| 1 | 平成9年6月25日(水) 9:30〜11:30 | |
| 2 | 中央合同庁舎5号館 労働省特別会議室(16階) | |
| 3 | 【委 員】 | 岩瀬孝、大宅映子、小野旭、香西泰、関英夫、高梨昌、浜渦昭男、浜田広、福岡道生、前田勝之助、三好正也、目黒依子、吉沢慎一、鷲尾悦也、渡辺文雄の各委員 |
| 【事務局】 | 七瀬事務次官、廣見総務審議官、征矢職業安定局長、木村職業安定局次長、坂本職業安定局高齢・障害者対策部長、岩田官房審議官、澤田政策調査部長、播官房国際労働課長、三沢政策調査部総合政策課長、渡辺政策調査部産業労働調査課長、白石政策調査部統計調査第一課長、金子職業安定局高齢・障害者対策部企画課長 | |
| 4 | (1)雇用審議会の議事録公開について | |
| (2)雇用に関する国際会議について | ||
| (3)高年齢者の雇用就業について | ||
| 5 | 議 事 | |
○会 長:
これより雇用審議会総会を開催いたします。まず、審議会の議事録の公開についてでありますが、雇用審議会としてどのような方針をとるべきか、お諮りしたいと思います。
今までの経緯等について、事務局より説明願います。
○事務局:
本件につきましては、お配りしてあります資料No.1にありますように、平成7年9月29日の閣議決定で「審議会等の透明化、見直し等について」という方針に沿いまして、雇用審議会におきましても平成7年11月27日の総会におきまして、議事要旨を作成し、公開することが決定され、以後、そのような取扱いを行って参りましたが、その後、資料No.2にありますように、新たな閣議決定で「行政改革プログラム」が、昨年12月25日に決定され、その中の第3の1「行政情報公開の推進等」のところで、「審議会の会議、議事録等の公開を更に推進する」とされました。
そうした状況を受けまして、労働省としては、議事録については原則として公開するという方向で、それぞれの審議会において検討をお願いしております。
労働省関係審議会では、当審議会を除く11のうち、9の審議会で原則公開を決定しております。残る2審議会は7月以降開催ということで、方向としては原則公開ということで検討がなされていると聞いております。以上の事情でありますので、雇用審議会におきます取扱いにつきまして、一定の見直しをお願いしたいと思います。
○会 長:
事務局の説明にあったような状況を踏まえて、雇用審議会といたしましても、今後、議事録を作成し、会長及び会長の指名した委員2人が署名した上で、原則として公開することにしてはいかがかと、考えております。
なお、議事内容によって、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意志決定の中立性が不当に損なわれる場合、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の方に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれのある場合などには、会長の判断により非公開とし、その際には議事要旨を公開することとしたいと考えております。
このような方針で本日皆様に御了承いただければ、早速、本総会からこの方針で臨みたいと思いますが、いかがでしょうか。
(一同異議なし)
○会 長:
雇用審議会としては、今後、このような方針で取り扱うこととし、早速、本日の総会から議事録の公開を進めていきたいと思います。
それでは次の議題でありますが、本年秋に神戸において開催される予定の「雇用に関する国際会議」につきまして、その概要と対応方を事務局より説明願います。
○事務局:
それでは、雇用に関する国際会議の概略等を説明させていただきますが、なお、デンバー・サミットにおける提言の中にもこの関係が唱われておりますので、その関連のにつきましてもコメントしたいと思います。
雇用に関する国際会議につきましては、雇用サミットということで、今から3年前、デトロイトでG7による会議が開かれ、マクロ経済政策、雇用労働市場政策等を幅広く論議することで経済大臣、財務担当大臣、大蔵大臣、労働大臣等々が出席したわけであります。その後、昨年、フランスのリールにおきまして、同様のような構成メンバーによりまして、雇用サミットが開かれたわけであります。
その時に、今度は、もう少し雇用の構造的な問題に焦点を当てた労働大臣を中心とする掘り下げた議論をしてはいかがなものかという趣旨から、我が国の方から提案をしまして、資料No.3-1の2枚目に付いておりますような、リール雇用サミットの議長総括の中で整理をされております。
そこにありますように、「閣僚は、若年の雇用、高齢労働者の問題、生涯学習に焦点を当てうる専門家レベルの会合を主催するとの日本政府の申し出を歓迎する。」ということで、そこでは、「a meeting of experts on employment」という表現がなされておりました。ただこれは、出席閣僚からも、我々が是非出席したいという表明もあり、主として、閣僚レベルの会合として準備を進める、ということで原則的に了解を得たということであります。
そういう流れの中で、その後行われましたリヨンサミットにおきまして、経済宣言の中に、「雇用問題について更に掘り下げた検討を行うために開催が提案されている日本での会合を歓迎する。」という文章が盛り込まれ、確認されたところであります。
そういう流れの中で、私どもはその後、関係省庁、関係各国と相談をしながら準備を進めてまいりました。
その時に、どのようなテーマにするかというのが中心的な課題であり、私どもの意向といたしますと、資料No.3-1の1頁目のところに記載してありますように、また、リールサミットの議長総括にもありましたように、主としてライフサイクル、生涯を通した雇用の安定・雇用の確保等の視点を中心に議論していくのが良いのではないかと考えております。欧米各国でも問題が非常に大きい若年者の問題、中年から壮年層の問題、これは主として、構造変化に対応する能力開発に焦点をあてて議論をしてはいかがだろうか、さらには高齢者、ということで若年、中壮年から高齢者というライフサイクルに応じ、議論を行いたいと考えています。特に高齢者につきましては、高齢化社会の進展の中で可能な限り、働く意欲のある高齢者の方々が、働けるような環境を可能な限り拡大していく、整備していく。ここに焦点を当てていったら良いのではないかということで、ライフサイクルを通しての雇用安定の観点から3つのテーマを整理し、準備をしてきております。
