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世界福祉構想の推進について


 平成8年6月にリヨンにおいて行われた主要国首脳会議(サミット)において、橋本総理から、公衆衛生、医療保険、年金等を含めた広義の社会保障の問題について、先進国のみならず開発途上国も含め、お互いの経験・知識を共有することを目的とする「世界福祉構想」が提唱された。同構想を踏まえ、平成9年6月に行われた主要国首脳会議(デンバー・サミット)では、高齢化並びに感染症及びエイズ対策等の重要性が取り上げられたところであり、今後、同構想を一層推進し、地球規模に立った国際協力等の推進を図るため、開発途上国の人材養成やわが国専門家の養成・確保、世界保健機関(WHO)、経済協力開発機構(OECD)等を通じた多国間協力などの推進を図ることとしている。

1 開発途上国の人づくりへの支援    (9年度) (10年度)
706 百万円 331 百万円
 (開発途上国の専門家・行政官等の研修、わが国専門家の養成等)

(1)アジア諸国等の行政官研修

 わが国が開発途上国に対して行う技術協力の一環として、アジア諸国等から要望の高い分野について、行政官等に対する研修事業を実施し、企画・立案に携わる中核の人材育成に応えている。
 また、平成9年度より、社会保障分野の充実に取り組んでいる開発途上国の上級行政官を対象として、社会保障政策の経験・知識を共有し討議する「東アジア社会保障行政高級実務者会合」を開催している。
(地方公共団体との関係)
 都道府県、市の皆様方には社会福祉行政官研修、薬事行政官研修、感染症対策専門家研修等10分野の研修において、業務の紹介・意見交換などに協力を頂いているところであり、引き続き協力をお願いしたい。

(2)わが国の海外派遣専門家養成事業

 国際保健医療協力を効率的に促進するため、1)近年重要性が高まっているエイズ・人口分野の日本人専門家養成、2)開発途上国での新興・再興感染症大流行時に現地でのWHOによる防疫活動に参加協力できる人材の養成、3)開発途上国での広義の社会保障分野における制度づくりなど政策推進を支援するために必要な助言を行える人材の養成を行っている。
(地方公共団体との関係)
 これらの分野については、地方公共団体職員等の参加を得て人材育成を進めているところであるが、今後とも、関連研修事業へ積極的に参加いただき、厚生行政分野の国際協力に資するようご協力をお願いしたい。

(3)水道・廃棄物分野等における開発途上国への専門家派遣

 これまで、水道・廃棄物分野を中心に地方自治体からの専門家派遣に多大の尽力を頂いているところであるが、この分野における開発途上国からの技術協力の要請は依然として高い状況にあるので、各自治体においても引き続き協力をお願いしたい。

(4)平成10年度における新規事業

○ アフリカ開発支援にかかる現地調査等 12 百万円
 平成9年6月に米国デンバーで開催された主要国首脳会議において確認されたアフリカ諸国に対する開発支援の一環として、特に、公衆衛生や保健医療などを主眼においた広義の社会保障分野の制度づくり・人づくりを支援する。
 初年度の平成10年度は、今後の開発支援事業に資するために、アフリカ諸国のニーズの調査及び国際機関等を通じた情報の収集等を行う。


2 先進国間の社会保障政策に関する経験・知識の共有(OECDの社会保障政策分析等に対する支援)

(9年度) (10年度)
32 百万円 35 百万円

 社会保障分野におけるOECDの政策分析等に対して拠出金を拠出することにより、本年6月に開催される社会保障大臣会議を積極的に支援し、先進国相互の社会保障政策に関する経験と知識の共有を進める。


3 国際機関との連携による国際協力(WHO等の活動に対する支援)
(1)世界保健機関分担金 (9年度)
(10年度)
9,154 百万円
6,767 百万円
9,706 百万円
7,460 百万円
(2)世界保健機関拠出金 1,746 百万円 1,604 百万円
  1) 新興・再興感染症対策事業(増額) 54 百万円 236 百万円

 世界の感染症対策の推進への協力とわが国の安全確保の観点から、1)世界的規模の感染症発生動向監視システムの強化、2)集団発生時の緊急対応等の事業に拠出。
2) 医薬品品質確保対策戦略事業(新規) 76 百万円
 WHOでは、薬品の製造過程を適正に管理するための指針(優良製造指針、GMP)を策定しており、先進国ではこの指針に従って製造が行われている。今般、途上国が指針に従うための問題点を具体的に分析し、途上国においても実効性のある医薬品の品質向上対策を図る事業に拠出。

3) ヒ素汚染対策支援事業(新規) 18 百万円
 世界各地の飲料水のヒ素汚染問題は深刻であり、緊急な対策が求められている。国際社会の密接な連携の下で対策を検討、実施していくことが不可欠であり、1)国際会議の開催、2)ヒ素の除去に関する適正技術の開発、3)飲料水中のヒ素汚染濃度に関する調査等WHOが中心となって行う事業に拠出。


(3)国連合同エイズ計画拠出金   642 百万円 → 642 百万円


(参 考)
  (9年度) (10年度)
厚生省政府開発援助(ODA)経費  11,565 百万円 10,197 百万円


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