トピックス HOME

平成12年7月21日

結核緊急対策検討班報告書について

 今年4月に公衆衛生審議会結核予防部会のワーキンググループ「結核緊急対策検討班」を設置し、近年の我が国の結核対策において緊急性の高い課題として「都市部」及び「高齢者等」の結核対策の強化について検討を行ってきた。本日、結核緊急対策検討班座長(川城丈夫)から公衆衛生審議会結核予防部会部会長(森亨)に「結核緊急対策検討班報告書」が提出された。

1.結核緊急対策検討班について

<構成>

・ 保健所、結核指定医療機関、(財)結核予防会等、最前線で結核対策に従事する 9名により構成
・ 座長:川城丈夫氏(国立療養所東埼玉病院長)
<検討経緯>
第1回 平成12年4月21日 第2回 5月15日
第3回 6月2日 第4回 6月26日

2.検討内容について

・「都市部」及び「高齢者等」の結核対策の強化方策について検討した。
・ 現在の結核対策の枠組みの中で、実施可能な対策として方向性を示した。
・ 報告のポイント(別 紙)

3.報告の活用

・ 都道府県、政令市等に対して、国庫補助事業(結核対策特別促進事業)による実施を働きかける。
・ 結核予防会等の協力により、都道府県、政令市等の事業の実施支援を行う。
・ 関係団体等への啓発を行う。


(照会先)
保健医療局結核感染症課
TEL:([現在ご利用いただけません]
担当:藤井、高津
内線:2373,2379


(別紙)

報告書のポイント


都市部における結核対策の強化について ~日本版21世紀型DOTS戦略~

<背景>

 社会的背景等により治療中断者の率が高い

<対策>

感染性を有する患者(喀痰塗沫陽性患者)の治療成功率の向上に重点をおく。

DOTS(ドッツ)による治療の徹底

(1)入院時からの治療の徹底

(1)院内DOTS(ドッツ)の実施
(2)保健所による患者訪問、退院後を念頭にいれた関係機関との調整
(3)医療機関、保健所、ケースワーカー等による治療支援方法の検討

(2)退院後の外来治療の徹底

(1)治療中断の可能性の高い者には、地域においてもDOTSを行う。

(3)(1)(2)を実施するための関係機関との連携体制の整備

※ DOTS(ドッツ)とは
・ Directly Observed Treatment, Short Course の略
 患者が他の人の前で服薬する行為を指す。
・ WHOは、結核対策を戦略的にすすめるためDOTSを中心とした包括的計画
 「DOTS戦略」を提唱している。
・ 検討班では、これまでの我が国の対策の基盤を有効に活用し、WHOの「DOTS戦略」の利点を取り入れることにより、日本の実状にあった戦略を提言した。



高齢者等の結核対策の強化について ~結核発病高危険群対策~

<背景>

 過去に感染した者が、体力の衰え等により数十年を経て発病することがある。
 高齢者の新規結核患者の多くは、これら既感染者の発病である。

<対策>

結核既感染者の発病への対策に重点を置く。

○発病のハイリスクグループとして、糖尿病患者を位置づける。

○高齢者、糖尿病患者を対象に早期発見の強化を図る

(1) 喀痰検査の重視
(2) 医療機関等における強化
(3) 本人、関係者に対する効果的な普及啓発

○予防内服については、以下について重点的に取り組む。

(1) 対象者に対する確実な予防内服の実施
 (特に糖尿病の高齢者)
(2) 対象となる陳旧性病変の確実な診断技術の確保


公衆衛生審議会結核予防部会

結核緊急対策検討班報告書

~重点的に実施すべき結核対策について~


平成12年7月21日


結核緊急対策検討班委員

犬塚 君雄 愛知県新城保健所長
川城 丈夫 国立療養所東埼玉病院長
中岡 勢津子 大阪市東成保健センター保健婦
前田 秀雄 東京都渋谷区保健所地域保健課長
増山 英則 (財)結核予防会第一健康相談所読影センター長
撫井 賀代 大阪市保健所保健副主幹
山岸 文雄 国立療養所千葉東病院副院長
雪下 國雄 (社)日本医師会常任理事
吉山 崇 (財)結核予防会結核研究所疫学研究部疫学科長

