平成13年度税制改正の概要(厚生労働省関係)
平成12年12月
厚生省
労働省
1.医療関係
(1)メディカル・フロンティア関係
(1) メディカル・フロンティアに資する救急用医療機器についての特別償却制度及び固定資産税の課税標準の特例措置の創設
〔所得税・法人税・固定資産税〕
- (国 税)
- ・ メディカル・フロンティアに資する救急用医療機器(取得価額2,700万円以上のもの)について特別償却制度(20%)を創設
- <対象設備>
- 心疾患強化治療室用として、ポータブル超音波診断装置及びモニター
脳疾患強化治療室用として、経頭蓋超音波モニター及びモニター
- (地方税)
- ・ 救急医療用機器に係る固定資産税の課税標準の特例措置(課税標準6分の5)の対象にモニター及び脳圧モニター(一定の機器と併せて設置するもの)を追加
- ・ 救命救急用ストレッチャーを対象から除外
(2) 増加試験研究費の税額控除措置の適用期限の延長及び適用対象の拡充
〔所得税・法人税〕
- ・ 適用期限を2年間延長
- ・ オーファンドラッグの試験研究など限度額が当期の税額の14%(通常は12%)となる特例に、独立行政法人(国立健康・栄養研究所)との共同研究を追加
(3) 中小企業技術基盤強化税制の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
- ・ 平成14年分は控除率10%、平成15年分は6%
(2)医療提供関係
(1) 社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続
〔事業税〕
(2) 医療法人に係る事業税(社会保険診療報酬以外分)の軽減措置の存続〔事業税〕
(3)医療機器関係
(1) 医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(2) 看護業務省力化機器に係る特別償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(4)医療施設関係
(1) 改正医療法の構造設備基準に適合した病院への建て替えに係る特別償却の新設
〔所得税・法人税〕
- ・ 改正医療法の構造設備基準に適合する病院用建物(建て替えによるものに限る。)について、一定の要件の下に、基準取得価額の15%の特別償却を新設
(2) 療養型病床群に係る割増償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(3) 国立病院・療養所の再編成に伴う移譲等を受けた場合における固定資産税・都市計画税の軽減措置の適用期限の延長(3年間)
〔固定資産税・都市計画税〕
(4) 医療従事者養成施設に係る非課税措置の対象施設の拡充
※法案の内容を見て検討することとされた。(いわゆる△法)
(5)その他
(1) 中小企業者の機械等に係る特別償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(2) 技術等海外取引に係る所得の特別控除制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
- ・ 控除率20%→15%
(3) 予防接種法改正案による改正後の2類疾病に係る健康被害救済給付に関する非課税措置
〔所得税・消費税〕
- ・ 予防接種法の一部改正に伴い、老人等の少額預金の利子所得等が非課税とされる者に、同法の2類疾病(仮称)に係る遺族年金を受けている者(妻に限る。)を加える等の措置を講ずる。
2.雇用・能力開発関係
(1) 特定不況業種法の見直し等に伴う税制上の所要の措置
(2) 地域雇用開発等促進法に係る税制上の所要の措置
※それぞれ、法案の内容を見て検討することとされた。(いわゆる△法)
3.子育て支援関係
(1) 社会福祉法人による保育所用地購入に伴う譲渡所得課税の特例の要件の緩和
〔所得税・法人税〕
- ・ 保育所を設置する社会福祉法人に対して土地譲渡を行う場合の譲渡所得控除(5,000万円控除)に係る手続の特例について人数要件を緩和(定員60人以上→20人以上)
4.高齢社会関係
(1) 企業年金の受給権保護を図る制度の創設に伴う税制上の所要の措置等
〔所得税・法人税・住民税等〕
- ・ 確定給付型の企業年金について、積立義務等受給権保護を図るため、統一的な基準を定めた企業年金法(仮称)を制定
- ・ 企業年金法に基づく企業年金の税制措置は次の通り
○ 拠出時: |
事業主拠出は損金算入、本人拠出は生命保険料控除 |
○ 運用時: |
特別法人税課税(13年度、14年度は凍結) |
○ 給付時: |
課税(年金は公的年金等控除を適用、一時金は退職所得課税を適用) |
- ・ 適格退職年金制度は、一定の十分な経過期間を設け、所要の措置を講じた上、他の企業年金制度等へ移行
(2) 特別法人税の課税停止措置の延長(2年間)
〔法人税・法人住民税〕
(3) シルバー人材センター連合の特定公益増進法人に係る要件の拡充
〔所得税・法人税〕
- ・ シルバー人材センター連合の特定公益増進法人としての主たる目的である業務に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正により追加された業務を加える。
5.介護関係
(1) 介護サービス事業等を行うNPO法人(特定非営利活動法人)に関する税制上の所要の措置
〔所得税・法人税・相続税等〕
- ・ 一定の要件を満たすNPO法人(認定NPO法人)に寄付をした者に対する
特例措置を創設
○ |
法人が認定NPO法人へ寄付をした場合の損金算入枠の創設 |
○ |
個人が認定NPO法人へ寄付をした場合の所得控除の創設 |
○ |
個人が相続・遺贈財産を認定NPO法人へ寄付した場合の相続税の非課税措置 |
(2) 民間介護保険加入者に係る所得控除の創設
〔所得税・住民税〕
