雇用審議会総会 議事録

1日時 平成11年7月29日(木) 10:00〜11:30
2場所 労働省省議室
3出席者 【委 員】  岩瀬孝、大宅映子、小野旭、尾原蓉子、北裏昌興、佐伯昭雄、笹森清、清水仁、関英夫、高梨昌、田嶋義明、浜田広、福岡道生の各委員
【事務局】  伊藤事務次官、戸苅官房長、松政策調査部長、鳥生総合政策課長、横田審議官、藤井女性局長、渡邊職業安定局長、青木職業安定局次長、長谷川高齢・障害者対策部長、日比職業能力開発局長、太田雇用政策課長、坂田労働法規課長
4議題 (1)新しい雇用対策基本計画案について(諮問)
(2)その他
5議事  

○会 長:
 ただいまから、雇用審議会総会を開催いたします。本日は、「第9次雇用対策基本計画(案)」について、労働大臣から諮問を受け、それに従って審議をする方向で進めます。まず、事務次官より、会長に諮問文をいただきます。

(事務次官より、会長に諮問文を手渡す)

○会 長:
 各委員のお手元には、労働大臣からの諮問文の写しと、計画案が配付されておりますので、事務局よりご説明をお願いします。

○事務局:
 本日、諮問させていただきました計画案は、6月初めから、当審議会総会、小委員会で大変熱心なご議論をいただき、それを踏まえて作成したものです。これは、閣議決定にかかる関係から、各省庁にかけておりますけれども、基本的に協議が終了したものです。
 全体の構成は、前回お話したとおり3部構成になっております。1番目は、計画基本的な考え方。その中で、計画の課題と期間。2番目は、雇用の動向と問題点。3番目は、雇用対策の基本的事項ということで、各論的な部分にわたるところです。
 1頁ですが、計画の基本的な考え方、雇用の動向と問題点については、前回基本的な考え方はご説明いたしましたので、ポイントをご説明申し上げます。小委員会等でも、わかりやすいサブタイトルを付けたらどうかという意見がありました。雇用対策基本計画(案)の下に、「今後の労働市場・働き方の展望と対策の方向」という形で、これから21世紀初頭の10年間、労働市場がどういうふうになっていくか、働き方がどうなるかということを踏まえて、対策の方向性、ということでサブタイトルを付けさせていただきました。
 計画の基本的な考え方は、21世紀の10年間の環境変化。どうなるかということで、供給面からすると、初めて労働力人口の減少が現実のものとなる、ということがいちばん大きな点です。需要面で見ると、グローバル化なり、情報化等々規制改革、経済産業構造が大きく転換する時期であるということです。そういう中で、適切な経済運営によって、良好な雇用機会の創出確保を図るということ。
 それから、ミスマッチの拡大が懸念されますので、抑制するために、さまざまな雇用対策を講じていくことが大きな課題であるということです。もう1つは、少子・高齢化の進展とか、女性労働者の増加等に対応して、個人が主体的に多様な働き方を選択でき、安心して働ける社会をつくっていくことが重要であるということです。そういう10年間の基本的な環境変化と課題です。それから、足元の課題がありますので、経済の回復、雇用の改善を早期に実現し、政府挙げて、緊急の雇用対策を迅速かつ効果的に実施することが必要であるということです。
 本計画の役割ということですが、そういう中で課題とか、問題点、基本的事項を示して、今後10年間程度の間の政策目標と、政策手段を明らかにするということです。
 本計画の重点が4点あります。1点は、経済産業構造の転換に的確に対応して、雇用の創出安定を図る。2点目は、個々人の就業能力を向上させるとともに、経済社会の発展を担う人材育成の推進です。3点目は、人々の意欲と能力が活かされる社会の実現を目指す。4点目は、国際的視野に立って、雇用対策を展開していく。ここは、いわば総論部分です。
 1頁の下から、計画の課題ということで、労働力の需給構造がどう変化していくかということです。2頁で、第1は労働力の需要面の変化ということで5点あります。1点目は、経済成長です。労働力人口がこれからは減ってまいりますので、成長率に対する、労働力供給の寄与は見込めなくなるということで、生産性向上が全体を引っ張るような形で、新しい経済成長の姿が実現するということです。これは、経済計画のほうとの整合性で、こういう形にしております。
 2点目は、情報化や、サービス経済化による、経済産業構造の転換ということです。これは、雇用機会を減少させるという面も持つわけですが、一方で良好な機会を生み出すという側面も持っているということです。
 3点目は、グローバル化です。我が国の産業構造を大きく変化させる、あるいは外資系企業が増えれば、雇用創出にも寄与するということです。また、人事・労務管理の諸制度にも影響を与えるのではないかということです。
 4点目は、経済構造改革等による豊かな国民生活の実現。雇用就業機会の増大です。高コスト構造等を改善することによって、豊かな国民生活の実現、あるいは雇用就業機会の増大も期待されるのではないかということです。
 5点目は、産業競争力強化策と、雇用面への影響ということです。労使が十分に話し合って、協力して進めることが必要ではないか。政府も的確な対応に努めることが重要であるということです。以上が需要面です。
 2番目は、労働力の供給面が4点あります。1点目は、少子・高齢化の進展です。高齢者の高い意欲を活かして、その有する能力が十分に発揮されることが必要不可欠になってくるということです。2点目は、女性労働者の増加です。働きやすい環境整備が一層重要になってくるということです。
 3点目は、若年層を中心とした勤労者意識の多様化です。意識の変化の中で、転職が増加するとすると、構造的・摩擦的要因による失業の増大をもたらす可能性があって、若年者に対する総合的な雇用対策の必要性を高めているということです。4点目は、外国人労働者の動向です。今後とも増加することが見込まれる、というような状況です。以上が需給の状況です。
 5頁で、労働市場の構造変化への対応ということで、計画の課題です。大きくは2つあり、1つは、積極的に雇用の創出安定を図るということです。政府全体で、新事業の創出、あるいは雇用機会の創出を図る、あるいは新しい雇用機会へ、失業を経ないで円滑に労働移動できるような環境整備も重要である。当然ながら、適切な経済運営が必要であるということです。
 2点目は6頁で、すべての人々が意欲と能力に応じて働くことのできる社会の実現を目指すということです。基本的には自己選択、自己責任の下で、個々人が主体的に行動できるような社会を目指すということです。ただ、そのためのセーフティ・ネットの構築も重要である。あるいは、働き方の多様化が進む中で、その多様性を認め合うような社会をつくることも必要ではないかということです。
 こういうことで、中ほどの計画の課題です。カギでありますような、計画の課題は、労働市場の構造変化に的確に対応し、積極的に雇用の創出・安定を図り、人々の意欲と能力が活かされる社会の実現を目指すこととするわけです。
 特に、労働市場は、大きな構造変化に直面する中で、ミスマッチが拡大して、失業がさらに増大する可能性があるため、適切な経済運営に努めるということと、雇用創出なり、能力開発、需給調整機能の強化と適切な施策を講じて、完全失業率については、できる限り低くするように努める必要があるということです。計画の期間もいろいろ議論がありましたが、基本的には、経済計画と整合性を取った形で、平成11年から21世紀初頭までの10年間程度ということとさせていただきたいと思っております。
 6頁の下のほうから2の「雇用の動向と問題点」です。最近の特徴ということで、最近の経済の動向と雇用失業情勢について、6頁から8頁の始めまで記載しております。さらに、労働移動の動向、労働時間の動向について記載しております。
 そういう動きを踏まえて「今後の雇用動向と問題点」ということです。今後の労働力供給とか、就業構造の見通しがどうなるかということです。これは、基本的には雇用政策研究会の報告を踏まえて記載させていただいております。労働力人口の見通しがどうなっていくのか。就業者数の見通し、働き方の多様化、長期継続雇用がどのように変化していくのか、雇用調整システムがどう動いていくかということです。
 10頁で、「今後の雇用をめぐる問題点」ということで大きく3つ挙げております。1番目は、労働力需給のミスマッチの拡大が懸念されるということです。産業間、職業間、年齢間、それぞれ特別な施策を講じなければ拡大していくことが見込まれるわけです。
 2番目は、大きな点として、若年層の失業の増加による、経済社会の影響が、これからは非常に大きくなっていくのではないかということです。3番目は、経済構造改革とか、経済の供給面の体質強化です。これは、豊かな国民生活とか、雇用機会の創出という面も持つわけですが、一方で、短期的には、雇用にも影響が及ぼされますので、十分に注意を払いつつ、これに伴う労働移動ができる限り円滑になされるように対処していくことが必要ではないかということです。
 11頁で、「雇用対策の基本的な事項」です。冒頭で申し上げました4点を整理したものです。重点的な方針です。第1は、経済産業構造の転換に的確に対応して、雇用の創出・安定を図ること。基本的には、良好で、長期的に働くことができる雇用機会の創出確保を、雇用政策の目標とする。しかし、失業した場合には、再就職先が早期に見つかるようにすることが最も重要であるということです。したがって、具体的には政府全体で新事業の創出、良好な雇用機会の創出に努める。さらには、円滑な労働移動ということで、失業なき労働移動への支援を強化する。民間機関も活用しながら、公共のセーフティ・ネット機能も活かして、全体としての労働市場の需給調整機能の強化が必要であるということです。
