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改正項目関係資料

(H12.12.6医療保険福祉審議会運営部会資料より)


1.老人医療における一部負担金の額の限度額

2.高額医療費(老人医療)

3.高額療養費に係る自己負担限度額の見直し

4.その他

(1) 患者負担に関する事項

(2) 給付に関する事項

(1) 入院時食事療養費に係る標準負担額の見直し
(2) 傷病手当金に関する見直し

(3) 保険料に関する事項

(1) 保険料率の設定に係る上限の見直し
(2) 育児休業期間中の健康保険料の事業主負担分の免除
(3) 標準報酬に関する事項

(4) 健康保険組合の運営に関する事項

(5) 国民健康保険に関する事項

(1) 海外療養費の創設
(2) 資料の提供等に係る根拠規定の整備
(3) 住所地特例の対象拡大


1.老人医療における一部負担金の額の限度額

○ 老人の一部負担金において導入した定率1割負担制について、高齢者にとって過度な負担とならないよう1月当たりの負担の限度額(月額上限)を設定する。

現行制度 改 正 の 内 容
外来一部負担金
530円/日
(月4回まで)
定率1割負担
月額上限を以下のとおり設け、医療機関、薬局ごとに適用。
○院外処方が行われた患者の場合
 病院又は診療所1,500円、薬局1,500円
 (200床以上の病院の場合、それぞれ2,500円)
○院外処方が行われなかった患者の場合
 3,000円/月
 (200床以上の病院の場合、5,000円/月)
※定率制に代えて定額制を選択した診療所については、1日800円(月4回まで)
入院一部負担金
1,200円/日
低所得者
 月35,400円限度
低所得者かつ老齢
福祉年金受給者
   :500円/日
定率1割負担
月額上限を以下のとおり設け、医療機関ごとに適用。
 37,200円
*低所得者については改正前に比べ手厚い配慮
低所得者:24,600円
低所得者かつ老齢福祉年金受給者:15,000円
長期特定疾病患者:10,000円
老人訪問看護療養費
基本利用料:
250円/日
定率1割負担(月額上限:3,000円)
※定率制に代えて定額制を選択した訪問看護ステーションについては、1日600円(月5回まで)

※ 低所得者とは、市町村民税非課税世帯に属する者。

(実施時期) 平成13年1月

2.高額医療費(老人医療)

(改正の内容)

○ 新たに創設した高額医療費支給制度については、同一世帯において、30,000円以上(低所得者:21,000円以上)の自己負担が複数生じた場合、これらの自己負担額を合算し、37,200円(低所得者:24,600円)を超える額を償還することとする。

(実施時期) 平成13年1月

3.高額療養費に係る自己負担限度額の見直し

○ 高額療養費制度の自己負担限度額について、現行の一般、低所得者の区分に加え、新たに上位所得者の区分を設ける。
 上位所得者について、健康保険及び船員保険においては、標準報酬月額56万円以上の者とする。国民健康保険においては、健康保険等と公平を図る観点から、当該年度の国民健康保険料(税)の算定の基礎となる基礎控除後の総所得金額等が670万円を超える世帯とする。
 上位所得者の自己負担限度額(定額部分相当)は、標準報酬月額に対する比率が22%程度(平均的な報酬月額(約29万円)に対する定額部分の自己負担限度額(63,600円)の比率)となるように121,800円に設定する。

○ 一般、上位所得者の自己負担限度額は、定額部分(従来の自己負担限度額相当)に、一定の医療費を超えた部分の1%相当分を加えた額に設定する。
 低所得者や多数該当の場合には、こうした医療費に応じた1%負担は求めない。
 長期にわたり高額な医療費がかかる人工透析、血友病、エイズについては、現行どおり、1万円の自己負担限度額を据え置く。

現 行 改 正 の 内 容
低所得者 35,400円 低所得者 現行どおり
一般 63,600円 一般 63,600円+(医療費−318,000円)×1%
上位所得者 121,800円+(医療費−609,000円)×1%

○ 上位所得者の多数該当(4月目からの自己負担限度額)については、年間負担額の報酬に対する比率が一般の場合と同程度(約1.8ヶ月分)となるように設定する。

現 行 改正案
低所得者 24,600円 低所得者 現行どおり
一般 37,200円 一般 現行どおり
上位所得者 70,800円

○ 世帯合算の場合についても、その自己負担限度額は上記のとおりとする。この場合、合算対象基準額は、従来どおり30,000円(低所得者21,000円)とする。

(実施時期)平成13年1月

参考図

4.その他

(1) 患者負担に関する事項

◎ 薬剤一部負担の廃止
○ 老人の薬剤一部負担を廃止する。ただし、若人に係る薬剤一部負担は、平成14年度までに、所要の財源を確保した上で廃止する。
○ 「老人医療受給対象者に対する臨時老人薬剤費特別給付金の支給に関する法律」を廃止する。
(平成13年1月より実施)