- ・ 生損保控除のあり方については、金融システム改革の下で業態間、商品間の垣根が取り払われてきていることや、高齢化社会における老後の自助努力や医療、介護を支援するとの見地、地震災害に対する国民的な備えが重要であるとの見地、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、引き続き検討する。
(3) 介護老人保健施設の割増償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔法人税〕
(4) 老人性痴呆疾患療養病棟の割増償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔法人税〕
6.就業環境・勤労者福祉関係
(1)就業環境関係
(1) 中小企業等基盤強化税制の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(2) 健診用機器等に対する減価償却の特例措置の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(2)勤労者福祉関係
(1) 福利厚生についての法人税課税上の現行取扱いの維持
〔法人税〕
(2) 住宅の取得等をした場合の所得税額の特別控除措置の見直し
〔所得税〕
- ・ 「新住宅ローン減税制度(仮称)」の創設
- 平成11年から2年半の間講じられている住宅ローン控除制度の終了に伴い、平成15年12月31日までの制度として新住宅ローン減税制度(仮称)を創設する。
この場合の控除率、住宅借入金等の年末残高の限度額及び控除期間については、次のとおりとする。
居住の用に供する時期 |
控除期間 |
住宅借入金等の年末残高 |
控除率 |
平成13年7月1日から
平成15年12月31日まで |
10年間 |
5,000万円以下の部分 |
1% |
なお、居住用家屋を平成16年中に居住の用に供する場合については、居住用家屋を平成13年後期中に居住の用に供する場合の現行の措置と同様の措置とする。
(3) 住宅用家屋に係る登録免許税の軽減措置の適用期限の延長(2年間)
〔登録免許税〕
(4) 住宅取得に係る不動産取得税の標準税率の軽減措置及び住宅の用に供する土地の取得に係る不動産取得税の税額の減額措置の適用期限の延長(3年間)〔不動産取得税〕
7.障害者施策関係
(1) 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(2) 心身障害者を多数雇用する事業所に係る不動産取得税及び固定資産税の軽減措置の適用期限の延長(2年間)
〔不動産取得税・固定資産税〕
8.生活衛生関係
(1) 公害防止用設備等に係る特別償却制度の適用期限の延長(1年間)
〔所得税・法人税〕
- ・ 取得価額150万円以上の設備に限定
(2) 中小企業者等の事業基盤強化設備に係る特別償却制度等の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(3) 中小企業者等の機械等に係る特別償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税〕
(4) 生活衛生同業組合等が設置する共同利用施設の特別償却制度の適用期限の延長(2年間)
〔法人税〕
(5) 生活衛生同業組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長(2年間)
〔法人税〕
(6) 生活衛生同業組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限の延長(2年間)〔法人税〕
(7) 事業用土地に係る相続税の軽減措置の対象面積の拡大
〔相続税〕
- ・ 軽減措置の対象となる特例面積の拡充(330平方メートル→400平方メートル)
9.その他
(1) 産業活力再生特別措置法に係る税制上の特例措置の適用期限の延長(2年間)
〔所得税・法人税・登録免許税・不動産取得税〕
(2) 民間事業者による老後の保健及び福祉のための総合的施設の整備の促進に関する法律(WAC法)に基づき整備される特定民間施設に係る特例措置の適用期限の延長
〔法人税・特別土地保有税〕
- (国 税)
- ・ 適用期限を2年間延長
- (地方税)
- ・ 適用期限を2年間延長
- ・ 対象となる事業規模の引上げ(12億円→14億円)
(3) 消費生活協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限の延長(2年間)
〔法人税〕
(4) PFI事業の推進を図るための税制上の所要の措置
※法案の内容を見て検討することとされた。(いわゆる△法)
【参考】廃棄物対策関係(環境省要望)
(1)PCB対策の推進
- ○ PCB処理基金(仮称)に対する拠出金の損金算入等の特例措置の創設
○ 公害防止用設備に係る特別償却制度の対象範囲の拡大(PCB処理装置)
- ○ 公害防止用設備等に係る固定資産税、特別土地保有税、事業所税の課税標準の特例措置等の対象範囲の拡大(PCB汚染物又は処理物の分離施設)
(2)リサイクル対策の推進
- ○ 再商品化設備等に係る特別償却制度の適用範囲の拡大(食品循環資源に係る再生利用設備等)
- ○ 廃棄物再生処理用設備等に係る固定資産税及び事業所税の課税標準の特例措置の拡充(食品循環資源に係る再生利用設備等)
- ○ 公害防止用設備に係る特別償却制度の適用期限の延長(鋳物廃砂処理装置)(取得価額150万円以上の設備に限定)
(3)その他廃棄物対策の推進
- ○ 特定災害防止準備金制度に基づく積立金の損金算入の適用期限の延長(2年間)
- ○ 廃棄物処理センターが事業の用に供する土地に係る特別土地保有税の非課税措置の適用期限の延長(2年間)
- ○ 登録廃棄物再生事業者の保管施設に係る特別土地保有税及び事業所税の課税標準の特例措置の延長(2年間)
照会先
厚生省大臣官房政策課 大野(内線2254)