 2番目は、「個々人の就業能力を向上させるとともに、経済社会の発展を担う人材育成の推進」ということです。これから労働者は、企業内部だけではなくて、企業外でも通用する能力を習得できるように支援することが重要ではないかということで、労働者一人ひとりが、自発的に能力開発に取り組むことができるように支援していくことが大事ではないかということ。労働移動の活発化にも対応して、職業能力の適正な評価を積極的に進めていくことが必要ではないかということです。
 3番目は、「人々の意欲と能力が活かされる社会の実現を目指すこと」です。活力ある高齢社会の実現のために、すべての意欲と能力のある高齢者が65歳まで働ける仕組み、あるいは社会参加が重要であるということ。性別に関わらず、個人が主体的に職業選択を行って、能力を十分に発揮して、充実した職業生活を送ることができるようにすること。職業生活と家庭生活との両立支援。健康で安心して働ける職場の実現。多様な働き方を可能とする環境の整備が必要であるということです。
 4点目は、「国際的視野に立って雇用対策を展開していくことが必要である」ということです。国際機関の活性化とか、相互連携等に積極的に貢献する。人づくりを中心に、国際協力を積極的に推進する。外国人労働者の問題については、専門技術的分野の労働者は、積極的に受け入れるわけですが、いわゆる単純労働者の受け入れについては十分慎重に対応するということです。この辺も、経済計画との整合性を取って記載しております。
 12頁の後半以降が、「基本的事項」ということで、具体的な施策9点です。前回はスケルトンで説明させていただきましたが、その後、小委員会で全文をご議論いただき、その意見も踏まえて作成したものです。
 1点目は、雇用の創出・安定ということが、最も重要ではないかということです。(1)にあるような、「新規事業展開による雇用創出」ということで、雇用創出を強く打ち出しております。当然ながら「適切な経済運営による経済成長の確保が重要である」ということ。「規制改革をはじめとして、雇用創出のために必要な環境の整備も重要である」ということです。そういうフレームの中で、「雇用創出の担い手である中小企業の成長、発展、支援を積極的に実施していく」ということです。
 のように、開業率が非常に低くなっているということで、新規開業を支援して、新たな雇用機会の創出を図る。そのための支援を行っていくということです。は、起業家支援を積極的にやっていこうということです。特に、従来あまり起業を行ってこなかった、女性、高齢者、学生等の場合、なかなか困難なケースがありますので、特に積極的な支援を行っていきたいということです。
 14頁ので、新規産業創出につながる科学技術研究の推進等です。はワークシェアリング等もご議論いただきましたが、雇用労務管理の創意工夫による雇用創出ということで、いわゆるワークシェアリングも視野に入れて、関係労使と十分話し合いを行う。労使の話し合いを促進して、その中で雇用労務管理の創意工夫による雇用創出等に向けての気運の醸成を図っていくということです。
 は、「NPOを活用していく」ということです。は、「政労使一体となった雇用創出・安定の取組の推進」ということで、都道府県や地域レベルで、事業主団体、労働組合、関係行政機関が一体となって取組の推進を図るということです。
 14頁の下からは、「成長分野における雇用創出を推進する」ということで、「政府の行動計画の着実な実施による新規・成長15分野の育成」です。は「成長分野における雇用創出の推進」ということで、成長分野の雇用機会の増大、あるいは労働移動の円滑化ということで、情報提供、相談、支援、能力開発等、総合的な支援策を講じていきたいということです。
(3)は、今回の緊急雇用対策で講じられた、国、地方公共団体による、臨時、応急の雇用・就業機会の創出です。短期的な対策も明確に記載すべきではないかという意見を踏まえて記載しております。
(4)は「失業なき労働移動の支援」ということで、新しい産業に、できる限り離職することなく、円滑に労働移動することが必要ということで、これも今回の緊急雇用対策で、抜本的に拡充された人材移動特別助成金を活用し、労働移動の円滑化を図るということです。は「業種雇用安定法に基づく失業なき労働移動の支援」です。
 16頁の(5)景気循環に対応した雇用の維持・安定対策も重要であるということで、雇用調整助成金の機動的、弾力的運用によって、企業の雇用維持努力に対する支援に努めていくということです。
(6)は、もう少し長い目で見ると、労働力人口減少時代が来ますので、そのための人材確保対策です。
(7)は介護分野における雇用創出、労働力確保対策です。来年度から、介護保険制度も施行されるわけですし、労働力確保が必要な面と、雇用創出が期待できるという両方の面がありますので、雇用創出に向けた支援を新たに行っていくということ。「需給調整機能の整備充実」、「雇用の安定、福祉の増進」ということで、介護分野の雇用創出、マッチング機能の強化等を支援していくということです。
(8)は「地域雇用対策の推進」ということです。基本的には地域の創意工夫で、多様な雇用の創出・安定が図られるように努めていく。特に、ものづくりなどの支援を積極的に行っていく。人材の地方移動への支援。農業等のニーズも高まっていますので、そういう就農とか、就職の支援をやっていくということです。以上が、大きな1番目の柱の「雇用創出安定」です。
 18頁の2「経済社会の発展を担う人材の育成の推進」です。まずは、労働者個々人の自発的な能力開発のための環境整備ということです。これから、労働移動の増加とか、能力重視の雇用管理が強まってまいりますので、その企業内部だけではなく、広く産業一般で通用する能力の開発向上に積極的に取り組んで、個々人の就業能力の向上に努めることが重要であるということで、相談援助・情報提供体制の整備、あるいは、その労働者の取組のための長期リフレッシュ休暇制度の導入等の環境整備も図る必要があるということです。
(2)は「能力の適正な評価」です。これも、小委員会等でいろいろご議論いただいた点です。労働移動の増加が見込まれる中で、能力の向上を図るためには、その職業能力を評価できる制度の整備を図る必要があるということで、民間の取組を中心に支援していくことが必要ではないかということです。
(3)は「事業主が行う能力開発の推進」です。企業が、付加価値の高い分野や、新規分野への展開を図る上で必要となる人材の育成に対する支援です。情報提供・相談援助の充実、企業内の支援体制の整備です。
(4)は「公共の対策の推進」です。ここは、民間の機関の活用も含めて、いわばセーフティ・ネットとしての職業訓練の充実です。
(5)は「産業発展の基盤である高度熟練技能の維持継承」です。(6)は「産業構造の変化に対応した教育内容の充実」ということで教育の問題です。(7)は「技術者・研究者の育成」です。以上が2番目の対策です。
 3番目は、「労働力需給調整機能の強化」です。ここでは、公共だけではなくて、民間活力を活かして、官民一体となった需給調整機能の強化を図るということです。1つは、民間の需給システムの整備です。民間機関と公共との連携協力を強化していくということ。にあるような、事業主団体とか、労働組合と、求人確保等いろいろな関係で連携協力を行って、充実強化をするということです。
(2)は「公共機関の情報提供、カウンセリング・職場体験機会提供の機能の強化」です。情報提供機能の強化ということで、インターネットによる情報提供を、早期に全国ベースで実施する。経済団体との協力の下で、職場体験機会、いわばインターンシップの機能の強化。官民一体となった相談援助、特に中高年のホワイトカラーについて、支援の強化を図っていくということです。以上が3点目です。
 4点目は、「高齢者の雇用対策の推進」です。ここは、前回の小委員会で、もう少し方向性を明確に打ち出すべきではないかというご議論をいただきましたので、整理している所です。1点目は、「長期的な高齢者雇用の在り方」ということで、今後10年だけではなく、もう少し長いスパンをにらんで、どういう在り方が考えられるか、ということで整理したものです。
 22頁ですが、そういう長期をにらむと、将来的には高齢者が意欲と能力がある限り、年齢に関わりなく働き続けることができる社会、いわば、エイジレスの社会を実現していくことが必要ではないかということです。それには、従来の雇用慣行の見直しなど、さまざまな課題がありますので、これらを解決していくためには、まずは労使が率直に話し合って、政労使が協力し、段階的な取組を行っていくことが必要ではないかということです。そして、多くの企業において、年齢よりも、その能力に基づく人事管理制度が普及するようになれば、意欲と能力がある限り、年齢に関わりなく働き続けることができる社会の実現に近付いていくのではないかということです。
 そういう長期の見通しの上で、(2)「向こう10年間程度の間における取組」ということで、ここは65歳までの雇用の確保を積極的に図っていく必要があるということです。将来展望を踏まえると、個々の企業においては、従来の人事管理制度の見直しなどを行いながら、この10年間の間において、65歳に向けて定年年齢を引き上げていくことが必要ではないか。
 しかしながら、賃金の問題等々、従来の人事管理制度の見直しに当たっては、解決すべき問題点も多いということがありますので、当面は定年だけではなく、再雇用による継続雇用、あるいは他企業への再就職という方策も視野に入れていく必要があるのではないかということです。そういう意味で、選択肢をいくつか持ちながら、向こう10年程度の間において、65歳定年制の普及を目指しつつも、少なくとも意欲と能力のある高齢者が、再雇用とか、あるいは他企業への再就職などを含めて、何らかの形で65歳まで働き続けることを確保するということです。そのための支援を、いろいろやっていくことが必要ではないかということです。
 23頁で、普通勤務以外の雇用・就業機会のあっせんの機能を強化する必要があるのではないかということで、シルバー人材センター事業の発展拡充、あるいは高年齢者職業経験活用センターの在り方についても検討を行っていくことが必要ではないかということです。(3)は、「高齢期に向けた社会参加の促進」です。
