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国民年金法等の一部を改正する法律案の概要

第1 国民年金・厚生年金制度関係

 1.年金額(平成124月実施)

○ 国民年金の額
78万円(月額65,000円。平成6年度価格)
804,200円(月額67,017円。平成11年度価格)

○ 厚生年金(報酬比例部分)の額
厚生年金(報酬比例部分)の額の算定に用いる給付乗率1000分の7.51000分の7.125とする(給付水準の5%適正化)。
ただし、従来の年金額を物価スライドした額は保証する。
(注)基礎年金(夫婦2人分)と合わせて現役世代の手取り年収のおおむね6割を確保する。

 

 2.裁定後の基礎年金・厚生年金については物価のみで改定

(平成124月実施)

基礎年金・厚生年金の額について、65歳以降は、賃金スライド等を行わない(物価上昇率で改定)。
(注)将来において、物価スライドで改定した年金額と65歳以降も賃金スライド等を行ったとした場合の年金額との乖離が過大にならないよう、必要に応じて賃金スライド等を行う。

 

 3.老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢の引上げ

(平成25年度から実施)

 老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢を、平成25年度(2013年度)から平成37年度(2025年度)にかけて、60歳から65歳に段階的に引き上げる(女子は5年遅れ)。これに伴い、新たに老齢厚生年金(報酬比例部分)の60歳からの繰上支給制度を創設する。

 

 4.60歳台後半の在職老齢年金制度の導入

(平成144月実施)

 就労している65歳以上70歳未満の者について、厚生年金の被保険者として保険料の支払いを求めるとともに、賃金と厚生年金(報酬比例部分)を合わせた額が37万円(基礎年金夫婦2人分を合わせれば50.4万円)を超える者については、賃金の伸び2に対して厚生年金(報酬比例部分)1を調整する仕組み(在職老齢年金制度)を導入する。
  (注)老齢基礎年金は全額支給する。

 5.個別項目

○ 国民年金保険料の半額免除制度の創設(平成144月実施)
○ 学生についての国民年金保険料を卒業後に追納できる納付特例の創設(平成124月実施)
○ 育児休業期間中の厚生年金保険料の事業主負担分の免除(平成124月実施)(*)
○ ボーナスを含む総報酬制の導入(平成154月実施)(*)
○ 標準報酬の上下限の改定(平成1210月実施)
  (*)については、児童手当制度においても同様の改正を行う。

 6.費用負担

○ 保険料(率)
厚生年金(17.35%)・国民年金(月額13,300円)ともに、今回改正では、保険料(率)は据え置く。
○ 基礎年金の在り方
基礎年金については、財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成16年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の2分の1への引上げを図るものとする。

 

第2 厚生年金基金制度関係

 1.免除保険料率等の凍結

○ 厚生年金保険料の凍結に伴い、免除保険料率等を凍結する。

 2.規制緩和(公布日から3箇月以内の政令で定める日から実施)

○ 自家運用の資産規模規制の撤廃、運用対象資産の拡大等
○ 学識経験監事の必置規制の廃止、業務委託認可制から届出制への変更

 3.その他

○ 一定の条件の下に上場株式を掛金として拠出することを認める(公布日から3箇月以内の政令で定める日から実施)等

 

第3 年金積立金の自主運用関係

(財政投融資制度の抜本的改革に合わせて別に法律で定める日から実施)

 1.運用の目的

○ 年金積立金の運用は、専ら被保険者の利益のために、安全かつ効率的に行うことにより、年金事業の運営の安定化に資することを目的とする。

 2.年金積立金の運用に関する基本方針の策定

○ 厚生大臣は、年金積立金を管理し、年金資金運用基金にその運用を行わせる。
○ 厚生大臣は、審議会(保険料拠出者代表や経済・金融専門家等から構成)の意見に基づいて、運用目標や長期的観点からの資産の構成割合等に関する基本方針を策定し、公表する。
○ 基本方針は、積立金の運用が市場その他の民間活動に与える影響等に留意して定める。

 3.責任体制の明確化

○  厚生大臣及び年金積立金の運用に当たる職員の、運用の目的に沿って慎重かつ細心の注意を払う等の責務を明らかにする。

 4.情報開示の徹底

○ 厚生大臣は、毎年度、年金積立金の運用実績、年金財政に与える影響、運用の評価等に関する詳細な報告書を作成し、公表する。

 5.積立金の市場運用への移行に関する経過措置

○ 年金財政の安定的運営に配慮しつつ、資金運用部の既往の貸付けの継続にかかわる資金繰りと市場への影響に配慮して市場運用へ移行する額を徐々に増加させる。


年金資金運用基金法案の概要

第1 目的

年金資金運用基金(以下「基金」という。)は、厚生大臣が定める基本方針に従って、年金資金の管理運用を行うことにより、年金事業の運営の安定化に資することを目的とする。

第2 業務

○ 基金は、運用目標の管理手法や中短期的観点からの資産の構成割合等に関する管理運用方針を策定する。
○ 基金は、民間運用機関への委託及び自家運用により、年金資金の管理運用を行う。

第3 責任体制の明確化

○ 基金に、理事長、理事及び監事のほかに、運用に関する専門的事項を調査審議させるための投資専門委員を置く。
○ 役職員に対して、年金資金の管理運用に当たっての注意義務及び忠実義務を課すとともに、違反に対しては制裁処分を行う。

第4 情報開示の徹底

○ 基金は、適切な情報の公開により、業務の運営における透明性を確保しなければならない。
○ 基金は、毎年度、詳細な業務概況書、財務諸表、決算報告書、外部監査報告書を公表する。

第5 施行期日

自主運用開始の日から実施


年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する
法律案の概要

 

第1 年金福祉事業団の解散

年金福祉事業団(以下「事業団」という。)は、年金資金運用基金(以下「基金」という。)の成立の時に解散する。

第2  年金資金運用基金及び社会福祉・医療事業団への業務の承継等

1 融資事業

○ 基金は、事業団解散後、事業団の既往債権の管理及び回収を行うほか、別に法律で定める日までの間、次の業務を実施する。
   ・住宅融資事業
   ・教育資金貸付あっせん事業
○ 社会福祉・医療事業団は、事業団解散後、年金担保融資事業を実施する。

2 大規模年金保養基地(グリーンピア)

○ 基金は、事業団解散後、グリーンピアを承継し、政令で定める日までの間においてその譲渡を行うものとし、それまでの間、管理運営を行うものとする。

3 市場運用事業

○ 基金は、事業団解散後、事業団の市場運用事業の運用資金を承継して管理運用するとともに、資金運用部に対する償還を確実かつ円滑に行う。

 

照会先
厚生省年金局企画課
電話:[現在ご利用いただけません]
内線:3316 


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