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5.公募研究事業の概要等
(1)各研究事業の概要及び新規課題採択方針等
<事業概要>
医療、年金、介護等社会保障制度に対する国民の関心は高まっており、社会保障政策を進めていくうえで専門的・実務的な観点からの実証的研究を踏まえた政策の企画立案が求められている。
このような観点から、本研究事業は人文・社会科学系を中心とした社会保障、人口問題、社会保障分野における情報化の役割等について研究し、厚生行政施策の企画立案及び効率的な推進に資することを目的としている。
<新規課題採択方針>
医療、年金、介護等の社会保障制度、社会福祉制度、少子社会への対応、人口問題、社会保障分野の情報化に係る調査研究。
特に、社会保障関係業務従事者による実践的研究、多職種による共同研究を積極的に評価。
研究費の規模:1課題当たり1,000〜10,000千円程度(1年当たり) 研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:20課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 医療、年金、介護等社会保障に係る実証研究、制度・施策に関する調査研究 (12010101)
イ.統計情報高度利用総合研究事業
<事業概要>
少子・高齢化の進展や地域ニーズ等に対応したきめ細かい政策の立案・実施、厚生統計分野における国際間比較、国際調和の推進等に資する情報の的確な提供が求められているとともに、国民、地方公共団体に対する厚生統計情報の利便性の向上及び統計調査の効率化の推進等が必要とされている。
また、O157問題等健康危機に際して適切な関連情報の提供ができる体制を整備することが近年殊の外重要になってきている。
このため、本事業では、情報化の進展や多様なニーズに即した厚生統計情報の高度利用に関する研究を総合的に推進することを目的とする。
<新規課題採択方針>
厚生統計情報の利便性の向上とその利活用における個人医療情報の保護の在り方、及び厚生統計の国際間比較を可能にする指標に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり4,000千円程度 (1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:2課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 厚生統計情報の利便性の向上とその活用における個人医療情報の保護の在り方に関する研究 (12020101)
2 保健医療又は社会福祉の分野における国際比較を可能にする指標に関する研究 (12020201)
ウ.社会保障国際協力推進研究事業
<事業概要>
感染症、栄養、災害等の従来の問題に加え、近年は人口の急速な高齢化、都市部への人口集中、疾病構造の変化などに伴い、医療保険・年金、公衆衛生等を含めた広義の社会保障分野全体を視野においた国際協力が重要性を増しており、同時に国際協力の効果的、戦略的実施の必要性も高まっている。
このため、本研究事業は、このような状況に対応した、社会保障に係る国際協力の効果的実施に資することを目的とする。
<新規課題採択方針>
医療保険・年金、公衆衛生等を含めた広義の社会保障分野に係る国際協力の評価に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり2,000千円程度(1年当たり)
研究期間:1年〜2年
新規採択予定課題数:1課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
社会保障に係る国際協力の評価に関する研究 (12030101)
エ.がん克服戦略研究事業
<事業概要>
対がん10か年総合戦略(昭和59年〜平成5年)をひき継ぎ「がん本体解明からがん克服へ」を目標に(1)発がんの分子機構に関する研究、(2)転移・浸潤及びがん細胞の特性に関する研究、(3)がん体質と免疫に関する研究、(4)がん予防に関する研究、(5)新しい診断技術の開発に関する研究、(6)新しい治療法に関する研究、(7)がん患者のQOLに関する研究を重点的に進めることで、がん遺伝子や遺伝子産物の機能解明等の研究成果を新しい抗がん剤や診断機器の開発という形で臨床の場へ応用・導入することを目指している。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために科学技術庁及び文部省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
「がん克服新10か年戦略」の新しい診断技術及び治療法の開発に関する研究等重点7課題に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり20,000千円程度(1年当たり)
研究期間:1〜2年
新規採択予定課題数:10課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 発がんの分子機構に関する研究 (12040101)
2 転移・浸潤及びがん細胞の特性に関する研究 (12040201)
3 がん体質と免疫に関する研究 (12040301)
4 がん予防に関する研究 (12040401)
