の問題点については、学歴の問題なり、在職労働者も含めて一緒になって入れる、専門的な知識をもって展開できるというので、2年課程ともう一つ上積みの2年課程が違うという前提で、論理構成されているわけですから、ここでいう学力と、今いう専門課程の学力と今回新たに出てくる、仮称・実践課程の学力とは大きな違いがあると思います。もし、4年卒業したとき、一気通貫みたいになって、これも公務員における上級職の試験の受験資格の付与の問題が出てくる可能性があるのですけれど、そこまで考えて展開するのならば最初からの位置づけが違っているのではないかと思いますので、前回の問題の学力と、今論じ合っている学力とは違うのではないのでしょうか。

(事務局)
 あくまでも訓練の対象者をどのレベルの人間に置くかというスタート時点の議論でございまして、その中でどのような形で選考するかとかは、また別途の問題ではなかろうかと思います。繰り返しになりますけど、普通課程にしても専門課程にしても、訓練の対象者のレベルをどういうふうに位置付けるのかというところに、現在のところ学力というものをメルクマールにしておりますし、そういう意味でいえば今回の実践課程(仮称)につきましても、専門課程修了者を対象とするということのもとで議論されていたところでございますので、それをどう表現するかといった場合に、ひとつの言葉としての学力ということも、現在の訓練体系上からいえばおかしくない用語かと法令上は思われます。

(部会長)
 実務上なんですけど、下から上がってくる人たちはいいですが、外部から社会人等を受け入れるとき、実際にはどのような人を対象に入れるかですよね。その時に、単に専門的な経験があるというだけで2年間持つか、教育に耐えられるか。例えば最低限数学は知っていて欲しいとか、物理のこの位は知っていて欲しいとかですね、そういうのがあると、一種の学校教育風に近いような、学力の問題は通らなくてはいけないというのは、あるのではないか。それはだから、実際にはどういう人を受け入れたいかですよね。

(事務局)
 先程私が法令上と申しましたのは、実際にどういう方を受け入れるかという議論があった上で、それを前提にまた法令も考え直さなければならないという意味で、今の訓練体系の用語を使えばこういう表現になるであろうけれども、では、実際にどのような方を、たとえば、工科系の大学を卒業された方も入るのか、あるいは、途中で退学された方はどうなるのか、そのあたりの細かい議論をしていただいた上での内容かとは一つは思われます。また、法律的な議論で大変申し訳ございませんが、少なくとも、専門課程修了者を対象としている訓練ということであれば、論理必然的に、高等学校卒業程度の学力は持っているということは、あるいは高卒者であるということは、その前提要件となりますので、そういう意味での最低限の学力はあるだろうと論理的には言えます。

(委 員)
 しかし、これは短大卒ですよね。専門課程の高度職業訓練修了者とは短大卒ですよ。だから、今の高卒ではないですよね。

(事務局)
 学力の問題が全く議論の外になるかと申し上げれば、学力の問題はあるということを申し上げただけでございます。

(委 員)
 実践というものが、専門の上にあるということを前提として考えると、実践課程の対象者を定義する中に、今、おっしゃった様に、「同等以上の学力」でなく、「同等以上の専門的知識」と書いてもいいのではないかと私は思うのです。というのは、専門課程修了者といえば、事務局がおっしゃったように、高等学校卒業程度の学力ということは、当然含意されているわけですから。ということで、同等以上の専門的知識としてもいいかなと思います。ただ、いずれにしても運用の問題で、どのように書いても運用で適切にやらないと、本当に入るべき人を排除したり、そうでなかったりするということはあります。「学力」と書いていても、うまく運用すれば別に心配はないわけです。

(部会長)
 「同等以上の知識・能力」というのはどうでしょうか。「技能知識」とか「技能」とかいう言葉は使わないでしょうね。
「同等以上の知識及び能力を有する者」。

(委 員)
 「経験」。普通、大学では社会人を選考する時基準は変えるでしょう。

(部会長)
 変えますね。これは、ここで決めると、例えばですね、どちらでもいいですが、専門的知識あるいは学力でもいいですが、ここで決めるとどうなるのですか。

(事務局)
 訓練基準上、ここの対象者は省令に書かなければならないので重要な部分なのですが、一方で、先程F委員がおっしゃられたように、表現上の問題として除く趣旨で創るものではございませんで、あくまでも内容的に、こういう方は入る、あるいは入れられるということを議論の前提の上で、さらに、この表現でいいかどうかという検討が必要な部分でございます。