五十音順
○:座長


-目 次-

I.はじめに

II.都市部における結核対策の強化について
 ~日本版21世紀型DOTS戦略~

1.目的・背景

2.都市部における問題点

3.強化すべき対策の方向性

4.基本的な戦略

5.推進体制のイメージ

6.対策の体系図

7.その他

III.高齢者等の結核対策の強化について
 ~結核発病高危険群対策~

1.目的・背景
2.強化すべき対策の方向性
(1)早期発見
(2)発病予防
3.具体的な対策
(1)早期発見の強化
(2)発病予防
(3)高齢者等結核対策協議会(仮称)

IV.おわりに


I.はじめに

 平成11年7月26日の結核緊急事態宣言により再興感染症としての結核に対する国民の認識が高まるとともに、関係者による結核対策の充実強化への取り組みが行われているところである。近年の結核患者等の増加については、いくつかの背景が考えられているが、地域によってもその主たる要因に差がある。
 今回、公衆衛生審議会結核予防部会の下に「結核緊急対策検討班」を設置し、都道府県・政令市等の自治体が、緊急にその地域の状況に即した対策を支援するため、「都市部」及び「高齢者等」を中心とした対策の方向性をとりまとめた。
 「都市部」については、喀痰塗抹陽性者の治療成功率の上昇を目的とし、我が国の実状に即したDOTS戦略の導入、特に入院時からのDOTSの実施を中心とした戦略を提言している。
 「高齢者等」については、高齢者及び糖尿病患者における既結核感染者からの発病、特に感染性を有する排菌患者の早期発見の観点から、喀痰検査を重視した対策の強化を提言している。
 これらの方向性は、今後、結核対策特別促進事業等をとおして早急に実施するとともに、全国の同様の背景をもつ自治体がお互いに情報を交換しながら、我が国の結核対策の一層の推進に期待するものである。
 なお、この報告書の中でDOTS(ドッツ)とは、Directly Observed Treatment, Short Courseの略で、患者が他の人の前で服薬する行為を指すものである。
 WHOは、結核対策を戦略的に進めるためにDOTSを中心とした包括的計画「DOTS戦略」を提唱しており、検討班では、これまでの我が国の対策の基盤を有効に活用し、WHOの「DOTS戦略」の利点を取り入れることにより、日本の実状にあった戦略を提言している。


II.都市部における結核対策の強化について
 ~日本版21世紀型DOTS戦略~

1.目的・背景

 近年、結核まん延状況の地域間格差の拡大が指摘されているが、特に人口が集中し、結核罹患率の高い都市部における早急かつ効果的な対策が求められる。
 現在、WHOは結核対策を戦略的に進めるためにDOTS(直接監視下短期治療)を中心とした包括的計画である「DOTS戦略」を提唱し、世界的趨勢となっている。わが国においても、現状の結核対策を補うために「DOTS戦略」の採用が不可欠だが、WHOの戦略そのものを日本に導入しただけでは、その運用は困難である。
 戦中・戦後をとおして明らかな成果をあげてきたわが国の対策の基盤を有効に活用しつつ、WHOの「DOTS戦略」の利点を取り入れることにより、わが国の都市部の結核まん延対策に資するとともに、先進国における21世紀に向けた結核対策モデルとして、「日本版21世紀型DOTS戦略」(主な構成要素は、院内DOTS、退院後DOTS、保健所等の地域関係機関による患者のフォローアップ、地域的・全国的推進体制の整備)を提言する。

2.都市部における問題点

(1)治療中断率が高い。

 服薬の不徹底によって治療期間の長期化、薬剤耐性菌出現の可能性が高まるが、生活基盤の不安定さ、厳しい就業状況、一人暮らしなどの背景を有する者が多く、退院後に治療を中断する場合が多い。

