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「容器包装リサイクル法に基づく再商品化に関する意見募集」に対する御意見について


平成11年6月23日
厚生省水道環境部リサイクル推進室

 容器包装リサイクル法に基づく再商品化手法については、その考え方と案を厚生省ホームページに掲載し、平成11年2月25日から3月23日まで御意見を募集し、計31件の御意見をいただきました。お寄せいただいた御意見の概要と当省の考え方につきまして御報告します。ありがとうございました。

1.御意見の概要

(1) 再商品化手法に関する総合的なもの

・ 提案されている再商品化手法の他にも可能性のあるものは列挙し(RDF,セメントキルン等)、選択肢を多くしておき、どれを取るかは最終的に経済原則が働き淘汰されるようにすべき。
・ 材料リサイクルを促進するため、材料リサイクルによる再商品化単価を低く設定する等の運用を行うべき。
・ 分別収集に関わる市町村と住民の声が反映されていない。

(2)「その他プラスチック製容器包装」の再商品化手法に関するもの

・ 白色の発泡スチロール製食品用トレイだけでなく、他の樹脂についても材料リサイクルを行うべき。
・ 白色の発泡スチロール製食品用トレイから再びトレイを製造できることを明記すべき。
・ 白色の発泡スチロール製食品用トレイについては、減容加工を再商品化の手法として位置付けるべき(減容加工品の売却先の確保を義務付けるという前提で)。
・ 発泡スチロール製食品用トレイについては、白色のものに限るべきではない。また、緩衝材等に用いられる発泡スチロールも、あわせて収集すべき。
・ ガス化は、生成される熱分解ガスが一種の毒ガスであり、ドラムそのものの爆発も懸念される上、回収される溶融スラグの再利用という点でも問題がある。
・ プラスチックについてもサーマルリサイクル(セメントキルンへの投入)を再商品化手法に位置付けるべき。

(3)「その他紙製容器包装」の再商品化手法に関するもの

・ 「燃料」として利用する場合に、例えばごみ発電と比較した場合の優位性が国民にとっては不明瞭。容器包装リサイクル法を国民が理解し、納得するには、燃料化することの優位性がはっきりと示されることが不可欠。
・ 分別しやすく有機物も付着していない紙箱のようなものは、燃料以外の手法でリサイクルできるよう、引き続き検討をすすめるべき。
・ 「その他紙製容器包装」については、上質なものの選別を市町村の収集段階で行うことは困難。

(4)その他

 (以下の意見は、制度全般の在り方等に対する意見であり、再商品化の手法等に直接関係するものではありませんが、今後の施策を検討するに当たっての御意見として掲載します。)