(委 員)
 実際問題、排除の論理がなければいいのですけれども、文書がひとりだけ動いていって、従来及び今も、高校卒及び同等という状況で、中卒2年課程のものについてもそのことを認めたのですけれども、1人として入れなかったんですね。つまり、やはり高卒でなくてはならないという前提が、修了時の資格問題も含めて出てくる。それから、能開大もそのような傾向にありまして、これは大学院の資格認定の話しになるのですが、短大から編入した場合には、3年生に編入できない仕組みになっていまして、もしそこに入ったとしても、資格は他の一気通貫の人と違うんだといって区別化されるという状況が起こっているわけですので、排除の論理がないというのが、文章のどこかに入っていればいいのですけれど、結果的に文書が一人歩きしていく気がしてならない。

(部会長)
 「学力」という言葉が、そういう点で心配だとおっしゃっているのですね。

(委 員)
 そうです。

(委 員)
 でも、入学試験というのは排除するためにやるのであるし、確かに、御心配のように、現在の日本では一番わかりやすい客観的な、誰も反対できない基準として学歴を考えますからご心配のようなことが起こらないということは言えませんけどね。

(部会長)
 これ、「学力」という言葉ですか、「学歴」ですか。

(委 員)
 同じではないけれど。私もそういう意味では、あまり文部省的な発想にとらわれないようにした方がいいとは思います。

(委 員)
 ここの「学力」という言葉を、他に例えば「専門的知識」に変えると、他の部分も「学力」を使っていると、具合が悪くなるのでしょうか。

(事務局)
 端的に申せば、省令をつくるときの他との整合性を問われると思います。そういう法令上の観点の議論もあるかと思います。ただ、前提となるのは、やはり、中身、誰を入れて、誰を入れないのかという議論がつまった上で「学力」という表現がいいかどうかという議論になるかと思います。あるいは、「専門的知識」なり、他の用語でも耐え得る、あるいは、そちらの方が相応しいかどうかという議論になると思います。

(委 員)
 「能力」というのはどうですか。

(委 員)
 「職業能力」でしょうね。

(部会長)
 「職業能力」とは書きにくいですね、この場合には。相手が修了者ですからね。やはり「能力」ですね。

(事務局)
 ちなみに、全く別の課程で、直接ではないのですが、「同等以上の技能及びこれに関する知識を有すると認められるという課程をつくっている、これは指導員の方なんですが、そういう表現もございますので。

(部会長)
 では、「学力」は気になるということでまた検討していただいて、その次に、指導員の件ですが、資料bQ−1の2ページの指導員は別枠の指導員なのかどうかと、そういうことですよね。

(委 員)
 そうです。いわゆる指導員の要件がいろいろ書いてあるので、ある面では、これだけの知識を持ってなければこの課程を教えることができないという、一般論的な状況なのかというふうに読んでいるのですけど、それでいいのかどうかという質問です。

(事務局)
 結局は新たな課程を設けさせていただくわけですから、それが専門課程と比べまして、実践的で幅広のと申しますか、質の高いと申しますか、そういう訓練が要求されるわけですから、それに対応できる指導員の資格要件を定めておく必要があるのではないかということでございまして、それを分離するという考えは持っておりません。あなたは専門課程しか教えちゃいけませんとか、あなたは実践課程しか教えちゃいけませんとか、そういうふうな分離する考えは持っていないつもりです。

(部会長)
 それは、その時に新たに資格をつくるということですか。

(事務局)
 そうです。

(部会長)
 ということは逆に言うと、今の先生は、新たにまた勉強して、ここで求められる要件を満たして、その資格を新たに取って、実践課程(仮称)を教える、というように資格を取らないと教えられないのですか。

