HOME 目次へ戻る 前ページ 次ページ

3 死亡

 (1) 死亡数・死亡率
 平成11年の死亡数は98万2020人で、前年の93万6484人より4万5536人増加した。
 昭和30年以降は70万人前後で推移していたが、平成2年以降は80万人以上となり、9年以降は90万人を超えている。
 昭和20年代に多かった0〜14歳の死亡数が減少し、近年は人口の高齢化を反映して75歳以上の死亡数の増加が目立つ。
 死亡率(人口千対)は7.8で、前年の7.5を上回った。
 死亡率(人口10万対)を年齢(5歳階級)別にみると、0〜24歳、35〜39歳、50〜54歳、60〜69歳で前年より低下しているものの、70歳以上の各年齢階級で前年より上昇している。
 死亡率性比(男の死亡率/女の死亡率×100)を年齢(5歳階級)別にみると、全年齢で100以上となっており、男の死亡率が高いことを示している。特に、15〜29歳、35〜39歳及び50〜79歳では男の死亡率が女の2倍以上となっている(表6,図4)。

 

図4 死亡数及び死亡率の年次推移

 

表6 年齢(5歳階級)別にみた死亡数・死亡率
   (人口10万対)・死亡率性比     

年齢階級 死 亡 数 死 亡 率 死亡率性比
平成11年 平成10年 対前年
増 減
平成11年 平成10年 対前年
増 減
平成11年
総  数
0〜4歳
5〜9 
10〜14 
15〜19 
20〜24 
25〜29 
30〜34 
35〜39 
40〜44 
45〜49 
50〜54 
55〜59 
60〜64 
65〜69 
70〜74 
75〜79 
80〜84 
85〜89 
90歳以上
982 020
5 566
795
868
2 689
4 287
5 139
5 624
7 007
10 912
22 078
34 581
47 282
62 903
91 725
118 156
132 184
152 597
153 486
123 307
936 484
6 088
946
915
2 876
4 539
5 000
5 412
7 006
11 037
23 679
33 380
44 402
64 104
90 754
111 767
123 057
149 301
142 869
108 588
45 536
-522
-151
-47
-187
-252
139
212
1
-125
-1601
1 201
2 880
-1 201
971
6 389
9 127
3 296
10 617
14 719
782.9
94.5
13.3
12.9
35.4
48.9
52.9
66.2
90.2
140.0
235.8
353.1
534.1
828.0
1 324.0
2 066.4
3 379.8
6 203.1
10 498.4
19 357.5
747.7
103.0
15.6
13.2
37.1
49.7
52.4
65.2
90.6
140.0
234.4
358.6
523.1
834.8
1 328.0
2 033.2
3 347.6
6 064.2
10 293.2
18 657.7
35.2
-8.5
-2.3
-0.3
-1.7
-0.8
0.5
1.0
-0.4
0.0
1.4
-5.5
11.0
-6.8
-4.0
33.2
32.2
138.9
205.2
699.8
124.9
120.2
132.5
145.7
231.1
235.3
218.8
193.1
201.2
191.8
199.7
212.6
227.9
235.2
243.1
226.7
201.1
183.8
162.1
142.4
注:
 
 
 1) 総数には年齢不詳を含む。
 2) 死亡率性比=男の死亡率/女の死亡率×100
 3) 性別死亡率は統計表第4表参照のこと。
 (2) 死因
  (1) 死因順位
 平成11年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物で29万473人、死亡率(人口10万対)231.6 、第2位は心疾患15万960人、120.4、第3位は脳血管疾患13万8935人、110.8となっている(表7)。
 主な死因の年次推移をみると、悪性新生物は一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位第1位となり、全死亡者に占める割合も平成11年は29.6%となった。全死亡者のおよそ3人年は29.6%となった。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物で死亡したことになる。
 心疾患は昭和60年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率とも上昇傾向にあったが、平成6・7年に大幅に低下し、7・8年は第3位となったものの、9年からは再び第2位となった。全死亡者に占める割合は15.4%となっている。
 脳血管疾患は昭和26年に結核にかわって第1位となったが、45年をピ−クに低下しはじめ、56年には悪性新生物にかわり第2位に、更に、60年には心疾患にかわり第3位となりその後も死亡数・死亡率とも低下を続けた。平成7年には一時的に上昇し、7・8年と心疾患を抜いて第2位となったが、9年からは第3位となった。全死亡者に占める割合は14.1%となっている。
 なお、肺炎は昭和60年以降死亡数・死亡率ともに上昇していたが、平成7・8年には低下し、9年に再び上昇し、11年は死亡数9万3944人 、死亡率74.9と前年を上回った。(図5)