構造的な問題ということであれば当然、産業構造との関わりもあることから、通産大臣も不可欠な参加者であろうということで、雇用の担当大臣、すなわち労働大臣と産業担当大臣、我が国では通産大臣、これを中心として会議の準備を進めようということで各国に呼びかけ、準備を進めてきました。
そういう中で具体的に整理したのは、資料No.3-2ということでございまして、国内での議論を踏まえ、各国とも相談してまいりましたが、去る4月9日、10日に東京におきまして、各国の担当課長、部長等に集まっていただき一定の議論をしました。議論を整理したのが論点リストぺーパーであります。
第一に円滑な構造変化の推進です。主として構造変化に対応した企業・個人の挑戦というようなタイトルのもとでグローバル化、集約化、知識集約化等が進展する中、大競争と呼ばれる時代の中で良質な雇用創出を図っていくためのキーポイントは何かという観点から、高齢化する社会の中で経済活力をどう維持していくのか、新規産業創出を拒む障害はどのような問題なのか、どのように事業環境の整備をはかればいいのか、それから企業・個人の多様な取り組みを可能とする制度改革はどのようにあるべきか、さらに構造変化への対応を円滑に進めるための雇用面での対策は何か。例えば労働市場システムの整備の問題等々について総括的な議論をしようというのが第一のテーマとします。第二として、働く意志と意欲と能力がある方が、生き生きといつまでも働きうるそういう社会、雇用確保最適社会、いわば「Active Working Society」の実現、そういうものを大きな視点において議論して頂く、といったところでございます。
第一は若年者の雇用ということで、若年者の雇用の問題は若年者自身なのか、企業の採用慣行や雇用管理面に問題があるのか、あるとすればどういうところに要因があるのか。それをどのように変えることができるのか。若年者といった場合に新卒者の問題のみならず、欧米でも意識されておりますが、新卒後、就職をしても割合早期に退職し転職を繰り返す、それがかえって問題につながっているというようなこともあるようでございますけれども、我が国でもその問題はあるわけです。そういう問題にどう対応していくのか、あるいは職業紹介機関と各学校の連携の問題、そういうものを議論したらどうかということです。
テーマ3としましては、中堅層、主として能力開発の問題に焦点を当て、どのような形で能力開発をしていけば良いのか、個人の支援、あるいは企業の対応の問題、それから内外における職業能力評価の問題、そういうものを議論してはいかがかと思っております。
最後に、私どもが最も重要視しております高齢化への対応の問題として、「active aging」すなわち「活力ある高齢化」、という考え方の中で、高齢化社会への対応ということから、労働市場政策の問題、あるいは、若年者との関係でどのようにこの高齢者対応を考えていったら良いのかというような問題、高齢者の失業の問題等々につきまして議論したらいかがだろうか。そのようなことを提案しているわけでございます。
そのようなテーマで、主として労働大臣、産業担当大臣に議論して頂くということを前提に、11月の末あたりをメドに最終的な日をまもなく決定したいということを吟味しております。
場所は神戸で、閣僚クラスの出席でやっていきたい。さらにまた、会議をより充実したものにするために、関係機関の出席もお願いし、具体的には国際機関としてのILOとOECDの出席を求め、事務局長、事務総長にも出席をお願いしたい。と同時に労使の代表的な機関でございますICFTUとIOEの招聘も考えております。大体以上が経緯でございます。
次に資料の3-3デンバー・サミットに関してですが、サミットは従来7カ国でありますが、今回7カ国プラスアルファーで正式にロシアが加わり、8カ国ということになりました。
従来の経済宣言に当たるものにつきましては7カ国グループということで発表されたのですが、目玉は8カ国の方に移っておりまして主要な項目が8カ国の方の宣言にはいっているということでございます。そういう中で私どもの関係では2つ。1つは今回の目玉の一つであります「active aging」という考え方。高齢化が各国共通に進んでいく中で社会保障のリスクの問題、雇用の問題、そういうところから共通認識として高齢者の「active aging」という考え方が出てきたわけです。日本におきまして「雇用に関する国際会議」を開くということが昨年のリール雇用サミット、それからリヨンサミットを経て、これが非常に重視されている。これがデンバーサミットの8カ国のコミュニケの方に、その後、来年イギリスにおいて開かれる雇用会議と併せて記述されている。このような形になっているわけでございます。
そこで、デンバーサミットコミュニケの仮訳の文をここに書いたわけですが、「我々は、今秋日本で開かれる、構造変化に関する議論に役立つであろう雇用に関するハイレベル会議に期待している」。このハイレベルというところに非常に意味があるわけでありまして、リールの雇用サミットでは、専門家会合という形であったのですが、ここでそのハイレベル会議という風に格上げされて記述されている。ハイレベルというのは従来の書き方でいきますと大臣レベルの会合となります。ですからそういう形の会議で開く。とこういう風に決まったわけでございます。
それを踏まえて、さらにまた来年、成長、雇用可能性及び社会的一体性という重要な問題についてさらに議論するための準備として、財政及び社会問題を担当する大臣の会合をイギリスの提案で開きたいということであります。
それからもう一つの流れが財政担当会議が1回、2回と入っていたわけですが、財政担当大臣が入ると、規模が大きくなってしまい、焦点が曖昧になるので雇用担当大臣を中心に具体的に議論しよう、こういう流れで日本の会議を開こうということになっていたわけですが、先程申し上げましたような基準からまたすこし戻りましてイギリスの方はその財政担当大臣を入れた会議でやりたい、とこういう流れでございます。それからイギリスの方はG8でこの会合をやるこういう考え方でございます。このイギリスの主張が合わさって日本の会合についてG7ではなくて、G8のコミュニケに入ったということになります。