(事務局)
 そういう仕組みとしてつくっておきたいと思っています。今も、専門課程で省令上そのような決まりがあります。

(事務局)
 現在の専門課程の指導員の資格等ということで、第48条の2で1号から7号まで書いてありますが、これは文部省の大学の教授や助教授、講師の要件との並びでこういう基準を設けておりまして、専門課程を教えられるこれら基本的要件を持っていて、この専門課程が教えられる方を担保しようということで、第48条の2の第2項が設けられているので、それと同じ様な並びで、基本的な要件を持った人で、実践課程が教えられる方、という形になるように考えております。

(委 員)
 私、今のは大変賛成なんですが、一般的にものを見たときに、専攻は基礎的なことをやっており専門的ではないので、そうであれば、専門課程の先生が対応した方がいいと思います。資料bQ−2の訓練内容の部分に、「専門課程等で修得した特定の専門分野における高度な知識・技能を核として関連する専門分野に関する基礎的な知識・技能を付与する」専攻学科ですから、この部分を教える先生は、自分の専門分野から見たら基礎的なことを教えるというわけですから、分離して何をどう教えるのかということいわれるおそれがあるから、事務局の言われた内容はいいんですが、そのあたりを整理しなくては、混乱がおきてくる可能性があるので、基本的には賛成であるという前提のもとですので、よろしくお願いします。

(事務局)
 そこは整理させていただきます。

(委 員)
 そうすると、文部省令の大学でいうと、短期大学校を教える先生と、4年制の大学を教える先生とでは、4年制を教える先生の方が資格が高いということですよね。そういうことでいいのですかねえ。基礎的なことを教える人というのは、高度のことも教えられる人であるからこそ、基礎的なことも教えられるのではないか。要するに、両方とも資格は同じであってもいいのではないですか。実際、実践課程を教える人というのは、より高い準備がないと教えられない、ということでもないと思います。

(委 員)
 実際問題、今の短大の先生達は、座学・学科を中心に教えているわけです。実習との比率は半々になっていますが、必ずしも実習場に降りられる先生とは限らないわけです。
 ところが、実践課程の方は、実際の現場と密接するわけですから、学科以上に高い、学科は知らなければいけないですが、高いレベルの実技の内容を知らなくては追っかけられない、したがって、授業の教え方なり、学問的な知識の問題ではなく、腕の問題ですね。より高いレベル、つまり段階の高いレベルを教える先生でなくては、実際問題ここの部分を教えることはできないという前提で、今のようなことを使っていると思うんですよね。これはもう、現場での第一線からいくと、レベルがずっといって一番レベルの低いところが、教える先生。やっぱり、いかに知識があったとしても、実技を教えなければ、やっぱり低いレベルでしか教えられないわけです。

(委 員)
 まあ解りましたけれども、私の疑問は、そういうことで将来良いのかなあということです。知識は教えられるけど、実際のことは知らないという先生で、最初の基礎を教えるというのはいかがなものかと思いますが。

(委 員)
 おっしゃる部分はそうなのかもしれませんが、実際にはそうなっているんですね。だいたい研究所から出てきた人がたくさんいますよね、この人たちは実習場に降りないんですよ。

(委 員)
 先生の処遇の問題が絡んできて、実際には現場を知っているような人にそれなりの報酬を与えて、短大も教えてもらう。要するに、産業界と交流できる仕組みの方がいいですよね。大学で優秀な成績であっても、すぐにその人達だけが先生になれるというのでは、ある意味将来困るのではないか。

(委 員)
 今日の議論の中で、職業訓練指導員の資質や熱意というのが、一つのカギだと思います。そういう意味では、いろいろ資格要件が書かれてますが、実際、実行力を伴わなければならない。特にこれを見ると実務経験の要件を相当強く反映するようにしていただきたいというのが一点でございます。相当数配置するのがどの程度かわかりませんが、やはり、資格要件の中では、実務というのが大事で、先程からのネーミングとか単位の問題もさることながら、どういう人がどういうことを教えるかということが非常に大事だと思います。

(委 員)
 私の言い方がまずかったのか、みんな熱心ではなくて、非常に知識がないというふうに聞こえたのかもしれませんが、ものすごく高い人もいるのですけど、研究畑だけの人だと、第一線に降りれないんですよね。要は、専門は回すことができるかとなるとできないという人がいらっしゃる。そういう人が実践課程に入ってきたらこれは困るだろうということで、おそらく、実際そのときはふるいにかけてですね、あなたは実践課程に向いた指導員だということをやると思うんです。そういう過程を踏んでから配置をするだろうと思いますが、ここに出てくる、単なる文書上の何年かというものではないということを強調して言ったものですから、指導員が非常に悪いものばかり集まっていると思われると困るので答えたまでです。