(2) 給付に関する事項

(1) 入院時食事療養費に係る標準負担額の見直し

○ 入院時食事療養費に係る標準負担額の見直しを、平成13年1月より実施する。

(参考)
(標準負担額) 現行 改正案
一般 760円 780円
低所得者 短期 650円 現行どおり
長期 500円 現行どおり
高齢低所得者 300円 現行どおり

(2) 傷病手当金に関する見直し

○ 現在、退職した者について、老齢厚生年金等と傷病手当金が併給されており、所得保障という制度の趣旨から給付が重複している。
○ このため、退職後、老齢厚生年金等を受給している任意継続被保険者等については、傷病手当金を支給しないこととする。
(平成13年4月より実施)
○ ただし、支給される老齢厚生年金等の額が傷病手当金の額を下回るときは、その差額を傷病手当金として支給する。
○ 対象となる「老齢厚生年金等」は、老齢厚生年金、退職共済年金等の公的年金とする。

(3) 保険料に関する事項

(1) 保険料率の設定に係る上限の見直し

○ 介護保険料の徴収の円滑化と医療保険制度の安定を図るため、介護保険料率を法定上限の外枠とする。
(平成13年1月より実施)

  現 行 改正案
政管健保 一般保険料率+介護保険料率≦91‰ 一般保険料率≦91‰
組合健保 一般保険料率+介護保険料率≦95‰ 一般保険料率≦95‰
船員保険 一般保険料率+介護保険料率≦91‰ 一般保険料率≦91‰

○ 法案の成立の遅れに伴って徴収不足となっている介護保険料額について、現在、納付猶予を実施。(1月当たり約220億円)
→ 当該額については、介護保険料の負担の平準化を図る観点から、平成13年度及び14年度にかけて徴収できることとする。

(2) 育児休業期間中の保険料の事業主負担分の免除
○ 育児休業期間中の保険料について、被保険者負担分に加え、事業主負担分を免除する。
(平成13年1月より実施)

(3) 標準報酬に関する事項
○ 標準報酬の下限を92,000円から98,000円に改める。
(平成13年1月より実施)
○ 標準報酬の定時決定に係る算定対象月について、5月〜7月から4月〜6月に変更する。
(平成15年4月より実施)

(4) 健康保険組合の運営に関する事項

○ 健康保険組合の円滑な事業運営を図る観点から、健康保険組合の運営等に関する事項について、所要の見直しを行う。
(平成13年1月より実施)

現 行 改 正 の 内 容
 保険料率の変更については、変更幅の如何に関わらず、厚生大臣の認可が必要。  一般保険料率と調整保険料率を合算した率が変更されない場合には、一般保険料率の変更については、認可ではなく届出とする。
 財政窮迫状態にある組合に対する重点的な指導について、法的枠組みなし。  財政窮迫状態にある組合に対し解散も含めた重点的な指導を行うための指定制度を創設。
 指定要件等を政令で定めるが、指定要件は以下のとおり。
 経常収支の赤字が継続している組合であって、次のいずれかを満たすもの。
(1) 財源率が95パーミルを超え、かつ、準備金(任意準備金を含む)が3月未満であることが継続していること
(2) 被保険者の人数が、厚生大臣の定める数(設立認可基準)を下回る状態が継続していること
 その際、指定を受けた健康保険組合が特定健康保険組合の場合においては、既に被保険者となっている退職者への給付は継続しつつ、段階的に退職者医療を行わない一般の組合となる途を開く。
 介護保険の第2号保険料について、一定の場合に弾力的な徴収方法が可能。  第2号保険料の徴収方法について、組合会の合意を前提に、以下の点でさらに弾力化。
・ 第2号被保険者の被扶養者を有する第1号被保険者である被保険者への保険料賦課
・ 世帯内の第2号被保険者の数に応じた介護保険料の算定

(5) 国民健康保険に関する事項

(1) 海外療養費の創設
○ 国民健康保険においても、海外渡航中の治療について、保険給付の対象に加えることとする。
(平成13年1月より実施)
(2) 資料の提供等に係る根拠規定の整備
○ 市町村は、保険給付等に関して必要があると認める場合は、被保険者の資産や収入の状況等について、官公署等に資料の提供等を求めることができることとする。
(平成13年1月より実施)
(3) 住所地特例の対象拡大
○ 長期入院により住所を移す場合について、特定の疾病の措置等による入院に限ることなく、全ての長期入院を特例の対象とする。
(平成13年1月より実施)


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