(2)感染経路(感染源、接触者等)の同定が困難な場合が多い。

 住所不定者の存在や不特定多数の集まる場(ゲームセンター、簡易宿泊施設等)が多いこと、プライバシーの保護等を背景に感染源や接触者等の調査が困難な場合が多い。

3.強化すべき対策の方向性

 結核対策の目標としては、

(1)発見された患者を確実に治療する

(2)患者からの感染の拡大を防止すること

(3)潜在する患者を早期に発見すること

などが挙げられるが、当面は上記(1)について重点的に取り組む。
 具体的には以下に重点を置く。

(1) 治療成功率の向上
 確実に治療を成功させることにより、再発による感染拡大、耐性菌の出現を防止する。
(2) 感染性を有する者(喀痰塗抹陽性患者)の重視
 喀痰塗抹中の菌陽性を確実に把握し陽性者を治療するとともに、接触者を積極的に把握し感染の拡大を防止する。

4.基本的な戦略

 喀痰塗抹陽性結核患者に対して、他の人の目の前での服薬(以下「D OTS」という)を基本とし、地域の状況に即した体制を構築する。

(1)推進体制の整備

(2)喀痰塗抹陽性結核患者の確実な治療

(1)退院後の治療も見据えた入院時からの治療の徹底
(2)社会的背景等を踏まえた退院後の外来治療の徹底
(3)治療状況(中断、完了)の把握
(3)喀痰塗抹陽性結核患者の確実な把握

 (この際、接触者検診についても確実に実施する。)

5.推進体制のイメージ

図

6.対策の体系図

図

注1 治療支援者

・「日本版DOTS戦略」の推進は、医療機関(入院、外来)、地元保健所、地元福祉事務所等の連携が重要であるが、医療機関や行政担当者、ケースワーカーと患者の橋渡しを行う治療支援者の存在も重要となる。

・治療支援者としては、保健所や福祉事務所の保健婦や看護婦、ケースワーカー等が典型的であるが、状況に応じてその他についても検討する。

(1)住所不定者の場合

○地域のボランティア(アウトリーチワーカー) など

(2)その他

○家族、近隣の者
○ホームへルパー等の介護支援者
○職場、学校の者 など

・ 治療支援者は、服薬の確認、治療中断の防止、定期的な医療機関への受診勧奨等を行う。


注2 服薬確認実施の所定の場

・ 患者が治療中断する危険度の評価を行うとともに、その危険度に応じ て、適切な服薬の確認を行う必要がある。

・ 患者の利便性を鑑み、確実に継続可能な場の選定が重要である。

・ 所定の場としては、

(1)住所不定者の場合

○保健所、保健センター
○医療機関(入院した病院、地域の診療所など)
○公共施設(公民館、隣保館等)
(2)その他
○家庭
○職場の診療室、学校の保健室
 なお、その他の地域資源(薬局、ハローワーク、福祉事務所等)の活用についても、地域の状況を踏まえた検討を行う必要がある。

7.その他

(1)その他の検討課題

・ 治療方針(入院期間、治療完了の判断など)
・ 服薬確認の方法
 -薬剤の保管方法、内服時の治療支援者の関与方法、日誌の作成 など
・ 患者の服薬継続のための社会的環境の整備

(2)実施医療機関、地方自治体の調整については、厚生省及び(財)結核予防会は適切な助言、協力を行う。

(3)厚生省は率先して、国立病院・療養所における院内の日本版DOTS戦略の取り組みや保健所との連携強化を指導する。

(4)喀痰塗抹陽性結核患者の治療成功率、中断率を確実に把握することが必要である。


III.高齢者等の結核対策の強化について
 ~結核発病高危険群対策~

1.目的・背景

 わが国では、結核患者にしめる高齢者の割合は年々増加しつつあり、60才以上の高齢者のその割合は55%を占める。今後、人口の高齢化が進む中で、ますます高齢者の結核患者が増加することが危惧され、高齢者結核は結核再興の一つの要因と考えられる。また、近年、高齢者施設等における集団発生の報告もあり、結核対策における高齢者対策は重要な課題である。
 高齢者が結核を発病する場合の多くは、以前の感染者(結核既感染者)の再燃であるが、疾病等により免疫機能の低下をきたしている場合についても同様である。ことに糖尿病についてはその患者の多さ、中でも結核既感染者の多い壮年期から高齢者に多いことから、特に配慮が必要である。
 今後、強化すべき結核対策として、既感染者が結核を発病する率が高い高齢者と糖尿病患者への対策を強化し、感染性を有する結核患者の減少を図る。

