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平成12年3月1日

(お知らせ)

「新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等
を定める命令4条に規定する試験施設について」の一部改正について


 この度、経済協力開発機構(OECD)における優良試験所規範の原則が改正されたことに鑑み、平成12年3月1日より、「新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める命令第4条に規定する試験施設について」(昭和59年3月31日環保業第39号環境庁企画調整局長、薬発第229号厚生省薬務局長、59基局第85号通商産業省基礎産業局長連名基準)の一部を以下のとおり改正いたしましたので、お知らせいたします。
 なお、参考として「質疑応答集」を添付しておりますので、ご参照下さい。


環保安第41号
生衛発第268号
平成12・02・14基局第1号
平成12年3月1日

環境庁企画調整局長
厚生省生活衛生局長
通商産業省基礎産業局長

「新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等
を定める命令第4条に規定する試験施設について」の一部改正について


 この度、経済協力開発機構(OECD)における優良試験所規範の原則が改正されたことに鑑み、平成12年3月1日より、「新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める命令第4条に規定する試験施設について」(昭和59年3月31日環保業第39号環境庁企画調整局長、薬発第229号厚生省薬務局長、59基局第85号通商産業省基礎産業局長連名基準)(以下「連名基準」という。)の一部を下記のとおり改正する。(記略)


新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等
を定める命令第4条に規定する試験施設について


 新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める命令(昭和49年総理府、厚生省、通商産業省令第1号)第4条に規定する試験施設は、原則として下記の基準に適合していると認められる試験施設とした。
 なお、この規定は、平成12年3月1日以降に開始される試験に適用する。
 ただし、平成12年8月31日以前に開始された試験については、なお従前の例によることができるものとする。

新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査
の項目等を定める命令第4条に規定する試験施設に関する基準

第1章 総 則

(目的)
第1条 この基準は、新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める命令(昭和49年総理府、厚生省、通商産業省令第1号)に規定する試験を実施するに際し、試験施設が遵守すべき基本的事項を定めることにより、試験成績の信頼性の確保を図ることを目的とする。

(適用範囲)
第2条 この基準は、新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る有害性の調査の項目等を定める命令に規定する試験に適用する。

(定義)
第3条 この基準において使用する主な用語の意味は、次の各号に定めるとおりとする。

(1) 安全性試験(以下「試験」という。)とは、厚生省及び通商産業省へ提出することを意図して、被験物質の特性又は安全性に関するデータを得るためのある実験又は一連の実験をいい、報告書を伴う。

(2) 試験施設とは、試験を実施するために必要な人員、建物及び区域並びにこれらを運営する組織をいう。また、試験が複数の場所にわたって実施される場合(以下「複数場所試験」という。)、各場所ごとに又はそれらを一括して試験施設とみなすことができる。

(3) 運営管理者とは、この基準に従って試験施設の組織と運営に関し権限と責任を有する者をいう。

(4) 試験場所管理責任者(任命されている場合に限る。)とは、その者に管理を委任された当該試験施設がこの基準に従って運営されていることに責任を有する者をいう。

(5) 試験委託者とは、試験施設に試験を委託する者をいう。

(6) 試験責任者とは、当該試験の実施全般に対して責任を有する者をいう。

(7) 試験主任者(任命されている場合に限る。)とは、複数場所試験において、試験責任者の代理人として、委任された試験の一部に対してある一定の責任を有する者をいう。ただし試験実施全般に対する試験責任者の責任を、試験主任者に委任することはできない。この委任できない責任には、試験計画書とその変更の承認、最終報告書の承認、及び試験がこの基準に従っていることの確認が含まれる。

(8) 信頼性保証部門とは、試験を実施する組織から独立し、試験施設で行われる試験がこの基準に従っていることを運営管理者に対して保証するための組織をいう。

(9) 標準操作手順書とは、試験計画書及び試験法ガイドラインに詳細に記述されていない操作手順を記述した文書をいう。

(10) 主計画表とは、当該試験施設における作業量の評価及び試験経過の確認のための情報をまとめた一覧をいう。

(11) 試験計画書とは、試験実施の目的及び試験設計を明記した文書をいい、内容に変更がある場合は、その変更も含まれる。

(12) 試験計画書の変更とは、試験開始日後に行われた当該試験計画の意図的な変更をいう。

(13) 試験計画書からの逸脱とは、試験開始日後に生じた当該試験計画から外れた意図的でない事象をいう。

(14) 試験系とは、物理・化学データの測定装置の系(以下「物理・化学系」という。)、試験に用いられる動物若しくは微生物の系若しくはそれらの構成部分の系若しくはそれらの培養細胞の系(以下「生物系」という。)又はそれらの組み合わせをいう。

(15) 生データとは、試験についての原観察結果他、試験施設のすべての記録及び文書並びにそれらのコピー類であって、当該試験の再構成及び評価に必要なものをいい、写真、マイクロフィルム、マイクロフィッシュ、コンピュータ記録、録音テープ、自動装置により記録されたデータ、あるいは第32条に規定された期間において情報を安全に保管できると認められるその他の電子媒体等を含む。

(16) 標本とは、検査、分析又は保管のため、試験系から採取されたものをいう。

(17) 実験開始日とは、試験特有のデータの収集を始めた日をいう。

(18) 実験終了日とは、試験特有のデータの収集を終えた日をいう。

(19) 試験開始日とは、試験責任者が試験計画書に署名又は捺印した日をいう。

(20) 試験終了日とは、試験責任者が最終報告書に署名又は捺印した日をいう。

(21) 被験物質とは、試験の対象となる化学物質をいう。

(22) 対照物質とは、被験物質と比較する目的で用いられる化学物質をいう。

(23) バッチとは、ある一定の期間に製造され、均一性を有するとみなされる、被験物質若しくは対照物質の一定量、又はロットをいう。

(24) 媒体とは、試験系に被験物質又は対照物質を容易に暴露又は投与できるように、混合、分散又は可溶化する目的で担体として使用される物質をいう。

第2章 組織及び人員

(運営管理者の責務)
第4条 運営管理者はこの基準が試験施設内で遵守されていることを確認し、少なくとも次の各号に定める事項を行うものとする。

(1) 当該施設内で、この基準により定義された運営管理の責務を遂行している者を特定する文書を備えること。

(2) 試験を適時かつ適正に行うために、十分な数の適格な職員、適切な施設、設備及び材料が確保されていることを確認すること。

(3) 試験に係る専門職員及び技術職員の資格、訓練、経験及び職務分掌の記録が保管されていることを確認すること。
(4) 職員がその行うべき職務を明確に理解していることを確認し、必要に応じてその職務に関する訓練を行うこと。

(5) 適切かつ技術的に実施可能な標準操作手順書が定められ遵守されていることを確認し、また標準操作手順書の制定及び改訂を承認すること。

(6) 信頼性保証部門の担当者を指名し、信頼性保証の責務がこの基準に従って実施されることを保証すること。

(7) 各試験ごとに、適切な資格、訓練及び経験を有する者を、試験開始前に、試験責任者として指名すること。また試験責任者の交替は、定められた手続に従って行い、文書により記録し保管すること。