 大きな5番目は、「若年者の雇用対策」です。これも、将来をにらむと、非常に大きな問題であるということで、大変熱心なご議論をいただいた所です。特に問題意識としては、若年層の離職者が増えて、失業率が上がってきている。全体の完全失業率を上昇させる大きな要因ではないかということです。中長期的に、構造的失業の増加を抑制するためには、若年者の適切な職業選択、円滑な就職促進を図ることが重要であるということです。
 そういう意味で(1)「学校教育も含めた若年者の対策が必要ではないか」ということでご議論いただいた点です。「若年者の職業に就くための基礎的な能力の向上」ということで、学校教育も含めて、社会全体としての対応が必要であるということです。は「高等学校における専門教育の充実も必要である」ということです。 (2)で「若年者の職業意識啓発対策」ということです。地域や産業界の協力を得て、学校教育の各段階において、職場体験等の啓発的な体験を行う機会を充実して、働くことの意義や、職業についての知識が深められるように、進路指導とか、職業指導の充実を図る。特に、インターンシップ等についての充実を図っていくということです。(3)は「新卒者とか未就職卒業者、早期離転職者に対する就職支援を積極的に行っていく」ということです。以上が5点目です。
 6点目、25頁の上の部分ですが、「個人が主体的に働き方を選択できる社会の実現」ということです。(1)は「男女雇用機会均等確保対策」です。「雇用の分野における男女均等取扱いの確保対策の充実・強化」ということで、例えば個別紛争の迅速な解決の援助、男女雇用機会均等法遵守のための積極的な行政指導を展開するということです。
 は「女性労働者の能力発揮促進のための積極的取組」。いわゆるポジティブ・アクションの推進です。事業主をはじめとする、企業のトップの理解を深める、あるいは各企業における自主的な取組を促すということで、ポジティブ・アクションの重要性、手法等について周知に努める。企業における自主的な取組を促進するため、施策の充実を図るということです。また、国としても意識啓発とか、さまざまな啓発活動を積極的に推進するということです。
 は、性差別禁止に向けた取組の推進です。個々の労働者が主体的に職業を選択して、充実した職業生活を送ることができるように、いろいろな働き方の選択に関わりを持つ諸制度・慣行についてさまざまな世帯形態間の公平性等にも配慮しつつ、個人の選択に対する中立性等の観点から、総合的に検討を進めていくということです。
(2)は「仕事と育児・介護との両立支援対策」です。「育児・介護を行う労働者が、働き続けやすい環境整備の推進を図っていく」ということです。は、その育児・介護で、一旦退職した者のための再就職対策です。なかなか困難な面があるので、対策の拡充とか、再就職後の能力発揮促進のための支援を行っていくということです。
(3)「多様な働き方を可能とする環境整備」ということです。働く人が、多様で、かつ柔軟な働き方を選択することができるようにするために、企業における雇用管理の実施、定着、適正な労働条件の確保に向けた施策を推進するということです。パートタイム労働対策についても、就業の実態とか、通常の労働者との均衡等を考慮したパートタイム労働者の適正な労働条件の確保、あるいは雇用管理の改善を図る等の対策を推進する。あるいは、パートタイム労働者が、通常の労働者としての働き方を選択することが容易となるような支援の充実を図るということです。在宅就労にも、いろいろな問題点が指摘されておりますので、総合的な支援を図っていくということです。
 は、派遣労働者が、広範な分野において、安心して就業できるための環境整備ということで、社会・労働保険の適用とか、能力開発とか、労働者保護等十分留意して、制度の適正な運営を確保するということです。
 は契約労働、テレワーク、SOHO等々多様な働き方で働く人の就業環境の整備ということで、雇用だけではなく、いろいろな働き方がありますので、安心して働くことのできる条件の整備を図っていくということです。以上が6点目です。
 7点目は、「安心して働ける社会の実現」ということです。(1)「個別労使紛争処理対策」です。ここは、前回の小委員会でご議論いただいた点です。現行制度の活用だけでなく、今後、総合的な個別労使紛争処理制度の在り方についても、検討を進めていくということです。
(2)は「労働条件の明確化と、法定労働条件の履行の確保」です。(3)は「公共職業安定機関の職業紹介機能の充実強化を図る」ということです。(4)は「雇用保険」です。セーフティ・ネットとして有効に機能していくように、給付と負担の両面から所要の検討を加えて、必要な見直しを行っていくということです。
(5)は「労働時間対策」です。まずは、労働時間の短縮ということで、年間総実労働時間1,800時間の達成、定着を図るために3点あります。1点は、週40時間労働制の遵守の徹底。2点目は年次有給休暇の取得促進。3点目は所定外労働の削減を柱として、積極的に施策を推進するということです。で「自律的、創造的かつ効率的な働き方の実現」です。裁量労働制の活用なり、フレックスタイム制等の導入促進です。
(6)は「安全と健康確保対策」です。1つは、労働災害防止対策を積極的に推進するということです。2つ目は、高齢化の進展とか、産業構造の変化を踏まえた、労働者の健康確保対策を積極的に推進するということです。
(7)は「中小企業労働対策」です。多様な中小企業があるわけですが、全体としては、まだ労働条件の改善の面、人材の育成、福祉の向上等、大企業に比べて立ち遅れが見られますので、魅力ある職場づくりに向けて、労働施策の一層の充実、あるいは中小企業労使が、積極的に労働施策を活用するように促進していくということです。 (8)は「勤労者福祉対策」です。は前回もご議論いただいた点ですが、「確定拠出型年金制度の導入に向けた取組の推進」ということです。今後、関係省庁間において検討を進めていくということです。それから、財形制度の充実。中退金制度の普及、制度の安定的な運営等です。
 は、勤労者のNPO活動とか、ボランティア活動等の、社会活動参加のための環境整備ということで、環境整備についての啓発とか、社会活動に参加するきっかけづくり、さらには情報の提供とか、相談体制の整備を図っていくということです。
 32頁の8番目、「特別な配慮を必要とする人たちへの対応」です。障害者雇用対策ということで、これはノーマライゼーションということで、障害のある方とない方が、同じように一緒に自然に働けるような社会の実現を目指すということです。関係機関との連携の下に、就業面と生活面を通じた、一貫した支援体制をつくっていく。障害者の雇用の促進と安定のための対策を、総合的に推進する必要がある。特に、雇用の立ち遅れが見られる重度身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用の促進を図るための取組を促進する必要があるということです。
(2)は「日雇、ホームレス対策」です。33頁の「その他」では、同和関係住民の雇用対策、あるいはウタリ地区の住民の雇用対策です。
 最後9番目は「国際化への対応」です。1つは、国際協力等の推進ということで、雇用問題をはじめとし、社会労働問題の解決に向けて、国際機関の活性化とか、相互連携等に積極的に貢献していくことが重要である。あるいは、人づくりなどの国際協力を積極的に推進するということです。
(2)は「外資系企業対策」です。(3)は「企業の海外進出対策」です。(4)は「外国人労働者対策」です。34頁の下のほうですが、基本的には我が国の経済社会の活性化とか、一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の受け入れをより積極的に推進するということです。
 ただし、下から3行目ぐらいに、いわゆる単純労働者の受入れをどうするかということですが、ここは、いろいろな問題点がありますので、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応することが不可欠ではないかということです。
 それから、人手不足対策の対応として、つまり少子・高齢化に伴う労働力不足への対応して、外国人労働者を入れたらどうかという考え方については、適当ではないのではないかということです。まずは、高齢者とか、女性等が活躍できるような雇用環境の改善、あるいは省力化、効率化、雇用管理の改善等の推進が重要ではないかということです。以上が本文の説明です。
 36頁に、参考として2010年ごろの完全失業率の見通しです。これは、新しい経済計画のほうも、こういう数字なり、見通しは閣議決定しないで、参考数値としております。小委員会でも、雇対計画でも、参考数値にしたほうがいいのではないか、というご意見もいただいておりますので、こういう形で整理をしております。
 この計画期間は、先ほどから申し上げているとおり、労働市場が大きな構造変化に直面するということで、ミスマッチが拡大して、失業がさらに増大する可能性がある。こうした中で、2010年の完全失業率は3%台後半から4%台前半と見込まれるわけです。これは、基本的に1人当たり2%成長、潜在成長率に近い成長をしていった場合の数値です。当然1%になったり、0%になったり、もっともっと高くなりうる数字ですが、経済計画のほうも2%成長を前提に、こういう見通しを立てておりますので、それとすり合わせた形にしております。
 そういうふうに見込まれるわけですが、適切な経済運営に努めて、持続的、安定的な経済成長の実現を図る。それから、新規雇用機会の創出、能力開発、評価、需給調整機能の強化等々、適切な対策を講ずることによって、できる限り低くするように努める必要がある。基本的には、需要不足失業はほとんどない状況、構造的、摩擦的失業だけの状況を目指すということです。以上です。

