全国厚生関係部局長会議資料
平成11年1月18日(月)
厚生省大臣官房国際課
世界福祉構想の推進について
高齢化の進んだ先進国から貧困・疾病に苦しむ途上国に至るまで、公衆衛生、医療保険、年金等を含む広義の社会保障政策をめぐる課題は様々である。これら先進国、途上国がお互いの知恵と経験を共有することで、それぞれの国が抱える問題の解決を目指すための協力関係が必要であることは、我が国が提唱した「世界福祉構想」として国際社会の合意となっている。今後、同構想を一層推進し、地球規模に立った国際協力等の推進を図るため、開発途上国の人材養成やわが国専門家の養成・確保、世界保健機関(WHO)、経済協力開発機構(OECD)等を通じた多国間協力などの推進を図ることとしている。
1 開発途上国の人づくりへの支援 |
(10年度) |
→ |
(11年度) |
331 百万円 |
328 百万円 |
(開発途上国の専門家・行政官等の研修、わが国専門家の養成等)
(1)アジア諸国等の行政官研修
- わが国が開発途上国に対して行う技術協力の一環として、アジア諸国等から要望の高い分野について、行政官等に対する研修事業を実施し、企画・立案に携わる中核の人材育成に応えている。
- (地方公共団体との関係)
- 都道府県、市の皆様方には社会福祉行政官研修、薬事行政官研修、感染症対策専門家研修等10分野の研修において、業務の紹介・意見交換などに協力を頂いているところであり、引き続き協力をお願いしたい。
平成9年度実績(例)
- 社会福祉行政官研修 秋田県:福祉保健部等...地方自治体研修実施
- 薬事行政官研修 埼玉県:衛生部薬務課...講義「埼玉県の薬事行政」
- 感染症対策専門家研修 東京都:東京都市場衛生検査所視察
- 地域母子保健専門家研修 山梨県:厚生部等...牧丘町保健センター視察
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(2)わが国の海外派遣専門家養成事業
- 国際保健医療協力を効率的に促進するため、(1)近年重要性が高まっているエイズ・人口分野の日本人専門家養成、(2)開発途上国での新興・再興感染症大流行時に現地でのWHOによる防疫活動に参加協力できる人材の養成、(3)開発途上国での広義の社会保障分野における制度づくりなど政策推進を支援するために必要な助言を行える人材の養成を行っている。
- (地方公共団体との関係)
- この事業については、地方公共団体職員等の参加も得て人材育成を進めているところであるが、今後とも、関連研修事業へ積極的に参加いただき、厚生行政分野の専門家派遣による国際協力に資するようご協力をお願いしたい。
平成9年度実績
- エイズ・人口分野派遣専門家養成事業 10名
- 新興・再興感染症対策人材養成事業 6名
- 社会保障分野派遣専門家養成事業 1名
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(3)水道・廃棄物分野等における開発途上国への専門家派遣
- これまで、水道・廃棄物分野を中心に地方自治体からの専門家派遣に多大の尽力を頂いているところであるが、この分野における開発途上国からの技術協力の要請は依然として高い状況にあるので、各自治体においてもさらなる協力をお願いしたい。
平成9年度実績 5都道府県10市より51名(水道・廃棄物分野)
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(4)平成11年度における新規事業
(11年度)
- ○ アフリカ開発支援セミナーの開催 15 百万円
- アフリカ諸国の多くは、後発開発途上国(LLDC)として、高い妊産婦死亡率や感染症の流行など深刻な衛生状態や極度の貧困等の問題を抱えている。
「世界福祉構想」の具体化及びデンバーサミットにおいて確認された「開発のための新たなグローバルパートナーシップ」によるサハラ砂漠以南のアフリカ諸国の支援のため、「アフリカ開発支援セミナー」を開催し、アフリカ諸国における制度づくり・人づくりを支援するものである。
また、平成10年10月に開催された第2回アフリカ会議「TICADII」のフォローアップ事業としても位置づけされており、外務省との共同事業になっている。
2 国際機関との連携による国際協力(WHO・OECD等の活動に対する支援)
(1)世界保健機関分担金 |
(10年度) |
→ → |
(11年度) |
9,741 百万円 7,460 百万円 |
11,853 百万円 9,355 百万円 |
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(2)世界保健機関拠出金 |
1,604 百万円 |
→ |
1,791 百万円 |
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(3)国連合同エイズ計画拠出金 |
642 百万円 |
→ |
653 百万円 |
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(4)経済協力開発機構拠出金(社会政策関係) |
35 百万円 |
→ |
54 百万円 |