(8) 試験計画書が試験責任者により文書で承認されていることを確認すること。

(9) 承認された試験計画書が試験責任者により信頼性保証部門の担当者に入手されていることを確認すること。

(10) 全標準操作手順書が経時的に整備されていることを確認すること。

(11) 試資料保管施設の試資料保管責任者を指名すること。

(12) 主計画表を整備・保持すること。

(13) 試験施設の機器・材料が試験の用途に適切な要件を満たしていることを確認すること。

(14) 被験物質及び対照物質が適切に識別・管理されていることを確認すること。

(15) コンピュータ化されたシステムが目的に合致し、この基準に従って有効性が確認され、操作及び維持・管理されていることを確認するための手順を定めること。

(16) 複数場所試験の場合、必要に応じて、試験主任者を任命し、かつその者が委任された試験の段階を監督するのに必要な訓練、資格及び経験を有していることを確認すること。また試験主任者の交替は、定められた手続に従って行い、文書により記録し保管すること。

(17) 複数場所試験においては、試験責任者、試験主任者(任命されている場合に限る。)、信頼性保証部門の担当者及び試験担当者との間に連絡網が確立していることを確認すること。

(試験場所管理責任者の責務)
第5条 試験のある段階が複数の試験施設のいずれかで実施される場合、各試験場所管理責任者(任命されている場合に限る。)は、第4条で定義された責務のうち、(6)、(7)、(8)、(9)、(16)及び(17)を除く全ての責務を有するものとする。

(試験責任者の責務)
第6条 試験責任者は、試験実施全般とその最終報告書に対して責任を負う、唯一の試験管理者である。この責務には、少なくとも次の各号に定める事項が含まれる。

(1) 試験計画書及びその変更について日付を記し署名又は捺印をして承認すること。なお変更の場合は、その内容及び理由を明記すること。

(2) 信頼性保証部門が試験計画書及びその変更の写しを遅滞なく入手していることを確認し、また試験実施中は必要に応じて信頼性保証部門と密に連絡をとること。

(3) 試験計画書及びその変更並びに標準操作手順書を試験担当者が利用できるようになっていることを確認すること。

(4) 試験計画書に規定された手順が遵守されていることを確認すること。試験実施中に試験計画書からの逸脱及び標準操作手順からの逸脱があった場合には記録するとともに、その逸脱が当該試験の信頼性と完全性に及ぼす影響を評価し、必要に応じて適切な改善措置を講じること。またこれらを文書にまとめること。

(5) 得られたすべての生データが、漏れなく書類又は適切な電子媒体等により記録されていることを確認すること。

(6) 試験に使用されるコンピュータ化されたシステムが適正に作動するように、必要な措置がとられていることを確認すること。

(7) 最終報告書に日付を記し署名又は捺印し、試験データの有効性に対する責任を認め、また当該試験がこの基準に従っていることを認めること。

(8) 試験終了後(中止を含む。)、試験計画書、最終報告書、生データ及びその他関連試資料が試資料保管施設に保管されることを確認すること。

(9) 試験担当者に試験の実施に悪影響を及ぼすおそれのある健康上の問題がある場合には、当該試験担当者の健康状態が改善されるまでの間は、影響を及ぼすおそれのある作業を行わせないように配慮すること。

(10) 複数場所試験の場合、試験計画書及び最終報告書のなかで、当該試験の実施に関係したすべての試験主任者(任命されている場合に限る。)及び試験施設の役割が明記されていることを確認すること。

(試験主任者の責務)
第7条 試験主任者(任命されている場合に限る。)は、当該試験の委任された部分が、この基準に従って実施されていることを確認するものとする。

(試験担当者の責務)
第8条 試験担当者の責務は、以下のとおりとする。

(1) 当該試験における職務に適用されるこの基準の関係項目に熟知していること。

(2) 試験計画書及び当該試験における職務に適用される標準操作手順書に従うものであること。これらから逸脱した場合は、文書に記録し、直接試験責任者(試験主任者が任命されている場合には試験主任者)に報告すること。

(3) 生データを迅速かつ正確に、この基準に従って記録する責任を有し、その記録されたデータの信頼性に対して責任を有するものとする。

(4) 各自身の健康に留意し、健康に被る危険性を最小限に止め、当該試験の完全性の確保に努めること。また、試験の実施に悪影響を及ぼすおそれのある健康上の問題を有する者は、その旨を適切な者に報告すること。

第3章 信頼性保証部門

(全般的事項)
第9条 試験施設は、実施される試験がこの基準に従っていることを保証するために、文書化された信頼性保証規定を備えていること。

2 信頼性保証部門は、運営管理者により指名され、かつ運営管理者に対して責任を負い、及び試験手順に精通した担当者から構成されること。

3 上記の担当者は、保証する試験の実施に関与してはならないこと。

4 信頼性保証の標準操作手順には、少なくとも次の各号に掲げる事項が規定されること。

(1) 試験の監査又は査察

(2) 試験実施施設及び試資料保管施設の査察

(3) 最終報告書の監査

(4) 信頼性保証報告書等の作成

(5) 信頼性に係る過程を主とした監査又は査察

5 前項の標準操作手順書は、作成又は改訂のつど、その日付及び改訂理由を付し、保管すること。

(信頼性保証部門の担当者の責務)
第10条 信頼性保証部門の担当者の責務には、少なくとも次の各号に掲げる事項が含まれる。

(1) 試験施設で使用されているすべての承認された試験計画書及び標準操作手順書の写し並びに最新の主計画表の写しを保有すること。

(2) 試験計画書にこの基準の遵守に必要とされる情報が記載されていることを確認し、その結果を文書として残すこと。

(3) 監査又は査察を実施し、すべての試験がこの基準に従って実施されているか確認すること。また試験計画書と標準操作手順書を試験担当者が利用し、遵守していることを確認すること。これら監査又は査察の記録を保管すること。

(4) 監査又は査察結果を速やかに書面にて運営管理者及び試験責任者に報告すること。また任命されている場合には、試験場所管理責任者及び試験主任者にも報告すること。試験の信頼性に影響を及ぼすおそれのある重要な問題が見い出された場合には、運営管理者及び試験責任者に対し、その解決のための勧告を行うとともに、再監査又は再査察の予定を付して、その内容を記録すること。

(5) 最終報告書を監査し、方法、手順及び観察結果が正確かつ漏れなく記述されていること、及び報告された試験結果が当該試験の生データを正確かつ漏れなく反映していることを確認すること。

(6) 最終報告書の内容が適切であった場合、監査又は査察結果を速やかに書面にて運営管理者及び試験責任者に報告すること。また任命されている場合には、試験場所管理責任者及び試験主任者にも報告すること。

(7) 信頼性保証書を作成、署名又は捺印し、最終報告書に添付すること。この信頼性保証書には、監査又は査察の種類と実施年月日、監査又は査察を実施した試験段階、監査又は査察結果が運営管理者、試験責任者及び任命されている場合には試験主任者に報告された日付を明記すること。この信頼性保証書はまた最終報告書が生データを反映していることを確認するために用いられる。

第4章 施設

(全般的事項)
第11条 試験施設は、試験の実施に必要な要件を満たし、試験の有効性を損なうおそれのある障害を最小限にするために、適切な規模、構造及び配置を有すること。