今後の一つの課題としては、現在の会議についてはG7ということでやっているわけですが、そこをどうするかという問題も一つ宿題として検討課題に入れておく必要があるのではないかという問題が一つ。それは私どもが検討して理解しなければならないと考えております。
概略以上のものについては、宣言が議長国アメリカでありましたけれども、宣言をまとめる際に、直接聞いたのではなく間接的に聞いた話でありますけれども、クリントン大統領が、日本で今秋開かれる神戸会合について非常に重要であるというまとめをしたそうであります。このように、閣僚レベルということがはっきりしていなかったものが、このデンバーサミットのコミュニケで明確になったわけけであります。以上です。
○事務局:
補足させていただきます。
資料3-1の1に書いてありますが、今回は高齢化の問題が非常に大きく、雇用の中でも重点が置かれております。その一つは、橋本総理がリヨンサミットにおいて提唱されました「世界福祉構想」との関連づけで神戸会議を考えております。これは、橋本総理が「社会保障あるいは福祉の問題、これは途上国を含めて各国がそれぞれの成功例、あるいは失敗例を含めてお互いに学び合う。そういうものから各国の福祉への対応という認識が色々形成されていくのだろう」、ということを提唱され、それのフォローが色々な形でなされております。今回のデンバーサミットでもこの資料3-3の6にありますように、「橋本首相の『世界福祉構想』はこういったことに焦点を当てる機会を与えている」というような一文もあり、高齢者の雇用問題については大きな関連がある訳でございます。そういう位置づけのもとで我々は神戸会議を考えていきたいと思っております。
○会 長:
ただいまの事務局からの説明につきまして、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
○委 員:
言葉の意味について、コミュニケの英語の方は「inclusion」、仮訳の方は「一体性」となっているが、これは何と一体性なのか。
○事務局:
最近よく言われておりますのは社会的一体性。OECDでも、先般の理事会での一つのポイントが、「social cohesion」という言葉で言われておりますように、雇用の問題を含めて構造改革を進める。あるいはグローバル化する中で、市場経済の下、競争は非常に強くなっている。そういう中で、社会的一体性というものが非常に大切であるという問題意識が非常に高くなってきていると思います。特にヨーロッパ諸国では非常に強い考え方になってきておりますので、「social cohesion」といったような考え方が「inclusion」ということで社会に取り込んでいく、そのような感じで「social cohesion」と似たような概念として「inclusion」を理解して仮訳しているのかと思っておりますが、外務省その他と詰めた話でもありませんが、そのような問題意識を持っております。
○委 員:
労使協調を含んだ一体性ということだろうか。
○事務局:
それよりはもっと広いことです。議論の背景には、アメリカ型雇用は非常に増大する、あるいは失業も下がっている。しかし、所得格差の拡大が一方では問題としてあるのではないかという意識。一方ヨーロッパでは、雇用は就いている人には安定しているけれども失業率は高い。しかし労働条件はきちんと確保されている。そのように見たときに、議論の中からも、社会からの疎外ということは避けるべきだ。その逆の概念でとらえれば社会的一体性ということで、すべての国民が競争の激しい時代であっても一体的に対応できるようにとの視点というのは非常に大切であると、言うことができる。そういう点から、もう少し幅広い労使だけではない、社会全体の構成員の一体性、そういうものへの視点というものが、大切である。こういう考え方のような気がいたします。
○委 員:
橋本首相の「世界福祉構想」というのは英語の方を見ると「Initiativefor a Caring World」ですが、これは日本語が先なのか、英語が先なのか。全然イメージが違う。「世界福祉構想」というとものすごい大々的な感じがするが。「Initiative for a Caring World」というと、ただ人に優しい政治としか思えない。
○事務局:
日本語が先です。
○委 員:
この「世界福祉構想」という提案が、「Caring」ということになっていることは非常に意味がある。アメリカのクリントン対談の中で話がでている。抽象的な概念になるが、単なる福祉というと、日本人でいう限定した社会福祉とか社会保障とかいうのではなく、もっと高齢者に優しい、貧しい人に優しいという、広い概念だと思います。広い概念で「Caring」といっているのは意味があるんだというような発言も会議の中ではありました。今回のサミットの場合でも、「世界福祉構想」というのは必ずしもその福祉構想そのものはあまり議論になっていなかったと思うが、これは例えば、クリントン大統領が言っている高齢者問題というのは「Caring」の中に入るのではないかという議論でみんながまとまっているというように私は聞いております。
○事務局:
たぶんこれは日本から先に、言ったことだと思いますが、英訳としてどういうものがみんなに理解してもらえるかといった時に、こういう言葉が出た。この言葉は、割合よく理解されているように理解しておりまして、色々な会議、国際会議などでは、この言葉は、割合よく受け止められているような感じがいたします。
現在すでに、こういう構想に基づく情報交換、意見交換、失敗例、成功例の混ざり合いという考え方の下ですでに進められておりますので、割合幅広い意味はありますが、理解されやすい言葉として受け止められているという印象を持っております。
○委 員:
8カ国のコミュニケに入っていることは今回のデンバーサミットでは良かったなと思う。今度の雇用サミットでロシアを入れることはいつ頃決まってくるのだろうか。
こういうサミットをやるときには、1ヶ月位前に事前に組合のトップが集まり、「こういうことを行う」ということを、G7のサミットの時も毎年やっている。今回の神戸サミットの時も、東京で10月段階で集まろうということになっている。その時にロシアをどうするかという問題がでてくる。G8になると考えなければならない。ロシアの場合はICFTUのメンバーではないので、それをどういう扱いにするかの問題があり、いつ頃目処をつけるのか。
