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II 調査結果の概要(基礎的事項)

1 身体障害者総数

(1)全国の18歳以上の身体障害者数(在宅)は、2,933,000人(人口比2.9%)と推計される。

(2)前回の(平成3年11月)調査の2,722,000人(人口比2.8%)と比較すると、約7.8%の増加である。

(3)障害の種類別にみると、肢体不自由が1,657,000人、内部障害が621,000人、聴覚・言語障害が350,000人、視覚障害が305,000人となっている。前回調査と比較すると、増加率では内部障害が約36%増、肢体不自由が7%増となっている一方、視覚障害、聴覚・言語障害は減少している。


表IIー1 障害の種類別にみた身体障害者数の年次推移

  実数(千人) 構成比(%)
総数 視覚障害 聴覚言語
障害
肢体
不自由
内部障害 重複障害
(再掲)
総数 視覚障害 聴覚言語
障害
肢体
不自由
内部障害 重複障害
(再掲)
昭和26年 512 121 100 291 - - 100 23.6 19.5 56.8 - -
  30年 785 179 130 476 - - 100 22.8 16.6 60.6 - -

  35年

829 202 141 486 - 44 100 24.4 17.0 58.6 - 5.3

  40年

1,048 234 204 610 - 215 100 22.3 19.5 58.2 - 20.5

  45年

1,314 250 235 763 66 121 100 19.0 17.9 58.1 5.0 9.2

  55年

1,977 336 317 1,127 197 150 100 17.0 16.0 57.0 10.0 7.6

  62年

2,413 307 354 1,460 292 156 100 12.7 14.7 60.5 12.1 6.5

平成3年

2,722 353 358 1,553 458 121 100 13.0 13.2 57.1 16.8 4.4

  8年

2,933 305 350 1,657 621 179 100 10.4 11.9 56.5 21.2 6.1

  前回比(%)
総数 視覚障害 聴覚言語
障害
肢体
不自由
内部障害 重複障害
(再掲)
昭和26年 - - - - - -
  30年 153.3 147.9 130.0 163.6 - -
  35年 105.6 112.8 108.5 102.1 - -
  40年 126.4 115.8 144.7 125.5 - 488.6
  45年 125.4 106.8 115.2 125.1 - 56.3
  55年 150.5 134.4 134.9 147.7 298.5 124.0
  62年 122.1 91.4 111.7 129.5 148.2 104.0
平成3年 112.8 115.0 101.1 106.4 156.8 77.6
  8年 107.8 86.4 97.8 106.7 135.6 147.9


2 身体障害者の年齢階級別状況

(1)年齢階級別に身体障害者数の構成比をみると70歳以上が最も多く40.2%を占めており、年齢階級が低くなるにしたがって、その構成比の減少がみられる。
 前回調査との比較でみると、60歳以上が62.7%から67.0%へと増加し、高齢化の傾向がうかがえる。

(2)障害の種類別に年齢階級別の分布をみても、いずれも70歳以上が最も多く、年齢階級が低くなるにしたがって、構成比の減少がみられる。


表II−2 障害の種類別、男女別、年齢階級別にみた身体障害者の分布状況

(単位:千人)

 

 

総数

性別

18〜19歳

20〜29歳

30〜39歳

40〜49歳

50〜59歳

60〜64歳

65〜69歳

70歳〜

不詳

不詳

8年

11月

2,933

(100.0)

1,523

(100.0)

1,292

(100.0)

118

(100.0)

8

(0.3)

72

(2.5)

111

(3.8)

242

(8.3)

435

(14.8)

378

(12.9)

408

(13.9)

1,179

(40.2)

99

(3.4)

(67.0)

3年

11月

2,722

(100.0)

1,502

(100.0)

1,150

(100.0)

70

(100.0)

16

(0.6)

71

(2.6)

136

(5.0)

266

(9.8)

467

(17.2)

377

(13.9)

412

(15.1)

918

(33.7)

58

(2.1)

(62.7)

対前回比

107.8

101.4

112.4

168.4

50.3

102.0

81.6

91.0

93.2

100.2

99.1

128.4

171.5

視覚障害

305

(100.0)

139

(45.6)

159

(52.1)

7

(2.3)

1

(0.3)

7

(2.3)

12

(3.9)

26

(8.5)

43

(14.1)

31

(10.2)

36

(11.8)

138

(45.2)

10

(3.3)

(67.2)

 聴覚

 言語

障害

350

(100.0)

182

(52.0)

148

(42.3)

20

(5.7)

2

(0.6)

15

(4.3)

11

(3.1)

24

(6.9)

31

(8.9)

40

(11.4)