2 試験施設においては、各試験の適正な実施を確保するため、異なる業務が適切に分離されていること。

(試験系に係る施設)
第12条 試験系に係る施設は、次の各号に掲げる事項に適合するものとする。

(1) 各試験の適切な実施を確保するため、十分な部屋、区域又は空間を有すること。

(2) 試験系への悪影響を防ぐために、試験の性質に応じて試験系を確実に隔離することができる適切な部屋、区域若しくは空間又は設備若しくは構造を有すること。また、試験系の許容できない品質低下を防ぐため、必要な場合、疾病又は病的状態の診断、治療及び管理に利用できる部屋又は区域が備えられていること。

(3) 補充品や機器・装置類の保管に必要な部屋又は区域があること。この保管場所は、試験系を収容する部屋又は区域から隔離され、感染、汚染あるいは環境劣化から適切に保護されていること。

(被験物質及び対照物質の取扱い施設)
第13条 試験施設は、汚染又は混同を防ぐために、試験系に係る各施設と適切に分離して、次の各号に掲げる機能を有する部屋又は区域をそれぞれ別個に備えていること。

(1) 被験物質又は対照物質の受領及び保管

(2) 被験物質又は対照物質と媒体との混合

(3) 被験物質又は対照物質と媒体との混合物の保管

2 上記の保管室又は区域は、被験物質及び対照物質並びにそれらと媒体との混合物のそれぞれについて、識別、濃度、純度及び安定性を十分に維持するものであって、試験系に悪影響を及ぼすおそれのある有害性物質を試験系から確実に隔離して保管できるものであること。

(試資料保管施設)
第14条 試資料保管施設は、試験計画書、生データ、最終報告書、被験物質のサンプル及び標本の確実な保管と検索ができるものであって、その構造及び保管条件は、保管物を品質低下から保護できるものであること(委託により保管する場合を含む。)。

(廃棄物の処理施設)
第15条 廃棄物の取扱いと処理は、試験の信頼性を損なうことのないよう実施すること。これには、廃棄物の適正な収集、保管及び処理施設の整備、並びに汚染除去、輸送手段の整備が含まれる。

第5章 設備、機器、材料、試薬等

(設備及び機器)
第16条 データの作成、保存及び検索並びに試験環境の管理に使用される設備及び機器は、有効性が確認されたコンピュータ化されたシステムを含め、適切に配置され、適切な構造と十分な処理能力を備えたものであること。

2 試験で使用される設備及び機器は、標準操作手順書に従って定期的に点検、清掃、保守及び校正を行い、その記録を保存すること。校正は、必要に応じて、国家又は国際計量標準に準拠すること。

3 故障又は破損のため設備又は機器の修理が行われた場合には、その日付、内容及び取扱者を記録し、その記録を保管すること。

(試薬等)
第17条 化学物質、試薬及び調製溶液の容器等には、ラベルを付す等により、名称、入手先、濃度、調製日、有効期限、具体的な保管条件等の情報が適切に明示されること。

2 変質し、又は有効期限の過ぎた試薬は使用しないものとするが、有効期限は文書化された評価又は分析結果に基づき延長することができる。

(材料等)
第18条 試験で使用される材料、装置、器具等は、試験系に悪影響を及ぼさないものであること。

第6章 試験系

(物理・化学系)
第19条 物理・化学系に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(1) 物理・化学データの測定に使用される機器・装置類は、適切に配置され、適切な構造と十分な処理能力を有するものであること。

(2) 物理・化学データの測定に使用される機器・装置類は、標準操作手順に従って良好に維持及び管理されること。また故障又は破損のため機器・装置類の修理が行われた場合には、その日付、内容及び取扱者を記録し、その記録を保管すること。

(3) 対照物質を測定することにより、物理・化学系の正確性を確認すること。ただし、この確認が試験法において要求されていない場合はこの限りでない。

(生物系)
第20条 生物系に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(1) 生物系の飼育、培養、取扱い又は収容に関する適切な条件を定め、かつこれを維持し、データの信頼性を確保すること。

(2) 外部から新たに受け入れた生物系については、他の生物系への汚染又は感染を防ぐことができる施設又は容器に収容し、異常の有無を観察し、かつ記録すること。

(3) 前号において、ロット全体に悪影響を及ぼすような異常な死亡や疾病又は病的状態が認められる場合、当該ロットは試験に使用せず、また適宜、人道的に処分すること。

(4) 実験開始にあたって、当該試験に係る生物系が試験の目的や実施に支障を来すおそれのある疾病又は病的状態に罹っていないこと。

(5) 試験中に罹病したあるいは障害を受けた生物系は、試験の完全性を保つのに必要ならば、隔離し、治療を施すこと。試験前及び試験中の疾病又は病的状態の診断及び治療は、記録に残すこと。

(6) 生物系の入手先、受入日及び受入時の状態の記録を保管すること。

(7) 生物系は、被験物質又は対照物質の暴露又は投与を開始する前に、十分な期間、試験環境に順応させること。

(8) 生物系を適正に識別するのに必要な情報は全て、その収容場所及び容器に表示すること。各生物系を当該試験の実施中にその収容場所及び容器から移動する際には、適切な識別を施すこと。

(9) 生物系の収容場所及び容器は、その使用中、適切な頻度で清掃し、衛生的な状態を保つこと。生物系と接触する資材は全て、試験に支障を来すおそれのある汚染がないこと。動物用の床敷は、適宜交換すること。駆虫剤等の使用は、記録に残すこと。

第7章 被験物質及び対照物質

(受領、取扱い、採取及び保管)
第21条 被験物質及び対照物質の特性、受領日、有効期限、受領した量、試験に使用した量等の記録を保管すること。

2 取扱い、採取及び保管の手順をそれぞれ規定し、均一性と安定性が可能な限り確保され、汚染や混同が阻止されるようにすること。

3 保管容器には、識別符号を付し、有効期限及び具体的な保管条件を付すこと。

(特性)
第22条 各被験物質及び対照物質は、識別符号、CAS番号、名称、生物学的指標等によって、適切に識別されること。

2 各試験において、被験物質及び対照物質の各ロットごとに、ロット番号、純度、組成、濃度あるいはその他の当該物質を規定する特性を確認すること。

3 被験物質が試験委託者によって供給される場合、試験委託者と試験施設との間に、試験に用いられる当該被験物質の同一性を確認するための協力体制が確立されていること。

4 保管及び試験条件下での被験物質及び対照物質の安定性が、全ての試験において明らかにされていること。

5 被験物質を媒体と混合して暴露又は投与する場合、その混合物中の被験物質の均一性、濃度及び安定性を明らかにすること。

6 短期の試験を除く試験に関しては、被験物質の各バッチから分析用サンプルを保存すること。

第8章 標準操作手順書

(全般的事項)
第23条 試験施設は、そこで作成されるデータの信頼性と完全性を確保するために、運営管理者により承認された標準操作手順書を備えていること。

2 標準操作手順書の改訂は、運営管理者の文書による承認を受けること。

3 標準操作手順書は、作成又は改訂のつど、その日付及び改訂理由を付し、かつ保管すること。

4 試験施設の各部屋又は区域ごとに、そこで実施される業務に関する標準操作手順書を常備しておくこと。標準操作手順書を補足するものとして、分析方法等の出版物、公表文献、手引書等を利用することができる。