5 新しい診断技術の開発に関する研究 (12040501)
6 新しい治療法の開発に関する研究 (12040601)
7 がん患者の生活の質(Quality of Life,QOL)に関する研究 (12040701)
オ.長寿科学総合研究事業
<事業概要>
我が国は、国民の1/4が高齢者という超高齢化社会を世界に類を見ないスピードで迎えようとしており、今後も活力ある社会を保ち続けるためには高齢者が健康で生きがいをもって生活できるようにすることが大切である。
また、社会が「寝たきり」等で介護するようになった高齢者を無理なく受け入れ、国民が安心して生涯を過ごすことができる社会へと転換していくことが不可欠となっている。
このため、ゴールドプラン21に対応した長寿科学研究に積極的に取り組み、総合的に推進することを目的とする。
<新規課題採択方針>
老化や老年病に関する基礎医学的研究、老年病に関する臨床医学的研究、高齢者に関する社会科学的研究など総合的研究。
研究費の規模:1課題当たり5,000〜30,000千円程度(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:20〜30課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 基礎老化分野(12050101)
(1)老化機構の解明に関する研究のうち次に掲げるもの
(5)老化モデル実験動物の開発と供給体制の確立に関する研究
(6)その他老化分野に関する基礎的研究
2 老年病分野 (12050201)
(1)高齢者の生活機能障害の要因と評価に関する研究
(2)高齢者の痴呆に関する臨床的研究のうち次に掲げるもの
カ.障害保健福祉総合研究事業
<事業概要>
「障害者プラン」が平成7年12月に策定され、障害者が住み慣れた地域社会の中で、社会の構成員として地域の中で共に生活を送るべきであるというノーマライゼーションの理念に基づいて、各種施策を推進することが重要な課題となっている。
そのため、身体及び精神の障害に関する予防、治療及び訓練並びにもっと身近な市町村においての住宅・施設サービスをきめ細かく提供できる体制づくり等、障害者の総合的な保健福祉施策に関する研究を推進することを目的とする。
<新規課題採択方針>
「障害者プラン」に対応した、障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようにする社会づくり(ノーマライゼーション)及びリハビリテーションの理念に基づいた障害保健福祉施策の推進のための基盤的施策や、身体障害・知的障害・精神障害等に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり5,000〜20,000千円程度(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:12課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 身体障害、知的障害又は精神障害に関する疫学的研究及び原因・予防に関する研究(12060101)
2 身体障害者、知的障害者又は精神障害者の社会的理解の促進・権利擁護に関する研究(12060201)
3 障害者福祉施設(社会復帰のための施設を含む。)の福祉サービスの質の向上及び職員の資質向上の在り方に関する研究(12060301)
4 身体障害者、知的障害者又は精神障害者に対する適正な医療、リハビリテーション等の提供に関する研究(12060401)
5 身体障害者、知的障害者又は精神障害者の地域生活の支援、社会参加、スポーツの促進に関する研究(12060501)
6 身体障害者、知的障害者又は精神障害者の生活の質(Quality of Life,QOL)の向上及び生活支援機器の開発・評価に関する研究(12060601)
キ.子ども家庭総合研究事業
<事業概要>
乳幼児の障害の予防、母性並びに乳幼児の健康の保持増進等について効果的・効率的な研究の推進を図るとともに、少子化等最近の社会状況を見据えて、児童を取り巻く環境やこれらが児童に及ぼす影響等についての総合的・実証的な研究に取り組むことにより、母子保健の推進及び子育て支援を総合的・計画的に推進するための児童家庭福祉の向上に資することを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進を図るため研究課題によっては文部省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
「新エンゼルプラン」に対応した、母子保健及び子育て支援を総合的・計画的に推進するための児童家庭福祉、少子化問題、乳幼児の障害の予防、母性及び乳幼児の健康の保持増進に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり2,000千円以上20,000千円以下(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:10課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 母子保健施策の推進に関する研究のうち次に掲げるもの
3 生殖補助医療の適応及びその在り方に関する研究 (12070301)
4 遺伝相談体制の構築に関する研究 (12070401)
5 母子医療、小児保健医療に関する研究のうち次に掲げるもの