(委 員)
 大問題ですね。要するに、研究や教育に重点があった人と、実務に経験があった人と、両方の魅力が協力できればいいのであって、だから、どっちが偉いとか、そういうのが無いように創れるといいですね。

(部会長)
 実際上は、どういうカリキュラムが組まれて、授業で何を要求されているかというのを定義すれば、できる人、そうでない人がわかりますよね。
 それでは次に、資料bQ−1の2ページ目の9について話を進めたいと思いますが、これは、2+2というメインストリートの横に、入ったときから4年間勉強できる、そういう別グループを創ろうではないか、ということですが、これについて事務局の方から何かございますか。

(事務局)
 審議会でもずいぶん新しい大学校化のイメージについて御議論いただきまして、その時の皆様方と事務局も含めてできていたコンセンサスは、2年の課程プラス2年、それぞれ形の上では独立した課程でやったらどうか、こういうことでございましたが、国会の法案審議の中で、大変強い御意見の一つとして、学生の側あるいは、学生の父兄の方、学生の関係者から見ると、若い時期の生活設計の上で、2年修了した後どうなるかということについて、やはり当初から計画的に4年教育を受けられる、というような、一貫したコースの方がいいのではないか、2年プラス2年よりも、全て一貫した4年制の課程の方がいいのではないかとおっしゃる先生もいまして、それはまた、そのような立場に立つと、一利あると考えました。しかしながら、本格的にそういうことをすることになると、今の専門課程の2年間のカリキュラム自体も、相当見直しが必要になる、原則は4年制の一貫課程だとすると、専門課程自体も見直す必要になると思います。まあこれは、ここ何年かやってみてむしろ、そちらを原則にした方がいいということになれば、それは4年制の課程ということを前提として、課程全体を見直すということを後でしなければいけませんが、とりあえず2年プラス2年ということを前提としつつも、当初から4年計画で訓練を受けたいという方には、その道も開いていく。そのために、別のコースを設けて、別のクラスで授業を受けさせるというところまでは、なかなか入っていかないのではないか。ということで、事実上、2年プラス2年を一貫していくものを当初から想定した枠を設けていくという、いわば、審議会で御議論いただいたことと、国会での議論の折衷案といいますのでしょうか、少しすっきりしないところもあるのですが、経過的にこのようなことでやってみたらどうかというのが、提案の趣旨でございます。こういうことのメリット、あるいは逆に非常に障害があるということであれば、どういう障害なのか。それは乗り越えられる障害なのか、そのあたり徹底的に御議論ください。

(部会長)
 いかがですか。

(委 員)
 難しいですね。感じとしては、専門課程、実践課程というような形が、メインルートであってですね、2年から4年というのは、カリキュラムとか、学校教育とか、全体の流れの中でどう位置づけるとか、もっともっと大きなところの問題、それと一般大学とはどうなのかとかいうようなこと。やっぱり、父兄が結局どう判断するのかということになってくる面もあるんですね。ですから、私は個人的にはやっぱり2プラス2が基本ではないかというふうに考えます。

(部会長)
 労働省としては、この専門・実践課程、4年間の一気通貫のものは、この新しいシステムが動き出すと同時に、何人かはそのような人たちを入れたいと考えているのですか。

(事務局)
 はい。

(委 員)
 実際やってみて、「あなたは4年に自動的にいけるよ」、「あなたは選別するよ」と最初の時点から、選別することの難しさがあるんですね。

(部会長)
 いや、こうなったら入試は別でしょ。入試は別にしないとまずいのではないのですか。  入試は別で、中に入ったら一緒ですよ。

(委 員)
 いや、実際それができるのでしょうか。

(委 員)
 当面は2プラス2でスタートしてみて、様子を見た上で必要ならば4年の一気通貫について検討していくというような状況で、どうなんでしょう。当初のこの議論のスタートはやはり一気通貫の4年の能力訓練ということは、一般大学との関係でどうなのかというのが体勢だったような記憶があるんですが、その中で、2プラス2という流れができてきてますので。そんな感じがしますけどね。