5 試験に関連した標準操作手順からの逸脱は、文書に記録し、試験責任者及び任命されている場合は試験主任者の承認を受けること。

(標準操作手順書に定める事項)
第24条 標準操作手順書は、試験施設業務のうち、少なくとも次の各号に掲げる事項について定めること。

(1) 被験物質及び対照物質

 受領、識別、表示、取扱い、採取、保管及び媒体との混合

(2) 設備及び機器

 操作、点検、清掃、保守及び校正

(3) コンピュータ化されたシステム

 有効性確認、操作、点検、保守、安全対策、変更制御及びバックアップ

(4) 試薬等

 調製、保管、ラベル等

(5) 記録保存、報告、保管及び検索

 識別符号、データ収集、報告書作成、検索システム及びデータの取扱い(コンピュータ化されたシステムの使用を含む。)

(6) 試験系(該当する場合)

1) 試験系を収容する部屋又は区域及び環境条件
2) 試験系の受領、移動、適正な配置、特性確認、識別確認及び管理の手順
3) 試験前、試験中及び試験終了時における試験系の準備、観察及び検査
4) 試験中に瀕死又は死亡が確認された試験系の個体の取扱い
5) 標本の収集、識別及び取扱い(剖検及び病理組織検査を含む。)
6) 試験地内での試験系の地割りと配置
(7) 信頼性保証部門

 監査又は査察の計画、日程調整、実施、記録及び報告における信頼性保証部門の業務

(8) 安全及び衛生に係る予防

第9章 試験の実施

(試験計画書)
第25条 各試験において、試験開始に先立って計画書が作成されていること。試験計画書は、試験責任者が日付を記し署名又は捺印することによって承認され、また第10条の規定に基づいて、信頼性保証部門の担当者がこの基準によって確認する。

(試験計画書の変更等)
第26条 試験計画書の変更は、その変更の内容及び理由が文書により記録され、試験責任者が日付を記し署名又は捺印することによって承認し、変更前の試験計画書と一緒に保管すること。

2 試験計画書からの逸脱は、その理由とともに文書により記録され、試験責任者及び任命されている場合は試験主任者が遅滞なく日付を記し署名又は捺印することによって承認し、試験の生データと一緒に保管すること。

(試験計画書の内容)
第27条 試験計画書には、少なくとも次の各号に掲げる事項を記載すること。

(1) 試験、被験物質及び対照物質の識別

1) 表題

2) 試験の種類と目的

3) 被験物質及び対照物質の名称、略称又は識別符号

(2) 試験施設及び試験委託者等に関する情報
1) 試験施設及び試験委託者等の名称及び住所

2) 試験責任者の氏名及び所属

3) 試験主任者(任命されている場合に限る。)の氏名及び所属、並びに試験責任者から委託され当人の責任下で実施される試験の段階

(3) 日付
1) 試験責任者が署名又は捺印した試験計画書の承認日

2) 実験開始予定日及び実験終了予定日

(4) 試験方法

 採用する試験法及び参照する試験法ガイドライン

(5) その他の事項(該当する場合)

1) 試験系選択の正当性
2) 試験系の特性(種、系統、亜系統、入手源、番号、体重範囲、性別、年齢等必要な情報)
3) 暴露又は投与方法とその選択理由
4) 用量段階及び濃度、暴露又は投与回数並びに暴露又は投与期間
5) その他試験についての詳細な情報(試験の経時的手順、実施する分析・測定・観察・検査の種類、頻度及び実施方法、データ解析に使用する統計学的検定法等)
(6) 記録

 保管すべき記録及び試資料の目録

(試験の実施)
第28条 試験の実施に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(1) 試験は試験責任者の指導、監督及び管理のもとに、試験計画及び標準操作手順に従って実施されること。

(2) 各試験ごとに、固有の識別符号が定められ、当該試験に係る記録、標本等に、当該識別符号が表示されること。標本は、識別符号によってその由来を確認できること。

(3) データは、コンピュータに直接入力される場合を除いて、担当者が直接、迅速に、正確に、読み易く、かつ容易に消すことのできない方法で記録し、日付を記し署名又は捺印すること。

(4) データの変更については、コンピュータに直接入力されているデータの変更を除き、従前のデータが不明瞭にならない方法で行い、変更の理由、日付及び変更者の署名又は捺印を付すこと。

(5) データがコンピュータに直接入力される場合には、入力の際にその責任を有する者が、データが正確に入力されていることを確認し、入力の日付及び入力責任者の氏名等を記録すること。

(6) コンピュータに直接入力されているデータの変更については、変更の理由、日付及び変更者の氏名等を明確にし、また可能であれば別途入力することによって、データの変更を遡って検索できるようにすること。

第10章 試験成績の報告

(全般的事項)
第29条 試験成績の報告に関しては、次の各号に定める事項が遵守されるものとする。

(1) 試験ごとに最終報告書が作成されること。

(2) 最終報告書は、試験責任者が日付を記し署名又は捺印し、当該試験成績の有効性に対する責任を認め、また当該試験がこの基準に従っていることに関して記述すること。

(3) 試験主任者(任命されている場合に限る。)やその他試験に関与した専門家が作成した当該試験に関連する報告書が最終報告書に添付される場合は、当該関連する報告書に作成の日付及び作成者の署名又は捺印が付されること。

(4) 最終報告書の修正及び追加は、改訂の形式により、従前の記載事項が不明瞭にならないように行われること。改訂書には、修正又は追加の理由を明記し、試験責任者が日付を記し署名又は捺印すること。また当該修正又は追加は、信頼性保証部門に通知されること。

(信頼性保証書の添付)
第30条 最終報告書には、以下の事項を列挙した信頼性保証部門の担当者により署名又は捺印された信頼性保証書を添付すること。この信頼性保証書によって、最終報告書が生データを反映していることが確認される。

(1) 監査又は査察の種類と実施年月日

(2) 監査又は査察を実施した試験段階

(3) 監査又は査察結果が運営管理者、試験責任者及び任命されている場合は試験主任者に報告された日付

(最終報告書の内容)
第31条 最終報告書には、少なくとも次の各号に掲げる事項を記載すること。

(1) 試験、被験物質及び対照物質の識別

1) 表題及び試験目的

2) 被験物質及び対照物質の名称、略称又は識別符号

3) 被験物質の特性(純度、安定性及び均一性に関しての情報を含む。)

(2) 試験施設及び試験委託者等に関する情報
1) 試験施設及び試験委託者の名称及び住所

2) 試験責任者の氏名及び所属

3) 試験主任者(任命されている場合に限る。)の氏名及び所属並びに委託された試験の段階

4) 試験担当者の氏名及び業務分担

5) 最終報告書の報告に関与した専門家の氏名と所属

(3) 日付
1) 試験開始日

2) 実験開始日及び終了日

(4) 材料及び試験方法の説明
1) 使用した材料

2) 採用した試験法及び参照した試験法ガイドライン

(5) 試験成績の信頼性に影響を及ぼしたと思われる環境要因

(6) 試験結果

1) 試験結果の概要

2) 試験計画書で求められているすべての情報及びデータ

3) 試験結果の説明(統計学的検定の結果を含む。)

4) 試験結果に基づく評価と考察、及び結論

(7) 保管

 試験計画書、被験物質及び対照物質のサンプル、標本、生データ並びに最終報告書が保管される場所

第11章 記録と試資料の保管

(保管の期間)
第32条 記録及び試資料の保管は、次の各号についてそれぞれ掲げられる期間行うものとする。

(1) 主計画表

(2) 各試験の試験計画書、生データ及び最終報告書

(3) 信頼性保証部門によって実施された監査又は査察の記録

(4) 職員の資格、訓練、経験及び職務分掌の記録

(5) 機器類の保守点検及び校正の記録及び報告書

(6) コンピュータ化されたシステムの有効性確認の記録

(7) 全標準操作手順書の経時的ファイル

(8) 環境モニター記録

 (1)〜(8)については、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号。以下「化審法」という。)第4条第1項第1号、第2号又は第3号に該当する旨の通知を受けた後10年間とする。