○会 長:
 ただいまの説明に対して、いろいろご意見を賜りたいと思います。

○委 員:
 小委員会の中でも意見を申し述べさせてもらいました。そういう意味では、若干修正をされた箇所もあるのですが、基本的なところでいくつか修正をしていただければという部分もありますので、意見を言いたいと思います。3頁に、「産業競争力強化策と雇用面への影響等」というのが中段の所にあります。昨晩9時に、産業再生法案が衆議院を通過いたしました。そこの中でいろいろな経過があったのですが、附帯決議が付けられた、という経過は既にご存じだと思います。
 その附帯決議を踏まえて、今回出された案の中を、できればもう少し強化をしていただきたいということです。附帯決議では、「企業の組織変更に伴う労働関係上の問題への対応について、法的措置も含めて検討を行うこと」という表現になっています。これは、通産マターの話で止めるべきではなく、前回の小委員会のときにも、労働行政として何をやるのだ、ということを求めた経過もあるわけです。こういった法的措置も含めて検討を行うことという裏には、各政党と、連合が働く側の立場でいろいろ申し上げた中では、マスコミも書いているとおり、サプライサイド側からの観点が極めて強い再生法だということ。あの原案のままもし通るとすれば、リストラ推進法案になりかねない。
 もう1つは、通産省の裁量行政を強める、という結果になる、というようなことを含めて、雇用面の関係については、少なくとも労働者保護策について、きっちりと入れ込むべきではないか、という要請をずっとしてきた経過の中で、最終的にあの附帯決議が出たと思うのです。私どもとしては、満足をしている内容ではないのですが、この「法的措置も含めて検討を行うこと」というのが、ここの「影響等」の中の、「政府が」という部分の中に、「失業の予防、雇用の安定のため、的確な対応に努めることが重要だ」という表現だけでやられてしまうと、何も反映されていないということになってしまいます。少なくとも、附帯決議の内容の「法的措置も含めて検討する」というのを、労働省としてどう受け止めるのか、という部分について明確に入れてもらいたいというのが1つです。
 もう1つは、その文章の中の3行目にありますが、「労使が十分に話合い、協力することによって、産業の競争力強化を進めること」と。この前提にあります産業再生法案の基本的な考え方、いまの景気状況の中で、産業活性化を再生させたいということについては、私どもも反対をしているわけではなくて、そのことは必要だと思っているわけです。
 そこの中で、「労働移動を伴う状況に必ずなる」という部分については、最終的に労使の協議と合意が必要だ、ということを求めてきた経過があるわけです。これも、附帯決議の中では、「理解と協力」という言葉になっておりますが、ここでは、「話し合い、協力することによって」ということだけでありますと、協議の上合意をしたのかどうかということが、どういうふうに反映されたのかというところが極めて薄いと思います。少なくとも、これまた附帯決議の言葉を使えば、「理解と協力」という言葉を入れるべきではないかと思っています。
 31頁の「勤労者福祉対策」の中の「確定拠出型年金制度の導入に向けた取組みの推進」については、小委員会の中でもいろいろ意見を申し上げました。時期の設定の問題だとか、明確な書き方については、修正された内容として今回提案されているわけです。ここも、「新たな選択肢として導入することが必要である」という、言うなれば導入ありきの考え方として設定されている。マスコミ報道だからわかりませんが、労働省も含めて4省が、既に確定拠出型年金の問題については、考え方としてまとめられて、政府与党案として出そうか、というような状況になっている、というふうに聞いております。
 私どもは、労使上の退職金からの、いろいろな移行の問題として出ているいまの企業年金の問題について、さらには、基金の問題について、言うなれば3階建て、4階建ての部分の所についてどう整理をするかという以前に、1階、2階の部分についてどうするか、ということを明確にした上で、個人のこういった問題についてどうするか、ということをやるべきだということを主張してきたわけです。これは、自営業者の場合でも、やや同じような傾向があるのかもしれませんが、「導入することが前提だ」という書き方については納得できないと思っておりますので、ここについては是非ご一考いただきたいと思います。
 もう1つは、全体的な行政体制の整備の問題です。ほとんどの項目を通して、「情報の提供、相談、指導、援助」といったものについての「機能強化」という言葉が使われております。個別労使紛争の問題についても、体制強化をしたいと言われております。
 具体的に、省庁再編に伴う新たなるそれぞれの担当窓口の所管の中で、いまの状況と比較をしてみた場合に、ヒト、モノ、予算といった体制がこの中で裏付けとしてどのぐらい組み込まれているのかが全く見えないということになると、「強化」という言葉だけが踊るのではないかと思っております。その辺についても、これは具体的な考え方はこうなのだ、というのを是非お示しをいただきたいと思います。