38

(10.9)

174

(49.7)

14

(4.0)

(72.0)

肢体

不自由

1,657

(100.0)

845

(51.0)

735

(44.4)

77

(4.6)

3

(0.2)

41

(2.5)

76

(4.6)

146

(8.8)

260

(15.7)

206

(12.4)

219

(13.2)

644

(38.9)

61

(3.7)

(64.5)

内部障害

621

(100.0)

358

(57.6)

250

(40.3)

14

(2.3)

1

(0.2)

9

(1.4)

11

(1.8)

46

(7.4)

101

(16.3)

101

(16.3)

115

(18.5)

222

(35.7)

14

(2.3)

(70.5)

(再掲)

重複

障害

179

(100.0)

95

(53.1)

77

(43.0)

7

(3.9)

-

-

6

(3.4)

6

(3.4)

11

(6.1)

22

(12.3)

16

(8.9)

23

(12.8)

90

(50.3)

5

(2.8)

(72.1)


( )内は構成比(%)


(3)障害の出現率は、人口1,000人に対して28.9人であり、前回に比して2.1%の増加である。また、年齢階級別身体障害者の出現率は高年齢ほど高くなっている。


表II−3 年齢階級別にみた身体障害者の人口比(対千人)

 

総数

18〜19歳

20〜29歳

30〜39歳

40〜49歳

50〜59歳

60〜64歳

65〜69歳

70歳   〜

8年

28.9人

2.3

3.8

7.0

12.2

26.2

49.6

62.3

94.6

3年

28.3人

3.9

4.1

8.3

13.4

28.9

54.5

75.9

90.4

対前回比

102.1%

59.0%

92.7%

84.3%

91.0%

90.7%

91.0%

82.1%

104.6%


3 身体障害の程度別状況

(1)身体障害の程度についてみると、1・2級の重い障害を有する身体障害者は1,266,000人で、身体障害者総数の43.2%を占め、前回の40.1%に比してその割合が増大し、重度化の傾向が見られる。

(2)障害の種類別に1・2級をみると、視覚障害では168,000人(55.1%)、聴覚・言語障害99,000人(28.3%)、肢体不自由641,000人(38.6%)、内部障害では357,000人(57.5%)となっており、視覚障害と内部障害では重度の身体障害者が半数を超えている。

(3)重複障害についてみると、最も重い1級が49.2%を占め、1・2級を合わせると71.5%にのぼり、重度の障害が多いことがわかる。


表II−4 障害の種類別、程度別にみた身体障害者の状況

 

実数

(千人)

総数

1級

2級

3級

4級

5級

6級

不明

8年11月

2,933

796

470

501

551

291

212

112

3年11月

2,722

638

454

448

506

288

238

150

対前回比(%)

107.8

124.8

103.5

111.8

108.9

101.0

89.1

74.7

8年の内訳

視覚障害

305

97

71

30

32

30

35

9

聴覚・言語障害

350

16

83

72

66

1

92

21

肢体不自由

1,657

332

309

267

331

260

85

72

内部障害

621

351

6

131

123

-

-

9

重複障害

179

88

40

22

13

4

2

11

(再掲)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

構成

比(%)

総数

1級

2級

3級

4級

5級

6級

不明

8年11月

100.0

27.1

16.0

17.1

18.8

9.9

7.2

3.8

3年11月

100.0

23.4

16.7

16.5

18.6

10.6

8.7

5.5

8年の内訳

 

視覚障害

100.0

31.8

23.3

9.8

10.5

9.8

11.5

3.0

聴覚・言語障害

100.0

4.6

23.7

20.6

18.9

0.3

26.3

6.0

肢体不自由

100.0

20.0

18.6

16.1

20.0

15.7

5.1

4.3

内部障害

100.0

56.5

1.0

21.1

19.8

-

-

1.4

重複障害

(再掲)

100.0

49.2

22.3

12.3

7.3

2.2

1.1

6.1



4 身体障害の原因別状況

 身体障害者を原因別にみると、疾病を原因とするものが63.8%、事故を原因とするものが18.4%、不明10.2%、不詳7.6%である。


表II−5 障害の種類別に見た身体障害の原因別状況

(単位:千人)


 

総数

事故

疾病

不明

不詳

交通

事故

労働

災害

その他

の事故

戦傷病

戦災

小計

感染症

中毒性

疾患

その他

の疾患

出生時

の損傷

加齢

その他

小計

8年

11月

2,933

(100.0)

128

(4.4)

201

(6.9)

149

(5.1)

63

(2.1)

541

(18.4)

57

(1.9)

9

(0.3)

1,261

(43.0)

132

(4.5)

