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1.平成12年度厚生省科学技術関係予算案について

 厚生省においては、従来より、疾病の解明や治療法の開発、少子高齢化社会の対応等、国民の保健医療、福祉、生活衛生等のニーズに応える科学技術分野を「厚生科学」という概念でとらえ、国立試験研究機関における取組みや厚生科学研究費補助金等の活用により、厚生科学研究の総合的な推進を図っているところである。
 平成12年度厚生省科学技術関係予算案は、現下の経済情勢に鑑み、景気回復を重要課題に位置づけ、関係省庁と連携を図り推進する新しい千年紀に向けた戦略的プロジェクトをはじめとし、対前年度10.5%増の総額1,124億11百万円を計上しているところである。また、そのうち厚生科学の振興を図るための経費(科学技術振興費)については、対前年度5.1%増の総額848億17百万円を計上し、厚生科学研究の一層の推進を図ることとしている。

(1)ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について

○ 内閣総理大臣決定(平成11年12月19日)において、新しい千年紀(ミレニアム)の始まりを目前に控え、人類が直面している課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととし、これを「ミレニアム・プロジェクト」とすることとされている。
 ミレニアム・プロジェクトは、今後の我が国の経済社会に重要な「情報化」、「高齢化」、「環境対応」の三分野について、技術革新を中心とした産学官共同の事業として実施される。

○ 厚生省においては、「高齢化」に対応したミレニアム・プロジェクトの一つとして、
1) 痴呆、がん、糖尿病、高血圧などの疾病に関連する遺伝子を解明し、病気の予防、治療法などの確立、画期的な新薬の開発とともに、薬剤反応性に関連する遺伝子を解明し、最適な薬物療法の実現、
2) 皮膚・軟骨・骨・神経等の組織等を再生し、医療に応用する技術(再生医療)の実現、
3) 健康増進等に寄与する高機能食品の開発、バイオテクノロジー応用食品の安全性評価手法の高度化
を目指し、総額100億円により推進する予定である。
○ また、疾病関連・薬剤反応性関連遺伝子の解析研究等を実施するに当たり、必要な個人情報の保護及び生命倫理の確保のため、研究者等が守るべき条件について検討を進めている。

(2)その他

 高齢者の生活の質の向上を図るための骨・関節疾患に関する研究やアレルギー疾患に関する研究、また、良質な医療の合理的・効率的な提供のための研究を推進する予定である。


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