表7 死因順位・性別にみた死亡数・死因率(人口10万対)
死  因 平成11年 平成10年
総 数 総 数
死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率 死亡数 死亡率
全 死 因
悪性新生物
心 疾 患
脳血管疾患
肺   炎
不慮の事故
自   殺
老   衰
腎 不 全
肝 疾 患
慢性閉塞性肺疾患
  982 020
(1) 290 473
(2) 150 960
(3) 138 935
(4) 93 944
(5) 40 027
(6) 31 385
(7) 22 809
(8) 17 665
(9) 16 566
(10) 13 049
782.9
231.6
120.4
110.8
74.9
31.9
25.0
18.2
14.1
13.2
10.4
  534 793
(1) 175 768
(2) 73 913
(3) 66 425
(4) 49 878
(5) 25 521
(6) 22 387
(10) 6 599
(9)  8 290
(7) 11 442
(8)  9 685
871.6
286.5
120.5
108.3
81.3
41.6
36.5
10.8
13.5
18.6
15.8
  447 227
(1) 114 705
(2) 77 047
(3) 72 510
(4) 44 066
(6) 14 506
(8)  8 998
(5) 16 210
(7)  9 375
(10) 5 124
(13) 3 364
698.0
179.0
120.2
113.2
68.8
22.6
14.0
25.3
14.6
8.0
5.3
  936 484
(1) 283 921
(2) 143 120
(3) 137 819
(4)  79 952
(5)  38 925
(6)  31 755
(7)  21 374
(8)  16 638
(9)  16 133
(11) 11 974
747.7
226.7
114.3
110.0
63.8
31.1
25.4
17.1
13.3
12.9
9.6
注:
 1) ( )内の数字は死因順位を示す。
 2) 女の9位は「糖尿病」で死亡数は6 283、死亡率は9.8である。
 3) 「結核」は死亡数が2 930、死亡率は2.3で第21位となっている。

図5 主な死因別にみた死亡率の年次推移
注:1)
 
 平成6・7年の心疾患の低下は、死亡診断書(死体検案書)(平成7年1月施行)において「死亡の原因欄には、疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください」という注意書きの施行前からの周知の影響によるものと考えられる。
  2)
 
 平成7年の脳血管疾患の上昇の主な要因は、ICDー10(平成7年1月適用)による原死因選択ルールの明確化によるものと考えられる。

  (2)  年齢別死因
 平成11年の死因を性・年齢(5歳階級)別に構成割合でみると、5〜14歳では不慮の事故及び悪性新生物が、10〜14歳及び20歳代では不慮の事故及び自殺が多い。30歳代からは、年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物の占める割合が多くなり、男では60歳代で、女では40歳代及び50歳代でピークとなる。それ以降は男女とも心疾患、脳血管疾患、肺炎の占める割合が多くなる(図6−1)。
 また、1歳未満の乳児死亡数の死因別構成割合をみると、(図6−2)のとおりとなっている。

図6−1 性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合(平成11年) 男 女

図6−2 乳児死亡の主な死因の構造割合(平成11年)

図6−2 乳児死亡の主な死因の構成割合(平成11年)

  (3)  部位別にみた悪性新生物
 悪性新生物について死亡数・死亡率を部位別にみると、男の「肺」の上昇傾向が顕著で、平成5年に初めて「胃」を上回り、11年にはその差が、死亡数で5158、死亡率(人口10万対)で8.4に拡大した(表8,図7)。

表8 悪性新生物の主な部位別にみた死亡数・死亡率
   (人口10万対)の年次推移         

部 位 昭和30年  40 50 60 平成7年  10 11
死亡数
22 89928 63630 40330 14632 01532 85832 775
4 8775 0066 67713 78022 77323 55323 487
1 8935 40410 71120 83733 38936 88037 933
大 腸1)2 0793 2655 79910 11217 31219 04919 414
死亡数
14 40717 74919 45418 75618 06117 82217 883
3 7003 4993 6965 1928 9349 88010 318
8182 3214 0487 75312 35613 99114 245
乳 房1 5721 9663 2624 9227 7638 5898 881
子 宮7 2896 6896 0754 9124 8655 0065 137
大 腸1)2 1603 3355 6548 92613 96215 34815 944
死亡率
52.259.455.651.152.653.653.4
11.110.412.223.337.438.438.3
4.311.219.635.354.860.261.8
大 腸1)4.76.810.617.128.431.131.6
死亡率
31.735.534.430.628.527.927.9
8.17.06.58.514.115.516.1
1.84.67.212.719.521.922.2
乳 房3.53.95.88.012.213.413.9
子 宮16.013.410.78.07.77.88.0
大 腸1)4.86.710.014.622.024.024.9
注:1)
 
 大腸の悪性新生物は、結腸と直腸S状結腸移行部及び直腸を示す。

図7 悪性新生物の主な部位別死亡率の年次推移 男

女


HOME 目次へ戻る 前ページ 次ページ