6 児童虐待の実態把握に関する研究 (12070601)
7 性的搾取及び性的虐待被害児童の実態把握及び対策に関する研究 (12070701)
8 児童福祉の法及び制度の国際比較に関する研究 (12070801)
9 ひとり親家庭の子育て支援に関する研究 (12070901)
10 児童の健全育成に関する研究のうち次に掲げるもの
ク.脳科学研究事業
<事業概要>
脳は、多くの可能性を秘めている21世紀に残されている数少ないフロンティアであり、脳科学研究を総合的に推進することにより、医学の向上、画期的な情報通信システム等の新技術・新産業の創出等につながることが期待されている。
また、脳科学研究においては、脳の働きを解明する「脳を知る」領域、脳の病気を克服する「脳を守る」領域、脳型コンピューターを開発する「脳を創る」領域の3つの領域が設定されている。そのうち、厚生省においては、「脳を守る」という観点から脳科学研究を行い、脳神経疾患等の対策の推進に資することを目的としている。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために科学技術庁、農林水産省、通商産業省、郵政省及び文部省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
痴呆疾患の克服、精神疾患の克服、神経疾患の克服、筋疾患の克服、発達障害、中枢神経系外傷、睡眠・リズム障害の病態解明、ストレスマネージメント、脳内薬物受容体、精神・神経・筋リサーチリソースバンクに関する研究。ならびに精神・神経・筋疾患に対する画期的治療法に関する研究
研究費の規模:1課題当たり30,000千円〜40,000千円程度(1年当たり)
研究期間:3年
新規採択予定課題数:20課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 痴呆疾患の克服に関する研究のうち次に掲げるもの
4 筋疾患の克服に関する研究のうち次に掲げるもの筋線維の変性及び再生機構の解明と治療法の開発 (12080401)
5 発達障害に関する研究のうち次に掲げるもの
6 中枢神経系外傷に関する研究のうち次に掲げるもの中枢神経損傷後の機能回復機構の解明、治療法の開発(12080601)
7 睡眠・リズム障害の病態解明と治療法の開発に関する研究 (12080701)
8 ストレス管理に関する研究のうち次に掲げるものストレスによって生じる脳機能障害機構の解明(12080801)
9 脳内薬物受容体に関する研究のうち次に掲げるもの
10 精神・神経・筋疾患の実験用研究資源に関する研究(12081101)
11 精神・神経・筋疾患に対する画期的な治療法に関する研究(12081201)
ケ.高度先端医療研究事業
<事業概要>
輸血用血液製剤は、医療に欠かすことができないという高い有用性を持つ一方で、緊急時の供給量確保や輸血による感染症、免疫反応等の問題を内在しており、人工血液はこれらの問題を解決し得るものとしてその開発が期待される。また、優れた人工臓器や医療機器の研究開発については、保健医療水準の向上に大きな役割を果たすと期待されている。例えば、内視鏡下手術など安全性が高く患者に負担の少ない治療を実現するためには、医用マイクロマシンの治療機器への応用など高度な医療機器の開発が必要である。
このような人工血液及び高度医療機器の研究開発には、医学、工学等多くの分野に渡る要素技術の集積が不可欠であり、基礎的研究から開発段階までの一貫した支援策が必要とされている。
このため、本事業においては、高度先端医療技術の向上を図るため、人工血液及び治療機器等の研究開発を推進することを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために科学技術庁及び通商産業省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
現在のヒト血液由来の血液製剤がもつ、ウイルス等の感染の危険性や安定的供給の困難性を克服し、血液の持つ機能の一部を代替する人工血液の研究と開発。
難治性疾患の治療に資する人工臓器や患者生活の質(Quality of Life ,QOL)の向上につながる低侵襲治療機器などの高度医療機器の研究開発。
研究費の規模:課題1から4については、1課題当たり10,000千円〜100,000千円程度(1年当たり)。課題5及び6については、1課題当たり30,000千円〜50,000千円程度(1年当たり)。
研究期間:3年
新規採択予定課題数:8課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 臨床応用を目的とした生体機能代替可能な人工赤血球の開発に関する研究(12090101)
2 臨床応用を目的とした生体機能代替可能な人工血小板の開発に関する研究(12090201)
3 臨床応用に向けた人工免疫グロブリンの開発に関する研究(12090301)
4 新たな薬理作用を持つ血清成分の探索及びその開発、新規機能を付与した血液製剤の開発等の人工血液研究の進展に寄与することが期待される研究(12090401)
5 人工臓器・人工組織の開発に関する研究(12090501)
6 医療の効率化に資する診療支援機器の開発に関する研究のうち次に掲げるもの
コ.新興・再興感染症研究事業
<事業概要>