(部会長)
 将来のために、一応制度としては入れて、使わないというのはどうですか。

(事務局)
 枠組みだけつくっておいて実際は運用はしないと。

(部会長)
 2+2をちょっとやって、様子を見てから考えるということはできないですか。

(事務局)
 今日ここで結論は出せませんので、先生方の御意見を十分賜って。

(部会長)
 私も今の御意見と同じで、やはり無理でしょうね。どうですかね。たまたまですね、4年一貫で入った人が、2プラス2の人よりも成績が高ければいいですけど、逆転してたら不満がすごくたまるでしょうね。

(委 員)
 大学で短大と長期課程と一緒に授業受けて、「あなたは4年課程にいける」ということをやるかということですよね。実際にある方に「あなたは4年にいける」と言われ、自動的に4年にいけて、「あなたはいくらがんばったって、もう一回試験受けなきゃだめだよ」というのは、実際の現場では不可能に近いですよね。

(委 員)
 大学の大学院がそうですよね。修士課程と博士課程。一応、修士課程が終わって試験を受けてドクターに行かれる人は選抜されます。

(委 員)
 基本的なことに関係するんですが、専門課程があって仮称・実践課程があるという、積み上げ方式が基本にあると。もしするなら、2プラス2にしておいて、2が終わったところで、もう一度選抜等をして、推薦でもいいですが、後2年続けることができる、というようにしておけば見通しは一応大丈夫ですよね。それが一つと、もう一つは、2プラス2で積み上げ方式を全くやめて、併設でやるというのは考えられませんか。つまり、モジュール制みたいのを将来導入するのでしたら、順序を問わないと。結果として4年いることもありえる。

(事務局)
 基本的な原則としての積み上げ2プラス2という御議論の中でも、そうはいっても、いわば一気通貫型を最初からめざすという人も当然出てくるだろうし、ではそういう人達の要望をどうしていくのかというのは、いわば、先送りしたかたちになっておりまして、2プラス2は原則としつつも、4という要望があった場合の考え方をどのように整理すべきなのかというのが、いわば、検討課題として残っています。

(部会長)
 実際に大学の理工学部にしても、国立は特にそうですが、6がかなり多くて、4プラス2でしょ。そうすると、4年間の中で考えてかなりの人はプラス2して、そうでない人とは分かれるわけだから、それはそれでいいんですが、問題は2つあって、プラス2を積むときに、その前の2年間が短いかどうかなんですよね、それは大学の場合は4年間ありますから。

(事務局)
 ここで議論になるのは、2プラス2という制度を前提としながら、積み上げた4年間を保証する制度を設けるかどうか、仮に設けるにしてもそれは運用でやればいいじゃないかという議論と、後で課程を創るべきではないかという議論とがありまして、ただ実際に2プラス2を保証するものを創る以上、その人にとってみれば、それを保証する制度的な担保としてのものも含めて新しい課程、ただ、この課程は先程の説明にもありますように、単純に内容を足しただけの課程、すなわち何ら付け加わって無いわけですね。
 つまり専門・実践課程が、高校卒業者を対象に実践課程の修了時と同じ人間を創るという意味での、スタート地点は違うけれども、目指すところは同じである、という訓練基準というものを創るという考え方でございます。基本的には2プラス2を原則としていることは変わりません。

(委 員)
 一般の短大の校長、指導員に聞いたらみんな4年制、一気通貫賛成なんです。しかし、最初からそういう仕組みじゃなかったわけですから。それからもう一つ言うなら、県立短大もあるわけですし、その受け入れ、それから、在職労働者もあるわけですし、一気通貫の制度で受け入れるときに、本当に受け入れるかと言ったら受け入れないと思うのです。それは、2プラス2という状況で一回きって対応するから、都道府県の人なりが入ってくる仕組みになる。実際にやっている人からすれば、4年の大学を創りたいです。それは当たり前です。学生に聞けば4年希望するというのは当たり前なのです。しかし、実際そのことの問題は、最初の論議から違ってくるわけですし、もっと中小企業対策の問題も含めて、そのあり方、それから労働省らしい仕組みづくりをするにはどうしたらよいか、というのを議論してきたわけですので、将来的に4年を創ることはあるとしても、過程として踏まなくてはいけないことではないでしょうか。