(9) 被験物質、対照物質、その他の試料

(10) 標本

 (9)及び(10)については、化審法第4条第1項第1号、第2号又は第3号に該当する旨の通知を受けた後10年間又は品質低下をおこさないで安定に保存しうる期間のいずれか短い方の期間とする。

(保管の仕方等)
第33条 記録及び試資料の保管に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(1) 記録及び試資料には索引を付けて、適切な保管と検索を容易にすること。

(2) 試資料保管施設に試資料保管責任者が運営管理者により指名されていること。また保管に関する標準操作手順が作成されていること。

(3) 試資料保管責任者、又は運営管理者があらかじめ認めている者のみが、試資料保管施設に出入りできること。試資料保管施設への立入及び試資料の出入れは適正に記録すること。

(試資料の移管)
第34条 試験施設又は試験施設と契約を結んでいる試資料保管施設が業務を停止し、法定後継者がいない場合、当該施設の記録及び試資料は、当該試験委託者の保管施設に移管するものとする。

第12章 その他

(試験の委託者に対する確認)
第35条 試験施設は、試験を受託する場合、当該試験がこの基準に従って実施されるべきものであるか否かを、当該試験の委託者に対して事前に確認するものとする。

(参照事項)
第36条 この基準において、本文のほか試験項目により必要な事項は別添を参照するものとする。


別添1 分解度試験に際して付加される事項

第1章 設備及び機器並びに試薬等

(設備及び機器)
第1条 汚泥培養設備に関しては、活性汚泥に対して物理的、化学的又は生物学的な外的要因による影響が及ばないよう適切な措置が講じられているものとする。

(材料)
第2条 活性汚泥及び被験物質等に接触する設備、機器等に関しては、活性汚泥の活性度に影響を及ぼすことがなく、かつ、被験物質等の同定・定量を妨害しない材料を使用するものとする。

第2章 試験系

(活性汚泥の取扱い)
第3条 汚泥培養槽中の活性汚泥に関する観察及び分析の結果を記録し、保管するものとする。

第3章 標準操作手順

(標準操作手順を定める事項)
第4条 分解度試験については、試験系の取扱いに関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 汚泥の採取又は受入及び運搬

(2) 汚泥の調製及び培養

(3) 活性汚泥の懸濁物質濃度測定

(4) 汚泥培養設備における汚泥の管理及び観察

(5) 活性汚泥の接種

(6) 閉鎖系酸素消費量測定装置内の活性汚泥の管理及び観察

2 分解度試験については、検査及び分析に関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 培養びん内容物の分析前の保存

(2) 分析後の廃棄物の廃棄

第4章 試験の計画及び実施

(試験計画)
第5条 分解度試験については、次の各号に掲げる事項を追加し、試験計画を作成するものとする。

(1)汚泥源、接種された活性汚泥の懸濁物質濃度その他の汚泥に関する事項

(2)試験温度、被験物質等の濃度その他の試験条件に関する事項



別添2 濃縮度試験に際して付加される事項

第1章 設備及び機器並びに試薬等

(設備及び機器)
第1条 じゅん化槽及び試験水槽に関しては、供試魚に対して物理的、化学的又は生物学的な外的要因による影響が及ばないよう適切な措置が講じられているものとする。

(材料)
第2条 供試魚及び被験物質等に接触する設備、機器等に関しては、供試魚の体調に影響を及ぼすことがなく、かつ、被験物質等の同定・定量を妨害しない材料を使用するものとする。

第2章 試験系
(供試魚の取扱い)
第3条 外部から新たに受入れた供試魚のロットについては、疾病、衰弱又はエラ若しくは皮膚の損傷が見出される個体が除去されるまで、他のロットとは別の蓄養池、じゅん化槽等において取扱うものとする。

2 試験開始前及び試験実施中の供試魚に関する観察結果及び病気の治療状況を記録し、かつ、保管するものとする。

第3章 標準操作手順

(標準操作手順を定める事項)
第4条 濃縮度試験については、試験系の取扱いに関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 供試魚種の選定

(2) 試験方法の設定(取込・排泄期間及び供試魚のサンプリングを含む。)

(3) 供試魚の受入れ及び運搬

(4) 供試魚の選別

(5) 供試魚の蓄養

(6) 供試魚の薬浴及び投薬

(7) 供試魚の殺菌・消毒

(8) 供試魚のじゅん化

(9) 実験開始日から実験終了日までの供試魚の管理及び観察

(10) 供試魚の採取及び重量測定

(11) 供試魚の脂質含量測定

(12) 試験水槽中の試験水の被験物質濃度測定

(13) 被験物質の濃度設定のための魚類の急性毒性試験

2 濃縮度試験については、検査及び分析に関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 分析を行う供試魚の微粉砕、溶剤抽出その他の前処理

(2) 供試魚(微粉砕されたものを含む。)の分析前の保存

(3) 分析後の廃棄物の廃棄

第4章 試験の計画及び実施

(試験計画)
第5条 濃縮度試験については、次の各号に掲げる事項を追加して試験計画を作成するものとする。

(1) 供給源、蓄養条件、じゅん化条件その他の供試魚に関する事項

(2) 試験温度、被験物質の濃度、取込・排泄期間設定の理由、試験水の 水質、被験物質及び試験水の供給方法その他の試験条件に関する事項

第5章 試験結果の報告

(最終報告書に記載すべき事項)
第6条 濃縮度試験については、次の各号に掲げる事項を追加して最終報告書を作成するものとする。

(1) 供試魚

(2) 試験方法の設定(取込・排泄期間及びその理由並びに供試魚のサンプリングを含む。)



別添3 分配係数試験に際して付加される事項

第1章 標準操作手順

(標準操作手順を定める事項)
第1条 分配係数試験については、試験系の取扱いに関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 分配係数の推定

(2) 溶媒の調製、飽和

(3) 被験物質溶液の調製、保存

(4) 溶媒の量、溶媒体積比及び被験物質の使用量の設定

(5) 分配平衡(振とう及び層分離)

2 分配係数試験については、検査及び分析に関し、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) オクタノール層、水層の採取及び分析の前処理