○事務局:
 いちばん最初の昨日の産業再生法の附帯決議ということですが、この中で、企業の組織変更等労働関係の在り方については法的措置を含めて検討する、ということに与野党で協議は整って、そういうふうになっているわけです。国会のご意思ですから、労働行政としては、もちろん異存はないわけです。そういった表現で、労働省として規定することは別に異存はないわけです。

○事務局:
 特に、十分に検討してまいりたいと思います。

○事務局:
 2点目の、労働移動を伴う際に、労使の間の理解と協力といった点も、もちろん異存はないということです。実際には、いままでも随分リストラ計画というのは発表されて、1,000人とか、2,000人とか、3,000人とかと、私どももこの春の3月から4月にかけて、そういった計画が発表された企業30社ぐらいのヒアリングをやりました。これは大企業なのですが、いままでのところは、配置転換とか、出向とか、自然減で対応するということで、本当に解雇せざるを得ないというのは若干名ということで、なにも今度の産業再生法で初めて、このリストラが始まるわけではなくて、いままでもずっと行ってきました。その間、十分労働組合と話合いが行われて、ああいう計画になっていると思うのです。
 今般の産業再生法によって、急にその辺の理解もなしに進めるということは、通常は企業のビヘービアとしては想定されないとは思っています。もちろん、念のためこういうことを文章の中に規定されることについて、私どもはもちろん異存はございません。

○事務局:
 紛争処理の問題とか、行政の情報の問題、あるいは行政の政策評価の問題の辺りについては、おそらく、非常に重要な問題になるだろうということで、随所に書き込ませていただいております。行政側の対応としていま1つ考えていますのは、地方事務機関制の廃止の中で、来年4月から、都道府県労働局ができるということになります。そういった中で、各都道府県単位の機関における、いろいろな企画調整的機能とか、あるいは行政相談的機能とか、紛争処理機能の辺りはかなり強化ができるのかなと思ったりもしています。
 それは、非常に行財政事情は厳しいのですが、そういった中で新たな課題として、それは非常に重要な課題だろうと思います。例えば、安定行政、女性行政、基準行政を一体化するという中で、管理的な機能というのがかなり効率化できると思います。そこでできた要員をそっちへ回すとか、いろいろなことが対応できるのだと思います。いま、来年度の予算、あるいは組織定員に向けていろいろな検討をしているところです。なるべく実効の上がるようなことで、形の見えるようなものにしたいということで検討中であります。

○事務局:
 確定拠出型年金制度の問題ですが、私どもとしては、あくまで新たな選択肢として導入したいということです。ご趣旨が、1階、2階を含めた全般的な見直しということでありますので、表現等については工夫をしてみたいと思います。

○事務局:
 行政体制の整備は具体的にどうなのか、ということで補足させていただきます。基本的な大枠としての考え方は12頁に、「行政体制の整備等」ということで、これから複雑化する、多様化する政策に的確に対応できるように、中央省庁の再編とか、地方分権に伴う組織再編を踏まえて、行政体制の整備に努めるということ。それから、雇用対策に関する地方公共団体との密接な連携協力体制。都道府県労働局等をにらんで、そういうことが必要であるということで、基本的な考え方を整理しております。
 ただ、具体的に人がどうなるか、予算がないのかというのは、この10年ですと、各年、各年の予算措置の問題になりますので、そこまでは書けないわけですが、大筋はここに書かせていただいて、あとは個別、個別の所に記載させていただいたということです。

○委 員:
 もちろん、12頁を見ながらこちらも言っているのですが、この考え方は当然表現としてはこの程度のものだろうと思うのです。実際に対応しきれるのかというと、いまの現状の中でも、極めて厳しいという状況が、もっともっと増えたりしていくことで、本当にやりきれますか。言ってみれば、こちら側としては、いまの3つ目の話は、やや労働省に対するエールみたいな感じもしないではないので、びっちり受け止めてもらったほうがいいのではないかと思います。

○委 員:
 全体的に、規制国家日本から少しでも脱却して、自由闊達な、思いきり自分の能力を発揮できる日本に持っていこう、というのが基本的な流れだと思います。その方向に向けて、いま全体的にお聞きすると、かなり方向性が見えてきたのかな、という印象がしてきました。いままでは、官が表に出すぎていたのが、官がかなり退いて、民が表へ出ていくという姿がかなり強く出てきたのかな、という点では評価できる答申になったのかなという感じはします。そういう意味では、かなり良くなりました。
 もう1つは、いまさらどうということは一切言いませんが、委員がおっしゃったことの関連で言うと、日本も今日ここまで、いろいろ経済危機なり、いろいろな危機を乗り越えてき得た最大の理由は何かというと、労使自治だと思います。労使自治で、ここまで乗切ってきた。つまり、どんな局面でもあまり役所が表に出なかったのです。それで、日本はここまで乗り切ってきたので、そういう意味では法律に何かを求めるとか、法律に云々という話になってくると、本当は体力が弱まっているのではないかという気がして仕方ない側面があります。
 いままでの過去の歴史を振り返ってみると、例えば40時間制の問題にしても、あるいは定年延長の問題にしても、それだけの力のある労使関係の中で、民間の労使主導型で、まず突破口を開く。その突破口を開いたものをずっと広げていく、という形で官が後から追いかけるというような形で来たがために、非常に良い日本が出てきた側面があります。やたらに「法」というのが出てくると、折角こういう方向に向けて世の中が、やっと思いきり個人の能力を発揮しようという時代が来るときに、いかがなものかという感想があります。しかし、それは感想として申し上げるだけです。全体としては、各委員の方々の活発なご意見で、将来に向けて、日本の進むべき1つの方向がかなり読み取れるものになったのではないかと感じております。

○委 員:
 基本的発想は変わらないのです。もし、そこまでおっしゃるのなら、我々もいままでの中で労使協議、労使自治の問題については、極めて大切にしてきたし、そのことはこれからも変えるつもりはありません。もし、そこまでおっしゃるのなら、経営側サイドとして、自分たちがああいう再生法案で守られるようなことをやらなければいいのです。そこまで出してくるとすると、我が方も、あまりにも働く側が肩手落ちになりませんか、という意味での保護法を求めざるを得なくなるわけです。感じとして申し上げておきます。

