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2.健康危機管理対策の推進について

(1)健康危機管理の重要性

○ 一昨年7月以降、和歌山市における毒物カレー事件に端を発した毒劇物等を使用した事件が全国30か所以上において発生した。また、昨年9月には、茨城県東海村においてウラン加工施設事故による原子力災害が発生し、放射線による従業員に対する健康被害等が生じるなど、大規模な健康危機事例が発生しているところである。

○ 東海村ウラン加工施設事故に際し厚生省においては、直ちに担当官を派遣し、対策本部を設置し、次のとおり必要な対処を行った。
1) 県が実施する健康診断等へ医師、看護婦等の派遣及び財政支援
2) 屋内退避勧告区域における保健福祉サービスへの中止の指導
3) 事故を起こした施設に近い取水口からの取水の一時停止など水道水の安全性の確保
4) 屋内退避勧告区域の農作物に係る県の放射線量検査結果についての確認など食品の安全性の確保

○ こうした健康危機が発生した場合、できる限り迅速に原因究明を図り、その拡大を防止するとともに、迅速かつ的確な医療の確保等を通じて、地域住民の生命・健康を守ることは地方公共団体の重要な任務であり、これらの取組みを支援することが国の責務である。
 このため、本年も3月に、昨年に引き続き、都道府県等における健康危機管理業務従事者の資質の向上を図ることを目的とした、健康危機管理研修会を実施する予定である。

(2)厚生省における健康危機管理体制

 厚生省においては、適切な健康危機管理対策を迅速に講じるため、その基本的な体制を「健康危機管理基本方針」として定め、部局横断的な組織として「健康危機管理調整会議」を設置している。
 こうした体制により、平時は、休日夜間を含め、連絡体制を確立し、健康危険情報の把握に努めるとともに、万一重大な健康被害が発生した場合には、対策本部の設置、職員や専門家の現地への派遣、国民に対する健康危険情報の提供など必要な対応を図ることとしている。

(3)都道府県等における健康危機管理体制の整備

 健康危機に対する体制を確保するためには、地方公共団体における健康危機管理体制を整備することが重要である。
 このため、

1) 他の地方公共団体を含む関係機関及び関係団体等との役割分担を明確化し、必要な連携を図る必要がある。
2) 健康危機発生時における被害者に関する情報の収集、管理及び分析等の拠点として、保健所の機能を強化する必要がある。
3) 健康危機発生時に対応ができるように、休日夜間を含めた、連絡体制の確立・強化を図る必要がある。
 また、既に、都道府県等においては、健康危機管理に係る要綱等が作成され、提出頂いているところであるが、未だ体制整備等の取り組みが十分になされていないところもあることから、当該都道府県等においては、更なる体制整備に努められたい。


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