(2) 分析後の廃棄物の廃棄



別添4 毒性試験に際して付加される事項

第1章 施設

(試験施設)
第1条 毒性試験を実施する試験施設は、次に掲げる施設及び区域を有するものとする。

(1) 動物飼育施設等

1) 試験施設は、適切な広さ及び構造を持ち、かつ、温度、湿度、換気、照明等環境条件設定のために必要な設備又は機器を備えた動物飼育施設を有すること。
2) 動物飼育施設は、必要に応じて次に定める機能を有する十分な数の動物室又は区域を有すること。
(@) 種別又は試験系別の分離飼育
(A) 研究計画ごとの分離飼育
(B) 動物の検疫
3) 試験施設は、揮発性物質、エアゾール、放射性物質等の被験物質又は対照物質を用いる試験及び感染因子等のバイオハザードとして知られているものを試験系として用いる試験について、他の試験と隔離して実施しうる特別な動物室又は区域を有すること。
4) 試験施設は、必要な場合、疾病動物の隔離及び治療ができる設備を有すること。
(2) 動物用品供給施設
1) 試験施設は、必要に応じ、飼料、床敷、補給品及び機器の保管場所を有すること。この場合において、飼料及び床敷の保管場所については、試験系の飼育場所とは分離し、かつ、汚染を防止するとともに、腐敗しやすい補給品又は飼料のため、冷蔵設備を設けること。
(3) 試験操作区域
1) 試験施設は、生化学検査、病理検査、手術、解剖等の定期的な測定及び各種の操作を行うため、必要に応じ、分離された操作区域を有すること。
2) 試験施設は、動物又は微生物の構成部分を使用する場合は、そのための特定の区域を有すること。
3) 試験施設は、試験実施中に使用される補給品及び機器の洗浄、滅菌又は殺菌及び保管のための分離された区域を有すること。

第2章 設備及び機器並びに試薬等

(材料等)
第2条 毒性試験に用いる材料等に関しては、次の各号に定めるところに従うものとする。

(1) 動物のケージ、檻、架台及び附属装置については、清浄かつ衛生的に保持されるような適切な頻度で所要の措置を講ずること。

(2) 動物のケージ又は檻に使用されている床敷については、試験の目的又は実施に支障をきたすものであってはならず、かつ、動物を乾燥した清潔な環境に置くため、適切な頻度で取り替えられること。

(3) 動物の飼料及び水については、試験に支障をきたす可能性があり、かつ、その存在が予期され得る混入物が試験計画書において、設定されたレベル以上に存在しないことを確認するため、定期的に分析されること。この場合、その分析の記録は、生データとして保管されること。

(4) 試験に支障をきたすような洗剤又は殺虫剤は、これを使用しないこと。洗剤又は殺虫剤を使用した場合には、その事項を記録しておくこと。

第3章 被験物質及び対照物質

(被験物質及び対照物質の取扱い)
第3条 試験施設においては、被験物質及び対照物質の取扱い方法について、次の各号に定める事項が遵守されるものとする。

(1) 汚染又は品質低下のおそれのない方法で配布が行われること。

(2) 配布の過程を通じて、必要な表示が施されていること。

(3) 配布又は返却に当たっては、その日付及び量がロットごとに記録されること。

(媒体との混合)
第4条 試験施設は、被験物質又は対照物質を媒体と混合して使用する場合には、原則として、試験の開始前に混合後の被験物質又は対照物質の安定性を測定するものとする。試験開始前に安定性を測定できない事情がある場合にあっては、安定性の測定に関する標準操作手順書を定め、それに従って定期的に測定を行うものとする。

2 試験施設は、媒体が飼料の場合には、飼料と混合調製したときの被験物質又は対照物質の均一性を測定するとともに、定期的に混合物中の被験物質又は対照物質の濃度を測定するものとする。

3 試験施設は、被験物質又は対照物質と媒体との混合物中の成分につき、使用期限があるときは、その日付を保管容器に表示しなければならない。この場合において、2以上の成分につき使用期限があるときは、早い方の日付を表示するものとする。

第4章 試験系

(動物の飼育管理)
第5条 毒性試験に用いる動物の取扱いについては、次の各号に定めるところに従い、適正に飼育及び管理されるものとする。

(1) 外部から新たに受入れた動物については、その健康状態を評価し、その観察中に試験の目的又は実施に支障をきたすような疾病又は病的状態のみられた動物については、健康な動物から隔離するとともに、これを試験に使用しないこと。

(2) 試験の経過中に試験の目的、又は実施に支障をきたすような疾病又は病的状態の動物がみられた場合には、当該動物を他の動物と隔離すること。なお、他の動物と隔離した動物については、必要に応じ、試験に支障をきたさない限り試験責任者による治療処置の承認を受けて治療を施すことができる。この場合において、治療を必要とした理由、当該治療処置の承認、治療法、治療薬剤、治療の日付、治療結果等を記録し、保管すること。

(3) 動物は、試験開始前に適当な期間、試験環境に順応させること。

(4) 試験に用いられる動物には、必要に応じ、いれずみ、耳パンチ、耳鑑札、色分けコード等適切な識別を施すこと。

(5) 試験に用いられる動物については、収容の誤りを防止するため、必要に応じ、室内で動物を識別するための情報を飼育動物のケージ、檻又は架台の外部に明示すること。

(6) 異種の動物は、原則として別々の飼育室に収容すること。

(7) 同一の飼育室に同種の動物を収容し、異なる試験に使用する場合には、空間をおいた適切な区分及び識別を施すこと。

第5章 標準操作手順

(標準操作手順を定める事項)
第6条 毒性試験については、次の各号に掲げる事項を追加して標準操作手順を定めるものとする。

(1) 動物飼育施設の整備及び動物飼育管理

(2) 実験動物の識別、収容、配置及び移動

(3) 実験動物の一般症状等の観察

(4) 瀕死又は死亡動物の取扱い

(5) 動物の剖検又は死後解剖検査

(6) 標本の採取及び識別

(7) 病理組織学的検査

(8) その他必要な事項

第6章 試験の計画及び実施

(試験計画書に記載すべき事項)
第7条 毒性試験については、次の各号に掲げる事項を追加して、試験計画を作成するものとする。

(1) 試験系選択の理由

(2) 試験系の種、系統、数、年齢、性別、体重範囲及び供給源

(3) 試験系の識別方法

(4) 偏りを小さくする実験計画法

(5) 飼料(混在する可能性がある汚染物が一定の濃度以上含まれていると試験の目的又は遂行に支障をきたす可能性がある場合にあっては、その許容濃度の設定も含む。)その他の媒体

(6) 被験物質及び対照物質の投与経路及びその選択理由

(7) 被験物質及び対照物質の投与量、投与方法、投与回数及び投与期間並びにそれらの選択理由

(8) 試験の目的を達成するのに必要である場合にあっては、被験物質及び対照物質の試験系における吸収率を測定する方法

(9) その他必要な事項

(試験の実施)
第8条 標本には、試験の種類、試験系の識別番号及び採取日が適切な方法で表示されているものとする。

2 組織標本の病理組織学的検索を行うときは、当該標本についての剖検時の肉眼的観察記録が当該検索を担当する者により利用できるようにされるものとする。

第7章 試験結果の報告

(最終報告書に記載すべき事項)
第9条 毒性試験については、次の各号に掲げる事項を追加して最終報告書を作成するものとする。

(1) 投与条件下における被験物質及び対照物質の安定性

(2) 試験系の種、系統、数、年齢、性別、体重範囲、供給源、入手年月日及び飼育条件

(3) 被験物質又は対照物質の投与経路、投与量、投与法、投与回数及び投与期間

(4) 被験物質又は対照物質の投与量設定の理由

(5) その他必要な事項

第8章 記録及び試資料の保管

(保管)
第10条 文書又は標本の保管期間中は、その損傷又は品質の変化を最小限にとどめるように配慮するものとする。

(標本の保管期間)
第11条 組織化学標本、電子顕微鏡標本、血液標本、催奇形性試験標本等保管期間中に品質が著しく変化する湿標本及び特別に作製された標本の保管期間は、その品質が評価に耐えうる期間をもって本則に規定する安定に保存しうる期間とみなすものとする。


