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1 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の改正について


(1) 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正

 戦傷病者及び戦没者の遺族に支給する障害年金及び遺族年金等の額を、恩給の改善(基本額の1.19%引上げ及び遺族加算の増額)に準じて引き上げる。(平成10年4月実施)

例1 障害年金(公務傷病、)第5項症の場合 公務傷病により障害となった戦傷病者本人に支給
(現 行)    
年 額   2,462,000円 2,491,000円
例2 遺族年金、遺族給与金(公務死の場合) 公務死亡した戦没者の配偶者、父母等に支給
(現 行)    
年 額   1,908,800円 1,933,500円

(2) 戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正

 平成5年に支給された戦没者の父母等に対する特別給付金国債が平成9年9月に最終償還を迎えたことから、今回、90万円(年18万円)から100万円(年20万円)に増額して継続支給する。(平成10年4月実施)

・額面 100万円
・対象件数 810件


(参考)戦没者の父母等に対する特別給付金制度の概要

 戦没者の父母等に対する特別給付金(5年償還の記名国債)は、先の大戦において、最後に残された子を軍人軍属等として戦闘その他の公務等により失った父母又は祖父母の精神的痛苦に対して、国として慰藉を行うため支給するもの。
 昭和42年に創設され、国債の最終償還を迎える度に、子孫が絶えたという寂寥感、孤独感がますます深まっているという理由から、継続して支給してきている。


2 遺骨収集等慰霊事業について


(1)ソ連抑留中死亡者遺骨収集等事業
ア  ソ連抑留中死亡者の遺骨収集は、埋葬地がシベリアから中央アジア等を含む広大な地域に点在していることや、実施時期が夏期に限定されること等の困難な面もあったが、平成9年度までに6,311柱の遺骨を収集し、墓参については延べ、353ヶ所について実施した。
イ  平成9年度から5年間、計画的に遺骨収集を実施しているところであるが、平成10年度においては、ハバロフスク地方等の9地域について実施するほか、「遺骨収集応急派遣事業」を実施することとしている。
ウ  墓参については、平成9年度から新たな5カ年計画で、埋葬地がある全ての地域(州、地方等)の墓参を実施しているところであるが、平成10年度は9地域について実施することとしている。
エ モンゴル抑留中死亡者の遺骨収集については、モンゴル国内にある16埋葬地のうち、既に政府の許可を得ていた13埋葬地を実施してきたところであるが、平成10年度においては、新たにモンゴル政府の了解を得た整備済3埋葬地について実施することとしている。

(2)戦没者遺骨収集等事業

ア  平成10年度の戦没者遺骨収集は、これまでの間に寄せられた残存遺骨情報に基づき、2地域において実施するほか、「遺骨収集応急派遣事業」を実施することとしている。
イ  慰霊巡拝については、主要戦域となった陸上及び遺骨収集の望めない海上戦没者を対象として、平成10年度においてはフィリピン等6地域について実施することとしている。
ウ  財団法人日本遺族会への委託・補助により実施している「戦没者遺児による慰霊友好親善事業」については、8地域において実施することとしている。


3 中国残留邦人等に対する援護施策について


ア  中国残留邦人等の援護対策は、中国残留邦人の高齢化が進んでいることを踏まえ、帰国希望者の受入の促進に努め、関係省庁と連携し、都道府県はじめ地方公共団体の協力を得て、日本社会における早期の自立及び生活の安定を目指し、引き続き積極的に取り組むこととしている。
 各都道府県におかれても、地域社会の受入れ及び公共住宅の確保等について引き続き協力をお願いしたい。

イ  また、中国残留孤児の肉親調査については、本年度45名の孤児について実施したところであるが、平成10年度においても訪日調査を継続することとしている。

ウ  なお、中国残留邦人の帰国制度を悪用して、偽の呼び寄せ家族が日本へ入国する事件が報道されているが、厚生省では、中国残留邦人に対して、犯罪に巻き込まれることのないよう注意喚起の文書を配布している。各都道府県においても、自立指導員及び身元引受人等を通じ指導の徹底をお願いしたい。


4 北朝鮮在住日本人配偶者の故郷訪問について


ア  北朝鮮在住日本人配偶者の第1回の故郷訪問は、去る11月8日(土)から14日(金)の期間に15名が来日し、関係都道府県の御尽力により、その目的を果たし無事終了することができた。ここに、関係都道府県に対しては改めて感謝申し上げる。

イ  厚生省は、北朝鮮在住の日本人配偶者の故郷訪問に関して、訪問予定候補者の戸籍の確認や親族等の所在確認、面会の意向確認等を関係地方自治体を通じて行うこととなっている。
 今後とも、外務省から故郷訪問予定候補者名簿の連絡があり次第、関係都道府県に対し調査依頼等を行うので、関係都道府県においては、関係市町村との連携協力方について引き続きよろしくお願いしたい。

ウ  また、日本人配偶者の出身地等訪問等の際には、関係都道府県及び関係市町村においては、引き続き必要に応じて1)地元到着時の最寄り駅、空港等での出迎え2)親族等訪問、墓参等における同行案内3)報道機関への対応等について特段の御協力をお願いしたい。

エ  さらに、出身地等訪問日程(案)は、第1回故郷訪問の際には、関係都道府県が市町村等の協力を得て作成することとしていたが、第2回目からは日本赤十字社の関係都道府県支部が作成することとなったところであるので、改めて御了知願いたい。
 なお、この場合においても、関係都道府県及び市町村においては、日本赤十字社支部への協力をよろしくお願いする。
 また、関係都道府県は、日本人配偶者の出身地等訪問を円滑に行うため、当該都道府県の故郷訪問担当課、広報担当課、警察、市町村、日本赤十字社支部等の担当者による連絡会議を随時開催し、相互に情報交換を行うよう配慮願いたい。

オ  第2回目の故郷訪問については、現在、外務省と北朝鮮側とで協議中であり、協議終了後速やかに関係都道府県には連絡することとしている。

カ  平成10年度に関しては、第2回日朝赤十字連絡会議(12月11日、12日)の結果を踏まえ、10年度予算案においては訪問団規模20人程度で計6回行うための経費を計上しているところである。


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