○委 員:
 先回だいぶ議論になりました、若年層の雇用対策ということで、だいぶ突っ込んでいただきましたことは大変評価したいと思います。1つお願いですが、24頁の「若年層の職業意識啓発対策」の所で、働くことの意義や、職業についての知識を深め、進路指導をするということに関してのお願いです。高等学校の段階で、新しい職業に対する考え方、あるいは自分でキャリアをつくる、というようなことに関する指導が非常に重要だ、ということが先回も出ておりました。
 これに関して、私も少し勉強いたしました。職業安定局監修の「職業ガイドブック」を拝読いたしました。大変立派なもので、職業について、非常に細かく、CD−ROMも含めて使いやすくできているということで大変感心しました。同時に、当然のことながら、これから新しく経済構造が変わる、情報サービス化経済ということの中では、あの資料に限らず、ほかにも2、3職業ガイダンス的なものを拝見したのですが、かなり広げる必要があるのではないか。
 例えば、流通などの問題については、非常にカバレッジが少ない。高校を卒業して、職業を求める人に対する技能にかなり力を置いた、それから従来の日本の製造業に重点を置いた職業ガイダンスであるように思います。したがって、そういった部分を、これから新しい産業構造に見合うような形で充実していただくことを是非お願いしたいと思います。
 2点目は、これだけ立派なことがあるのに、私も不勉強で知りませんでしたので、それに感銘を受けたと同時に、私ども1クラス29名いるあるクラスの大卒者で、高校時代に何らかの職業、あるいはキャリアに対するオリエンテーションとか、ガイダンスをもらったことのある人、というふうに聞きましたら、大学も含めて見事に皆無、1人もいませんでした。これは、公立大学、私立大学、東京、地方全部おります。文化系も、工学系もおります。それが、日本の実態ではないかと思うのです。
 進学指導はする、高校ですぐに就職しなければいけない人のための指導はする。しかし、グローバル時代の新しい産業構造のキャリアを、自分で切り開いていけるような指導というのは、いまの段階ではかなり弱いのではないか。これを実際に実行していただく上で、その辺の視点を是非お願いしたいと思います。

○会 長:
 これは、私どもの研究機構でやった作品でして、実際は相当手間暇かかっています。いまは300職業で、これからメンテナンスと同時に、それを増やしていこうということを考えています。これは、どちらかというと大学、高校生向けですので、むしろジュニア版を作って、中学生にも普及させて、少し職業の理解を強めよう、という作業を進めております。

○委 員:
 ホワイトカラーに絡む部分を、是非充実していただきたいと思います。ホワイトカラー絡みは、「オフィスでの仕事」ということで出てくるのですが、例えば企業を立てるとか、経営するとか、いろいろなマネジメントにつながるような新しい領域が出てきているわけです。その辺を書くのはかなり難しいとは思いますが、そうすると学生が読んで、胸をとどろかせて、「こういうこともあるんだ」「こういうこともできるかもしれない」と思うのではないかと思うのです。金属塗装工から始まるような感じから、何か新しい方向などが加わればいいなと思います。

○委 員:
 27頁の「多様な働き方を可能とする環境整備」ということですが、ここには、こういう方向と、いろいろな課題等にも触れられています。これから、いろいろ多様な働き方が出てくる。こういう中では光の部分といいますか、こういう方向がいいのだという形でかなり流れていくところがあると思います。実際には、これから派遣労働の問題にしても、影の部分と言いますか、簡単に雇用の問題が出てきたり、連合においても登録型の問題等ありますけれども、負の部分が一方でクローズアップされてくるのではないかと思っています。労働省として、行政として、多様な働き方というのはいいのですけれども、その一方で働く側の雇用管理の問題とか、契約の問題といった部分については、最低基準の問題とか、そういうのはしっかりご指導いただきたいと思います。
 パート労働法についても、パートタイム労働ができた後から連合などでも話して、なんとか成立したという経緯がありますので、是非、こういう新しい働き方の中に、きちんと実態を把握していただいて、監督行政なり、職安行政の中で、きちんとした対応をお願いしたいと思っております。
 29頁の「労働時間の対策」の所ですが、これはおっしゃるとおりというところなのですが、実際にこういう雇用対策を考えた場合に、労働時間の問題というのは、雇用に対する研究会でのシミュレーションなども、時短の部分をどう反映するかということがあります。やはり雇用者数にも相当影響する部分があるわけです。年間総実労働時間1,800時間の達成ということで、現在の経済環境の中ではなかなか厳しいのですが、残業の問題、サービス残業の問題といった面でも、雇用の問題と、これからはかなり密接になってくるのではないか。
 高齢者の雇用とか、女性の就業のときには、労働時間の問題なり、残業の問題が、かなりそれを束縛するような方向に現実にあるわけです。やはり、労働時間短縮なり、男女共通の時間外規制などを含めて、そういう部分も女性の社会進出なり、雇用対策の1つの手段になるのではないかと思っております。最近、時短の旗がだんだんしぼんできているようなところがありますので、我々の責任でもありますが、行政としても是非お願いしたいと思います。

○事務局:
 「労働、働き方の負の部分」というお話の中で、例えば派遣のお話がありました。新しい派遣法は、来年から本格実施になると思います。国会の審議とか、附帯決議を通じていろいろと宿題をいただいております。派遣労働は、これからどうなるかということで、3年後の見直し規定もあって、いろいろ宿題もあります。3年後ということではなしに、毎年1回は大々的な調査をして、負の部分だけではなくて、光の部分もあると思いますので、両方含めて、実態調査をきちんとやろうと、追跡をしようと考えております。

○事務局:
 パート労働対策ですが、この4月1日に新しいパート労働指針に改定いたしましたので、それの徹底を図るということで力を入れております。先ほどおっしゃいましたように、パートタイム労働対策は、一応女性局女性少年室のラインで、福利厚生関係、相互調整的なところ、それから需給調整を職安機関、労働条件確保を監督・労働基準機関でやるということで3つに分かれているというところがあり、だいぶご心配いただいているのではないかと思います。
 先ほども申し上げましたように、来年4月1日から、都道府県労働局を設置し、その中に労働基準機関、職業安定機関、それに女性行政機関が全部入ることになっております。同じ組織の中ですので、一体的にパート労働対策は推進できるのではないかと思います。また、それぞれの職安、監督機関での位置付けというのも、これまで以上に強化できるのではないかと思っているところであります。

○事務局:
 時間短縮についてですが、今後とも1,800時間の達成定着は非常に大事な課題だと考えております。29頁にも書かせていただいておりますような手法で、今後とも積極的に対応していきたいと考えております。

○委 員:
 委員の問題提起に対し、事務局が総括的に実態を把握されておられて、お答えをいただいたと思います。また、委員から、我々の立場を明快にお答えいただいたようなので、それにさらに付け加えることはないのですが、私自身の立場で、多少プライベートな立場ということになるかもしれませんが、いわゆるリストラを私どものグループでやっております。
 これは、労使がとことん話し合った上でのリストラと言いますか、職業配置転換とか、グループ内での職業紹介、あるいは外部に対する職業紹介ということでやっております。中には、組合のない会社もありますが、それについても十分留意してやっているつもりであります。少なくとも、私の関係する所では、委員ご指摘のようなことはなく、労使が十分協力の上やっております。
 それから離れて基本的な問題として、最初のほうに「少子・高齢化」の問題が提起されております。内容をお話いただいた中では、高齢者対策については、十分記述がなされていると思うのですが、少子化の問題について、少子化そのものは厚生省の所管なのかもしれませんが、少子化ということが生じている原因というのが、女性の雇用の問題、労働の問題に非常に密接に関係があるのではないか。
 それは26頁に、「女性の育児・介護を行う労働者が働き続けやすい環境整備の促進」ということで触れてはおりますが、少子化の傾向と言いますか、進み方を止める、というような考え方での、積極的な労働対策、あるいは雇用条件の改善策とか、そのようなことについては、もっと触れていただいたほうがよろしいのではないかと思います。これは、相当の大企業に普及しているとは思いますが、男性に対して育児休暇を与えている所もあると思います。いろいろ具体的な施策があるのではないかと思います。そういう女性の労働条件を改善するというか、働きやすい職場づくりによって、少子化に歯止めをかけるということについて、もう少し頁を割いていただければと思います。
 もう1つは「定年」の問題です。いまは、65歳定年に向けて事務局は着々と進めているわけです。65歳定年ということについては、何ら異論はないのですが、それ以降の問題については、年金の問題などに絡んでくると思います。非常に問題点が多いかと思いますが、どこかの文章の中に、「エイジレス化」という言葉があったかと思います。人生の課題としてエイジレスというのはいいと思いますが、労働問題とか、雇用の問題でエイジレスという言葉を使うことについてはどうかという思いがしました。これは、65歳以降の労働の問題にも絡んでくるかと思います。あまり、こういう問題にエイジレスを絡めていただきたくはない、という気がします。