2.強化すべき対策の方向性

(1)早期発見

(1) 喀痰検査の重視
 高齢者が結核を発病した場合、咳、痰、発熱等の症状が定型的でない場合も多い。過去の胸部X線検査所見と比較して変化が認められなくとも排菌を認める場合がある。また、高齢者や糖尿病患者が受診する医療機関は、必ずしも結核の専門医でない場合が多い。そのため、感染の拡大を未然に防止する観点から、高齢者等医療に携わる者は結核を常に念頭においた診療を行い、結核を疑った際には確実に喀痰検査を実施し、まず、感染性の有無を判断する。
(2) 医療機関等の受診機会の活用
 高齢者は、何らかの基礎疾患を有して定期的に医療機関等を受診している者が多く、医療機関において結核と診断される場合が多くなっている。また、医療以外でも保健サービス、福祉サービスを利用している高齢者は多い。また、糖尿病患者も定期的に医療機関を受診している。これらの医療機関等を受診する機会を活用して早期発見を強化する。
(3) 発病高危険群としての認識の普及啓発

(2)発病予防

 結核既感染者からの発病は、高齢者では年率0.1%であるが、胸部X線検査で所見を有する者は、ない者の3倍以上である。また、糖尿病患者では、結核発病の相対危険度は、糖尿病でない者の4~5倍といわれている。特に糖尿病を合併している高齢者に対しては積極的に予防内服を推奨するとともに、予防内服の効果を高めるために確実な対象者の選択、適切な実施を推進する。

3.具体的な対策

(1)早期発見の強化

(1) 症状がある者の早期発見
ア 喀痰検査の重視
 結核の症状が疑われる者については、原則として胸部X線検査とともに喀痰検査を積極的に実施する。
 症状から活動性結核が疑われ症例では、
(ア) 胸部X線検査所見で活動性所見が明確でなくても、
(イ) 胸部X線検査所見で過去の胸部X線写真と比較して変化が認められなくても、
(ウ) 胸部X線検査が困難である場合にはことさらX線検査の所見のみに頼ることなく、3回の喀痰検査を積極的に行う。
 喀痰塗抹検査は、自発痰を採取できる者は自発痰を、咳などはあるが痰を飲み込んでしまう場合は水蒸気や超音波ネブライザーによる誘発痰、また医療従事者が関与している場合は吸引粘液・喀痰や胃液などを用いる。

(喀痰による検査方法、喀痰採取方法の医療機関等への周知)
 家族や福祉施設の職員等、喀痰の採取支援者に対しても、喀痰の採取方法を周知する。
イ 医療機関等の受診機会の活用
 症状に十分に留意し、結核の症状が疑われた際は、早期に医療機関あるいは保健所への受診・検査について周知する。
(ア)医療機関における症状の確認
 高齢者、糖尿病患者が受診する医療機関においては、患者本人及び家族に対して日頃より「咳、痰が二週間以上続いていないか」等の確認を徹底する。意思表示を十分に行えない者等は症状を見落とすおそれがあり十分に留意する必要がある。
(イ)保健・医療・福祉サービスの従事者
 高齢者施設等の職員、在宅介護の介護職員、その他の保健・医療・福祉サービスの従事者等に対して、高齢者等に「咳、痰が二週間以上続いていないか」等の確認を徹底する。なお、意思表示が十分に行えない者については、特に慎重に咳、発熱などの症状に留意する必要がある。
ウ 発病高危険群としての認識の普及啓発
 高齢者、糖尿病患者本人及び家族が保健、医療、福祉サービス利用する機会等を効果的に活用して、結核の症状についての普及啓発を行う。

(具体的な方策)
○関係団体(結核病学会、糖尿病学会、医師会等)と協力してリーフレットの作成、配布を行う。
○保健・医療・福祉サービス従事者等に対する講習会等を実施する。
○高齢者の健康教育、介護保険サービス調整会議、糖尿病患者の糖尿病教室などの機会に啓発を行う。