(部会長)
 今日いろいろ議論していただいて、いろいろ問題があって解決していないことも多いですし、まだ問題があれば出していただいて、もう一度会議を開くという形にしていただきます。では、他に意見ございますか。

(委 員)
 生産システム技術系の下に3つ設けるとなってますが、すべて「生産」がついてしつこいですから、名前を簡単明瞭にした方がいいのではないでしょうか。

(事務局)
 検討はしてみますが、系の名前をいった後、科の名前を必ずきっちりというかというとそうでもなくて、科の名前だけで使用するというようなこともあるかと思うのですね。
 その場合に、科の特徴を表す時に、「生産」がついていた方が学科の特徴が出るのではないかという考え方もあろうかと思います。もう一度丁寧に検討しています。

(委 員)
 2つ質問がありまして、1つは、資料2−1の2の2訓練の概要で、「企業が製品等の高付加価値化」等とありますが、「企業が」ということが絶対の条件なのですか。つまりここで、対象として訓練を受ける人たちというのが、将来企業で被雇用者になるというのが前提となってる訳ではないのですよね。独立したっていいわけですよね。というのが1つ。
 もう一つは、標準訓練科の中身ですが、この4つが選ばれた理由は何でしたか。今ある専門課程の上にのっけるということが前提でこの4つが選ばれたのでしたか。

(事務局)
 ではまず「企業が」の部分ですが、これは、中能審で御議論いただいて、雇用保険の事業でやっておりますので、被雇用者をつくるということで、つくったものが残っているだけでして、要は最終的にその人がどういう形を目指しているのかというのはいろいろあると思いますが、制度の仕組みの前提として、一応説明としては、こういう形にしました。

(部会長)
 もう一つはどうですか。

(委 員)
 もう少し具体的に言うと、このイメージをわかすのに、例えば「生産機械システム技術科」と言った時に、そこで対象になってる産業は何ですか。例えば化学でもいいのですか。産業機械でもいいのですか。何でもいいのですか。

(事務局)
 当初は機械システムと電気・電子システムの関係で1つ、情報システムの関係で1つ、それから居住システムの関係で1つ、というように、3つくらいあるのかなと考えていたわけですが、その後いろいろな専門家の方の御意見をお聞きしたところ、いずれにしても生産に着目した形で整理する必要があるのではないか、とくに情報につきまして、内容的に単純な情報処理ではなく、生産関係のものに特化していくべきではなかろうかということで整理させていただいていますし、それから、機械システムと電気・電子システムを当初一つにまとめて考えていたのですが、やはり相当違うのではないかということで、この3つが生産関係で3つにまとまりまして、居住関係のものが1つ残っている。実はこういう経過でございます。

(委 員)
 生産というときに、工業生産であるということですね。

(事務局)
 あの時の議論としては、製造業という、それだけのものです。

(委 員)
 製造工業で、その製造工業の内容は、繊維産業であっても、自動車産業であっても。

(事務局)
 化学であっても、とりあえずは何でもいいと。

(委 員)
 何でもいいというか、どこにでも役立つわけですね。

(事務局)
 役立ち得るということです。

(委 員)
 前者の方は機械・電気のことを中心に幅広く展開して、生産現場に入って行くわけですので、中小企業でしたら応用力が付くだろうという前提でつくられている。それから、先程の4件の問題は、今すでに短大で行っているものを、袋小路としないという前提です。一部例えば、化学とか繊維まで及んだ場合には非常に、今の実践課程の部分が散漫になるおそれがあるので、そこは短大の2年課程で終わっているというような部分も出てくるわけです。原子力とか、デザインとか、環境化学とかいうものもあるわけですけれども、これらは2年で終わるということです。