○委 員:
 「計画の基本的考え方」に取り組むに当たっての前提が謳われていると思うのです。そういう意味で4行目に、「適切な経済運営によって、良好な雇用機会の創出確保を図るとともに」とありますが、「適切な経済運営」というのは、どちらかといえば、政府として行ういろいろな施策といったものを指しているのではないかと思います。労働省として出す「基本計画」といったことを考えるとこれでいいのかな、というような感じもします。ただ、この政府施策だけで、本当に雇用の確保とか、新しい事業の創出といったものができるのかどうかということを考えます。いま見ていると、いろいろ経済効率、あるいは市場主義ということを考えて、どんどん海外へ出ていく。これは日本だけで生産をする、ということについての限界がある。黒字化の問題ある。いろいろなことがあって、海外へ出ていくのは必要だろうとは思います。
 しかし、独創的な商品、例えば、テレビでいえばフラット型のテレビがいまは売れているよと。これは新しい商品で、国内で生産してもいけるのではないかと思います。電機各企業の計画を見ると、東南アジアのほうへ各社揃って、新しい設備を増産する計画を出しています。これは日本で生産してもいけるのではないか、というようなものも、どんどん海外へ出ていってしまっている。そして、雇用が少なくなっている。その対策を政府に求める、というようなことで、この尻拭いだけをやっているような感じがするわけです。
 そういった経営者が、もう少し政府と同時に、経営者自らも、日本の経済とか雇用に責任感を持っているのかどうか、ということを我々としては疑問に思ってくるわけです。政府と同時に、経営者自らも、日本の経済とか、雇用に責任を持ちながら、そういったものに留意をしながら、海外進出を図っていく、というような物の考え方が必要ではないだろうかと思います。基本的な物の考え方の中で、政府と同時に、経営者自らも、日本の経済とか雇用に留意をしながら、雇用の機会の創出、あるいは確保を図っていく、というような物の考え方が入ってしかるべきではないかと思いますので、その辺のお考えを聞いておきたいと思います。

○事務局:
 「エイジレス」のお話ですが、日本の雇用対策では、障害者については雇用率制度を非常に早くから設定をし、男女の雇用機会については、いわゆる義務化ということでこの4月から始まっております。今いちばん遅れている分野は、年齢の差別の問題ではないかと思います。失業問題などで私どもがいちばん痛感するのは、求人の6割ぐらいが35歳までで切られるものですから、そこだけで中高年齢は行き詰まってしまいます。エイジレスというのは、定年の問題もあるのですが、採用とか、昇進とか、いろいろな雇用管理の中で、非常に大きいウエイトを占めていますので、この問題がいちばん壁にぶち当たっているのを痛感しているところです。
 これは、賃金とか、労務管理とか、いろいろな問題がありますから、いきなりエイジレスを目指すという、いきなりアメリカのような法律というのは難しいとは思います。しかし、将来の展望としては、出口だけではなくて、入口の採用のところも含めて、エイジレスというのは目指す方向ではないかと思います。経済審議会の「あるべき姿」もそういう方向を出していると思います。これは、なかなか難しいけれども、日本の雇用管理の在り方の改善を含めて、目指すべき課題ではないか。そうしないと、このミスマッチの非常に大きい部分がどうしようもないところまで来ているのではないか、という気持を私どもとしては持っております。方向としては、是非お願いしたいと考えております。

○事務局:
 雇用創出ですが、確かに「政府全体で、新事業創出、雇用創出に取り組む」という記載になっておりますが、これは政府の計画ですので政府の方向性を出しております。政府ができますことは、直接雇用というのはなかなか難しいわけですので、いわば環境整備ですので、マクロのフレームワークとして、適切な経済運営を行うとか、雇用創出に必要な環境の整備ということです。12頁の各論の辺りだと、民主導で経済成長をつくっていくということですので、あくまでも雇用を創出していくのは民間が中心であるということで、随所に「民間活力を活かして」というようなことは記載させていただいております。
 空洞化の問題も、12頁の「国際的視野」の中で、「生産拠点の海外移転に伴う雇用問題の発生をできる限り回避する」というようなことも記載させていただきまして、その辺も配慮しつつやっていきたいということです。基本として、政府はフレームワークを作る中で、その中で民間がどういう形で活動し、雇用を生み出していくか、という形での整理をしております。
「少子化」の問題は、小委員会でも随分ご議論いただきました。26頁でお話がありましたが、「仕事と育児・介護との両立支援対策」の中で、「働きやすい環境整備」ということで、政府全体のことはなかなかカバーできないのですが、労働関係のものはどういうことができるか、ということをかなりカバーすると同時に、考え方としても(2)の柱書きの所に、「労働者が安心して子供を産み育てることができる社会を形成していくことが必要である」というようなものを整理させていただいたということです。

○委 員:
 委員からご指摘のあった所ですが、「エイジレス社会」というのは、経済審議会のほうの報告に、この言葉は使われていますか。これは、小委員会でもはっきり議論した所なのですが、いわゆる年齢に関わりなく、例えばアメリカで言う年齢差別禁止法、その裏には、「能力が落ちる場合はいつでも解雇できる」というように、解雇自由が裏腹になっているわけです。能力による解雇はいつでもできる。したがって、定年制とか何とかということは全く認められない社会にしないと、「70歳になっても80歳になっても俺はできる」などと威張っていても、できない人がたくさんいます。率直に言って老害も随分あるわけです。
 アメリカの場合は、間違いなく能力で、「あなたは能力がない」と言った場合は、いつでも解雇できるわけです。定年などはありませんから、30歳でも、35歳でも、40歳でも解雇できるわけです。それがあって、年齢だけで差別する禁止法だとか、ジェンダーで差別する禁止法というものはある、ということを明確にしておかないと、とんでもない誤解を招くわけです。そこは、小委員会でもお話しましたし、小委員会ではそういう合意ができたと思っております。小委員会の趣旨に沿った形でやっていただいていると思うのです。
 例えば、ここで「エイジレス」と言わなくても、「意欲と能力のある限り、年齢に関係なく働き続ける社会」ということで、なにも英語を使わなくてもいいではないか、という気がするので、英語は消してもらいたいということが1つです。もう1つは、その裏腹の問題として、これほど赤裸々には書いてないのですが、「従来の雇用慣行の見直し」と。つまり、能力がなければ、いつでも解雇できますよと。定年制というのは、お互いの約束事で、日本の労使の築いてきた一つの財産です。その片一方を取っ払うというのなら、片一方も取っ払わなければバランスが取れないわけです。そこのところは明確にしておかないと、日本の労使の財産である定年制というものを、片一方だけ取っ払うということはあり得ない。そこは、明確に意識しておかないと、大変な誤解を招く問題だと思います。これは、小委員会で、私は明確に申し上げたし、ご理解いただけたと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○事務局:
 私も小委員会に出ていましたので、その辺りは十分受け止めて書いた、という意識ではあります。小委員会のときにも申し上げましたが、これから人口減少社会になっていく中で、減る部分というのは若年者だし、増える部分というのは高齢者です。いま若年者が働いている所に、高齢者に働いてもらわないと、とにかく日本の社会自体成り立たないのではないか。
 ただ、委員が前からおっしゃっているとおり、いまの賃金制度、いまの雇用制度といったものを前提にして、若い人の所に高齢者を当てはめろと言っても、それはなかなか実現困難です。そういう意味で、委員がおっしゃったように、従来の雇用慣行の見直しなどさまざまな課題がありますよと。それについて、労使が率直に話し合って、協力して段階的に取組みを行っていくことが必要だ、ということを書かせていただいたと思っております。さらに、従来の人事管理制度の見直しもやるのだと。とにかく、意欲と能力があれば、皆が働けるようにということのために、労使でいろいろ知恵を出し合っていくことが重要だ、ということを書いたとは思っております。