○事務局:
何時ということは難しいが、このデンバーサミットの前に準備会合を行った時は、ロシアをどうするかという議論はありました。その段階ではオブザーバーとしての参加をどうするかという議論でありました。ただ、デンバーサミットもあるのでそれを踏まえて、総理をはじめ外務省担当首脳も帰国してから相談をして、可能な限り早急に決定したいと考えております。
○会 長:
それ以外にありますでしょうか。
○委 員:
資料3−1の中で、ILO、OECD、ICFTU、IOEについては参加ではなく、招聘としている。招聘というのはどういう意味であるのか。
○事務局:
この会の参加は、政府の代表すなわち閣僚レベルの大臣を中心とする会議と性格付けしております。従って、その会議に来ていただくので、ある意味ではオブザーバーという意味になるのかもしれない。私どもがイメージしているのは、それぞれの代表の方々に来ていただき、テーマに沿った意見をいただき、出席閣僚等と意見交換もしていただく。そういう機会を一定の時間設けたい。後は、閣僚を中心とするメンバーだけの会議ということになると思います。
○会 長:
他にございますか。
○委 員:
日程はいつ頃決まるのか。
○事務局:
早急に決定したい。
○会 長:
それでは次の議題に移りたいと思います。
高齢者の雇用就業についてでありますが、高齢者就業実態調査と雇用管理調査の結果につきまして、事務局から説明をお願いします。
○事務局:
資料は、No4−1と4−2がありますが、本日は、抜粋を資料No4−1として作っており、これに基づいて説明させていただきます。
1頁目は調査の概要でありますが、高年齢者の就業・不就業の実態及び事業所における高年齢者の雇用状況、雇用対策の実態等を把握して今後の就業対策に資することを目的として、昨年の10月に実施しております。前回は、平成4年に行っております。
調査は、個人調査と事業所調査を実施しており、個人調査は、55歳から69歳までの高年齢者を対象にして3万人をサンプルとして、国勢調査の調査区を選び、その調査区に住んでいる高齢者を調査するという方法で行っております。日本全国で55歳から69歳までの高年齢者の人口は、参考表にありますように平成7年で、2,182万人であります。
事業所調査につきましては、主要9大産業の常用労働者5人以上を雇用している民営事業所の内から、12,000事業所を対象に行っております。
次の頁は、個人調査の結果の高年齢者の就業率の状況でございます。第1図に隔世別就業率の変化、今回と前回が載っており、実線が今回であります。年齢とともに就業率が低下してきますが、男の場合は、67歳から68歳あたりで50%を切っております。
前回平成4年調査との比較では、男の場合で60歳を過ぎた頃から実線の方が下にきているかと思います。女性の場合は65歳から下がっております。
平成4年はバブルの景気の良い時期で、今回は労働者にとって決して良くない時期、こういうことが前回と今回との違いであると思われます。
3頁でありますが、年齢3区分別に就業者・不就業者の状況を表しているものであります。上の方が男のグラフですが、就業率が年齢とともに低下していますが、その中身は、55〜59歳は雇用者の割合がかなり高いわけでありますが、年齢とともに割合が低下しており、代わって自営業主が高くなってきております。
不就業者については、就業希望の有無を聞いており、希望ありというのが、55〜59歳は60%を越えており、60〜64歳でも65%くらいということで、割合としてかなり大きいということがおわかりいただけると思います。65〜69歳になりますと、非希望者の割合が高まってきております。女性の方は省略させていただきます。
次の頁でありますが、不就業者の就業希望者の理由でございます。「適当な仕事が見つからない」が59.3%でありますが、これは年齢区分を見ていただいても高いわけであります。その内訳は、「今までの経験が生かせる仕事がない」が高い割合になっております。
5頁は年金受給状況であります。年金受給階級と平均年金受給額があります。男の場合、16万8千円が平均受給額であります。階級別に見ますと、一番多いのが25万円以上が22.5%、次いで19〜20万が10%ということになっております。前回より2万円弱増えております。下の方は女性でありますが、平均は8万1千円、前回より1万強高くなっております。階級は、3〜4万円が21.5%と一番多くなっております。男の場合、年齢階級別に見ますと、65〜69歳で平均17万9千円となっております。
次の頁は、年金の受給状況と就業率であります。一番下に年金を受給していない項があります。これは、男の方で見ると年金を受給していない場合の就業率が92.4%、というように見ていただきたい。年齢階級別に見ますと65〜69歳では68.8%となっております。
男の場合、60〜64歳あるいは65〜69歳で見てみると、年金が20万円を超えると就業率が40%台に低下する傾向が見られます。
7頁は、高齢者の退職者の再就職の状況であります。会社を辞めた人のその後の状況を調べたものであります。55歳当時雇用者の方が、定年前で退職された方と定年で退職された方と分かれており、下の方の定年退職者というのは、定年で会社を離れた、定年で会社を去ったというように理解していただきたい。
その人たちのその後でありますが、「別会社に勤務した」が47.6%で半数弱の方が別の会社に勤務されたということであります。勤務しなかった人が52.4%ということであります。その内訳は、「仕事を探し続けていた」「仕事から引退した」が15〜16%であります。前回と比べると、別会社に勤務したという人の割合が低下し、しなかったが増えており、その中では「仕事を探し続けていた」人が全体と比較して増えております。
以上が個人の調査結果で次の8頁から事業所の調査になっております。
事業所の調査では、雇用状況を調べており、全労働者に占める割合を55歳以上で見ますと14.5%、年齢階級別に見ますと55〜59歳が8.0%、60〜64歳が4.1、65〜69歳が1.6、70歳以上が0.8%という割合になっております。
