第3章 信頼できる安定した医療制度の確立
第1節 医療制度を取り巻く最近の動き
21世紀においても信頼できる安定した医療保険制度を堅持するためには、医療制度全般にわたる抜本的な改革が必要であることや、医療費の状況、医療保険財政の状況、医療提供体制の状況及び課題について記述。また、医療制度の抜本改革の検討に至る経緯を紹介し、1998(平成10)年6月の国民健康保健法等の改正(老人保健拠出金の負担の見直し等)について解説。
第2節 医療保険制度の抜本改革
医療保険制度の抜本的改革の2000(平成12)年度からの実施を目指して、検討が進められていることを記述。検討されている事項は、(1)診療報酬体系の見直し、(2)薬価制度の見直し、(3)高齢者医療制度の見直し。また、外来の薬剤に対する患者一部負担について、医療保険制度の抜本的改革の応急的な処置として、高齢者の薬剤一部負担金を国が代わって支払う臨時特例措置について記述。
第3節 新しい時代の医療サービス
少子・高齢化の進展、疾病構造の変化等の中で、良質かつ効率的な医療の提供が重要な課題であることや、医療提供体制の見直しに関する審議、医療サービスを担う人材の養成確保と資質の向上に関する取組み、救急医療対策、へき地医療対策、医療の質の評価について記述。
第4節 臓器移植の推進と難病対策
1997(平成9)年10月に施行された「臓器の移植に関する法律」の概要について解説した後、1999(平成11)年2月、臓器移植法施行後初めての脳死した者からの臓器提供の事例や、臓器移植推進のための取組みについて記述。あわせて重症患者対策に重点を移した施策の展開等、難病対策への取組みを紹介。
第5節 政策医療の担い手たる国立病院・療養所
国立病院・療養所は、今後政策医療を担うものとして期待されており、そのためには経営改善を実行し、効率的な経営体制の確立が必要であることを記述。また、行政改革の中、国立病院・療養所の再編成を推進し、独立行政法人化への準備を進める必要があることも記述。