近年、新たにその存在が発見された感染症や既に制圧したかにみえながら再び猛威をふるいつつある感染症が世界的に注目されている。これらの感染症は、その病原体、感染源、感染経路、感染力、発症機序、診断、治療法等について解明すべき点が多い。
また、日米包括経済協議の一環として、地球的展望に立った協力のための共通課題(コモン・アジェンダ)において、1996年4月に新たに追加された協力分野として「新興・再興感染症」についての研究協力が求められている。
このため、本事業は、国内外の新興・再興感染症研究を推進し、研究の向上に資するとともに、新興・再興感染症から国民の健康を守るために必要な施策を行うための研究成果を得ることを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために農林水産省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
O157等腸管出血性大腸菌感染症、インフルエンザ等呼吸器感染症、クリプトスポリジウム症等の水系由来感染症、ハンセン病、劇症型A型レンサ球菌感染症、レジオネラ症、結核、寄生虫・原虫由来感染症、食品由来感染症、血液由来感染症・性感染症、薬剤耐性菌感染症、人畜(獣)共通感染症・節足動物媒介感染症、感染症発生動向調査等に関する研究で、それらの解明、予防法、診断法、治療法、情報の収集と分析等を行う。
研究費の規模:1課題当たり30,000千円程度(1年当たり)
研究期間:3年
新規採択予定課題数:33課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
サ.エイズ対策研究事業
<事業概要>
我が国のエイズをめぐる状況は、患者・感染者の急増、感染経路の主流が異性間性的接触になったこと、日本人感染者が増加していること等、新しい局面を迎えており、今後、我が国におけるエイズのまん延が懸念されている。
また、世界においても感染者は約3,340万人以上、1日に1万6,000人が感染しているとUNAIDSは発表(1998年12月)しており、エイズ研究のより一層の推進が求められている。
さらに、HIV訴訟の和解を踏まえ、恒久対策の一環として、エイズ治療・研究をより一層推進させることが求められており、モデル的、先駆的な治療のための臨床研究の拡充、エイズ拠点病院を中心とした診療体制のあり方に関する研究等、我が国独自の研究を今後とも重点的に推進していく必要がある。
このため、本事業は、エイズの診断、治療、予防、医療体制等の研究を推進するとともに、エイズ対策に必要な施策を行うための研究成果を得ることを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために文部省及び科学技術庁との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
HIVに関する臨床医学、基礎医学、社会医学、疫学研究。
研究費の規模:1の(1)、(3)、(5)、2の(1)、(2)、3の(1)、(2)、4の(1)については1課題当り50,000千円程度〜(1年当たり)。
また、1の(2)、(4)、3の(3)、(4)4の(2)については1課題当たり30,000千円程度〜(1年当たり)。
3の(5)については2,000千円以上(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定研究数:14課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 臨床医学研究のうち次に掲げるもの
シ.感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(感覚器障害研究分野)
<事業概要>
我が国には、視覚機能に障害を持つ者が35万人、聴覚に障害を持つ者(言語障害を含む)が36万人(平成3年11月現在)存在し、高齢社会の到来とともに増加する傾向にある。
感覚器の障害は、視覚又は聴覚のいずれかの機能が損なわれても、日常生活を送る上で著しく支障をきたし、日常生活の質を損なう。
このため、本事業においては、感覚器障害に係る原因疾患の早期発見、評価方法及びリハビリテーションに関する研究を推進し、視聴覚障害を持つ人々の社会参加及びコミュニケーション活動支援のための研究を推進することを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために文部省、通商産業省、運輸省、労働省及び建設省との共同・連携を図っていくこととしている。
<新規課題採択方針>
視聴平衡覚領域における障害又は日常生活上支障となる症状について、原因疾患発症機序の解明とその予防・治療方法、支援機器の開発・改良に関する研究及び視 聴平衡覚障害者の社会参加に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり10,000千円〜20,000千円程度(1年当たり)
研究期間:3年
新規採択予定課題数:9課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
ス.感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業(免疫・アレルギー等研究分野)
<事業概要>
何らかのアレルギー疾患をもつ者は、国民の約3割といわれている。一方で慢性関節リウマチも患者数は約70万人といわれ、これらの疾患により多くの国民が日常生活に