勤務延長・再雇用の状況でありますが、表の上の方は、常用労働者に占める勤務延長乃至は再雇用者の割合であり、全体で18%ですが、60〜64歳では39%、65〜69歳では45%、となっております。下の方は、勤務延長・再雇用者の年齢構成であり、一番多いのが60〜64歳で57.6%となっています。さらにそれを詳しく見てると60歳が16%、61歳が12.7%ということになっております。
9頁は、高年齢者の中途採用率を表しているものでありますが、7.2%が今回の結果であり、前回の7.7%かから若干低下しております。高齢者の採用者の年齢階級別割合は、55〜59歳が49.4%、60〜64が37.5%といった年齢構成になっております。
次の頁の第9表は高齢者の退職の状況であります。まず退職率がありますが、退職者の割合は11.3%となっており、前回の6.9%から、かなり上昇しております。右の方には定年制との関係で退職者の構成比を見ておりますが、全体的に定年制を定めている事業所での退職者が89.7%と前回より高まっております。この中で、定年前に退職された方が33.5%、これも前回より増えております。定年退職者が29.4%、その隣が、定年後に勤務延長あるいは再雇用されて会社を去ったというものでありますが、前回比較で見ますと、定年前ないしは定年退職者の割合の方が増加率が高くなっております。
最後の項目は、今後の高年齢者の雇用に対する考え方でありますが、今後2年間ぐらいに55歳以上の方の雇用の予定があるかどうかという事で、増やす予定がある10.7%、増やさないが39.4%、未定が45.6%という状況になっております。
最後の11頁には、その増やさない理由があげられておりますが、多い順から、「高年齢者に適した仕事がないから」「若年、中年層で人手は充足できるから」「高年齢労働者に限らず、採用の予定はないから」が30%を越えており、前回との比較でいくと、「高年齢労働者に限らず、採用の予定はないから」というものが、6ポイントくらい増えている、という状況でございます。
○事務局:
続いて、資料No.5の「雇用管理調査」というものでございますが、3年に1回、退職時の雇用管理について企業調査をしており、30人以上の企業を約6000社、今年の1月1日現在で調べております。
3頁を見ていただくと、一番上の行に書いてありますが、定年制を定めている企業というのが、全体の企業のうち94.5%となっており、その中で一律定年制を決めて退職させるという企業が96%で大部分になっております。その一律定年制の中で定年年齢をいくつに定めているかというグラフが第1図であります。
この定年年齢につきましては、定年制の法制化等があり毎年調べております。今年の9月1日現在では、90.2%が60歳以上定年制をとっており、59歳以下は9.8%ということになっております。
60歳以上定年の中では、60歳定年年齢が82.0%で圧倒的多数を占めており、65歳というのが6.6%となっております。その間の61から64歳の4歳を足しまして1.5%、66歳以上の定年年齢は0.1%ということになっております。
そのグラフの右端の方では、現在定年を改定予定あるいは改定を決定しているというのを加えますと、60歳以上定年制は97.1%ということになっております。
次の4頁では、一律定年制を定めている企業の中で勤務延長制度あるいは再雇用制度というものを導入している企業が全体の70%となっております。規模別に見ると、大企業の方が制度としては導入割合が少ないということになっております。
7頁の第4図は、退職関係の制度ということで、「転籍出向制度」、「早期退職優遇制度」、「転職援助あっせん制度」、「独立開業支援制度」の4つの制度について導入状況を調べました。この4つの制度いずれも企業規模計にしますと導入率はまだ1割を割っており、一番多い「早期退職優遇制度」でも7.0%という状況になっております。しかし、5,000人以上のグループでは、導入率が急激に高くなっており、一番高い導入率は「早期退職優遇制度」が55.7%で5,000人以上の企業の半数以上がこの制度を導入しているということになっております。ここ数年話題になっております「独立開業支援制度」は16.3%となっております。
これらの中で、導入率の高い5,000人以上の企業につきまして、「年齢条件」を調べてみますと、「転籍出向制度」では、「年齢条件というのは特段ない」というのが一番多くなっておりますが、「早期退職優遇制度」、「転職あっせん制度」、「独立開業支援制度」では、いずれも「45歳から50歳未満」を適用開始年齢とする企業の割合が最も高いという状況になっております。
○会 長:
ただ今の説明に対する御質問等を含め、また、資料No.6の「高年齢者雇用対策の体系」や先程の秋に開催される雇用サミットの論点リストペーパーなども参考にしていただきながら、高年齢者の雇用就業について御議論いただきたいと思います。
○会 員:
高齢者の定義についてでありますが、資料などを見ますと55歳以上ということになっておりますが、国際機関のILOやOECDあたりでは高齢者というのは何歳以上と言っているのかお聞きしたい。もう一つ、定年後の再雇用制の実施状況が大企業の方が割合低くなっていますが、一般的に何か理由があるのではないかと思うが、これについてどう考えているのか。
○事務局:
高齢者の定義・範囲でありますが、我が国の場合は、「高年齢者雇用安定法」で定義があり、「高年齢労働者は55歳以上」となっております。
統一的な定義みたいな形でILO、OECD等で使っているのかどうか、申し訳ありませんが正確な数字がありませんので、早急に調べまして、後ほど判りましたらご説明させていただきます。
○委 員:
2番目のことについてはどうでしょう。
○事務局:
10頁の第2表をご覧いただきまして、規模別に定年年齢を見ていただきますとそれほど大きな差というのは無いのですが、60歳以上ということになすと、5、000人以上の企業では100%となっているのに対して、30〜99人企業では87.7%ということで、大企業の方が定年年齢の水準としては、少しだけ高いということが考えられます。
○委 員:
資料5の3頁の定年年齢60歳以上とする企業の割合について、今後60歳以上に改定予定と改定が決定を加えるとを加えましてもまだ2.9%も残っている。法制化とのからみでこれからどうしていこうと考えているのかお聞かせいただきたい。
○事務局:
60歳定年の義務化が来年の4月に迫ってきております。私どもも4月を待たずにできるだけ早い時期に完全定着するようにということで第一線機関に、色々指導、お願いをしております。全体に見ますと97%くらいがもうすでに改定を予定または決定しているという状況であります。
地域別に見ますと、だいぶ格差がございまして、東北地方などではかなり遅れているといったこともございます。そういった地域の状況を充分に把握しながら、事業所団体などと連携を取っていく。計画的に進めてまいりたい。
○委 員:
高年齢者就業実態調査結果についてでありますが、説明の際に女性の部分を省略したのはおかしい。例えば、就業希望者につきましても、女性の方を見てもかなりのパーセンテージで希望者があるわけです。その世代は、世代的な背景を考えますと就業希望数は少なくてもおかしくないような世代にこれだけ就業希望率が高いということは、かなり就業希望者が多いということだと思います。従って、これについての説明省略というのは、労働省及び日本政府の雇用行政あるいは雇用制度、政策等、どうなっているのか、今のご時世を考えますとなおさら、雇用というのを男性中心にして考えられるというのが今やもう考えられないような時代だと思われますが、なおさら今のように省略することについて、どういう考えであるのか。
それとの関連で今年のサミットのテーマを見ても全く一般的な捉え方のように見えます。つまり、ここにはジェンダーの視点が全然浮かび上がってきていません。女性の雇用労働、あるいは雇用でない形の労働というものをこれからの高齢化社会においてどういう風に捉えられるのか、政策的に考えても雇用者を男性に限定してあくまでも考えていくのか、非常に重要な点であると思いますので、労働省としてどう考えているのか伺いたい。
○事務局:
個人調査については当然、男女別の集計で出ておりまして、集計結果はすべて男女であります。大変失礼いたしました。本当は男、女とそれぞれしなければいけないのでしょうけれども、お詫びしたいと思います。
○事務局:
私どもは、高齢者対策を進めていくにあたって男女を区分してということはございません。すべて、労働者が希望するとおりにその能力を発揮できるような雇用の場を見つける、それをお手伝いするというのが私どもの考えでございます。男女区分するということはございません。
○委 員:
資料の4−1に年金受給者の階級別の就業率という数字が出ているのですが、この読み方ですが、働いているから年金が低いのか、年金を沢山もらうから働かないのか。その因果関係はどのようにご覧になっているのか、あるいはそれを詰めていく方法があるのかどうかということが第一点です。
年金を沢山出してもらえれば労働需給はその分労働者の供給が減るわけですから、一般に働く人の賃金も良くなり、プラスだという面があるわけです。「active aging」というのも、年金をもらって、ボランティアをやっていただいてもいいわけです。それと雇用政策との関係はどのように整理しているのか、そういったことについて何かあれば教えていただきたい。
第二点は定年制なんですが、日本では定年制がないというのは考えにくいわけですが、一方では、年齢に対する差別であるという考え方もあるということです。そういった考え方に対してはどのように雇用政策の立場からお考えになっているのかということをお伺いしたい。
○事務局:
第一点ですが、年金が低いから働いているということではなく、年金の受給額と就業率は、一般には、年金が高いと就業率は低下するということであります。
○事務局:
労働政策として社会扶助を手厚くすれば供給が減るという議論はあると思うのですが、65歳以上人口が14%を過ぎた状況において社会的扶養と被養の関係を考えたときに、65歳あたりの年齢まで働ける人は働くという、こちらの方の政策に行かないと経済全体が保たないという考え方。経済全体、社会全体の生産性を上げるといった活力ある社会を作るためには、働ける人には働いて頂く、かつ、色々なバックアップシステムもできておりますし、全体としての労働時間、生涯にわたる労働時間を考えてみても、労働時間が減ってきているわけですから、65歳まで働ける環境が整ってきている、という意味で社会保障を手厚くしてという政策は65歳まではむしろ逆の流れの方がいいのではないか。
それからもう一つは定年制の問題で来年から60歳未満の定年は無効になるわけですが、この考え方というのはあくまで定年制というシステムを利用する企業において60歳ということであって、就業形態が多様化してますので、定年制というシステムを利用するからにはという考え方でございます。そして、日本の定年制とアメリカで議論されているのとは少し違って、日本の定年制には雇用保障機能というのがかなりある訳ですので、60歳なら60歳、将来65歳に移行していくにしてもそういう雇用保障機能を生かしながらやっていくとすれば、定年制を取り払うよりはそれを活用していった方が政策の現実性が高いのではないかと、こういう考え方でやってきているのであろうと思います。
○事務局:
それとの関連で、コミュニケの中心になった「Active Aging」の考え方というのは、高齢化社会という各国共通認識の中で、一方で社会保障のコストが非常に高くなってきて、年金受給開始年齢になると仕事はせず年金生活に入り、その年金をできるだけ充実する、という流れにはいかない。そうすると、高齢者も状況において出来るだけアクティブに行動してもらうことが良いことで、そのアクティブの範囲というのは、ボランティアから労働までの範囲であり、そういう共通認識が各国の事情から急速に出てきているのではないかと思っております。
日本の場合には、高齢者の就業率が高く、政策的にいえばシルバー人材センターのような雇用でないボランティアの中間団体のような働きかたもあり、そういうものの共通認識でそういうようなシステムというものを今後とも考えていく必要があるのではないだろうかと思います。
できるだけ健康な人は働いてもらうという考え方の流れではないかと思います。
○事務局:
資料の4ー2の21頁に17表がございますが、年金を受給している人がどれだけ働いているかという数字が載っておりまして、年金だけでは生活できないというアンケート結果でございます。
○委 員:
企業の経営者の立場から、色々なデータがあり非常に勉強になった。これだけの全体的な数字はなかなか見られない。