101

(3.4)

311

(10.6)

1,871

(63.8)

299

(10.2)

223

(7.6)

3年

11月

2,722

(100.0)

115

(4.2)

186

(6.8)

154

(5.7)

69

(2.5)

525

(19.3)

85

(3.1)

9

(0.3)

1172

(43.1)

97

(3.6)

調査

項目

なし

226

(8.3)

1,588

(58.3)

205

(7.5)

404

(14.8)

対前

回比

107.8%

111.3

108.1

96.8

91.3

103.0

67.1

100.0

107.6

136.1

 

137.6

117.8

145.9

55.2

8年

内訳

視覚

障害

305

(100.0)

8

(2.6)

12

(3.9)

11

(3.6)

6

(2.0)

37

(12.1)

5

(1.6)

2

(0.7)

125

(41.0)

17

(5.6)

13

(4.3)

44

(14.4)

206

(67.5)

39

(12.8)

23

(7.5)

聴覚

・ 

言語

障害

350

(100.0)

5

(1.4)

9

(2.6)

7

(2.0)

7

(2.0)

28

(8.0)

8

(2.3)

3

(0.9)

97

(27.7)

22

(6.3)

35

(10.0)

48

(13.7)

213

(60.9)

79

(22.6)

30

(8.6)

肢体

不自

1,657

(100.0)

114

(6.9)

173

(10.4)

129

(7.8)

48

(2.9)

464

(28.0)

30

(1.8)

3

(0.2)

671

(40.5)

88

(5.3)

41

(2.5)

133

(8.0)

966

(58.3)

111

(6.7)

116

(7.0)

内部

障害

621

(100.0)

1

(0.2)

7

(1.1)

1

(0.2)

2

(0.3)

11

(1.8)

14

(2.3)

2

(0.3)

367

(59.1)

4

(0.6)

12

(1.9)

87

(14.0)

486

(78.3)

70

(11.3)

54

(8.7)

(再)

重複

障害

179

(100.0)

6

(3.4)

9

(5.0)

4

(2.2)

3

(1.7)

22

(12.3)

4

(2.2)

1

(0.6)

91

(50.8)

3

(1.7)

6

(3.4)

11

(6.1)

116

(64.8)

17

(9.5)

22

(12.3)


( )内は構成比(%)


5 身体障害者の疾患別状況

(1)身体障害者の原因を疾患別にみると、「脳血管障害」(12.2%)、「心臓疾患」(10.0%)、「骨関節疾患」(8.7%)が多い。

(2)また、前回調査からの増加率をみると、「心臓疾患」、「じん臓疾患」、「ぼうこう疾患」などの内部障害が目立っている。


表II−6 疾患別にみた身体障害者の状況

(単位:千人)

疾 患 名 8年11月 3年11月 増加率
  千人 千人
総  数 2,933 (100.0) 2,722 (100.0) 107.8
脳性マヒ 74 (2.5) 67 (2.5) 110.4
脊髄性小児マヒ 47 (1.6) 43 (1.6) 109.3
脊髄損傷I(対マヒ) 43 (1.5) 34 (1.2) 126.5
脊髄損傷II(四肢マヒ) 33 (1.1) 29 (1.1) 113.8
進行性筋萎性縮疾患 13 (0.4) 12 (0.4) 108.3
脳血管障害 359 (12.2) 325 (11.9) 110.5
脳挫傷 14 (0.5) 調査項目なし -
その他の脳神経疾患 64 (2.2) 調査項目なし -
骨関節疾患 254 (8.7) 214 (7.9) 118.7
リウマチ性疾患 99 (3.4) 96 (3.5) 103.1
中耳性疾患 78 (2.7) 73 (2.7) 106.8
内耳性疾患 66 (2.3) 89 (3.3) 74.2
角膜疾患 48 (1.6) 46 (1.7) 104.3
水晶体疾患 22 (0.8) 55 (2.0) 40.0
網脈絡膜・視神経系疾患 113 (3.9) 105 (3.9) 107.6
じん臓疾患 131 (4.5) 95 (3.5) 137.9
心臓疾患 293 (10.0) 195 (7.2) 150.3
呼吸器疾患 78 (2.7) 68 (2.5) 114.7
ぼうこう疾患 22 (0.8) 16 (0.6) 137.5
大腸疾患 34 (1.2) 25 (0.9) 136.0
小腸疾患 1 (0.0) 1 (0.0) 100.0
その他 605 (20.6) 521 (19.1) 116.1
不明 121 (4.1) 103 (3.8) 117.5
不詳 322 (11.0) 512 (18.8) 62.9

( )内は構成比(%)



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