(委 員)
 具体的には機械工業。

(委 員)
 そうです。基幹産業を中心とするものと、居住関係。

(委 員)
 ということは、機械工業に何らかの意味で特別に需要があるというのか、特別難しいのか。

(部会長)
 そういうことはないと思いますよ。

(事務局)
 生産系ですね。機械工業だけではなくて、製造業全体ということでいわゆるものづくり、何らかの意味でものをつくるような産業になると思います。

(部会長)
 通常の工学部のメインのフィールドですよね。

(委 員)
 基本的に、機械が実際問題の中心であるにしても、機械工業だけでない方がいいと思います。それにしても生物系のものは資料にないですね。

(事務局)
 今、委員がおっしゃられたように、現在の専門課程にそういうものがあまりないというか、それを前提に考えました。

(委 員)
 近い将来、生物、バイオ系のものがあるといいように思うのですが。

(委 員)
 こういうような公的な職業訓練に馴染むかどうか。

 それで、観光とかいうのも随分やってたんですが、果たして職業訓練の、この公的な機関、しかも、国が実施する中に、該当するかというようなことが盛んに論じられてきておりまして。やはり、金がかかるわけですね。

(部会長)
 コンセプトは、プロダクションですから、バイオでもプロダクションの段階にくるとやっぱり、機械と電子と情報がきますから。
 他にございますか。今日は問題点だけ出していただきたいと思いますが。

(委 員)
 在職者の短期の訓練期間を最高1年くらいと考えているとおっしゃいましたが、こちらの方は、先の2プラス2年、あるいは、4年についての可能性の論議を含めて、そちらの柱がきちっとしたあと、それとの関連で短期を検討していくという解釈でよろしいのですか。

(事務局)
 これは、できれば同時に整備をしたいと。実は一部試行的に今年度から東京短大で、やってみようということで予算的な措置もできております。制度化も同時にやりたいと思っております。

(委 員)
 そうしますと、いわゆる訓練課程の詳細については、2ページにはかなり書いてあるのですが、3ページには対象者と概要と期間しか入ってないんですよね。ですから、こういうのをやるとかは不案内だったのですが、こちらと同じ様なものを短期間でやるということで解釈してよろしいですか。

(事務局)
 実際、短期の訓練につきましては、かなり弾力的に行えるようにということで、基準自体がそれほど細かいことを決めないようにしていまして、訓練の対象者はどういうレベルの人にするのかとか、最低どの位の時間やるのかとか、どの位の期間を上限とするのかとか、そういう大ざっぱな訓練基準の枠をはめて、その中で、各施設がニーズに応じて動けるようにしようということですので、仮称・実践課程の基準と比べると、かなり大ざっぱなものとして、決めていくことが必要だと思います。

(委 員)
 ようするに在職者の場合、むしろ在職者の方がニーズを把握しているから、そのニーズにあったものをお互い創り上げていこうという感じで理解してよろしいですか。

(事務局)
 はい。

(事務局)
 一つ、分野は訓練科という意味では同じですよね。それからレベルは仮称・実践課程のレベルで期間が割合柔軟に設定できる。したがって期間が短いですから、ある特定の課題に対応するような、プログラムになっています。

(委 員)
 そういうのであれば、そのような趣旨も少し書いてあった方がいいのかなと。

(委 員)
 先程私も質問したのですけど、実践短期課程ということと、ここの企業人スクール、それから研究開発支援型コースの問題が、どのようにリンクされているかというやつが、十分に解らないので、一緒なのか違うのかを整理しなくては、受ける方が難しいだろうと思います。

(部会長)
 それについては次回までに整理しておいてください。今日は時間になりましたので、7月22日にもう一度基準部会を開催させていただきまして、この件について引き続き議論をさせていただきたいというふうに思います。一応今日は骨格の議論をしていただきましたので、後の科の細かい教育内容については、並行して専門調査員の方にやっていただくということで、これについてお話しいただけますか。

(事務局)
 本日事務局の方で提案させていただきました、訓練系及び訓練科につきましては、本基準部会の審議と並行いたしまして、資料bQ−4の名簿の方で、本日の意見を踏まえながら、訓練科ごとの教科等につきましてご審議をいただき、その状況を節目で基準部会に報告しながら、進めさせていただきたいと考えておりますがいかがでございましょうか。

(部会長)
 ではやっていただいて、あまり相互に干渉することはないと思いますが、干渉することが一部あったら、またこちらで変更していくということでやっていったらどうでしょうか。ただ2プラス2を前提にやってください。
 それでは本日の基準部会を終わらせていただきます。



(注)  本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、職業能力開発局能力開発課 03-3593-1211(代)までお願いします。



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