(2) 症状がない者の早期発見(定期検診)
 高齢者施設において集団生活を行う者、多世代家族等で若年者と同居する者、寝たきり者など検診アクセスに乏しい者、過去の検診で結核が疑われて要精検となった者については、確実に定期検診を実施する。
ア 実施方法
(ア) 施設等入所者
 高齢者施設等の福祉施設入所者については結核予防法に基づいて施設管理者が行う検診の状況を把握するとともに、老人保健施設・医療機関の療養者等については市町村の実施する検診を利用するなど、効果的かつ実施しやすい実施方法について検討を行う必要がある。
(イ) 胸部X線検査による検診が困難な者
 施設や在宅において寝たきり等のため、胸部X線検査が困難な者については、喀痰検査によって検診を行う。

(2)発病予防

 既感染の高齢者等からの結核発病を防ぐためイソニコチン酸ヒドラジド(INH)の予防内服を行う。その効果は、60~75%といわれており、持続期間は確認されている範囲で20年であるがおそらく一生続くと想定されている。しかし、高齢者に対する予防内服は、胸部X線検査での陳旧性病変の判断の困難さ、本人の同意率の低さ、副作用に対する不安等によりその実施率は低く、また、対象者から活動性の結核を確実に除外する診断技術も課題とされていることから、予防内服を実施しつつ、これらの問題を改善していく。
 なお、現在のところ、下記の対象者で行うことを勧めるが、今後その対象拡大するか否かについては、副作用や発病予防効果等の知見の集積を待って検討する必要がある。

(対象者)

 過去に結核の治療歴がなく、胸部X線画像上陳旧性の結核と思われる陰影を有し(1年間変化していないことを確認できない場合は経過観察する)、喀痰検査(喀痰塗抹培養3回、核酸増幅法1回)で菌陰性が確認された65歳以上の高齢者とし、特に糖尿病を有する患者については、積極的に対象とする。

(方 法)

 現在の新登録結核患者でのINH耐性者の割合は5%程度であるので、現状では、INH耐性と推定される者を除いて、既感染者に対してINHの予防内服を6ヶ月間行う。具体的な方法については、結核対策特別促進事業による方法による。

(留意点)

 胸部X線画像上、陳旧性であることをいかに判定するかで、1年間X線画像が変化していないことを比較読影により確認することが必要である。これらの正確な読影を確保する必要がある。
 また、対象者には、予防内服による発病予防効果とともに副作用出現の可能性等のデメリットについても十分に理解を得る必要がある。

(3)高齢者等結核対策協議会(仮称)

 地域に、保健所、医療機関、福祉施設等の関係施設、医師会、社会福祉協議会等関係団体などからなる高齢者等結核対策協議会(仮称:既存のものを活用可)により、連携体制を確立とともに、以下について協議、評価を行う。

(1) 早期発見
ア 啓発方法
イ 発見症例数、発見時のガフキー号数の把握(過去との比較)
(2) 発病予防
ア 副作用の出現症例の把握
イ 予防内服者の発病のフォローアップ
(3) 関連する地域・施設等のリスク及び問題点など

IV.おわりに

 本検討班においては、平成12年4月21日より計4回にわたり、「都市部」及び「高齢者等」を中心とした結核対策の方向性について慎重に検討を行った。
 第1回検討班においては、都市部における問題、高齢者等における問題について、日頃、結核医療並びに結核対策に従事している各委員の意見を聴取し、フリーディスカッションを行った。
 第2回検討班においては、都市部における結核対策の強化について検討した結果、各員の意見がほぼ一致し、対策の方向性を示すことができた。別途、都市部対策の具体的マニュアルを作成する予定である。
 第3回検討班においては、高齢者等の結核対策の強化について検討した結果、予防内服の対象者等について各委員の意見が分散し、活発な議論が交わされた。
 第4回検討班においては、第3回の高齢者等の結核対策の強化について再度検討し、各委員の意見がいろいろな観点から出されたが、一定の方向性を示すことができた。また、引き続き検討する事項においては、結核予防部会等において検討されることを期待する。
 最後に、当検討班での検討にあたり、様々な観点から文献その他の情報提供、助言等をいただいた関係者の皆様方に対して、厚く御礼を申し上げるところである。


トピックス HOME