企業としての取り組みというのをしっかり考えていかなければならないというのを感じたわけですが、まずは高齢者活用に向けての経営者自身の意識改革が必要ではないか、この高齢者就業実態調査のなかの現状60歳以上の雇用を考えていないという事業所が全体の58.1%となっているが、60歳を超えた方々の意欲を有する方々については、積極的に活用していかなければいけない。
処遇制度の問題がありますが、60歳以上の人たちの処遇制度についてもしっかりした考え方を持っていかなければならない。企業側として、反省したり積極的にやっていかなければならない点だと思うのですが、これに関連してお願いしたいことがあります。
労働省として、国としても取り組んで頂きたいというのが、年金問題です。年金給付と高齢者雇用とをバランスをよく、さらに改善して頂いたらと思っています。
もう一つ、我々の企業でも辞められた方が郷里に帰られる方が多いわけです。従って、地域に密着した求人求職情報のシステム化、こちらにいても田舎の状況が分かるといったような、インターネットその他で検索しながら自分の職場探しなどは、選択肢が多い方が良い。
最後ですが、高年齢者の労働者の派遣事業の特例制度というのが、港湾運送業務や建設業務、警備業務などが対象から除外されている。その中に諸々の製造業が入っている。製造関係の仕事については、例えば、2交代や3交代のシフト勤務を除く現場オペレーターについては「OK」とか、もう少しきめ細かくやっていただきたい。
○事務局:
今、高齢者派遣問題についてご指摘がございましたが、この労働者派遣事業のあり方につきましは、現在関係審議会で議論しているところでございます。基本的に色々なあり方を議論しようということでやっているところでございます。その辺の方向が定まれば新しい方向に行くのだと思います。
○委 員:
「Active Aging」という考え方で、「un-paid Work」といわれる領域も含めて、生き方から退き方というものを総合的に捉えるという考え方だろうと思いますが、色々な形の報酬のない労働というのがあるわけであります。これを11月の雇用サミットにもテーマの中に含めて考えるという方向になれば望ましいと思います。
特にECでは、積極的に「un-paid Work」の実態を踏まえてそれを今後の働き方の政策に活かそうということで、「un-paid Work」の統計を今、積極的に進めているところですので、是非、日本でも議論がかみ合うようなそういう発想でやっていただきたいと思います。
○委 員:
高齢者の雇用の促進という言い方なんですが、社会全体として働き手が減るので働いてもらいたいのか、つまり労働力として最後まで絞りきりたいのか。それとも個人の側に立って働きたい人にはチャンスを与えるのか。両方おっしゃったが、これは全然違うのではないかと思うが、働いていただきたいのならそれなりの環境整備が必要ですし、働かせてあげるというのと全く違うという気がするのですが、どっちなのでしょうか。
○事務局:
ある年齢までは働ける状況にある人は社会に雇用労働であれ自由業であれ、社会に参加して、社会の生産活動に貢献していただきたいという要素がある。
○委 員:
そうすると、元気でのらりくらりする選択というのはやりにくくなるわけですね。「free retirement」みたいなものは冷たい目で見られる。
○事務局:
それは、年齢の問題もあると思うのです。準備会合の時に私共は、ヨーロッパは比較的「happy retierment」といったような考え方があって、なるべく可能ならばもう少し長く働くというような考えを打ち出すと、抵抗があるのではないかと考えていたわけです。
担当者、課長から部長レベルで、色々議論してみると、彼らは非常にそこは前向きにやりたいと。政策的にはもう少し考えていかないと社会全体としては非常に問題をはらみすぎているのではないか、特に最近のフランスの例に見られるようにリタイアする年齢がどんどん早くなっている。そうなると果たして、高齢化していく中で、そういう社会は健全な社会として活力を持っているのだろうか。政策的には一定の見極めをしていく必要がある。年齢を政策的に年金とのリンケージでどのあたりを目標にどういう考えをしたらいいのかということを考えると、マクロ的あるいは政策的には一定の年齢をある程度想定しながら、そこまでは働くということを中心にした働く環境整備も必要だろうと、そのあとになれば個人の選択ということになってくるのではないか、という感じの議論が多かったように思います。
年齢によっておのずから出てくるのでは。絶対としてどこまでも働く体制づくりを良いと考えているわけでもなく、また個人の視点というものを尊重しなければならないという点も逆にあると思いますし、総合的な議論の中でバランスを見いだしていくということが必要なのではないかと感じました。
○委 員:
2つ質問があるのですが、高齢者の就業実態調査の個人調査の方で、個人に質問することの中で、家族構成や奥さんがいるとかいないとか親がいるとか、子供とか、あるいは何人一つの家族の中で働いているとか、あるいは家族の平均収入といった調査をなさっているかどうかというのが質問です。
それからもう一つは資料6ですけれども、いろいろな高齢者雇用対策の予定などがあるわけですが、継続雇用定着促進助成金、高年齢者雇用環境整備奨励金、高年齢雇用継続給付といった制度がありますが、こういった制度の適用を受けている労働者の数というのは、掴んでおられるのでしょうか、特に高年齢雇用継続給付というのは何年位前にできたのでしょうか。
○事務局:
雇用継続給付は、平成7年度からです。2年前です。
○委 員:
2年前ですか。どのくらい適用労働者の数があるのか。
○事務局:
高年齢雇用継続給付は、普及状況は平成7年度全般で、この給付を受けられた方は男女計で7万5千4百人、男性が5万8千9百人、女性が1万6千6百人くらいということでございます。
継続雇用定着促進助成金というのは今年度からスタートしたばかりのもので数についてはこれからです。
○事務局:
第一点目についてですが、資料No.4−2の18頁に、第13表としてまとめております。それから速報ではまとめてございませんけれども、何人いる家庭で収入ある人が何人か、ということは詳しく調べておりますが、今回はまとめておりません。
○委 員:
分かりました。一応こういう形では調べて頂けているということですね。