○事務局:
 「エイジレス」に関して、経審のほうは、片仮名は使っていませんで、「年齢にとらわれない社会」というような言い方をしていますので、それで構わないと思います。1点申し上げたいのは、「エイジレス」というのは、最も狭義には年齢だけで差別するということだと思います。もう少しあれば、高齢者も訓練をして働き続けられる、というようなことを積極的にはもっとあると思います。先ほど言いましたように、出口だけではなくて、入口のほうの年齢差別という話が、これからどうにかしないと、なかなか日本の高齢者雇用というのは、あるいは移動ということを考えたときに、本当に進めにくいのではないかという感じがしています。
 いまはフリーですから、35歳という求人が来たら、いろいろ指導はするのですが、それはしようがないということです。なにも法律に触れる問題ではないということになっていて、非常に厚い壁になっています。少なくとも、将来の方向として、年齢だけで採用とか、解雇の問題で差別する、ということはなんとかならないか、というのが大切な問題です。エイジレスというと、普通は高齢者の雇用という面が大きいのですが、採用とか、移動とか、そういう面でも大変大きい意味を持っているのではないかと思います。あくまで、能力の問題ではなくて、年齢だけでどうこうするというふうな雇用慣行はどうかという問題意識で、言葉自体は構わないと思います。

○委 員:
 いまの事務局のお話は、実際に原局を預かっている立場からの気持はよくわかるのですが、この文脈の流れから言うと、「アクティブ・エイジング」、つまり活力ある高齢化社会の実現、ということが提唱されるに至っている、という文脈の流れの中で来ているここでの話ですから、ここで「エイジレス」と言うと、どうしても高齢者のエイジレスのほうを思い浮かべる文脈になります。それは、ある意味では誤解になる話ですから、はっきりと経済審の言葉に合わせていただきたい、ということをお願い申し上げます。

○会 長:
 カッコ付けは取ってもいいでしょう。

○事務局:
 「意欲と能力がある限り、年齢に関わりなく働き続ける社会」という形で整理します。

○会 長:
 これは、高齢者の所で書いている頁ですから。

○委 員:
 意見というより感想かもしれませんが、中小企業の立場で一言感想を述べさせていただきます。昨日、衆議院の商工委員会から参考人で呼ばれました。連合の副事務局長とか、経団連の今井さんなどもおられました。再構築のほうは除いておきまして、私は中小企業の立場で、創業者の支援とか、新事業の開拓に対する産業活力の再生、ということが論議されていまして、それに対しての意見を述べさせていただきました。こちらも12頁から14頁に書いてありますが、中小企業をはじめとして、我々の新しい今後の21世紀の展開という意味では、新規事業の展開、あるいは創業者を支援する、といったことが十分盛り込まれてはいるのではないかという意味で、これでいいのかなという感想を申し上げます。

○委 員:
 ずっと引っかかっていたのですけれども、「良好な雇用機会の創出ということですが、「良好な」というのはどうして付けなければいけないのですか。これは、誰が、どういうことを良いとするのか。雇用機会というのはチャンスなのですから、いろいろな就職のチャンスがあるわけです。そのチャンスを作り出すのはいいのですけれども、そこの前に、これは良いとか悪いとかという、客観的でないものを入れるということに対してとても抵抗があります。それは、若年者の労働意欲とか、意識というものにも関わると思うのです。楽で儲かって、格好良くて、脚光を浴びているようなのが良い働くチャンスだと思ったら、誰も、辛い所や、きつい所へは行かない。必要なのは、労働条件を良好にすることであって、ものすごく辛くて、縁の下の力持ちだけれども、これがなかったら世の中回らないんだよ、それを私は支えているんだ、という職業意識というのはあってしかるべきであろうと思うのです。そういうのがないから、ミスマッチというのも出てくるわけです。「もっと楽な所もあるはずだよね」という話ではないかと思うのです。ここの「良好な」というのは入れないでいただきたいのですがいかがでしょうか。

○会 長:
 委員が言った「良好な」というのは、良好な労働条件という意味です。

○委 員:
 「良好な雇用機会の創出」というのが2度ぐらい出てきます。雇用機会というのは、良好の必要はないのですか。

○事務局:
 2頁にも1つあります。

○事務局:
 13頁を読んでいただくと、これは法律用語になってしまうのです。13頁の上から7行目にあるのですが、去年の12月に法改正をしまして、中小企業の労働力の確保のための法律をやったのですが、この中に「良好な雇用機会の創出のための」というのがあって、この「良好な」は、事務局が言ったように、雇用が良好だというのではなくて、雇用機会の中の労働条件、雇用環境が良好であるということで、世間にはわかりづらいのかもしれないのですが、法律上はそういう意味になっております。これは、国会でも承認されている考え方です。

○事務局:
 基本的な考え方として、働く人にとって、「雇用管理の条件が良好な」という意味合いではあります。

○会 長:
 あえて委員の意見のような、「良好な雇用の」というふうに「の」を入れればいいわけでしょう。「雇用機会」と言うと、「機会」まで引っかかってしまいます。

○委 員:
 法律というのは、厳密だと思ったら、そうでもないんですね。

○会 長:
 ほかにはよろしいでしょうか。ただいま伺ったご意見は、事務局と私で相談しながら修文いたします。皆様方にも日程調整をお願いしましたが、また再度お集まりいただくよりも、本日の意見を踏まえて、私の責任で修文いたします。それに従って、大臣のほうに答申書をお渡しする、という手順で進みたいと思うのですがいかがでしょうか。

(異議なし)

○会 長:
 どうも、ありがとうございます。小委員会の委員の方々にはご苦労をおかけいたしました。最後に、事務次官のほうからご挨拶をお願いいたします。

○事務次官:
 本日、労働大臣から、新しい雇用対策基本計画(案)の諮問をさせていただきました。この計画案を策定するまでの間、委員の皆様方には大変お忙しい中、精力的なご議論、ご検討をいただきまして、そうしたことへの御礼を兼ねて挨拶をさせていただきます。
 6月1日に雇用審議会のほうに、第9次の雇用対策基本計画の策定のための検討をお願いしましてから、総会並びに検討小委員会で相当回数にわたりまして、ご議論、ご検討をいただきました。その当時、私は労働基準局のほうにおりましたが、皆様方のご議論、ご検討の模様につきましては、逐次ご報告を受け、非常にご熱心なご討議につきまして感謝申し上げておったところでございます。この場を借りまして、改めて感謝申し上げたいと存じます。
 ご案内のように、雇用対策目下緊急かつ国政の最重要課題になっているわけですが、今後21世紀初頭を見ましても、需給両面の大きな変化が進んでまいりまして、そうした中で、雇用対策を的確に進めていくことは、引き続き大変な国政の課題であると考えております。そうした時期に際しまして、新しい雇用対策基本計画策定をいたしまして、今後の雇用対策の課題、対応の方向を明確に定め、それに基づいて施策を展開することはもとより、労使の方々、あるいは関係する行政分野の方々の理解、協力を得ながら、必要な雇用対策の展開を図っていくことは大変意義深いと考えております。
 本日いただいたご意見等も含め、会長の下で調整をいただき、ご答申をいただきましたならば、私ども必要な準備を急ぎまして、8月中旬には閣議決定をさせていただきたいと思っております。閣議決定いたしましたら、それに基づく必要な対応を、これを軸に進めてまいりますが、委員の皆様方には引き続き、今後とも雇用対策の実施に当たりましてのいろいろなご意見、ご助言等をいただければと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

○会 長:
 先ほど言い落としましたが、修文したものは、事前に各委員の所に写しはお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。本日は、これで閉会いたしますが、本日の会議の議事録署名人に田嶋委員、北裏委員にご署名をお願いします。どうも、ありがとうございました。


(注)  本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、大臣官房政策調査部総合政策課 03-3593-1211(代)までお願いします。



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