支障を来している。しかしながら、アレルギー疾患、慢性関節リウマチともにその病因 ・病態は、いまだ解明されておらず、またその罹患率の高さもあいまって社会的かつ国民的な問題となっている。
本研究事業では、アレルギー疾患、慢性関節リウマチなどの、免疫・アレルギー疾患の病因・病態を解明するとともに、その根治療法を開発することを目的とする。
<新規課題採択方針>
慢性関節リウマチ疾患、アレルギー疾患の病因・病態の解明及び画期的な治療法の開発の研究、アレルギー疾患の環境因子の解明による予防法の開発等。
研究費の規模:1課題あたり20,000千円〜100,000千円程度
研究期間:3年
新規採択予定課題数:7題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 アトピー性皮膚炎の病因・病態の解明及び新治療法の開発に関する総合研究 (12130101)
2 花粉症の新治療法の開発に関する研究 (12130201)
3 喘息に関する病因・病態の解明及び新治療法の開発に関する総合研究 (12130301)
4 アレルギー疾患の環境因子に関する研究 (12130401)
5 アレルギー疾患に係わる胎内・胎外因子の同定に関する研究 (12130501)
6 食物アレルギーの発症機序の解明と予防に関する研究 (12130601)
7 リウマチ性疾患の克服に関する研究 (12130701)
セ.特定疾患対策研究事業
<事業概要>
原因が不明、治療方法が未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾患のうち、希少性等を有するために全国規模で研究を行わなければ原因の究明や治療方法の確立が進まない特定疾患を対象として、臓器別、疾患別に特定疾患医療に役立てる研究開発を進めるとともに、広く横断的、基盤的に特定疾患医療に役立てる研究開発や画期的な治療方法や患者の予後や生活の質の改善方法の研究開発を目的とする。
<新規課題採択方針>
筋萎縮性側索硬化症の病態の解明と治療に関する研究、進行性腎障害の進行抑制に関する研究、脳磁気刺激による神経難病治療の開発的研究。
研究費の規模:1課題当たり30,000千円〜40,000千円(1年当たり)
ただし、脳磁気刺激による神経難病治療の開発的研究は1課題当たり10,000千円〜20,000千円(1年当たり)
研究期間:2年
新規採択予定課題数:3課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 重点研究のうち次に掲げるもの
ソ.生活安全総合研究事業
<事業概要>
廃棄物処理などの過程で発生するダイオキシン類は、多様な毒性を有するとともに、難分解性物質として知られており、昨今、このダイオキシン類の及ぼす健康影響について国民の関心が高まりその対策が急がれている。このほか、内分泌かく乱物質の健康影響、化学物質過敏症などについてはこれまでほとんど知見の集積がなく、従来とは異なる新たな視点からの問題も提起されるようになっている。
このため、本事業においては、ダイオキシン類を始め微量化学物質等に起因する様な影響に対して、食品、化学物質、廃棄物、飲料水等の分野の研究者が相互に連携を保つとともに、化学物質対策等の生活の安全に係る研究を実施する関係各省庁と密接に連携を図りつつ、様々な研究を総合的に実施し、的確な対策を打ち出すことにより、国民の不安を解消し、安全な生活の確保を図ることを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために通商産業省、農林水産省、環境庁及び労働省との共同・連携を図っていくこととしている事業です。
<新規課題採択方針>
ダイオキシン類、内分泌かく乱化学物質などの化学物質や微生物等の日常生活を脅かす因子に対する、国民の安全及び衛生を確保することを目的とした食品、飲料水、廃棄物処理その他生活環境に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり10,000千円以上(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:25課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 ダイオキシン類の排出源対策に関する研究のうち次に掲げるもの
2 室内環境中の微量化学物質、その他生活環境中の化学物質及び金属(公害に起因するものを除く。)の健康影響に関する研究(12150201)
3 水道技術の向上及び安全性に関する研究のうち次に掲げるもの
タ.医薬安全総合研究事業
<事業概要>
医薬品、医療機器は現代医療において診断・治療等の分野において不可欠の存在であり、国民が安心して医療を受けられるためには、これらの安全性確保は極めて重要である。
近年のバイオテクノロジーや電子・通信技術等の科学技術の急速な進歩により、新規に開発される医薬品、医療機器には、いわゆる切れ味の鋭いものや複雑な構造の電子機器等が増加しており、未知の有害作用等が潜む可能性も考えられるなどの状況から、安全性確保のためには従来にも増して、より高度な技術を駆使する必要が生じてきている。