○会 長:
高齢者問題は、雇用審議会の重要な課題でございまして、色々皆さんの意見を踏まえながら、これから鋭意進めて行かなければならないだろうと思います。
その他、質問等ありましたら、どうぞ。
○委 員:
今までの議論の中で、色々な見方があると思いますけれど、いずれにしましても日本の労働者が今までのピラミッド型構成から寸胴型になるわけですから、色々なものの考え方を変えていかなければならない、という問題がある。
一つは職業紹介の自由、これは、労働省の方にご努力いただいて非常にいい方向に進んでいると思います。派遣についても、ぜひ進めていただきたい。
最近の調査を見ますと、経営者が「オフザジョブ トレーニング」に非常に大きな期待を持ってきている。それが非常に大きく劇的に変わったてきている。この世界も、役所がやるべき世界と民間がやるべき世界と、はっきりここは役所の出番だと役所本意で考えないで、役所も出なければ行けないかもしれませんが民間の方も自由にでれる、例えば、大学教育がおかしいとかいうような問題も絡んでくる。そういうこともありますが、それ以上にもっと切実な問題として出てきているのではないか、大きな変化がでてきているのではないか、この辺も民間が職業学校なり職業機関を作ることについてフリーな条件をどのように整備するかというようなことについて、少し本気になって取り組んで頂きたいと思っております。
この辺が結局アメリカの社会を考えた場合にマーケットがフリーであるだけではなく、そういう職業訓練についてもフリーだということも大前提にありますので、そういうことに向けての一つの整備、と同時に国としての立場があろうとは思いますから、そこはある程度競争関係にあるのはいいとは思いますが、論点リストペーパーにありますテーマの2の中にありますように、職業訓練、職業紹介のフリーと同じ様な意味で是非、職業訓練の問題について考えていただきたいと、お願いであります。
それから、働きたくて働くのか、働きたくないけど働かせるのか、という問題があるのですが、幸いなことに日本の場合高齢者はかなり就業意欲が高い高齢者が多いという統計が出ております。企業側も、本人も働きやすいような、あくまで支え、そういったものを作っていくことも年金の体制と同じ様な意味で大切だろうと思います。
それからもう一つは、活力ある高齢化社会をどうするかいうのは、「japan society」の議論の中で、向こう側の非常に興味を持ったのが、シルバー人材センターです。これは、配当金、雇用関係でもらうお金ではなくて配当金としては月に9万円くらいでるわけですから、そういう仕組みに関してはものすごく、向こうの人は興味を持った。
日本もだんだんそうなってくる可能性はあります。それからやっぱり向こうと同じように独立して、自分が独立して新しい意味の自営業というものがどんどん出てくるようにならないと活性化しない国になってしまうと思うのですが、そういうものも全体の労働力ととらえる。この労働力というのは雇用関係の労働力ではなく働く人という意味ではこれも労働力、国を支えるという意味では、文化的な仕事に従事している人も文化的な仕事として、国のある意味では無形の価値財産を増やしていく訳ですから、そういう人たちの層を含めたいわゆる労働行政というものを狭く考えないで広い意味のものの考え方というのを、お役所の方でどんなことになるんだろうかというものを描いてみて頂いたら、新しい時代に向けての一つの像が出来てくる、という感じがする。
○事務局:
最初の能力開発の関係でございますけれど、考え方が3つくらいあると思います。一つは公共的な分野での能力開発。これは、特に中小企業に中心にあるいは失業者の訓練、これを中心に非常に重要であるというように思います。これは、最近非常に色々やられました雇用促進事業団等が受け持っているそういう部分というのは、今後充実強化していかなければならないというのが一つの見方であります。
もう一つは民間の関係については、柔軟に民間の教育訓練機関を活用していくという意味では、委託訓練みたいなものを積極的にさらに実施をしていくという流れ。
それからもう一つは、今後の重要な課題は労働者が自ら積極的に自己啓発していく、そういうものについてどう支援するか、これは、現在の雇用保険制度の枠組みをそういう意味でどう変えるか、これは審議会の議論しているところですが、そういう流れ。そういう3つの考え方があるのではないか、というように考えております。
高齢者問題につきましては、基本的に年金と雇用というのは継続するというのが基本だろうと考えています。そういう意味では、現在は年金60歳支給で定年が60歳ということになっているわけですが、ただこれは2013年には年金支給開始年齢が65歳になることがはっきりしているわけで、それまでの間に60歳から65歳の間をどうするかというのが非常に重要な課題であります。一律にそれでは65歳定年をやるかということになりますとこれはそうはいかない、そういう問題がございます。ただ将来的に考えた場合に、雇用と年金を接続するという観点からそれをどうするかという課題があると考えております。
それから、活力ある高齢社会につきましては、シルバー人材センターみたいな考え方は諸外国には全くないわけでして、日本独自の制度なのですが、そういう考え方が今後たぶん樹立されるのではないでしょうか。「Active Aging」の考え方、これは、必ずしも整理されておりませんが、そういう中で、今後の高齢化社会の全体像、こういった議論がされていくのではないかと思うのですが、まだ具体的なイメージが明確になっているわけではございません。そういうところがこの秋の一つの課題、全部できるかどうか分かりませんが一つの課題になっていると理解しております。
○会 長:
他にございませんか。特にございませんでしたら、これで本日の審議会を閉会させていただきます。
なお、次回の会議につきましては、事務局と相談した上でご連絡いたしますので、よろしくお願いします。
(署名委員の指名)
議事録の公開につきましては、本日の総会から取り扱うことにしたいと思います。どうもありがとうございました。
| (注) | 本文中に記述されている資料については多量なため省略しております。資料についての詳細及び問い合せについては、大臣官房政策調査部総合政策課 03-3593-1211(代)までお願いします。 |