参考

「新規化学物質に係る試験及び指定化学物質に係る
有害性の調査の項目等を定める命令第4条に規定する
試験施設について(一部改正)」に係る質疑応答集

第1章 総 則

(定義)
第3条 この基準において使用する主な用語の意味は、次の各号に定めるとおりとする。

(8) 信頼性保証部門とは、試験を実施する組織から独立し、試験施設で行われる試験がこの基準に従っていることを運営管理者に対して保証するための組織をいう。

質問:
 信頼性保証部門は「試験を実施する組織から独立」と規定されているが、試験施設とは別の組織としなければならないのか。

回答:
 当該規定は、試験責任者を含む試験実施を担当する組織と、信頼性保証を担当する組織が異なる立場でその責任を全うすることにより、実施される試験の信頼性の確保を意図したものである。従って、信頼性保証部門を必ず別組織にしなければならないということではない。

(17) 実験開始日とは、試験特有のデータの収集を始めた日をいう。

質問:
 「試験特有のデータの収集」とは、具体的にはどのような行為を指すのか。これには検疫記録も含まれるのか。
回答:
 「試験特有のデータの収集を始めた日」とは、動物実験では、動物に投与又は添加を開始した日として理解してよい。動物入荷後の検疫・馴化の記録等については、試験記録に残すことでよい。

第2章 組織及び人員

(運営管理者の責務)
第4条 運営管理者はこの基準が試験施設内で遵守されていることを確認し、少なくとも次の各号に定める事項を行うものとする。

(6) 信頼性保証部門の担当者を指名し、信頼性保証の責務がこの基準に従って実施されることを保証すること。

質問:
イ) 信頼性保証部門の責任者を運営管理者が指名し、試験毎の担 当については信頼性保証部門責任者が指名することでも差し支え ないか。なお、医薬品GLPでは、信頼性保証部門の責任者を指 名するとなっている。
ロ) 運営管理者が交代した場合は、信頼性保証部門の担当者を新 たに指名し直す手続をとらなければならないか。

回答:
イ)「部門」の担当者との意であり、必ずしも「責任者」がいる 必要はないが、責任者が指名されていても差し支えない。
ロ)新たな手続は必要ないが、SOP等にその旨を明らかにして おくこと。

(試験場所管理責任者の責務)
第5条 試験のある段階が複数の試験施設のいずれかで実施される場合、各試験場所管理責任者(任命されている場合に限る。)は、第4条で定義された責務のうち、(6)、(7)、(8)、(9)、(16)及び(17)を除く全ての責務を有するものとする。

質問:
 複数場所試験の場合、試験主任者の任命については、運営管理者と試験場所管理責任者の両者からの任命が必要か。あるいはどちらか一方でよいのか。

回答:
 試験主任者の任命については、試験責任者等と同じく、運営管理者からの任命のみでよい。

(試験責任者の責務)
第6条 試験責任者は、試験実施全般とその最終報告書に対して責任を負う、唯一の試験管理者である。この責務には、少なくとも次の各号に定める事項が含まれる。

(7) 最終報告書に日付を記し署名又は捺印し、試験データの有効性に対する責任を認め、また当該試験がこの基準に従っていることを認めること。

質問:
 最終報告書へ運営管理者が署名しても差し支えないか。

回答:
 差し支えない。

(9) 試験担当者に試験の実施に悪影響を及ぼすおそれのある健康上の問題がある場合には、当該試験担当者の健康状態が改善されるまでの間は、影響を及ぼすおそれのある作業を行わせないように配慮すること。

質問:
 試験責任者は試験担当者の人事組織上の上司ではないため、試験責任者が毎日の作業前にこれを確認することはできないのではないか。保健衛生上の問題において、試験に従事しないのは試験担当者の責務であり、この上に試験責任者の責務とまで言及する必要はないのではないか。

回答:
 試験の質の低下を防止する観点から、試験実施全般に対して責任を負う唯一の試験管理者である試験責任者の責務として、かかる規定は必要である。なお、健康上問題のある試験担当者が試験に従事しないのは試験担当者自らの責務でもあり、また、必ずしも試験責任者が試験担当者の人事組織上の上司ではないことも考慮し、配慮事項とした。

(試験担当者の責務)
第8条 試験担当者の責務は、以下のとおりとする。

(4) 各自身の健康に留意し、健康に被る危険性を最小限に止め、当該試験の完全性の確保に努めること。また、試験の実施に悪影響を及ぼすおそれのある健康上の問題を有する者は、その旨を適切な者に報告すること。

質問:
 健康上の問題で試験に従事しないのは、試験担当者自らの責務であり、問題がある旨を報告するまでの必要はないのではないか。なお、「適切な者」とは、具体的には試験責任者が該当するのか。

回答:
 前質問に対する回答で述べたとおり、試験担当者自身の健康上の問題だけにとどまらず、試験の質の低下を防止する観点から、試験担当者の責務として、かかる規定は必要である。なお、報告する相手は、OECD原文でも限定されておらず、また、必ずしも試験責任者が試験担当者の人事組織上の上司ではない場合もあることから、「適切な者」としている。

第3章 信頼性保証部門

(全般的事項)
第9条 試験施設は、実施される試験がこの基準に従っていることを保証するために、文書化された信頼性保証規定を備えていること。

質問:
 「信頼性保証規定」はOECD原文の「Quality Assurance Program」に相当すると思われる。第3条8(信頼性保証部門の定義)ではこれを「信頼性保証部門」としているが、その違いは何か。
回答:
 第3条(8)では、ここでいう「文書化された信頼性保証規定」に従って、当該試験施設がGLP基準を遵守していることを保証するための組織を意味するものとして「信頼性保証部門」を定義している。

第4章 施設

(試資料保管施設)
第14条 試資料保管施設は、試験計画書、生データ、最終報告書、被験物質のサンプル及び標本の確実な保管と検索ができるものであって、その構造及び保管条件は、保管物を品質低下から保護できるものであること(委託により保管する場合を含む。)。

質問:
 「最終報告書の確実な保管」を遵守すると、試験施設で正本を保管し、写しを委託者に渡すことになるのか。

回答:
 規定のとおり、試験施設(保管を別途委託した場合はその委託先)で正本を保管することが必要である。厚生省及び通産省への提出には、正本のコピーに、原本に相違ない旨の記載及び運営管理者の署名又は捺印がある書面が添付されていればよい。

(廃棄物の処理施設)
第15条 廃棄物の取扱いと処理は、試験の信頼性を損なうことのないよう実施すること。これには、廃棄物の適正な収集、保管及び処理施設の整備、並びに汚染除去、輸送手段の整備が含まれる。

質問:
 本条の規定は、廃棄物の処理を外部の委託業者に渡した後の責任まで問うものではないとの解釈で差し支えないか。

回答:
 差し支えない。ただし、他法令における規制等がある場合には、当該法令に従うこと。

第5章 設備、機器、材料、試薬等

(試薬等)
第17条 化学物質、試薬及び調製溶液の容器等には、ラベルを付す等により、名称、入手先、濃度、調製日、有効期限、具体的な保管条件等の情報が適切に明示されること。