・リサイクルよりも、容器包装の使用量自体を減らすべき。

・ 再商品化費用だけでなく、分別収集費用も事業者負担とすべき。

・ 市町村の分別収集をより促進すべき。

・ ごみの減量実績、ごみ組成の変化等、分別収集の成果に関する情報を住民に提供し、啓発に務めるべき。

・ 容器包装の多種多様化を抑制し、分別品目を少なくすべき。

・ 事業系一般廃棄物として持ち込まれる容器包装廃棄物も、分別されていれば本法の対象とすべき。

・ 使い捨て容器の使用を制限し、デポジット制度を導入すべき。

・ 再商品化事業者の随意契約を認めるべき。

・ 容器包装以外の廃棄物が混入して収集された場合、その非容器包装分の再商品化費用は、特定事業者が負担することになるのか。

・ 製品の製造段階で、再生原料の利用を促進する施策を講ずるべき。

・ 厚生省をはじめ官公庁、公共事業等において再商品化製品を積極的に使用し、民における使用拡大の先導役を務めるべき。

・ 古紙使用の促進のための施策が必要。

・ 紙、プラスチックについて、分別区分のための表示を行うべき。

・ 材質表示・添加材表示・顔料表示・触媒に使われる物質名とその使用目的を明記することを義務づけるべき。

・ 材質が同じであれば、容器包装以外のものも一括して収集し、その部分については自治体の負担でリサイクルすべき。

・ 分別収集の品質が再商品化に大きく影響することについて、周知徹底されたい。

2.当省の考え方

 いただいた御意見に対する当省の考え方は以下のとおりです。

(1) 再商品化手法全般について

・ 本法では、再商品化を行うにあたって、環境基本計画にも謳われている「まず原材料として利用するリサイクルを行い、それが技術的な困難性、環境への負荷の程度等から適切でない場合、環境保全対策に万全を期しつつ、エネルギーとしての利用を推進する」という考え方にたって、燃料として利用する再商品化手法(サーマルリサイクル)を、政令で定めるものに限定しているところです。
・ すべての場合に原材料として利用するリサイクルのみで再商品化をすることができないため、サーマルリサイクルをとりいれることが必要となりますが、分別収集する意義などを踏まえて原材料として利用するリサイクルを優先することが必要と考えています。
・ このため、市町村により分別収集された容器包装廃棄物の再商品化にあたっては、材料リサイクル等の原材料として利用するリサイクルを優先しつつ、再商品化を行う事業者間での競争により経済原則が働くように実施することとしています。

(2)「その他プラスチック製容器包装」の再商品化手法について

・ 「その他プラスチック製容器包装」(トレイ含む)については、

○ プラスチック製品の原材料として利用(ペレット化等の減容加工、再生製品とすることをいいます。)
○ 製鉄高炉又はコークス炉の原材料として利用
○ 油化(炭化水素油を得ることをいいます。)
○ ガス化(水素及び一酸化炭素を主成分とするガスを得ることをいいます。)

を再商品化の手法とすることとします。なお、容器包装リサイクル法では、再商品化の範囲について、「自ら製品の原材料として利用すること」又は「有償又は無償で他人に譲渡できる状態にすること」することとされています。
・ プラスチック製品の原材料として利用する材料リサイクルの対象は白色トレイに限るものではなく、その他のプラスチック製容器包装についても材料リサイクルを実施することとします。ただし、再生プラスチックは用途が限られており、その需要には限界があるため、材料リサイクル以外の方法を実施することが必要です。
・ ガス化は、化学工業等の原料や工業燃料となる水素及び一酸化炭素を主成分とするガスを製造する方法で、その安全性を確保するため、ガス化を行う施設の技術上の基準が廃棄物処理法に基づき定められています。
・ 本法では、前述のとおり、材料リサイクル等の原材料として利用するリサイクルを優先することとし、「その他プラスチック製容器包装」については、原材料として利用するリサイクルをできる限り行うことが適切と考えられるため現段階ではセメントキルンへの投入やRDF化は、再商品化の手法として位置付けていません。

(3)「その他紙製容器包装」の再商品化手法について

・ 「その他紙製容器包装」の再商品化は、まず、再生紙等の原材料として利用できるものを選別し、

○再生紙
○パルプモウルド
○古紙ボード
○古紙破砕解繊物(家畜用の敷料など)

等への再商品化を行い、こうした用途に適さないものは、固形燃料化等をして燃料としての利用を行うこととします。なお、上記の「選別」は、再商品化の工程の中で行うものであり市町村の収集段階で行うものではありません。
・ 本法では、前述のとおり、材料リサイクル等の原材料として利用するリサイクルを優先することとし、「その他紙製容器包装」については、単純に燃料として利用するのではなく、選別することによりできる限り再生紙などの原材料として利用するリサイクルを行った上で燃料として利用することとします。しかし、紙としてのリサイクルが繰り返された紙箱等の紙製容器包装は、紙の品質が低く、再生品の需要の確保に問題があるため、再生紙などの原材料として利用するリサイクルのみで再商品化を行うことはできず、燃料として利用する方法をとりいれることが必要となります。
・ また、燃料として利用する場合は、十分な環境保全対策を講じた上で行うことが必要となりますが、さらに、市町村のごみ焼却処理での発電よりも高い効率でのエネルギー回収・利用が確保されるよう燃料を利用する施設について限定を行います。

(4)今後の予定について

 上記の考え方を反映した再商品化の方法については、容器包装の分別収集及び再商品化等の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令が平成11年6月16日に公布されたほか、同法に基づく基本方針及び再商品化計画が近く告示されます。

<貴重な御意見をお寄せいただきありがとうございました。今後とも廃棄物処理・リサイクルにつきまして、御理解と御協力の程、お願いいたします。>


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