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2.入院期間でみた患者の状況

(1) 日常生活動作(ADL)において全面的に介助が必要な患者は、入院期間が長くなる傾向にある。

 歩行不可能(全面的に人の手助けがないと歩くことができない又はあっても歩くことができない)や階段昇降不可能(全面的に人の手助けがないとできない又はあってもできない)あるいは買い物不可能(手助けがあってもできない)の状態にある患者は、それ以外の状態にある患者に比べていずれの病院でも、入院期間が長くなっている。(表5)
表5 歩行の状況別にみた入院期間 (単位:%)
  総数(実数:人)  3月未満 3〜6月未満 6月〜1年未満  1年以上
特定機能病院***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0( 4 780)
100.0( 3 666)
100.0(  372)
100.0(  171)
100.0(  571)
84.9
87.7
79.3
83.6
71.1
9.7
8.8
14.2
10.5
12.6
3.6
2.6
5.1
5.3
8.4
1.8
0.9
1.3
0.6
7.9
療養型病床群***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0(  798)
100.0(  320)
100.0(  159)
100.0(  55)
100.0(  264)
38.8
51.3
37.7
36.4
25.0
11.7
8.1
17.0
21.8
10.6
12.5
7.2
13.2
12.7
18.6
37.0
33.4
32.1
29.1
45.8
老人病院***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0( 3 351)
100.0( 1 305)
100.0(  620)
100.0(  222)
100.0( 1 204)
38.0
53.2
29.8
33.8
26.6
11.0
9.5
13.4
13.1
11.0
12.2
7.7
14.4
18.0
15.0
38.8
29.7
42.4
35.1
47.4
小病院***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0( 3 502)
100.0( 1 995)
100.0(  592)
100.0(  168)
100.0(  747)
71.6
82.9
65.2
60.1
49.0
9.1
6.6
12.2
13.7
12.3
5.7
3.4
6.8
10.1
9.8
13.6
7.1
15.9
16.1
28.9
中病院***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0( 5 510)
100.0( 3 483)
100.0(  793)
100.0(  229)
100.0( 1 005)
77.8
83.9
76.2
73.4
58.9
8.5
6.3
12.6
14.4
11.8
4.1
2.6
4.8
4.8
8.3
9.6
7.1
6.4
7.4
21.0
大病院***
 一人で歩ける
 手すり等利用
 部分的に人の手助け
 歩くことができない
100.0(11 255)
100.0( 7 886)
100.0( 1 131)
100.0(  411)
100.0( 1 827)
80.9
84.5
79.4
74.9
67.3
7.4
5.7
11.8
10.9
11.2
3.3
2.3
3.5
4.4
7.6
8.4
7.5
5.3
9.7
14.0
 注1)表中の項目は以下のとおり簡略化している。
 「一人で歩ける」    → 「一人で歩くことができる(てすり、つえ、歩行器などを使わない)」
 「手すり等利用」    → 「てすり、つえ、歩行器などを利用すれば一人で歩くことができる」
 「部分的に人の手助け」 → 「部分的に人の手助けがあれば歩くことができる」
 「歩くことができない」 → 「全面的に人の手助けがないと歩くことができない、またはあっても歩くことができない」
 注2)*印は、歩行状況により入院期間の分布に統計学的な有意差があることを示す。 ***印は0.1 % の有意水準を示す。

(2) 家庭に世話人がいない患者は、入院期間が長くなる傾向にある。

 今回の病気で退院後家庭で療養するとした場合、「日常的に看病または世話をしてくれる人がいない」患者は、療養型病床群、老人病院、小病院、中病院、大病院では、世話人等がいると回答した患者よりも入院期間が長くなっている。(表6)
表6 家庭における世話人の有無別にみた入院期間 (単位:%)
  総数(実数:人)  3月未満  3月〜6月未満 6月〜1年未満  1年以上 
療養型病床群
 世話人あり
 世話人なし
100.0(  795)
100.0(  674)
100.0(  121)
38.4
40.5
26.4
11.6
11.7
10.7
12.7
11.9
17.4
37.4
35.9
45.5
老人病院***
 世話人あり
 世話人なし
100.0( 3 274)
100.0( 2 754)
100.0(  520)
38.7
41.1
26.2
11.1
11.1
11.2
11.9
12.1
10.4
38.3
35.7
52.3
小病院***
 世話人あり
 世話人なし
100.0( 3 441)
100.0( 3 009)
100.0(  432)
71.8
74.3
53.9
9.0
8.9
9.7
5.6
5.3
7.9
13.6
11.4
28.5
中病院**
 世話人あり
 世話人なし
100.0( 5 479)
100.0( 5 014)
100.0(  465)
78.0
79.2
64.9
8.5
8.5
8.4
4.0
3.7
7.3
9.5
8.6
19.4
大病院***
 世話人あり
 世話人なし
100.0(11 242)
100.0(10 428)
100.0(  814)
81.1
82.2
66.2
7.5
7.5
8.4
3.3
3.1
5.4
8.1
7.2
20.0
注) *印は、家庭の世話人の有無により入院期間の分布に統計学的な有意差があることを示す。*印の数により、*印は5 %、**印は1 %、***印は0.1 %の有意水準を示す。


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