質問:
 「ラベルを付す等」とは、「必要な情報が適切に明示される標識物」という解釈でよいか。

回答:
 必要な情報を瞬時に把握できる状態に整備されていることが必要である。ラベルを付すことの他、札をさげること、容器に直接記入すること等の手段が可能である。

第7章 被験物質及び対照物質

(特性)
第22条4 保管及び試験条件下での被験物質及び対照物質の安定性が、全ての試験において明らかにされていること。

質問:
 短期の試験を含む全ての試験において被験物質及び対照物質の安定性の確認が必要となるのか。また安定性分析は、GLP適用試験として実施しなければならないのか。

回答:
 試験条件下での被験物質及び対照物質の安定性の確認は必要である。また、被験物質及び対照物質を保管する場合においては、保管条件下での安定性の確認が必要となる。なお、その確認の方法については、GLP適用試験の実施を義務付けるものではないが、信頼性のおける方法で実施すること。

第22条5 被験物質を媒体と混合して暴露又は投与する場合、その混合物中の被験物質の均一性、濃度及び安定性を明らかにすること。

質問:
 一律に、媒体と混合した被験物質の均一性、濃度及び安定性の分析を義務付ける必要はないのではないか。

回答:
 信頼性のおける方法で「明らかに」しておけばよく、必ずしも分析までを義務付けているものではない。例えば、目視による観察で懸濁溶液の均一性が明らかにできる場合等も該当する。

第22条6 短期の試験を除く試験に関しては、被験物質の各バッチから分析用サンプルを保存すること。

質問:
 「短期の試験を除く試験」とは、具体的にはどの試験が該当するのか。

回答:
 旧GLPで示されていた、実験期間が4週間以上にわたる試験を通常指すが、各試験施設においてSOP等に規定しておくこと。

第9章 試験の実施

(試験計画書の内容)
第27条 試験計画書には、少なくとも次の各号に掲げる事項を記載すること。

(3) 日付

1) 試験責任者が署名又は捺印した試験計画書の承認日

質問:
 医薬品GLPでは試験計画書へは、試験責任者の「作成日」及び運営管理者の「承認日」を記載することとなっている。化学物質GLPと医薬品GLPの両方に合致した施設においては、どのように対応したらよいか。

回答:
 本改正化学物質GLPでは、試験計画書の承認は、試験責任者の責務とした。なお、上記質問の場合、試験計画書に試験責任者及び運営管理者の両者の署名又は捺印と日付を併記し、運営管理者が署名又は捺印した日付をもって試験計画書の承認日とすることで差し支えないこととする。ただし、その場合には、これらの規定について、SOP等において明らかにしておくこと。

(5) その他の事項(該当する場合)

1) 試験系選択の正当性
2) 試験系の特性(種、系統、亜系統、入手源、番号、体重範囲、性別、年齢等必要な情報)
3) 暴露又は投与方法とその選択理由
4) 用量段階及び濃度、暴露又は投与回数並びに暴露又は投与期間
5) その他試験についての詳細な情報(試験の経時的手順、実施する分析・測定・観察・検査の種類、頻度及び実施方法、データ解析に使用する統計学的検定法等)

質問:
 毒性試験において、用量設定試験により本試験の用量段階を決定する場合、本試験の試験計画書の発行はどのように進めたらよいか。

回答:
 毒性試験においては、用量設定試験の結果をもって本試験の用量段階が決定した後に、本試験の試験計画書を発行すべきである。

(試験の実施)
第28条 試験の実施に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(5) データがコンピュータに直接入力される場合には、入力の際にその責任を有する者が、データが正確に入力されていることを確認し、入力の日付及び入力責任者の氏名等を記録すること。

質問:
 コンピュータに直接入力する生データは、一般に「データ入力者名」が記録されるシステムとなっている場合が多い。「入力責任者の氏名等」を記録することになると、改めてその記録を入力することになり煩雑で現場での対応が困難となるのではないか。

回答:
 入力責任者とは、入力データに対して責任を有するものの意である。指名された入力責任者がいて、その入力責任者が全データの入力及びその確認を再チェックすることを意図したものではない。

第10章 試験成績の報告

(全般的事項)
第29条 試験成績の報告に関しては、次の各号に定める事項が遵守されるものとする。

(3) 試験主任者(任命されている場合に限る。)やその他試験に関与した専門家が作成した当該試験に関連する報告書が最終報告書に添付される場合は、当該関連する報告書に作成の日付及び作成者の署名又は捺印が付されること。

質問:
 試験に関与した専門家とは具体的にどのような者か。

回答:
 例えば、病理の専門家が該当する。試験施設外の専門家を含む。

(最終報告書の内容)
第31条 最終報告書には、少なくとも次の各号に掲げる事項を記載すること。

(2) 試験施設及び試験委託者等に関する情報

1) 試験施設及び試験委託者の名称及び住所
2) 試験責任者の氏名及び所属
3) 試験主任者(任命されている場合に限る。)の氏名及び所属並びに委託された試験の段階
4) 試験担当者の氏名及び業務分担
5) 最終報告書の報告に関与した専門家の氏名と所属

質問:
 「運営管理者の氏名」及び「試験場所管理責任者の氏名」の記載は必須ではないことでよいか。

回答:
 必須ではない。なお、ここで掲げているのは、少なくとも記載すべき事項であって、運営管理者の氏名、試験場所管理責任者の氏名が記載されていても差し支えない。

(7) 保管

 試験計画書、被験物質及び対照物質のサンプル、標本、生データ並びに最終報告書が保管される場所

質問:
 被験物質及び対照物質のサンプルは、標本や生データとは別に、SOP等で定めた特定の保管場所に保管して差し支えないか。

回答:
 差し支えない。

第11章 記録と試資料の保管

(保管の期間)
第32条 記録及び試資料の保管は、次の各号についてそれぞれ掲げられる期間行うものとする。

(8) 環境モニター記録

質問:
 「環境モニター記録」とは、具体的にはどのようなものが該当するのか。

回答:
 試験に影響すると思われる、温度、湿度等の記録が該当する。

(保管の仕方等)
第33条 記録及び試資料の保管に関しては、次の各号に掲げる事項が遵守されるものとする。

(3) 試資料保管責任者、又は運営管理者があらかじめ認めている者のみが、試資料保管施設に出入りできること。試資料保管施設への立入及び試資料の出入れは適正に記録すること。

質問:
 運営管理者の許可を得れば、その都度試資料保管責任者の許可なしに試資料保管施設に出入りできると解釈してよいか。

回答:
 「運営管理者があらかじめ認めている者」とは、試資料保管責任者の不在の際の代行者等が該当し、運営管理者がその都度許可した者を意味するものではない。試資料保管施設に出入りできる者として運営管理者があらかじめ認めた者及びその出入りに関する条件等を、SOP等において明らかにしておくこと。
別添4 毒性試験に関して付加される事項

(試験施設)
第1条 毒性試験を実施する試験施設は、次に掲げる施設及び区域を有するものとする。

(1) 動物飼育施設等

4) 試験施設は、必要な場合、疾病動物の隔離及び治療ができる設備を有すること。

質問:
 ラット以下の小動物のみを使用している試験施設では、治療をしてまで疾病動物を試験に用いることはない場合があるため、このような設備は必須ではないと考える。

回答:
 「必要な場合」とした。


厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室
〒100-8045 東京都千代田区霞が関1-2-2
tel:03-3595-2298
fax:03-3593-8913
(担当)吉田、川崎

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