また、我が国の薬物乱用状況は乱用者の低年齢化等憂慮すべき事態にあり、不正薬物の供給の阻止と需要の削減の両面からの対策の充実強化が求められており、総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部が平成9年にまとめた薬物対策推進要綱において薬物対策の1つの柱として研究の推進を謳っているところである。
このため、本事業においては、(1)安全性評価の科学的方法論の確立、(2)品質向上を通じた安全性向上、(3)医療現場における安全確保対策、(4)乱用薬物(不適正使用薬物)等に関する調査研究の実施といった4つの観点から、薬事関連及び医事関連規制による安全性確保の社会的要請等に応えるため国際的な動きも視野に入れた総合的かつ計画的な研究を推進することを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために科学技術庁、文部省、通商産業省、農林水産省及び警察庁との共同・連携を図っていくこととしている事業です。
<新規課題採択方針>
医薬品等の有効性・安全性・品質を確保するための評価及びそれに係る国際共同研究。医療安全の確保及びワクチン等の安全性確保並びに調剤の適正な運営管理に関する研究。
研究費の規模:1課題当たり6,500千円以上(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:9課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 一般用医薬品の使用実態を反映した試験及び評価方法に関する研究(12160101)
2 病院、薬局等における医薬品等の使用に関連する過誤(メディケーションエラー)の防止対策に関する研究(12160201)
3 医薬品等の品質規格に係る国際的動向を踏まえた評価に関する研究(12160301)
4 医薬品市販後安全対策に係る国際的動向を踏まえた評価に関する研究(12160401)
5 調剤業務の適正な運営及び管理のために必要な薬剤師数等に関する研究(12160501)
6 医療機関における使用済放射線源及び診療用放射性同位元素の管理の合理化等の在り方に関する研究(12160601)
7 ワクチンの品質及び安定的需給の確保に関する研究(12160701)
チ.健康科学総合研究事業
<事業概要>
生活習慣に着目した疾病の予防、健康の増進、総合的な保健サービスの提供等、予防医学の基礎及び応用研究から、地域住民に保健サービスとして提供する体制及び評価に至るまでの総合的な健康科学に関する研究を推進する。
このため、栄養・食生活等の生活習慣と疾病に関する研究、運動、休養等健康増進に関する研究、保健医療福祉に係る効果的・効率的な地域保健サービスに関する研究、生活習慣病の病態、診断、治療、患者の生活の質の向上等に関する研究を実施し、その成果が健やかでゆとりある長寿社会の基盤となる環境の整備に資するとともに、国民の健康に関するQOLの向上に資することを目的とする。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために科学技術庁、文部省、農林水産省、環境庁及び労働省との共同・連携を図っていくこととしている事業です。
<新規課題採択方針>
栄養・食生活等の生活習慣と疾病に関する研究、運動・休養等健康増進に関する研究、保健医療福祉に係る効果的・効率的な地域保健サービスの提供・評価に関する研究、生活習慣病の病態・診断・治療、患者の生活の質
(Quality of Life,QOL)の向上等に関する研究。
研究費の規模:1課題あたり5,000千円以上とする。
研究期間:1〜3年(課題3については1年)
新規採択予定課題数:10課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 地域保健サービスに関する研究のうち次に掲げるもの
ツ.医療技術評価総合研究事業
<事業概要>
労働集約型サービスである医療サービス分野は、人口の少子・高齢化において、医療ニーズの多様化・高度化に適切に対応するため、より一層の省力化と効率化した医療提供体制の構築と良質な医療サービスの提供、また、医学・医療技術や情報通信技術の進歩等を活用して、時代の要請に応じた効率的な医療システムを構築し、豊かで安心できる国民生活の実現が求められている。
このため、良質な医療を合理的・効率的に提供する観点から、医療技術や医療システムを評価し、医療資源の適切な配分を行うなど、時代の要請に速やかに対応できるよう、既存医療システム等の評価研究を実施するとともに、医療の質と患者サービスの向上のために必要不可欠な科学的根拠に基づいた医療(Evidence
Based Medicine,EBM)に関する研究を実施するものである。
なお、本研究事業は、総合的かつ効果的な推進のために通商産業省及び郵政省との共同・連携を図っていくこととしている事業です。
<新規課題採択方針>
良質な医療を合理的・効率的に提供するための診療技術・医療情報技術の評価、医療提供体制基盤整備等に関する研究、また医療の質と患者サービスの向上のために必要不可欠な科学的根拠に基づいた医療(Evidence
Based Medicine,EBM)に関する研究。研究費の規模:1課題当たり3,000千円以上(1年当たり)
研究期間:1〜3年
新規採択予定課題数:25課題程度
<公募研究課題(公募課題番号)>
1 診療技術の評価に関する研究のうち次に掲げるもの
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